事故物件買取コラム

事故物件対策
2025.03.09

【契約不適合】賃貸住宅のにおい残りは物件価値低下

【部屋の臭い】賃貸住宅はにおいをなくせば客付けもしやすい!
昨今の賃貸住宅の客付けポイントで重要とされる中に「におい」の問題があります。タバコはもちろんペットや前住人の生活臭を含めて、においがあるだけで敬遠されてしまいます。どんなに立地が良く住環境が良い場所で、建物も部屋もいくらおしゃれでも何らかのにおいがあるだけでマイナスポイントとなってしまいます。私たちまごのてへも賃貸はもちろん売買物件でも消臭の相談がひじょうに多くなっています。

タバコやペット臭はもちろん最近は香水やお香の残り香や柔軟剤の残留臭までもが消臭の対象となっています。ここでは私たちが経験したいくつかの消臭作業についてお伝えいたします。また部屋に臭いが残ってることで契約不適合責任と判断され相応の賠償を求めた裁判例もありますので物件のオーナーや管理者はにおいに対する対策をしなければいけません。

部屋の残留臭は物件価値低下

臭いがあるため引渡後に契約不適合責任で争いが起こった事例

1.賃借人が入居後、下水の悪臭がすることに気付き、大家に修繕を求めたが改善されなかった。賃借人は異臭により生活が困難であるとして契約の解除を主張し、支払った賃料の返還を求めた。

2.中古マンションの賃貸契約において、入居後に前居住者のペットの臭いが染み付いており、通常の清掃では除去できなかった。賃借人は異臭を理由に契約不適合を主張し、賃料減額を求めた。

それぞれの訴えで裁判所は賃料の減額や賃料の一部返還を認めました(1.東京地方裁判所 平成16年9月28日判決 2.東京地方裁判所 平成27年3月10日判決)臭いに関しては明らかに目に見える物ではないが住人から訴えがあればすぐに対応しなければ訴訟沙汰になりかねない事例だと思います。

部屋の消臭作業の事例(タバコ、ペット、腐乱臭)

タバコ消臭から1例、ペットを飼っていた部屋の消臭を1例、孤独死があった部屋の消臭作業から2例それぞれ作業レポートをお知らせします。部屋のにおいについては部屋のオーナーや不動産会社はもちろん入居予定者や購入予定者からお問合せをいただくことも多く、賃貸運営や物件売買の関わる者にとっては一番注目すべきことかもしれません。

特に最近は物件契約前の内覧をせずリモートで新居を決める賃借人も多いことから、目に見えない臭いが入居後に発覚する事例が多発しています。部屋の残留臭は契約不適合とジャッジされてしまいますので募集前にしっかり対策することが必要です。

賃貸住宅の臭い対策万全ですか?

mission!タバコの残留臭を完全除去せよ!

たばこ臭を消してほしいという相談は嫌煙の流れを受け年々増加傾向にあります。しかし現実的には長年いぶされたたばこによる臭い粒子の残留成分はそう簡単に消えるものでもなく消臭作業には費用と時間が多くかかる作業です。

東京都内の分譲マンションを購入したお客様はリフォームまで済んだにもかかわらずかすかに漂うたばこ臭に耐え切れず消臭相談をされました。

臭気チェックを行った後に提案した作業は下記の通りでした。
  • 新たな壁紙を剥がし下地ボードを防臭処理。
  • 建具などを徹底洗浄。
  • 床板も洗浄し防臭コーティング。
  • 壁紙を新たに貼替えて光触媒コーティング。

タバコの消臭はその部屋がどれぐらいの期間タバコの煙に燻されていたかで金額も工期も変わりますがとにかくタバコ成分を徹底的に洗浄して洗い流すのが重要になってきます。
しかもタバコのにおい成分は気体ですからあらゆる隙間に入り込んでおりなおかつしつこいです。

この部屋の場合も洗浄から消臭だけでおよそ3週間かかり消臭にかかった費用も約70万円とひじょうに大きなものとなりました。中古マンションでしたので購入時にどの程度安く買えたのかは知りませんがタバコやペット臭に対して超過敏であるならその物件は選定から外すのが無難かもしれません。

マンションの消臭でしたので上記の作業で済みましたが、もし木造住宅であればこのレベルで済みません。かつて木造一軒家のタバコ消臭を見積もったことがありましたが工数も金額もマンションとは桁違いになってしまい、結果的に購入希望者はその家の購入を断念したということがありました。

つまりタバコの臭いを家に染みこませるということは物件価値を低下させることになってしまいます。近い将来喫煙者が居た家や部屋は「瑕疵」に該当するのではないかと思うほどタバコ臭には敏感かつ厳しいジャッジがされています。
タバコの消臭は今後大きな問題

mission!ペット臭を完全除去せよ!

