特殊清掃コラム

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2024.03.22

特殊清掃費用はなぜ高額?費用の内訳と決まり方を解説

特殊清掃費はなぜ高額なのか?この素朴な疑問にお答えいたします。清掃業の種類はいろいろありますが特殊清掃は別格に高額な部類だと思います。

確かにご遺族すら入室できない部屋を清掃したり消臭するのだから当然かも知れませんが、それでもなぜ高額になるのかの計算方式や根拠を示す必要があると思いますので記事にしました。
 
特殊清掃の料金内訳
特殊清掃費用が不透明と言われる原因
特殊清掃費が不透明や異常に高額と言われることが多く、私たちの元へも多く特殊清掃料金関係の相談をいただきます。

どうして特殊清掃料金は不透明か言われる理由を解説します。その前にまず孤独死などが起きた部屋を元通りに復元する作業のことを『原状回復』と呼びます。原状というのは直近の部屋の形ではなく一番最初の元という意味です。

原状回復とは、家財の撤去(遺品整理)特殊清掃、リフォームなどすべての作業を含みます、よくある間違いで多いのはそれらすべてをひっくるめて特殊清掃と呼ぶ業者が多いのです。

例えば悪徳特殊清掃業者がよくやる手口として、特殊清掃費部分を激安に設定してその他の項目を異常に高額にして特殊清掃費を安く見せる手口もありますが、結論から言えば原状回復全体の費用から見た場合特殊清掃費用が占める割合は30%から40%程度です。
 

『特殊清掃』部分の料金は原状回復過程のほんの一部

特殊清掃業者を探す、依頼する、気になるのはやはり費用のことです。周りに特殊清掃業者を利用した人も少ないから情報も少ないですし、インターネット上の情報も「~」の表記ばかりだし、どの金額を超えると高くていくら以下なら安いのか、まったく雲を掴むようなところからのスタートではと思います。

この記事では気になる特殊清掃の費用についてどこよりもわかりやすく解説しますが、その前に再度認識しておいていただきたいのですが、特殊清掃とは孤独死などが起き部屋を元通りにする一連の作業を原状回復と呼びますが、特殊清掃はその一部分であるということを正しくご理解ください。

原状回復にかかるすべての作業を特殊清掃と言ったり、特殊清掃費用のすべてだと言うから特殊清掃料金は不透明だ、高額だという方向になってしまいます。

この記事では特殊清掃の費用構成をわかりやすくハウスクリーニングと比較し、どうして同じ清掃でも料金に差があるのかと、孤独死の原状回復では特殊清掃費はわずかであること、特殊清掃を省いたり無理に費用を抑えようとすることのリスクをお知らせいたします。

孤独死が起きたら・・・すぐに駆け付け初期の消臭をいたします
 
特殊清掃の料金相場と決まり方
特殊清掃料金が不透明と言われる理由

どんなサービスでもだいたいの料金というのが知られています、たとえば弁護士に法律相談をする場合は1時間1万円~2万円、水道工事業者を呼んだ場合たとえ1時間の作業でも1万~1.5万、タクシーを観光で半日貸切ったら2万円など基準となるものがあるのですが、特殊清掃関連にはその概念がないから不透明と言われる所以ではないかと考えます。

特殊清掃業者のホームページを見ても3万円~など「~」表記が多く、実際の本当の料金はなかなか公開されていません。どんな費用でも根拠を示すと公言しているまごのての場合でも「~」表記が多いです。一応ベースとなる計算式はあるのですが確定値としてお伝えできない部分があるのが特殊清掃なのです。

ですから「~」表記が多いけれどもできるだけ最低額と最高額を示し、なおかつ平均値も示すようにしているのです。
 

まごのての特殊清掃料金は明瞭です!

管理物件や書通物件で孤独死が起きた経験のある大家さんや不動産会社担当者さんがよく口にされるのが『特殊清掃料金の決まり方がよくわからない』というものがあります。確かに時間制で計算するでもなく、家財撤去のように何らかの「分量」があるわけでもないのでいったいどんな計算式なのかがわからないから不安になるのだと思います。

あくまでも参考ですが、まごのての場合の特殊清掃料金をお知らせします。

1.特殊清掃一次処理(初期消臭と清掃)3万円~10万円※平均値は8万円前後です。
2.完全防臭処理(特殊清掃二次処理) ゼロ円~70万円※1K程度の広さで孤独死死後2~4週間の平均値は35万円
3.臭気チェックなど付帯作業 1.5万円~2万円※東京23区で1時間以内の臭気チェックで1.5万円

