事故物件買取コラム
孤独死の部屋|特殊清掃から原状回復までの流れ・費用・期間

孤独死発覚直後は、何から手を付けるべきか、何をしればいいのか迷いやすく大半の方が手探りで始める状況です。
本記事は、発見直後~原状回復までの流れを4ステップで整理し、それぞれの目的・やること・期間・費用レンジを示します。最短で安全に、そして近隣配慮を徹底しながら部屋を回復するためにお役立てください。
▶孤独死の特殊清掃依頼と手順、特殊清掃料金をご紹介
1.孤独死発覚から特殊清掃依頼まで
管理会社の担当者から告げられたのはすぐに特殊清掃業者を手配したほうが良いと言われ、何もわからないままネット検索してまごのてにたどり着き相談と進んでいったのでした。
きわめて初期の段階で行うべきこと(ご遺族や管理会社)
1. 状況把握(この件だと特殊清掃業者を手配しなければいけないレベル)
2. 指示の有無(入室許可や窓口をどこにするか)
3. 特殊清掃業者の選定や連絡
今回の場合はご遺族である妹さんが私たちまごのてへ依頼し、特殊清掃一次処理を行う提案をしすぐに実施、その後の進め方やどこまでやるかなどの範囲はまごのてと管理会社で行いご遺族へフィードバックする方法で進めることとしました。
▶孤独死や自殺の特殊清掃事例集(写真付き)
孤独死発生時は正しい初動が大事です
孤独死が起き発見まで日数が経過してしてしまった部屋はとてもじゃないですが普通に入ることはできません。まずにおいが強烈で何かに例えることができない脳が絶対に受け付けない臭いが部屋に充満しており、床面にはご遺体痕が流れて広がっています、さらに生きたウジ虫が何百何千と這い回り空間には大量のハエが音を立てて飛び回っています。
文字で見るだけでもイメージがつくと思いますが、その状況の部屋に何の処理もしないまま入室したらどうなるでしょうか?その状況で靴を脱いで上がる人はいませんので間違いなくご遺体痕や這ってるウジ虫を踏んでしまいます。踏んでしまったら当然靴底に付着した汚れを無関係の場所に拡散させます。
それがどんな状況になるか容易に想像できると思いますが他の部屋の関係のない場所まで汚す、共用廊下やエレベーターも汚す、汚れを拡散させることは臭いも拡散させるということになります。
そのような状況になるのを防ぐために特殊清掃一次処理をして汚れや臭いの拡散防止をし、ご遺族や関係者の入室を可能にしてから次の工程に進むことを推奨しているのです。
今回ご依頼いただいたご遺族は近隣への臭い漏れが気になっていたことと、この先どうやって遺品整理や賃貸マンションの引渡しをすればいいのか悩んでおられましたのでこの一次処理後にはすべて解消されますとお伝えしたら大変喜んでいました。
以降は、遺品整理/家財撤去 → 二次処理(完全消臭) → リフォームの順に進めるのが基本線です。

2.ご遺品整理と家財の撤去
ご遺品整理や家財撤去の費用について
・家財の量により変わるが単身者で通常の家財量であれば20万円前後です。
よく見かける1Kならいくら、3LDKならいくらという決まり方はせず量や内容で変わるので間取りや部屋数では決まりません。例えばゴミ屋敷化していれば1Kでもたちまち50万円越えはありますし逆に3LDKでも超ミニマムに暮らしていれば10万円前後ということもあります。
一応の目安としては借家人賠償保険の補償額の主流は特殊清掃50万円、遺品整理50万円ですので概ね50万円までが相場と考えていと思います。ただしいわゆる単純な家財撤去より緻密な作業が求められるご遺品整理は作業費の部分が若干高めであることにご留意ください。
▶まごのてのご遺品整理料金の決まり方
3.特殊清掃二次処理(完全消臭)作業レポート
ご遺体から流れ出た腐敗体液は部屋一面に広がり床下に浸透したり時には壁面に吸い上げ広がります。またウジ虫やハエが汚れを部屋全体に拡散させますのでそれらはすべて臭いの元となるためすべて取り除かなかければならず、それが特殊清掃二次処理です。
この作業はいわば特殊清掃の要中の要で特殊清掃業者の腕前が如実にわかる作業で、この作業を適当にやると臭いが消えませんので部屋が部屋としての機能を果たせません。つまり賃貸物件として運営できなくなるということですから責任が重大な作業工程です。
▶孤独死の起きた部屋の臭いとは?消臭方法はどうすればいい?
孤独死の完全消臭
腐敗体液は広範囲にほ広がり部屋を汚す
おそらく多くの方は腐敗体液が広がるという意味がわからないから発覚直後に不用意に入室したり家財撤去を先行させるのではと思います。
人の体の70%は水分であると聞いたことがあると思いますが例えば体重60Kgの人の水分量は42Kg=42ℓです(水と比重が違うため若干アバウト)家庭用の掃除などに使うバケツは約5リットルですからもしバケツの水8~9杯を部屋に撒いたらどうなるでしょうか?
6畳程度の部屋ならほぼ全域が水浸しになり、一部は下の階に漏れるかも知れませんし、壁の下部も水を吸ってしまうかもしれません。
つまり孤独死の現場は40ℓ以上の腐敗体液が部屋一面に流れてると考えればわかりやすく、流れた腐敗体液を洗浄したり、警察官が踏んで広げたご遺体痕を探して綺麗にしていくのが特殊清掃二次処理の役目なのです。
4.原状回復の大詰め!仕上げのリフォーム
居室床のフローリングはありませんし、廊下もフローニングが半分ありませんし壁紙も無くなってますのでそれらを元に戻さないと当然部屋としては機能しません。そこでそれらを戻すためのリフォームが必要になるのですが、ここで大家さんと費用負担の紛争が起きることがあります。
特殊清掃の過程で床を取ったり、壁紙を剥がしてるのだから当然遺族や連帯保証人が最後までやるのが当たり前と大家さん側は考えるので紛争になってしまうのです。では孤独死が起きた部屋の原状回復ではリフォームまでの費用を求めるのが適法なのかどうかを解説していきます。

