特殊清掃コラム

特殊清掃とは
2024.02.15

特殊清掃士や事件現場清掃士の『資格』の闇を大暴露します

特殊清掃士や事件現場清掃士の『資格』
この記事では特殊清掃や遺品整理業界を取り巻く資格についての考察とこれらの民間資格の闇を暴露したいと思います。冒頭から過激な言い回しになっていますが大切なことですので冒頭に書いておきますが。

遺品整理も特殊清掃も事業者はもちろん清掃員が保有しなければいけない資格や免許は一切存在しません。これらの資格を保有していない遺品整理業者はヤバイ業者と書いてる記事もありますが我々から見れば、役に立たない民間資格を堂々と掲げてる業者こそヤバイ業者と考えています。
 
事件現場特殊清掃士
特殊清掃業をするのに本当に必要な資格?
特殊清掃業を行うにあたり免許や資格は必要か、と聞かれることもあります、2016年~2018年あたりには特殊清掃のお問合せ時に「特殊清掃の免許を持ってますか」などとよく聞かれました。一時期はあまり中身を良く知らないマスコミが広く知らしめたことで一般の人が特殊清掃や遺品整理の業者には必要な資格と錯覚してしまったからではと思います。

これから特殊清掃業で働こうとしている人や特殊清掃業で独立したいと考えてる人でこの認定資格を取得したほうが有利と考えてる人も多いと思いますが、特殊清掃業歴15年以上の私が断言します!

時間とお金の無駄ですからそんな資格は不要です、本当に特殊清掃業界に入りたいのであれば1日でも早く実践で修業し確かな技術を身につけ、正直な特殊清掃人としての人間力を高める方が1000倍有意義です。

とは言うものの少しぐらいは役に立つし知識も身に付くから転職や開業にも有利なんじゃないのと考える方もいると思いますが、本当に役に立ちませんし実践ではまったく役に立つ知識は得ることができませんのでご注意ください。
 

事件現場特殊清掃や遺品整理関係資格の合格率

遺品整理士や特殊清掃士資格の「合格率」というキーワードで検索をしている人が多いのでお答えします。この認定資格には試験は存在しません。試験がないのですから合格率も何もなく、送られてきたDVDを見てレポートを返送したら終わりで合格とか落ちるという概念がそもそもないものです。

「落ちる」人もいるという記事や合格率は70%とする記事もあるのですが、特殊清掃士講座を受講したけどレポートを返送してない人には「資格」が発行されないので、その数は「落ちた人」とカウントされます。100人申込んで95人がレポートを出せば合格率95%となるのです。この現象は本物の資格試験でもあって、宅建士試験や行政書士試験でも受験申込数に対して試験当日の受験する人は概ね85%程度ですからその分「合格率」は下がるということになります。

試験がないのですから合格率という数字すらありません、しょせん何の役にも立たない認定資格ですからあまり深く考える必要もありませんし、数百時間数千時間以上勉強しないと取れない本物の国家資格とはまったく別物ですからもし受けたい、取りたいと思うのなら気楽に構えていいと思います。

民間資格産業花盛り!役に立つ資格は僅か

民間資格は何も特殊清掃関係だけではなくあらゆる業界にあります、特殊清掃だけでなく掃除や片付け分野にもあり、インテリアプランナーやお掃除検定、よく聞く収納整理アドバイザーなども民間の認定資格です。

他に面白いところでは全国道の駅検定、犬訓練士、バーベキュー検定など要するになんでもどんなことでも民間資格は発行できるということです、少し紛らわしいのは赤十字救急法救急員や健康管理士一般指導員など一瞬国家資格かと思わせるような物もあります。

ただ中には民間資格から国家資格のような位置づけになった資格もあり、マンション管理士や賃貸不動産経営管理士などはその代表例で一概にすべてがまやかしともいえない部分もあり、要は実務でキチンと役立つものなのかどうかが重要ということです。特にコロナ渦以降資格ブームがあり、あらゆる民間資格の受講生が増えたらしく、国家資格も同じで宅建士や行政書士試験は受験申し込み数が増加しています。

特殊清掃関連の民間資格の優位性は?

