特殊清掃コラム
【特殊清掃料金相場】清掃内容とリアルな支払金額
特殊清掃の料金は一般的な清掃よりも高額であり、特殊清掃後の遺品整理や家財の撤去を含めるとさらに費用がかかります。また、料金を調べるよりもまず業者選びが重要であるとことも述べさせて頂いています。特殊清掃の技量を判断するためのポイントも紹介していますので、孤独死や事故などで特殊清掃の必要が生じた場合の家族や関係者、物件オーナー様におすすめの記事です。
特殊清掃を含め孤独死の後始末で何が一番のご不安かと言えばやはり料金のことで、ご遺族や物件オーナーにとってはこれから先どれだけの費用がかかるのかが関心事と思います。
特殊清掃の部分だけで考えるとそんなに大きな金額ではないと再三お伝えしてますが、やはり普通の清掃に比べると何倍も高額ですし、特殊清掃のみならずその周囲の遺品整理や家財の撤去まで含めるとそれなりの金額になってきます。各社ホームページをみても本当のところいくらやねん!という状態だと思いますので、今回の記事は孤独死の後始末の中の特殊清掃部分の費用を実例も交えながらお伝えしていきます。
そして特殊清掃や原状回復の料金や費用相場もお伝えしますが、孤独死の特殊清掃に関しては料金を調べるようりもまず特殊清掃業者選びのほうが重要となる理由も併せてお知らせします。
家財撤去もリフォームもすべてひっくるめて特殊清掃と表現することがあるので特殊清掃は高額というイメージがありますが、特殊清掃部分だけで見た場合の費用は8万円~55万円のゾーンで収まります。
間取りで特殊清掃料金を表してるサイトもありますが、基本的に間取りはあまり関係ありませんが臭いの広がり具合やハエ跡の付着範囲の関係で若干変わることはありますが、ご遺体痕の中心となる範囲は限定的ですので概ね上記の範囲と考えて良いでしょう。
稀に木造アパートなどでご遺体痕が階下に流れたり左右に流れて無関係の部屋を汚すことがありますが、その際は55万円以上の費用がかかることもあり、以前経験した江戸川区葛西のアパートでは階下と隣の部屋まで汚れが広がったため特殊清掃部分で120万円に及んだ事例はありますが極めて稀ですので平均額の算定に含んでいません。
孤独死の後始末費用の詳細を公開
・防臭処理(特殊清掃二次処理)の費用
まず上記の本来の特殊清掃と呼ぶ作業部分についてのお知らせをします、そして特殊清掃の周辺作業の料金をご案内します、具体的には下記の内容の作業です。
・遺品整理(家財処分)
・原状回復工事(リフォーム)
なお遺品整理(家財撤去)費用やリフォーム費用については個別の記事をご用意していますので是非参考にしてください。
遺品整理の料金と家財整理業者の選び方
孤独死が起きた部屋のリフォームについて解説
孤独死の特殊清掃や家財処分費用の見積り
少なくともその時点で原状回復までトータルの金額は出せません、出せたとしても大まかな概算です。概算を知るならここから先この記事を読んでいただければだいたい見当は付きます。最も基本的なことを申しますと特殊清掃に限っては料金であちこち比べる性質ではありません、その行為はいわば急病人が出てる状態で治療費や手術費の見積もりを複数の病院から取るようなものです。
つまり特殊清掃の場合は料金がどうこうではなく、その根幹の特殊清掃業者選びをしっかり行わなければいけないということです。
特殊清掃業者選びとかかる費用を解説
孤独死の原状回復は料金より業者選びが大事
特殊清掃も家財の整理も費用がそれなりにかかるものですので、まず料金関係を知りたいのは当然のことですが、その大前提としてまともな特殊清掃なり遺品整理業者を選ばないといけません。
この記事は孤独死の特殊清掃や原状回復に至るまでの料金や費用相場についてお伝えするものですが、少しだけ特殊清掃業者選びについても触れておきます。
特殊清掃業者の技量がわかる魔法のワード
だからこそ相見積などで複数業者を呼んで見極めたいと考えると思いますが、急いでる中でそこまで時間を掛けるのは効率が悪いと思いますので、短時間で特殊清掃業者の技量を見極める方法をお知らせします。
1.現状知ってる限りの情報を伝えた時に、きちんと順を追って何をすべきか教えてくれるか。
2.特殊清掃後部屋はどうなっているのか?どんな完成形になるのか。
