事故物件買取コラム

事故物件対策
2025.02.27

DIYで孤独死部屋の特殊清掃と原状回復に挑戦した大家さん

DIYで孤独死部屋の特殊清掃と原状回復に挑戦した大家さん
アパートやマンションを賃貸に出してる大家さんのイメージは資産家のお金持ちで悠々自適と考えてる人が多いと思います。以前は私もそう思っていましたが特殊清掃の仕事をしてるとけっしてそうではないことがわかります。

昨今の物件オーナーは不動産投資ブームに踊らされて長期のローンを組んで実質利回り3%~5%で物件運営をしていて、他に仕事をしているといういわゆるサラリーマン大家さんが多いようです。年利3%とは3万円稼ぐのに100万円突っ込むということですから例えば7万円家賃の部屋を1年貸せば家賃収入84万円に対し収益が約2.5万円で仮に5%だとしても4万円ちょっとの収益しかあがらないことになります。

そんな雀の涙程度の収益だとひとたび孤独死などが起き、もしその賃借人や連帯保証人やご遺族に資力がなければたちまち干上がるということになってしまいます。実際私たちが経験してる範囲だけでも直近2年で7軒も後処理費用が捻出できず手を付けることができない塩漬けマンションがあります。

そんな中、出来るだけお金を掛けず自力DIYで特殊清掃や原状回復に果敢に立ち向かった大家さんのお話をしてみたいと思いますが、この記事は自力でやって成功した人もいますので頑張って取り組んでみましょうというものではなく、無駄な抵抗はやめて潔くプロに任せたほうが安全で確実ですよという内容ですので興味のある方は是非読み進めてください。



DIY特殊清掃に挑戦し大失敗した大家さんのオハナシ
今から7~8年前のこと江戸川区内の取引のある不動産会社からアパートで孤独死があったらしいのでオーナーから話を聞いてやってほしいと連絡がありました。連絡を取り話を聞くと孤独死が起きた部屋があるので家財だけ撤去してほしいという依頼だったのです。

特殊清掃とは言わずに家財撤去と言う言葉を使うのはよくあることなので気にも留めず現地へ行くと物件オーナーいわく家財さえ出して空にしてくれればあとはこっちでやるからと言うのです。一応止めはしましたが大丈夫!の一点張りなので言われる通り家財だけ撤去しその場は終えたのです。

忘れた頃に再度そのオーナーから「CFは貼ったんだけど少し臭いがあるんだよねえ」と相談がありました。どうやら本当に自力で特殊清掃の真似事をし自力でCFを貼ったり建具を塗ったりしてたそうです。オーナーは毎日オゾンもかけて、毎日窓を開けて風通してたんだけどねえと不満気でしたが私たちからすれば当然の結果でした。

結局70万円近いお金を投入して部屋を完成させましたが年間60万円ちょいの部屋で70万円もかけたらこっちが死んでしまう!と言ってましたが私たちが手掛けて2ヶ月後には入居申し込みがあったのだから良かったのではとなったのです。

素人オーナーがDIYで内装を作ったり補修した報告がSNSで上がってますが、私はその考えに懐疑的です。金額の大小にかかわらず収益を得る目的でする物件に素人DIYの内装でお金を取っていいのか?とも思いますし、そこにかける労力や時間が見合うのかと思うのです。少なくとも特殊清掃の領域は絶対DIYレベルではできませんし、そもそもその程度のお金を浮かせなければいけないのであれば不動産投資なんてやるもんじゃないと思うのです。実際孤独死関連の紛争で裁判で争った例を見ても裁判所の見解は孤独死などは物件運営上当然に織り込んで対策すべきものとの見解を出してることから起きてから慌てるのではなく事前に想定しないさいということですからやはり日々心掛けて対策をすべきだと感じます。

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DIYで物件再生は非効率
 
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自力で特殊清掃は絶対やるな
 
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完全消臭はプロの手を頼ろう
 

行くも地獄戻るも地獄の塩漬け物件

まごのてで経験した孤独死が起きたマンションを売ることもできず、原状回復することもできず塩漬けになってる物件をご紹介します。東京都中野区にある2DKマンションで孤独死が発生したと不動産会社から連絡を受け、すでに近隣に臭い漏れも起こしてるということでしたので、セオリー通り特殊清掃一次処理で臭い漏れ防止と初期の清掃を行い、その後の提案は一次処理後にやることとしました。(関連記事:【特殊清掃料金相場】清掃内容とリアルな支払金額)

