特殊清掃コラム

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2024.04.09

【孤独死部屋の特殊清掃と消臭】提出書類から読み解く業者の技量

特殊清掃業者を選ぶ際のポイントをお伝えするための記事です。特殊清掃を依頼しようとするご遺族や物件を所有する大家さんや不動産屋の担当者さんに役に立つ記事となっています。

みなさん特殊清掃業者を探す際に必ず「見積書」を求めると思いますが、この記事では見積書を始めとした特殊清掃会社から出される書類関係を読み解くことで特殊清掃業者の技量を推し量ることができますよ、という内容です。

大事なことですので冒頭に回答を書いておきますが、特殊清掃業者を選ぶ際は見積書に記載されている料金は初期段階に於いてはそんなに重要視しなくていいです。それよりもっと大事な書類が出されているか?その書類には何が書かれているかが重要で如実に特殊清掃業の技量と知識が現れるものです。見積書より重要な書類とは何なのか?を解説していきます。
 

特殊清掃業者の技量の見極め方
特殊清掃に限っては料金より清掃と消臭技術

清掃やお片付け関係だけではなく世間一般では業者同士で何らかの商品やサービスを相見積をさせることが多くあると思います。相見積の目的は「価格調査」が大半で結果的に安値を提示した業者に発注されるという仕組みで、従来から官公庁や一般企業でも採用されてる方式ですし、誰でもごく普通に行う方法ではありますが、特殊清掃に限っては相見積はオススメしません。

その理由は関連記事がいくつかありますので興味がある方は特殊清掃やゴミ屋敷片付けのコラムにありますのでご一読ください。

端的に言えば特殊清掃の完成形が業者ごとに違うという点です。つまり信じがたいことですが各業者ごと特殊清掃の方法や考え方や目指す完成形すら特殊清掃業者ごと違うのです。極端に言いますと特殊清掃業者と掲げておきながら家財撤去しかできない業者や、ご遺体痕を追跡せず表面だけ拭うだけの業者、たいした機材や薬剤を持っていない自称特殊清掃業者もかなりあり東京近辺ではまともな特殊清掃業者を探す方が難しいと言われており、臭いが消えない汚れを取らない自称特殊清掃業者はすべてお客様のニーズを満たさない存在であることを認識してください。

特殊清掃業者ごと持つ技術力や目指す完成形が違うのですから「相見積もり」など成立するはずがなく、もし相見積で特殊清掃業者選びをするなら、レベルを揃えてからでないと意味がないということになり、見積書に書いてる金額は初期段階ではどうでもいいと言う所以です。

孤独死の特殊清掃見積もりで業者が伝えるべきこと

家を建てる時、車を買うとき、忘年会の宴会のプラン、様々なシーンで「見積もり」を取り寄せます。どの程度の費用がかかるのか?予算組するにあたってどの程度の金額を見込めば良いかの参考にするために見積もりを取ると思います。

特殊清掃も同じで、孤独死など初めて遭遇する出来事ですからある程度費用感は掴んでおきたいと考えるのは当然だと思います。もし本当に費用感のあたりを付けたいだけであれば、まごのての記事内にも記載がある特殊清掃で50万円前後を見込んでおけばよく技術のない特殊清掃業者を数社呼んでも時間の無駄です。この記事でお伝えしたいのは見積書に記載される表面上の金額だけでは何の参考にもならず、見積書を含めある書類の有無で判断しましょうというものです。

見積書から読み解く特殊清掃業者のスキル

では特殊清掃業者から見積書が上がってきました、まずどの部分を見ますか?おそらく90%の人が合計金額だけ見ます。A社20万B社25万C社40万と数字が出てきたとして、もし費用面だけが特殊清掃業者を選ぶポイントならAで決めるでしょうし、平均が好きな人ならBを選ぶというのが趨勢ではと思います。