特殊清掃や遺品整理界隈の民間資格は実際どれほど役に立つのかですが、まごのてに求人応募してきた方の中にもこれら特殊清掃士などの民間資格取得を資格欄に書いて面接に来る人がいます、それなりに多くて通算すると全数の30%ぐらいに記載があったと思います。

結論から言いますと今現在特殊清掃士や遺品整理士を取得した者たちは1名もいません、最短3時間最高で1か月弱で退社しました、特殊清掃の免許を取ったので開業しますと言った知り合いも2名いますが1年経たずして辞めています。

もちろん医師や看護師でも入職してすぐ退職する人もいると聞きますのであくまでも個人の資質の問題ではありますが、少なくとも特殊清掃業でこのような民間資格を保有してる者を求めることはありませんし優遇することもありませんので、優位かそうでないかと言えばどちらでもなくむしろマイナスに働く場合すらあると言わざるを得ません。

今から特殊清掃関係の認定資格を取ろうと考えてる人は少しよく考えたほうがいいと思います、10万円程度で経験が買えると思えるのであれば一考の余地ありですが、転職や独立開業に役立てようと思うならまったく不要と言い切れます。

動画:特殊清掃や遺品整理に免許は必要か?取るための難易度は?
 
本気で特殊清掃をやりたいのなら
特殊清掃技術を本気で身に付けたいなら
本当に特殊清掃の技術や知識を身に付けるなら、得体の知れない通信教育ではなく実践的に特殊清掃を日々行ってる会社で勤めながら技術を学ぶのが一番確かな方法です。特殊清掃業者によって様々かもしれませんが下積みから始めて3年も経過すればそれなりの実力になるはずです。

ただし特殊清掃業者ならどこでもいいわけではなく、清掃や消臭の実力がある業者でないと意味がありません。最悪なのは特殊清掃技術を教えられるのではなく、いかに口を上手く使ってお客を騙すかを覚えてしまうことです。お客様が特殊清掃業者を探すのが難しいのと同様に本気で技術を身に付けたいであるとか、特殊清掃業者で働きたいと考える人も意外と特殊清掃業者選びは難しいことはご留意ください。

まごのてには異業種から転身し完全素人で入社した人、高校を出てすぐに新卒で就職した人などみんな特殊清掃未経験からの入社でしたが、早いと半年で単独で特殊清掃現場に出れるようになります、もちろんかなりの努力が必要ですが実践しながら仕事をマスターするので確実に技術が身に付いていきます。

どうして早く技術が身に付くのかと言えば、特殊清掃や消臭の技術が確立しているからです、15年間研究を重ねた技術に間違いがないから新人さんでも技術習得が早いのです。
 

認定資格は特殊清掃業を貶める悪の権化

センシティブなタイトルを付けましたが私は本当に事件現場特殊清掃士や遺品整理士資格はお客様を騙すツールに過ぎないと思ってます。
この民間資格のおかげで特殊清掃をメニューに掲げる業者が増えました、特殊清掃専業というより何かの業務との兼業が多く近いところではリフォームや普通の清掃会社、不用品回収屋や便利屋までもが特殊清掃と掲げ集客しています。※各サイトやコラムで変な認定資格と記載があるのはすべてこれのことです。

特殊清掃関連だけでなく業者が増えることは良いことです。お客様の選択肢も増えますし何より競争により全体の技術などの底上げが期待できるからですが残念ながら特殊清掃業界だけはそうなりませんでした。

低品質な適当な作業をする特殊清掃業者が増え競争は価格だけという状態になり、結果損するのは一方的にお客様だけという状態です、具体的には部屋のにおいが取れていないというのが一番多いのですが他にも認識の違いなのかお客様の目指す完成形に至らない、あるいは高額請求や不法投棄、作業を完遂させないなどモラルそのものが疑われるようなことも起こっています。