賃貸物件の臭いの悩みの中でタバコ臭に次いで多いのがペット臭です。昨今はペット可の賃貸物件も多いのですが、ペット可物件でもやはり入居時に前の残存臭があれば忌避感を感じるようです。江戸川区小岩で賃貸マンションのリフォーム作業途中にペット臭が沸き上がってきてどうしたものかと相談がありました。

リフォーム会社はフローリングを貼り替えれば解消すると考えたようですが、剥がした途端臭いが強くなったということで消臭業者に相談したほうが良いかもと考えたそうです。

臭気チェックと汚染チェックにより前入居者は犬を飼っていたようで下板がおしっこで汚染されていることが確認できました。このような染みつきは気温や湿度など条件が嚙み合えば臭いが復活するという性質があります。

孤独死の特殊清掃ではさらにこの下まで浸透してることを懸念して完全に解体してしまうことが多いですがそこまでの浸透はないと判断し予算の都合もあったため、洗浄しコーティングそして部屋全体の脱臭という流れにしました。

丹念に洗浄し、その後奥に封じ込められたにおい成分を薬剤を使って叩き出し、そしてコーティング、最後にオゾンで仕上げました。ペット臭もどれぐらいの期間何を飼っていたかで対処法は変わってきます、犬よりも猫ちゃんのほうが難易度が高い傾向にあります。

犬のおしっこが染みついた下板
 
画像の説明
 

mission!孤独死の腐乱臭を完全除去せよ!

神奈川県のアパート管理会社からの相談で以前に住人が孤独死した部屋の消臭をしてほしいというものでした。特殊清掃ではなく消臭と言ったので違和感を感じ話を進めていくとすでにリフォームが済んで賃貸募集も始まっているというものでした。

孤独死など人の死があったが特殊清掃や消臭作業をまったく行わずリフォームをした。このパターンはまごのてでは一番取り扱いが多い事案です、においを消していくためのプロセスを完全に誤った結果です。孤独死が起きた部屋の消臭手順については特殊清掃専用ページに記載がありますので是非ご一読ください。
 
特殊清掃せずに貸し出される賃貸物件
 
孤独死が起きたのに特殊清掃されずに貸し出される部屋
孤独死があったのにも関わらずきちんと特殊清掃がされていないままリフォームまで終わり貸し出されてる部屋は思いのほか多いです。入居後に臭いが戻って発覚することもあれば、夏になると何故かハエが寄ってくるというレベルまで様々ですが現実的にはよくある事例です。

このようなことが起きる原因は2通りで、ひとつは特殊清掃業者は入れたけど業者の技術が低く臭いを取り切れなかった例と、もうひとつが大家さん自身が特殊清掃の必要性を重要視せずまったく手を付けずそのまま原状回復してしまった例です。

いずれにしても入居者に落ち度はありませんが気分が良いものではありません、もし持ってる物件や管理する部屋で孤独死が起きたら必ず信頼できる特殊清掃業者に相談しましょう。

部屋の残り香は『瑕疵』に該当!契約不適合

借りた部屋や買った家に臭いがあれば「瑕疵」に該当する可能性があります。瑕疵とは傷や不具合のことで民法改正前は「隠れたる瑕疵」と呼ばれていたものです。

一般的には買った家や借りた部屋が雨漏りしてるとか、傾きがあるなどが対象となりますが、その中に臭いも含まれる可能性があります。臭いに関するトラブルとどのように解決したのかをご紹介いたします。
 
ペットのいた部屋の消臭
購入予定のマンションにペット(犬)の臭い
住宅販売の会社から相談をいただいた件です。東京都内の中古マンションの購入予定者から前住人のペット臭について指摘を受けてるがなんとかならないかというものでした。

現地で臭気チェックをしたところ、リビングともうひと部屋の角付近にかすかなおしっこ染みがあり、臭いもかなり軽度でしたが気になる人は気になるだろうなと言うレベルでした。おそらく一昔前なら問題にすらならなかったレベルだと思います。