特殊清掃関係で実作業が伴った場合は最低3万円で、その他付帯する業務でも1万円強の費用がかかることがお分かりいただけると思います。特殊清掃一次処理の場合は完全な消臭を行うわけではなくあくまでも応急処置ですから費用感は概ね上記平均値で収まり大きな変動はありませんが、完全消臭はやはりご遺体痕の流れ具合や臭い強度で大きく変わってきてしまいます。

孤独死があった部屋の状況は100部屋あれば100通り状況が違うので確定値を出すのはひじょうに難しく、たとえ事前に見積もりを行う場合でもある程度幅が出るのが実際のところです。

特殊清掃料金の決まり方(まごのての場合)

まごのての場合は基準としてるのは投入人員と時間を加味して決めています。特殊清掃一次処理であれば3万円を基本としてどの程度の時間を要するかを割出して決めていますが計算式は概ね下記の通りです。

3万円+出発から帰社までの所要時間×8千円+廃棄処分費等

(例)墨田区で孤独死の特殊清掃一次処理
現場作業時間3時間、移動1時間、汚れた布団等引取り 合計:72,000円

必ずしもこの計算式のみで決まってるわけではありませんがおおよそのイメージはつくのではないでしょうか?完全脱臭の場合もトータルどれだけの人数が入りトータル時間がどれだけかかるのかによって決まります。

(例)トータル32時間の消臭や清掃作業をし、汚れた建材や廃材が出た場合。
5万円+25.7万円+5万円 合計:357,000円 

このように経験則から時間や投入人員を計算し提示することができるのは数々の孤独死現場をこなしてきたまごのてだからこそと言えるでしょう。

時間単価にした場合1万円近くに及ぶのですがどうしてそれほどの金額になるのかをお伝えいたします。

特殊清掃の原価、ハウスクリーニングとの比較

上記でハウスクリーニングとの価格差や作業時間の違いをお伝えしましたが次は原価について考えてみます。

ハウスクリーニングも特殊清掃もどちらも労働集約産業ですから人が動かなければ始まりません、ですので原価の大多数は人件費となりますが、人件費部分はハウスクリーニングも特殊清掃も大きな差にはならないようなイメージですがTwitterなどで空室清掃の応援要請の単価を見てると2万円~2.5万円前後/日(東京周辺)が多いのを見ると特殊清掃の人件費のほうが少し高めです。もし特殊清掃員を他社応援で派遣してほしいと要請されたとしたら、まごのての場合1日あたり最低5万円+移動費という料金提示を行います。
 

特殊清掃費の半分は人件費と労務管理費

特殊清掃作業員はハウスクリーニングほど容易に集まりません、求人広告を出したからと言って何名も応募があるわけでもありませんし、応募があったとしてもそこから採用し、3ヵ月以上定着する人は30%前後です。

さらに技術を覚えるまでの期間も相当かかります、特殊清掃は四季によって手法や考え方そのものが違うので最低1年特殊清掃業務に従事しないとひと通りの経験ができません。したがって一人前になるまでに1年半から2年近く要することになり、採用原価や教育費まで加味すると一般清掃の10倍はかかります。

特殊清掃員を大切に一人前に育て、多くの人に喜ばれるサービス提供を行うには必要不可欠な施策で、そのあたりが大きく特殊清掃料金に転嫁されている側面はありますが、東京近辺の特殊清掃業者でも確かな消臭や清掃技術が継承されてる業者は極めて少ないのが現状です、すなわち技術のある特殊清掃作業員も極めて少ないということですから当然孤独死が起きた部屋の消臭に自信がある特殊清掃業者は人にお金をかけ大事に育てているということをご理解ください。

今後はこの人件費や労務管理費の増大が見込まれるため、特殊清掃作業費はもっと値上りします。また1日あたりの稼働時間も大きく制限されるため完了までの期間が延び総費用も増大していくものと考えます。

特殊清掃で使用する機材や薬剤は高額

次に薬剤や機材ですがハウスクリーニングで使う業務用洗剤も特殊清掃では一部使いますがなによりも私たちは除菌や消臭のための薬剤や機材を多用します、この消臭のための薬剤や機材が意外と高額です。

使用薬剤については各社さまざまですので一概に言えませんが、まごのての場合は夏の特殊清掃繁忙期に使用する薬剤の仕入れ費用はハウスクリーニング薬剤の10倍はかかります、また脱臭のために不可欠な肝となるオゾン発生器は1台100万円を超え軽自動車ぐらいの価格ですし周辺のにおいセンサーなども1機30万円となにを取ってもとにかく高額です。もちろん100万円を超える機材であっても1物件あたりの機材損耗費はわずかかもしれませんが、耐用年数やメンテナンス費用を加味すると、ひとつの特殊清掃現場あたり数万円は特殊清掃料金に転嫁されるという仕組みになっています。