すべてがこの特殊清掃士や遺品整理の認定資格のせいだとは言いませんが、大量に世に出せば当然こんな弊害も生まれます、今や古くから特殊清掃を行ってる私たち専業組は大量発生したにわか特殊清掃業者と同じようにみられることも多くひじょうに迷惑を被っています。

なぜ低品質な特殊清掃や遺品整理業者が増えたのかですが、そもそもこの講座では特殊清掃や遺品整理のことは一切教えていません、簡単な除菌や清掃の知識は講義DVDで話してはいますが実地指導も当然ありませんし具体的な手法を講義することもありません、どうして知ってるのかと言いますと以前私たちも犬の名前で特殊清掃士講座を申し込みひと通りテキストやDVDを見たのですべてわかっており、この程度で特殊清掃士だの専門家だのと言われたらたまったものではないというのが感想です。

特殊清掃技術はDVDでは取得できない

特殊清掃だけではなく技術系の仕事はYouTubeを見て覚えるものではありませんし、ましてやお金を出してまでDVDを見て技術を取得できるほど甘いものではありません。この手の話をすると老害だの考えが古いと言われるのですが、やはり技術系の仕事は体験して覚えるしかないのです。

特殊清掃は現場ひとつひとつ全く違う様相を見せています、臨機応変な対応を求められる現場に「入室したらまずお線香を上げましょう」というレベルのどうでもいいことを習って一人前気取りではお客様に迷惑が掛かってしまいます。昨今の風潮として「形」にこだわるのが主流で本質を理解していないことが多いように感じています。特にこの民間資格組の特殊清掃業者に顕著で、ホームページには賞状のようなものを掲げ優良事業所だなんだとカッコだけ付けてるが技術はまったく未熟という特殊清掃業者ばかりです。

お客を騙すテクニックを身に付けるのではなく本当に努力して技術を身に付けお客様に尽くしてほしいと願わずにいられません。

特殊清掃手直し二次依頼の大元は?

孤独死が起きた部屋を特殊清掃業者に依頼したが臭いが取れていないまま完了とされたという話はたくさんあり、まごのてでも特殊清掃依頼の20%弱はこの二次依頼です。2021年~2022年の特殊清掃二次依頼で前に施工した業者名が判明したのが約半数ですが驚くことにほぼ100%がこの民間資格組特殊清掃業者でした。

現在東京近辺の特殊清掃や遺品整理をやると掲げてる業者の8割はこの民間資格組で完全独立独歩の特殊清掃業者は極めて少なく私が把握してるのは数社しかありません。

どちらが良いとか悪いではなくそもそも何故特殊清掃業界で仕事をしてるのかという根本的な問題のような気がします。

これでいいのか!?特殊清掃業界

特殊清掃関連だけではなく民間資格は資格発行や講座そのものがビジネスなのです、資格講座を申込めば受講費がかかりますし資格発行となれば発行手数料がかかりその数が多ければ多いほど元締めは儲かる仕組みです。それでもその講座が社会の役に立つ、特殊清掃や遺品整理であればその業界のスキルアップになりお客様のニーズに応えられるのならそれは意義のあることですが残念ながら逆に特殊清掃業を貶めてる結果となっています。この章では特殊清掃の民間資格を出してる団体の真の目的を暴露したいと思います。
 

特殊清掃資格受講生は金のなる木!