ペット関係はトイレの躾や生活習慣でどこに汚れがあるかわかりません、この部屋の場合は前入居者(売主)から状況を聞くことができたので臭い発生源の特定が容易にできましたが賃貸などではヒアリングすらできないこともあり、初期段階の臭い元特定に時間がかかることもあります。

消臭作業そのものは汚れた部分を洗浄、壁紙の一部を剥がして下地の防臭処理、全体の清掃などを行い期間は10日で費用は30万円でした。

消臭作業から数日置いて購入希望者に入室してもらい臭いがすっかりないことを確認いただき完了としたのです。そのマンションは無事契約が済んだと報告を受けました。売買や賃貸ではなく住んでる部屋の消臭をしたいと考えた場合の一番効果的な対処方法は安易に消臭剤を使うのではなく清掃から始めてください、臭いは臭い発生源がなければ出ないという大原則をけっして忘れないでください。

賃貸アパートに住み始めて臭いが出てきた

東京都内のアパートに住む男性から部屋の臭いを消してほしいというご依頼でした。においは孤独死に関係するものだと思うということで詳しくお話を聞いてみると、このアパートはいわゆる事故物件で告知事項ありということで格安家賃で賃貸に出されていたものでした。

内覧時は特に臭いも感じなかったし、キレイにリフォームされていたので問題ないと判断して住み始めて2か月が過ぎた頃に臭いを感じるようになってきたということでした。

臭気チェックを兼ねて訪問すると確かにキレイにリフォームはされていますが、訴え通り孤独死が起きた部屋特有の腐乱臭があります。強烈ではないですが確実に臭い発生源が残っている臭いの出方でした。問題は臭い発生源を特定するには内装解体をしなければいけないこと、そもそも消臭費用は居住者が出すべきものなのかとなり、管理会社へ連絡し相談することをオススメしました。

その後管理会社から連絡があり大家さんの意向は『何もしない』というもので、元々告知事項ありで募集した部屋で家賃もそれなりに下げている、そのあたりも含んでのことだから一切何もすることはなく、どうしてもやりたいなら居住者側で勝手にやれ!とかなり乱暴なものでした。

物件のオーナーには部屋を維持管理する義務があり、商品である部屋を提供する限り完全なものである必要があります。過去に死亡事故があったとしても同じで告知=不具合があることを了承にはならず大家さん側には完全消臭をする必要があるとの意見を述べ、2ヶ月程度揉めに揉めた挙句全額大家さん負担で消臭をすることになったのです。

告知をしているのだから消臭は完全なものでなくて良い、そもそも孤独死が起きた部屋の臭いは消えないと思ってる大家さんも多いようですがまったく見当違いであることを認識いただければと思います。

孤独死臭の残留は完全な瑕疵に該当

物件価値を下げない部屋の消臭もまごのてへ!

株式会社まごのては特殊清掃業者として15年の実績があり、あらゆる事例を経験しています。特殊清掃は臭いの問題が常に付きまといます。強烈な腐乱臭をどうすれば消すことができるのかを研究し実践してきました。

その結果孤独死の腐乱臭だけではなくたばこ臭などあらゆる臭いに対して消臭できるノウハウが積み上がってきたのです。

そして昨今は臭いに対してひじょうに敏感になってる風潮があります。賃貸住宅でも売買物件でも多少臭いがあるのは仕方ないという従来の考え方が通用しなくなってきました。今や無臭が当たり前で少しでも何らかの臭いを感じたら物件としての価値はないと判断されてしましいます。

もし部屋の臭いや消臭のことでお悩みの不動産関係者の方や物件オーナーさんは是非まごのてにご相談ください。
 
部屋の消臭相談
 

東京近辺の部屋の消臭は素早く対応いたします

孤独死発生直後の一次消臭や臭気チェックは東京近辺ですと最短当日にお伺いいたします。特に孤独死が発覚してすぐは周囲に臭いが漏れていたりし応急な対応が求められます、そんな場合でもまごのてはすぐに駆け付け応急の消臭をいたします。

まごのては孤独死の初期消臭だけでも年間200件以上の対応実績がある、機動力と問題解決能力が高い特殊清掃業者として多くの不動産会社や建物管理会社より支持を得ています。

孤独死関連だけでなく部屋のにおいにまつわることや消臭に関するお悩みは是非まごのてにお気軽にご相談ください。
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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