この2点を訪ねた時にきちんと答えれるのかどうかです、この時点で「見ないとわからない」という言葉が出たら選定から外しましょう。あるいはまったく的外れの答え、例えば家財整理のことなどを言い出す特殊清掃業者も外しましょう。数件電話すればこんなにも違うものなのかと驚かれると思いますが、この方法ならたいして時間も取りませんのでやってみてください。
もしお客様が東京近辺であれば、このような無駄な動きは必要なくこのまままごのてにご相談いただければと思います、これから先何をどうすべきかを的確にお答えいたします。
私たちから出した金額はおよそ45万円と特別高額なわけでもなく至極妥当と思っており、半額以下はにわかに信じがたい料金提示でしたが、このようなことは日常茶飯事なので気に留めることなく過ぎ去っていきました。
3ヶ月ほど経ったある日のこと、物件所有者を名乗る男性から電話があり他社が特殊清掃を依頼し引渡されたがどうも臭いが残ってると相談を受けたのです、今一番多い他社の特殊清掃やり直し相談でした。
話を進めていくと3ヶ月前に不動産会社から打診があったアパートであることが判明しオーナーに聞いたところ、不動産屋紹介で2社見積もりを見せられ倍以上の違いに驚いたがあまり費用を掛けたくなかったので安いほうに決めたらこの有様ということでした。
安い料金を提示する特殊清掃業者がすべて悪いとは言いませんが、時間もかかりなおかつデリケートな作業が求められるものが安値でできるわけがないのです。結局このオーナーさんは当初の業者に20万円、やり直し特殊清掃で更に40万円を払うことになり安物買いの銭失いを地で行く結果となってしまいました。
初期の消臭と清掃(特殊清掃一次処理)費用
特殊清掃一次処理はあくまでも応急的に行うものであって完全なものではありません、私たちの元へ特殊清掃相談があった場合はまずこの初期の消臭と清掃を行うことを推奨していますが、状況により省ける場合もあります、例えば一軒家で周囲に家も何もなく近隣に迷惑を掛ける可能性が極めて少ない、そして尚且つご遺族も入室しないという場合ですが実際は極めて稀だと思いますのでまずはこの特殊清掃一次処理を行いましょう。
まずまごのてからあまり遠くない近隣エリアであること、部屋の状況が悪化していないこと、具体的にはハエなどの虫の発生が少ない、臭い濃度が低いもしくは無臭、汚れの範囲が限定的といった場合です。
例えば簡易ベッド上で体液が止まっており下漏れもない、ウジハエの発生もないと言った場合で、どちらかと言えば倫理的な意味合いが強い作業と考えます。
やはりご遺体痕は故人そのものですので、けっしてぞんざいに扱ってはならず然るべき処理が済むまでは他職を入れるなどの行為は止めたほうがいいと考えます。
実例としては、宇都宮市で行った特殊清掃一次処理は13万円、湯河原や小田原で12万円、館山市、常陸太田市などで11万円という実績があります。(2022年当時)
次に死後日数が異常に長く部屋の状況がひじょうに悪い場合です、死後1年を超えたような場合は当然部屋の状況が悪くなってる場合が多くこれらも10万円を上回ることがあります。実例として孤独死死後2年で浴槽内というものがありましたが、ご遺体がほとんどそのままという状況でした。完全に溶けてますので警察も大きな骨の部分しか回収せず、溶けた部分はそのままで、大腿骨などの大きな骨もそのままで驚いたことがありました。
その他には自殺や他殺も金額が上がる可能性があります、孤独死と違ってご遺体発見までの日数は少ないのですが出血量が多かったり汚れが広範囲な場合は高額になる傾向にあります。自殺や殺人の場合は特殊清掃一次処理というより全く違う作業工程で行うものとなりますので、費用感も変わってくると考えてください。
特殊清掃一次処理の見積りについて
特殊清掃一次処理の目的は大急ぎで臭いを止め、近隣に安心感を与えることやご遺族や関係者が入室しやすい環境作りにありますが、この特殊清掃一次処理の見積もりに来いという人が稀にいます。そもそも平均7~8万でMAX10万円程度とお伝えしており、たった数万円の値幅を埋めるために動くのはお互い時間の無駄と感じますので行う必要すらないと考えています。もし保険適用等で正確な決定額が必要ということであればとりあえずのMAX値である10万円を記載しておけば良く、後に続く作業でいかようにもできる部分ですので、この場面ではスピードを優先するのが一番望ましいと考えます。
特殊清掃一次処理後の作業提案や見積りについては一次処理後にお知らせしていますのでご安心ください。
特殊清掃一次処理前には他職を入れないでください!