この特殊清掃系資格の流れはまず受講申し込みをし講義DVDとペラペラのテキストが送られてきます、この時点で10万円程度かかります、その後レポートを提出して合格となれば(100%合格する)特殊清掃士や遺品整理士の『免許』が与えられるのです。ちなみに名前はなんでも良くてまごのてで潜入受講した際には「犬」の名前を使ったものでした、つまり犬でも取れる程度の物と考えていいと思います。

さらに5万円程度のお金を払えば地域統括やエリアマネージャーといった称号が与えられます、よく特殊清掃や遺品整理業者ホームページで『協会認定優良事業所』と賞状のようなのを掲げているあれです、けっして技術やお客様に対して優良ではなく有料会員という意味です。

そしてその先にこの団体の真骨頂ともいうべきお金を吸い上げるスキームが出来上がっているのです、晴れて免許が発行された自称特殊清掃業者はこの団体から仕事を回してもらいます、ホームページで見かけたことはないでしょうか?一括見積や集客を主として優良な会員業者を派遣しますという遺品整理一括見積もりサイトです。

仕事を回された特殊清掃業者は収受した金額から2割程度の手数料を払います、未確認情報ですが薬剤や資材もその団体から買うようになっているのです。つまりこのような団体(表向き社団法人となっている)は特殊清掃講座で儲け、免許発行と優良認定で金を取りさらに送客し手数料を巻き上げるシステムが完全に出来上がっているのです、しかも団体の主宰者は特殊清掃や遺品整理のプロではなくまったくのド素人、事実特殊清掃界隈だけでなく様々な団体を立ち上げています。

まさに素人が素人を嵌め込むスキームが出来上がってると言えるでしょう、これは私の主観ではなく従前より特殊清掃や遺品整理に携わってる者は一様に感じてることでありSNS等を通じて警鐘を鳴らしてます。

特殊清掃業界で本当に必要な資格とは

特殊清掃業で必要な資格はこのようなまやかしの優良事業所認定ではありません、いわゆる事業所として受ける許認可でもなく平たく言えば人としての魅力に尽きます。ひじょうに抽象的な表現にならざるを得ないのですが、特殊清掃であれば完全に部屋を元通りにする技術は当然必要ですがそう考える気構えと熱意はもっと必要です、遺品整理でも不用品回収程度に考えていればホームページでいくらきれいなことを書いていても必ず適当なことをし、たちまち馬脚を現す結果となります。

本来特殊清掃業に参入しようとしてる人は基本的に心根が優しく人のためになりたいと願ってる人が多いのです、そう願って団体の講義に申込む人も多いと聞きます、入り口はまったく間違っていませんしその気持ちを持ち続けてほしいのですが、いかんせん上記のようなシステムに嵌め込まれ疲弊しお金に追い回されてやがて業界から撤退するという流れです。

 
特殊清掃で必要な資質
特殊清掃で必要な資格まとめ
  • 継続的な向上心。
  • 仕事に興味を持ち研究し高める底力。
  • 他人を思いやれる気持ち。
これこそが特殊清掃に携わる者が必要とする資格です。形だけの認定資格など一切不要!というのが日々特殊清掃や遺品整理現場を目の当たりにしている私の考えです。

そして昨今あらゆる業界で議論を呼ぶ下積み不要論ですが、早く仕事を覚えてもらったほうが効率良いですし、本人にも会社にも良いことなのですが、絶対に下積みは必要です。特殊清掃はじめ技術系の仕事には下積みを経験するかどうかで先の人生が大きく変わります。

何事も基礎を固めなければいけません、特殊清掃とて例外はなく一足飛びに技術や知識の取得はできないということを是非心得ていてほしいと思います。
 

特殊清掃や遺品整理業者の選び方

ここまで読んでいただいた人にはもうお分かりだと思いますが特殊清掃や遺品整理業者選びで外れを引かない方法は一番簡単なのは上記の通り変な認定資格の優良事業所と書いてる業者を外す、集客サイトを利用しない。
昨今はこの2点だけでも外れ業者回避が可能です、その他には事業所住所や代表者名を調べる、SNSでの発信を見るなどですが実際はそこまで見る人は少ないです。

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現況を知りうる範囲でお伝えください、その上で今何をすべきか、今後はどう進めるべきかを順を追って的確にお知らせいたします。まごのては東京近辺では間違いなく問題解決が素早く特殊清掃業者です。
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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