つまり特殊清掃は人件費はもちろん使用薬剤や機材も高額ですし所要時間も掛かるとなれば当然料金(売価)に反映されるということになり、原価もハウスクリーニングと比較した場合10倍程度の差があります。ですので厳密な計算を行った場合今以上高額な設定でもいいのですが、市場バランスなどを加味し現在の料金設定となっています。

孤独死の特殊清掃とハウスクリーニングと比較

清掃という大きなカテゴリで考えた場合比較されるのが一般のハウスクリーニングです、不慣れな大家さんや管理会社が孤独死が起きた時にまず普段お付き合いのあるハウスクリーニング業者に相談したという例が一定数あることから近いと考えるのかもしれませんが、特殊清掃と一般のハウスクリーニングではよく似たイメージかもしれませんがまったく別物と考えたほうが良いでしょう。

どれぐらい料金差があるのか?清掃に要する時間はどの程度違うのかを比べてみたいと思います。

特殊清掃の金額はハウスクリーニングの25倍!

一般のハウスクリーニングとの価格の違いを見てみます、ダスキンのハウスクリーニング料金をホームページで見るとトイレで1万円、お風呂で2万円程度となっていますが、例えばトイレでの孤独死の特殊清掃ですと5万円~25万円、同じくお風呂だと5万円~30万円程度かかります。

つまり普通のハウスクリーニングと比較した場合2倍から25倍の価格差があるということです、ですからハウスクリーニングより若干高い程度だろうと考えてる人にとっては驚きの高価格となってしまいます。次の章ではいったい何がそんなに高額な費用になってしまうのかをお伝えします。

ハウスクリーニングの160倍の時間がかかる

特殊清掃の目的は汚れがなくなり完全ににおいが消えることです。
孤独死やその他のことで部屋が相当汚れにおいがある状態から何事もなかったようなレベルまでもっていくのが特殊清掃業者の役割です。

では先ほどのトイレの特殊清掃を例に見ていきましょう。普通のハウスクリーニングの場合、清掃完了までにかかる所要時間は1時間から、どんなにかかっても90分程度です、特殊清掃の場合ですと3時間~7日という時間がかかります。

トイレで亡くなったが発見まで数時間で汚れもにおいも限定的と言った場合でも1~3時間程度、死後相当経過し腐乱していた場合は完全完了まで7日程度かかることも珍しくありません。

先ほど価格差は25倍程度あるとお伝えしましたが所要時間は25倍程度ではなく160倍程度かかる場合もあるということです、もっともそれだけの長時間ずっと付き切りというわけではありませんが最終目的である完全消臭にたどり着くにはそれなりの時間が必要でそのような部分も当然料金に反映されています。

これでも特殊清掃は高額だと思いますか?

わかりやすく一般のハウスクリーニングと特殊清掃の原価や時間の掛け方の差をお伝えしましたが、これはあくまでも料金決定の要素にすぎませんがこれでも高額だと思いますか?

原価から考えた場合本来であればもっと高額な値付けになってもいいのですが、そこは市場価格のバランスなどを考慮して最終的な料金決定を行います。ですので人も機材も大切に扱い長く丁寧に使用することで適正な料金を維持しながらなおかつ高品質な清掃や消臭を行うことが私たちに求められています。

今回の記事は特殊清掃業者を探してるお客様や実際に私たちに発注いただいたお客様から、どうしてこんなに特殊清掃費は高額なんだ!根拠を示せ、足元を見てるのではないか、と言った声も少なからずあることから、わかりやすく比較をしやすいハウスクリーニングと比べた例を示しました。

費用の高い安いは人それぞれ感覚による部分もありますが、私たちはこのように常に根拠のある料金決定プロセスを明示し、すべての面でメリットを体感していただけるよう日々業務を行っています。

特殊清掃に安さを求めるか完全さを求めるか

よくある原状回復の失敗例として安さを求めるあまり目標とするゴールにたどり着けないということがあります、そもそもの着地点が各社バラバラという根本的な問題もあるのですが、上記のような価格を聞いて極力安い業者、できるだけ安く上げれる方法を模索した結果、においが取れないなど原状回復の失敗という結末になってしまいます。

もしも孤独死などが起きた場合、特殊清掃に安さを求める行動はけっして良い結果を生まない可能性が高く、同じ求めるなら完全さ完璧さを求めるほうが良い結果を生むと考えます。