部屋で亡くなった故人には身寄りがおらず、連帯保証人もなく家賃保証会社だけしか付けておらず賠償保険にも入っていなかったということです。

特殊清掃一次処理後の提案では完全消臭するには30万円程度必要で原状回復工事も最低限だとしても同じく30万円程度投入しないと次の入居者を募集することはできないと提案したのです。特殊清掃一次処理で10万円お支払いただいてたのでトータル70万円程度必要という場面で物件のオーナーが難色を示し前に進まなくなってしまったのです。

不動産会社の話によると孤独死が起きたことで意気消沈してしまい売却することも考えてるけどローン残債と現在の評価額とまったく釣り合いが取れず売ることも出来ない、さりとて今後3年間告知をしなければいけない中で70万円以上のお金を突っ込んでも運営していける自信がないと宙に浮いてしまったのです。

まごのてにも買取の打診がありましたがどう考えても1000万円を下回る物件に1700万円強の残債ではどうすることもできませんでした。おそらく最初の段階でかなり高値で買わされていて利回りも低かったのではと思います。

同じように特殊清掃や原状回復もできず、お金もなく、売るに売れないというマンションは東京都内にはかなりたくさんあるような気がします。やはり物件運営をするのであれば最低限保険に入っておくとか、入退去時の原状回復費を積み立てるなどの対策は必要ではないでしょうか?

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お金が無くて原状回復出来ない部屋
 
 
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孤独死が起き汚れと臭いがひどい
 
 
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最低限の処理だけでそのまま放置
 
 

孤独死対応型保険には必ず入りましょう

特殊清掃費や原状回復費が捻出できなくて塩漬けになってる物件は多いとお知らせしましたが保険にさえ入っていればクリアできていた問題です。わずかの利回りの中では保険料すら惜しいと感じる大家さんも多くいるようですが最低限必要なものです。

物件オーナーの負担がまったくない借家人賠償保険ですら100万円まで補償される保険もありますし、オーナー側でかけてる火災保険の特約だともっと手厚い補償が受けられるものもありますので是非検討してみてはいかがでしょうか?

孤独死の場合だと相続人や連帯保証人が支払いをするのだから大家の持ち出しはないのではと思う人もいますが、昨今は平気で相続放棄もしますし連帯保証人がいても資力がないということもザラにありますので絶対に安心せず対策をしましょう。

また相続人や連帯保証人がいたとしてもすべて負担となるものではなく、内容によっては法的に認められない部分もありますのでやはり大家さん側で手を打っておくのが良いでしょう。

大家さんが自力で特殊清掃や原状回復をすることの賛否

賃貸運営をしても昔のように年利10%以上など期待できないのだから日々のメンテや入退去時の原状回復も大家自らやってしまえ!という風潮があります。以前自主管理をしてるメガ大家さんのブログに書いてあったのですが壁紙貼りも床貼り替えも自力でやれば業者依頼の3割程度で済むというものがありました。

同じ方かどうかわかりませんが、孤独死が起きた部屋でも大家自らが処理すれば特殊清掃業者に依頼する料金の10~20%で収まるという記事もありました。そんなに安く上がるならと飛びついて実践してる大家さんも多いと聞きますが本当にそれでいいのでしょうか?

内装やちょっとした補修であれば日曜大工の延長でも良いかもしれませんが床を貼ったりその下地を作ったりすることはやはり大工なり、リフォーム業者がやるべきではないかと思うのです。料理屋に入って素人のおばちゃんが作った料理を出され、不味くはないけどお金はプロの料理人が作ったものと一緒となるとあまりいい気はしないというのが本音です。

特に特殊清掃は汚れを取り完全に消臭するというプロでも難しいことを一般の方が出来るとは到底思えませんし、上記の大家さんもご遺体痕そのままでマジックリンで拭いただけで上からCFを貼ったレベルですからやはり知識と技術がある特殊清掃業者に任せるのが最善だと考えます。

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特殊清掃はDIYではない
お金をかけずに自力リフォーム?
 