特に下記の行為は現場が荒れてしまい特殊清掃作業や料金に反映されてしまいます。
1.家賃保証会社などの残置物撤去
2.リフォームや遺品整理業者の見積もり
3.貴重品チェック等でご遺族が立ち入ること
下の写真のようにご遺体痕がある部屋だけではなく、無関係の部屋に汚れが拡散されます、最悪の場合は共用廊下やエレベーター、エントランスまで汚されていたことがあります。特に家賃保証会社は契約の関係で早期に家財を撤去したがりますが、必ず特殊清掃一次処理後に行うようお願いいたします。
部屋の完全消臭は特殊清掃最大の山場!
臭いが取れなければ部屋が部屋として機能しませんし、特殊清掃業者にお金を払った意味もありません。孤独死臭を取り除くのは特殊清掃業者として当然のことなのですが、実はこの完全脱臭ができる特殊清掃業者は極めて少ないと言われています、ですから孤独死が起き特殊清掃業者を手配した時には必ず、どこまでできるのか?最終的に部屋はどうなるか?を聞くようにしてください。孤独死が起きた部屋は完全に消臭したところが完成形です、という答えがない限りその特殊清掃業者に依頼することは避けましょう。
特殊清掃二次処理(完全脱臭)の目的
部屋のにおいの発生要素は下記の3つです。
1.ご遺体痕の汚れ(腐敗体液や脂)
2.部屋に浮遊しているにおい(残留臭)
3.建具に染みついたにおい
4.間接的に汚れたもの
これらの臭い発生源を完全に除去することが大事で、ご遺体痕は1滴でも残せば永遠ににおいの発生源となりますし、建材などに染み付いた目に見えないにおい成分もしっかり叩き出さないとずっと臭い続けてしまうのです。
ただしこの部分は要中の要の部分でいわば特殊清掃業者の生命線ともいえる技術情報ですので具体的な手法や使用薬剤を書くことはできませんが、ご遺体痕を除去する前の見極めが重要な工程であることは言うまでもなく、この技術は簡単に習得できるものでもなく経験を積んだ者とその者から正しく継承された者しか知り得ません、少なくとも通信教育で得た知識では当然なんとかできるものではありません。
完全防臭(特殊清掃二次処理)の費用詳細
費用の目安としては15万円~70万円と幅広いですが、多い価格帯は30万~50万円あたりです。
実例:アパートの孤独死防臭処理
この物件は亡くなっていた場所が壁際であったことと、死後日数も長かったことからご遺体痕の流れ方がひじょうに広範囲でした、フローリングを通り抜け下板も突き抜け下地のコンクリートや壁の石膏ボードまで吸い上げていたものです。ご遺体痕を洗浄したり、場合によっては建材ごと取り除いたり、コーティングを行ったりしながら汚れを取り除き、その他の脱臭作業を行っていきます。
時間もひじょうにかかり着手から20日を要しました、費用は40万円と別途現場管理費や諸経費合わせ45万円でした。
実例:お風呂場防臭処理
浴室内の場合は室内へ汚れが広がることはありませんが、排水管が絡むため排水管の高圧洗浄が必要になることもあります、またにおい成分自体は室内に流れ込んだりハエが発生したりしますので室内の処理は不要とならないことが多いです。
このお風呂の孤独死現場も防臭処理に10日ほどかかり費用は25万円でした。
先ほどの作業は20日、上記は10日と書いてますが毎日作業に入るわけではなく臭気がどんどん下がり完了とする数値になるまでの日数です、だいたいひとつの現場で2~5回チェックなどを行います。当然特殊清掃での必須アイテムであるオゾン発生器を稼働させていますが、オゾンはそのまま稼働させたところで充分な効果を得られないため、湿度調整をしたりオゾンと反応しやすい薬剤を噴霧したりしながら脱臭していきます、これらの工程が必要なため日数がかかります、そしてそれと比例し費用も高額になっていくと考えて間違いありません。