一番最悪は高くて仕上がりが悪いやらずボッタクリですがそれは他のコラムでお知らせします。

特殊清掃業者選びをする際に着地点はどこか?どこまでやってくれてもし達成できなければどうするのか?これを聞いてキチンと答えられるかどうかで判断すれば大丈夫です。

簡単に箇条書きにしてみます。

特殊清掃費を50万円と提示したA.においは多少残るかもしれません。
特殊清掃費を30万円と提示したB.消臭剤を撒くだけです。
特殊清掃費を70万円と提示したC.完全ににおいと汚れを取り除き、孤独死をなかったことにします。


表面上の価格だけは安いAやBを選んだらどうなるでしょうか?目的に沿えますか?
もし各特殊清掃業者の目指すところがすべてCと同じであればAやBに依頼すれば良いでしょう、ですがなかなかそんなことはなく上記のようにハウスクリーニングに比べて160倍の時間がかかる作業です、冷静に考えれば適正な費用は理解できるのではと思います。

特殊清掃を省いたりケチったりするリスクは大きい

孤独死が起きた部屋を回復させる、そのための求める完成形は100%みなさん同じはずなのにケチろうとしたりひどいケースになると完全に省こうとしたりします。

何度も書いてますが孤独死が起き原状回復を行っていく中で特殊清掃と呼ばれる部分の費用は10万円~70万円程度です、確かにワンルームの部屋だったら家賃ベースで1年分に近いかそれ以上の金額かもしれませんが、特殊清掃を省いた場合のリスクはもっと大きいということを知っておいてください。

特殊清掃費を省いたりケチったりしたために起こった悲劇を3つお知らせします。

1.技術のない特殊清掃業者に任せたため臭い戻りで手直し依頼

このパターンは特殊清掃業者を入れ、完全な状態を目指したにも関わらず業者の不手際で起こってしまう例です、最初の特殊清掃業者選定を間違ったために起きた悲劇でこの場合は別の特殊清掃業者へ再依頼する費用も掛かりますし、賃貸募集が遅れ収益を上げれないという経済的損失と精神的負担が大きい事例です。

積極的に特殊清掃を省こうとしたものではないのですが、どこかで特殊清掃費用を安く上げたいとか、お金を掛けない方法を模索した結果、特殊清掃業者選びを誤ったというケースが多いです。もっとも昨今の特殊清掃業界は「安い=低品質」という図式よりも「高いし低品質」な自称特殊業者も多いのでお気をつけください。

2.特殊清掃を省いてリフォームし新入居者が住んだ後に発覚

このパターンも近年増加しています、体感的ににおいを感じないからや死後日数が数日だから大丈夫と素人判断をしてリフォームだけしたり大家さん自らが特殊清掃の真似事をして起こしてしまう悲劇です。
見た目だけきれいにしてもご遺体痕がどこかに1滴でもあれば必ずにおいは出ますし、人間には感じなくてもハエには察知できるので年中ハエが寄ってくるなどの現象が起きてしまいます。
アパートで新入居者が入った後にこの現象があったら新たに別の部屋を用意しないといけませんし、それらの経費も当然大家さん負担ですし下手すると損害賠償もあり得ます。

3.孤独死部屋を放置し近隣が退去してしまった

古いアパートなどでは孤独死などが起きた場合に原状回復工事をせず貸し止めとしてしまう例があります、その判断自体は悪くないのですが特殊清掃を行わず未処理のまま放置は絶対にやめたほうがいいです。

私たちが経験したアパートでも特殊清掃を入れなかったために同アパートの住人4名が一斉に退去したということがありました。
こうなってしまうと賃貸運営として成り立たないですし、何より入居者のことを考えない大家という目で見られ今後の客付けなどにも大きく影響することもありけっして良いものではありません。

このように特殊清掃を省いたりケチったりするリスクはかなり大きく、場合によっては賃貸経営そのものが破綻するリスクがあることは覚えておいて損はありません。

完全な技術を持つ特殊清掃業者

株式会社まごのては東京都内はもちろん神奈川、千葉、茨城、埼玉、(山梨、群馬、栃木の一部地域)で特殊清掃を行う会社です。まごのての特殊清掃における着地点は完全に汚れがなくなり臭いがなくなり部屋として機能することです、賃貸であればすぐに貸し出せる、一般住居であればその日から住めるという形を目標とする方針です。

もしにおいが取れなければ完全返金保証を付けるという自信がなければできないサービス展開を行っています、孤独死など突発的な予期せぬ事態が起こっても慌てずまずはまごのてにご相談ください。
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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