実はこの初期の時点では提示されている料金は、あまり気にしないでください。30万だろうが50万だろうが書いてる金額は正直何でも良く、それよりも見積書記載内容が細かく示されているかが大事です。見積書の中に「特殊清掃一式」と曖昧な表示しかされていないのであれば、表示金額がいくら安くてもその特殊清掃業者は業者選びから外すべきです。その理由を今からお知らせいたします。

特殊清掃作業内容を言語化と見える化されてるか

いくら自宅死が増えてると言っても孤独死などに遭遇すること自体が超レアケースです。ご遺族はもちろん不動産会社ですらその先の特殊清掃に関してはまったく未知の世界なのです。特殊清掃とは何をしどうなっていくのか想像もできない初めて接する人に対して「特殊清掃一式」で理解が得られると思いますか?

多くの孤独死の起きた部屋の状況を特殊清掃の依頼者であるご遺族や不動産関係者は見ていないです。少し覗く程度はあるかも知れませんが、まったく部屋の状況をしらないまま相談しているのです。ですから特殊清掃を必要な人には下記のように示す必要があるのです。

<状況説明>
1.ご遺体痕はどこにあるのか。
2.臭いやウジやハエの発生状況。
3.腐敗体液はどのように広がっているのか。
4.現状そんな影響を周囲に与えているか。


<特殊清掃の作業提案>
上記の状況を受けて何をする必要があるのか?そしてその手順とどの程度の日数がかかって結果的にどうなるのか?

まず現況と必要な作業が言語化されている必要があり、更に作業内容に付随してどんな薬品や機械を使用するのかまで細かく示さないといけません。何度も言いますが特殊清掃を必要とするお客様はまったくの素人で何をどうしていくのかわからないのですから「見える」ようにしなければ特殊清掃作業そのものがブラックボックス化してしまい、お客様にとっては不安しかありません。

特殊清掃の「見える化」の具体例

特殊清掃を依頼するお客様の不安の第一位は「においが消えるのか」です。結果的に臭いさえ消えれば途中経過はどうしてようが構わないと考える人もいるかもしれませんが、どんな作業をすることで臭いが消えていくのかは知らせるべきだと考えます。

特殊清掃作業の一番のポイントはにおいです。この目に見えないにおいですら見える化する必要があると考えています、まごのての場合ですと臭いセンサーを使用し数値化するようにしています。たとえば今の現状は600の数値です、特殊清掃を進め、この段階では400になり完成時は100になります。というように数字を用いて示すようにしています。

特殊清掃で使用する薬剤などもできるだけ開示するべきです、技術情報を漏らさない程度にこのような薬剤を使用します、ただ人体には悪い影響を与えますとか人体には影響がありません等の安全データシートまで出せれば完璧です。一般個人のご遺族だと逆に複雑になり混乱を起こす原因にもなりかねないのであまり専門的でなくてもいいかも知れませんが、常に特殊清掃の依頼者が知りたいであろうことを適切にする必要はあると考えます。

特殊清掃業者数社で相見積もりしたいなら

ゴミ屋敷の片付けサイトでもお知らせしていることですが、特殊清掃業者を数社で相見積もりしたいのであれば最低限業者レベルを揃えてからでないと無意味な行為になりかねません。少なくとも上記で示した作業提案書や作業工程表が言語化され見える化されたものが出ることが必須条件です。

本来必要な書類を出せないようなカス業者を何社呼んでもお客様が思い描く部屋には絶対ならないということは認識しておいてください。皆様が考えるほど特殊清掃業界のモラルや技術は高いものではありません、正しく真摯に技術追求をしている業者は東京近辺でもほんの数社です。

※なおこの記事内で「特殊清掃」と言ってるのは文字通り特殊清掃部分だけであってご遺品整理や家財の撤去のことではありませんのでご注意ください。

特殊清掃のご依頼から読み解く業者選びの失敗事例

まごのてでは特殊清掃全体のご依頼のうち約2割が他社で特殊清掃をしたけど臭いが消えていないなどによる、仕上がり不完全のやり直し依頼です。ご遺族や大家さんからの依頼もあれば不動産関係からの依頼もあります、臭いが残ってるのに完了としてしまう特殊清掃業者が一番悪いのですが、特殊清掃業者選びを失敗したという側面も大いにあると考えます。