特殊清掃後のリフォーム費用は誰が支払う?
国土交通省原状回復ガイドラインから引用
賃貸借における原状回復とは、賃借人が入居時の状態に戻すということではありません。
判例・学説の多数は、賃借人の原状回復義務を、賃借人が賃借物を契約により定められた使用方法に従い、かつ、社会通念上通常の使用方法により使用していた状態であれば、使用開始時の状態よりも悪くなっていたとしてもそのまま賃貸人に返還すればよいとしています。
したがって、賃借人の故意や不注意、通常でない使用方法等により賃借物に汚損・破損などの損害を生じさせた場合は、その損害を賠償することになりますが、汚損や損耗が経年変化による自然的なものや通常使用によるものだけであれば、特約が有効である場合を除き、賃借人がそのような費用を負担することにはなりません。
ポイントは『故意過失ではなく社会通念上通常に使用していれば』そのまま返還しても良いという一文です。
大家さんからすれば孤独死(室内死亡)は社会通念上の通常使用ではないとの考えにいたりますので紛争になるのです。結論から言えば裁判所の見解は孤独死は故意でも過失でも無く通常使用を逸脱した行為ではないとの見解です。
普通に考えれば室内で突然死することなど本人ですら予期できないのだから過失は当然ないということになるのです。
したがって特殊清掃で汚れと臭いさせ取れば物件を返還しても問題ないのですが、特殊清掃過程で本来リフォームしたとしても解体する必要のない床の下板や壁ボードを外したのであればその部分は元に戻せと言われても異論のないところです。
では従来の床板や石膏ボードを洗って戻すことは現実的に不可能なので新調するという流れになるのです。
では新たな壁紙や床のフローリングや畳はご遺族が100%負担しなければいけないのかといえばそうでもなく、民法上室内の内装は家賃に組み込まれて償却されるという原則論があります。
つまり新たな内装は新入居者のための物だから前入居者が費用負担をするものではないとなるのですが、特殊清掃をする事態にならなければ内装新調することもないという部分もありますので現実的には20~30%をご遺族側が負担するという決着が多いです。
特殊清掃後のリフォーム
リフォーム費用負担額は30%で決着し実施
築年数も古く設備関係も劣化があったので同時にそれらも同時に補修することになったのでご遺族側と物件オーナー側両方向へご請求となりました。リフォーム内容と費用負担は下記の表通りでした。
| 壁紙と床フロアタイル | ご遺族30%負担 |
|---|---|
| トイレや脱衣場床CF | 物件オーナー100%負担 |
| ドア枠塗装 | 居室分のみご遺族負担 |
| 間仕切りドア新調 | ご遺族100% ※ご遺体痕汚れがあったため廃棄 |
| 水回りパッキン類交換 | 物件オーナー100%負担 |
告知ありでも家賃を下げないリフォームをします
しかも孤独死が起きた部屋は三年間告知が必要ですが、告知事項ありだとしても家賃を下げることなく入居申し込みが入るような部屋にします。
今までもまったく家賃を下げないどころか逆に少しupできるような思い切った提案をし成功した事例もたくさんありますので是非ご相談ください。
▶家賃を下げないリフォームをご提案事故物件のリフォーム事例
ご遺族と物件オーナー双方にメリットあるご提案をします
まごのては特殊清掃の専門会社であり、あわせて宅地建物取引業の免許を保有。社内には宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士の有資格者が在籍しています。孤独死に伴う原状回復では、費用負担の整理や引渡し条件などで認識のズレが紛争の火種になりがちです。
私たちは、工程ごとの目的・範囲・負担区分を明記した提案書/見積書を作成し、合意形成を支援。**「誰が」「どこまで」「いくらで」**を最初に書面化することで、ご遺族のスムーズな引渡しと、オーナー様の早期再稼働(賃貸回復)の双方を実現します。必要に応じて地域特性や入居者層に合わせた内装設計もご提案し、賃料の維持をめざします。
本記事のケースは葛飾区ですが、まごのては東京都内はもちろん、神奈川・千葉・埼玉・茨城まで対応可能です。まずは状況だけお伝えください。最短当日で一次処理の段取りと、次工程の見積もりまでご案内します。

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
1011701018023 インボイス適格事業者登録番号: T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1)109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死が起きてお困りの方は私にお気軽にご相談ください。



