 
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本当に良いの?自主管理
 
 

DIYで特殊清掃や原状回復の時間的価値

DIYで原状回復する場合は確かに業者依頼するよりは費用は大幅に削減できます。業者依頼すれば10万円のものでも材料代だけの2万円で済むということもあるでしょう。内装や大工工事のことは詳しくわかりませんので特殊清掃に当てはめて考えてみたいと思います。

特殊清掃にかかる費用については特殊清掃ページに記載がありますのでお目通しください。

特殊清掃の工程で必要な作業と掛かる時間をまとめた表です。
ご遺体痕追跡洗浄 1K程度の部屋で8~12時間
臭い発生源の汚れ除去 1K程度で6~10時間
オゾン燻蒸 数日に渡りインターバルを置きながら間隔稼働
その他清掃 1K程度で4~6時間

  臭いを消すための除菌洗浄でおよそ20時間強、他の清掃まで含めると30時間弱となりますがこの時間は我々プロ業者がやった場合です。出来る出来ないは別にして慣れていない素人さんがやればこの2倍はかかるのではないでしょうか。

1日6時間ぶっ通しでやって約10日です。この費やす時間をお金に換算した場合いかがでしょうか?割に合うと考えるか全然割に合わないと考えるかは人それぞれですが慣れないことに時間を費やし、それでも完璧に仕上がるならマシですがたいていはそうはならないはずで時間を使い多大なストレスがかかってまでやることではないというのが正直な感想です。

その他に薬剤や道具を揃えなければいけないことを加味すればさっさと業者に任してしまうのが一番良い選択であることは間違いありません。

物件運営上のトラブルはスピード勝負!

まごのてはゴミ屋敷のお片付けや特殊清掃の専門会社です。年間にして1000件以上のご依頼をいただいていますが特に孤独死など死亡事故が起きた際の初動が一番大事であると感じます。

住人の孤独死という超レアケースであるが故に何をどうして良いかわからない気持ちもわかりますしお金の問題があるのも理解できますが、あまりにも独断で進めようとすることが多く間違った方法で進めようとする方も少なくありません。

ネット上に転がってるゴミみたいな情報を信じ違うことをやってみたり、生半可な知識で立ち回ろうとする大家さんが多くいますがそれらはすべて間違いです。原状回復の費用を浮かせようとあれこれやった物件ほど空室期間が延びたり、原状回復の失敗(臭いが消えない等)を起こしています。

大家さん自ら知識を付けたり、何らかの技術を身に付けることは良いことだと思いますが、スピード感を持って進めなければいけないシーンでそこを前面に出しても上手くいかないのです。

物件で事故があればやるべきことは山積みで、現場での実務的なことはどうか我々にお任せいただきたいと思います。それが結果的に早く回復でき結果的に費用も安く済む唯一の方法ですのでどうか安心してご相談ください。

私たちは一日も早く部屋が部屋として機能し正常な物件運営ができるようにご提案し最善の方法で再生に取り掛かります。

事故物件再生請負人

事故があった物件を速やかに再生する業者

株式会社まごのては東京近辺で一番問題解決が早い特殊清掃業者です。特殊清掃や消臭の技術力が高いのは当然ですが特殊清掃から原状回復そして物件の売買や運営アドバイス、相続までワンストップで対応できる体制を整えています。

会社として宅建業免許を保有しており代表者である佐々木久史は宅建士、賃管士、行政書士ですので孤独死が起きた部屋の再生にあたっては法的根拠をもってアドバイスできますので安心してなんでもお聞きください。

また弁護士や司法書士とのネットワークもしっかり出来ていますので万が一紛争になっても的確な意見を述べることができます。

もちろん特殊清掃技術も高く確実に汚れと臭いを消し、部屋が部屋として機能し再度収益化できるように物件再生いたしますので安心してご相談ください。なお特殊清掃については専用ページをご覧ください。

所有物件で孤独死や自殺、その他ゴミ屋敷排水管詰まりがありお困りの場合はまずはまごのてにご相談ください。
 
孤独死が起きたら東京のまごのてに相談
 
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

ゴミ屋敷のことはなんでも私に聞いてください、各自治体のゴミ屋敷条例制定の際の意見交換参加実績、在宅医学会や高齢者虐待防止学会での登壇実績もあり真の専門家として高い評価を得ています。


セルフネグレクトとゴミ屋敷の関係を研究している東邦大学保健衛生学教授である岸恵美子先生とは情報交換を盛んに行いゴミ屋敷の現実的な問題を私から提供し岸教授が学術的に分析し世に提供しその論文等には佐々木久史の名前が付されるものも多い。

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