この章では特殊清掃業者を選ぶにあたってどんな判断ミスがあったのかを実例から2つご紹介します。

価格競争を強要した上に他社に依頼したため起きた悲劇

某大手の建物管理会社からのご依頼で東京都練馬区のアパートの孤独死が起きた部屋の見積書がほしいということで、めったに行わない現地調査をしました。まごのての場合は見積もりより先に特殊清掃一次処理を推奨しているので特殊清掃部分だけで見積もりをすることは稀です。

この管理会社は付き合いも長いのでいつもなら特殊清掃一次処理をやるのですが、この現場に限っては保険等の関係で先に見積書が必要ということで応じたのです。部屋の状況はあまり良くなくすぐにでも何らかの対応が必要でしたので、大急ぎで見積書と現況報告書と作業提案書を提出しました。

本来であれば1日も待てば発注依頼書が来るのですが一向に連絡がありません、1週間ほど経過した頃に担当者より連絡があり現在の見積額からおよそ30%値引けば今回の特殊清掃を発注すると今までにない申入れがありました。当然そんな多額な要求は受けることができないとこの件は手を引いたのです。

大家さんから特殊清掃再依頼の現場とは?

所有物件のアパートを特殊清掃をしてほしいという依頼がありました。不動産会社に任せていたがどうも不完全なような気がするという相談でした。すぐに部屋を拝見するのでアパートの住所を聞いたところなんと2ヵ月近く前に大手管理会社が大幅値引きを要求したので手を引いた物件でした。

部屋を見ると残置物は撤去されてはいたが、特殊清掃は行った形跡がほとんどありません。床の腐敗脂はそのままですし、ご遺体痕があった床にはペンキが塗られており、下地までチェックした形跡は皆無です。

大家さんにどんな内容の特殊清掃をしたのか報告を受けたか尋ねたところ、報告書などはなく終わったという連絡を受けただけということでした。においについてもまだ終わったばかりなので多少残ってるけどリフォームで床を上貼りして換気をしていればやがて消えていくと説明されたと言います。

これは明らかに特殊清掃業者の選定ミスですが、それより気に入らないのはどういう経緯でこのような雑な仕事をする特殊清掃業者を選んだのか追求する必要があります、このようなケースを放置していては困るのは一方的に大家さんなのです。大手管理会社の普段あまり関わることのない上席にアポを取りこれまでの経緯を話したのでした。
 

激安提示をした特殊清掃業者に発注したワケ

今現在は大家さんより直接特殊清掃のやり直し依頼を請けているが当初は御社を経由してまごのてが手掛けるはずの物件であったことを手短に話し、作業を行う上で必要なので施工した特殊清掃業者から出ている書類一式を見せてほしいとお願いをしました、特に完了報告書と見積もり段階の作業提案もしくは作業計画書の閲覧を求めたのです。

ところが求める書類は一切ないという返答が返ってきました、見せることが出来ないではなく元からないというのです。この返答には上席も驚き、そこから追求が始まったのですが、結論から言えば熱心に営業を掛けてきた特殊清掃業者の見積書が私たちより大幅に安かったからという理由です。

実は今回の担当者は私たちも初めて接する人で、違う部署から異動してきたということでした。つまり協力会社を叩いて安く施工させ「僕すごいでしょ」という自己顕示がしたかっただけという気がします。大家さんの費用負担をできるだけ軽くするというのも管理会社の仕事ですから方向性は間違っていないと思いますが、少なくともこの特殊清掃については大家さんに迷惑をかけてるばかりか、嘘の情報を流してますし結果的に大家さんの負担を増やすことになってしまいました。