また、この脱臭作業には現場管理費などの名目で別途費用が発生しますが、これは複数回現場に赴く費用と考えていただればわかりやすいと思います。
孤独死部屋の特殊清掃料金のトータル金額
この金額を高額だと思うか意外と安いと思うかは人それぞれの感覚だと思います、もしこの防臭処理を飛ばしてにおいがや汚れが残ってたらどうでしょうか?まず部屋として機能しません、部屋として機能しないということは賃貸住宅であれば貸せないとか、極端に家賃が下がるなど物件価値そのものが棄損します。
もし新たな入居者が入った後に臭い戻りがあったらどうなるでしょうか?場合によっては別の部屋を用意したり引越費用を求められたり損害賠償請求されることも考えられます、ですので特殊清掃は必要ないという判断はリスクしかないとお考え下さい。
現在の賃貸運営の利回りから考えても安く抑えるに越したことはないと考えるのも致し方ないとは思います。月間賃料6万円で利回り8%とした場合72万円×8%=5万7千円の手残りしかありません、もし特殊清掃や家財撤去、リフォームまですべて大家さん負担となると軽く100万円を超え、それこそ利回りがどうのというレベルではなくなってしまうのです。
ですから特殊清掃は省きたい、もしくはやるなら費用を抑えることが出来る業者となるのですが、再三お知らせしてるように汚れと臭いが完全に消え部屋としての役目を取り戻さなければまったく意味がありません。
現在特殊清掃業界では消臭技術も知識もないのに特殊清掃業者でございと集客してる輩がかなりの数紛れ込んでいます、それら自称特殊清掃業者は完全消臭ができるとは言わずに安くできると声高に言いますが、実は安くもありませんし技術もないので思い通りの仕上がりには絶対になりません。
事実2019年頃より他社施工の特殊清掃手直し依頼がまごのてでも急増しています、もし臭いが取れず他社に二次依頼となればそれこそムダ金となってしまいます。特殊清掃は高額なものですが料金のみで特殊清掃業者を比較するのではなく技量で比較するのが孤独死の原状回復成功の秘訣です。
保険会社の設定している家財処分費とは
孤独死などが起きた際に保険会社から特殊清掃費や家財処分費が支払われることがあります。これは大家さん側が掛ける保険と借主側で掛ける場合とがありますが、借主が掛ける保険(借家人賠償保険)でも特殊清掃費や家財処分費が出る保険内容のものが多くなってきました。
保険金額も様々ですが、全国宅地建物取引業協会連合会(ハトマーク)の借家人保険は特殊清掃費と家財処分費合わせて50万円と100万円まで支払われる保険が用意されています。以前は50万円まででしたが現在は100万円まで支払われる保険に加入させてることが多いです。このことからもわかるように昨今家財撤去費は単身でも30万円~50万円もあり得ることの現れです。
2022年に孤独死の特殊清掃や家財処分費用が保険からまごのてへ支払われたものの平均金額は家財処分費24万円、特殊清掃費43万円でした。合計で60万円前後となってます。このことからもわかるように特殊清掃費で30万円~50万円前後、家財処分費で15万円~30万円前後という記載通り保険会社の認識も概ねこの金額ということになります。
完全ににおいが消える東京の特殊清掃業者まごのて
もしにおいが消えなければ当然費用はいただきません、これはプロとして当然のことで目標とする着地点に到達してこそ完了という基本的な考えに基づいていますので、孤独死があった部屋の消臭や原状回復でお困りのお客様はお気軽にご相談ください。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。
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孤独死が起きてお困りの方は私にお気軽にご相談ください。