見積額が安いからと安易に鵜呑みをし、一番肝心の何をするのか提示しない特殊清掃業者を選んだのは管理会社の怠慢としか言いようがない事案でした。

物件の引渡しを拒まれたご遺族

大家さんや管理会社はいわば事業者ですから、金額のノリはある程度知っており異常に安かったり逆に法外に高いと感覚的におかしいと感じることがありますが、一般個人の場合は金額的なことはまったくわかりません。しかも身内の孤独死という稀なケースに直面し不安でパニック状態になっています。

そんな心理状態の中で特殊清掃業者を選ぶのは実は至難の業なのです、ほぼ思考停止で依頼してしまうことも少なくありません。東京都足立区の部屋で孤独死があり特殊清掃相談をしてきたご遺族ですが、まず特殊清掃一次処理をして遺品整理をしやすい環境を作りましょうと提案し、その部分は素直に受け入れてくださいすぐに特殊清掃一次処理を施工しその日のうちにご遺品整理と特殊清掃二次処理(完全消臭作業)のご提案を行い見積もりを提示いたしました。

ところがご遺品整理と特殊清掃二次処理を葬儀会社手配の特殊清掃業者にやらせてほしいと頼まれてしまい、断り切れずに依頼したのです。ですが終わってみればこちらも上記と同じく特殊清掃に不備があり不動産会社に物件の引渡しを拒まれてしまったのです。

この時点で再びまごのてに相談があり部屋を見たところ、まごのてで特殊清掃一次処理を行った以上のことをしたようには見えません、いったい何をしたのか聞いてもらったところ、家財を撤去し空室になったところで消臭剤を撒きオゾン燻蒸をしただけということでした。

そして何より驚いたのはたったこれだけの作業にも関わらずまごのての提示金額のおよそ1.6倍!です。このお客様の場合もちょっとしたカラクリがあり、特殊清掃費とされる部分だけ見ればまごのて提示の約半分の金額なのです、でもトータルは1.6倍というもので、安さに釣られたわけでもなく葬儀社からただ押込まれてしまっただけのようでした。

作業内容の確認と完成形をしっかり確認

技術のない特殊清掃業者を選んでしまうと時間とお金が単純に2倍かかってしまいます。上記二例はまごのての提示価格より安かった例を書きましたが、逆に高額な場合もあるのです。冒頭で提示されてる特殊清掃料金はいくらでも関係ないとお知らせしたのはこのいような理由からです。

どんな作業をするのかをしっかり言語化され、お客様自身もその内容を理解したものでないといけないのです。そして完成形がどんなものになるのかをキチンと確認しなければいけません。この完成形がどんなものなのかを特殊清掃業者とお客様の間で齟齬なく共有できていれば基本的には問題は起きないと考えるのです。

完成形を齟齬なく共有できるか否かは見積書記載金額ではなく作業提案書や作業計画書であることを重ねてお伝えしておきます。

確実に汚れとにおいを消す特殊清掃業者まごのて

株式会社まごのては東京都内はもちろん神奈川、千葉、茨城、埼玉、(山梨、群馬、栃木の一部地域)で特殊清掃を行う会社です。私たちは孤独死が起きた部屋の汚れやにおいの性質を知り、それらに対する清掃や消臭技術をきちんと持った数少ない特殊清掃業者ですので安心してお任せください。

株式会社まごのての特殊清掃は汚れとにおいを完全に消すことをゴールと設定しています、他社でにおいが消えなかったお客様や絶対に確実ににおいを消したいと考えてるお客様は迷わずまごのてにご相談ください。

東京近辺で孤独死の特殊清掃業者を選ぶなら

今すぐににおいを消したい、1分でも早く悪い状況を解消したいとお考えなら、まずは実績豊富なまごのてへご相談ください。初期消臭の特殊清掃一次処理だけであれば7~10万円程度です(極め経度であれば3万円~)正直長考するような金額ではありません。

孤独死や自殺があり今すぐ何らかの対応が必要であればまずはお電話ください、結果的に解決まで一番早く確実なものになることをお約束します。

確実な孤独死消臭をするまごのて
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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