事故物件買取コラム

事故物件対策
2024.02.02

新居探し|物件選びで見るポイントと事故物件を避ける方法

物件選びで見るポイントと事故物件を避ける方法
転勤や入学で新居を探すとき、今住んでるアパートやマンションが立ち退きになるなど新たな引越先を探すというシーンは多いです。そんな時に結構悩むのが新居の物件探しです。

誰でも良い場所でできれば安い家賃で少しでも綺麗でグレードの高い部屋に住みたいと思っています、そんな方のために失敗しない新居の物件選びをご紹介します。そして特殊清掃会社である私たちだからこそ分かる事故物件(心理的瑕疵のある部屋)の見分け方も併せてご紹介いたします。
 
物件探しで見るべきポイント
リモート内覧ではわからない重要ポイント
昨今はアパートやマンションを借りる際でもリモートで内覧して契約まで進むということが多いようですが、絶対におすすめできません。短期で住むだけならリモートでもいいのですけど長期的に住む部屋の場合は遠くであっても現地に足を運びましょう。

部屋内部のきれいさや設備の状況も当然大事ですが、もっと重要なのは地域性や建物外観や外回りであることが多いのです。見落としがちなのが地域性で今までの住まいと同一地域であれば問題いありませんが全く知らない土地だと思わぬ落とし穴があることもありますので、慎重に見極めていきましょう。

新居選びで意外と大事な地域性

住む地域は意外と重要です。例えばゴミの分別ルールがすごく厳しい地域、大きな宗教施設があり街の住人の大半が信者、工場地帯で空気が悪い、主要幹線が近くにあって夜もうるさい等リモート内覧では見えない部分がこの地域性です。

最初はあまり気にならないかもしれませんが住んでるうちにストレスになるような地域というのは存在します、できれば住むだけでストレスになりそうな地域は避けたいもので、特に転勤や入学や遠方への就職などでまったく知らない土地に引越すときは要注意です。

ゴミ屋敷住人が引越す際には地域で違うゴミ捨てルールで新居選びをしましょうとお伝えしてるように、日々の生活でストレスを感じない地域を選びましょう。
 
23区犯罪認知件数
住みやすさと犯罪認知件数はあまり関係ない!?
住みやすい町や暮らしにくい街を表す指標として治安の良さがあります。表は東京23区の犯罪発生件数の少ない区ですが(表の引用はHHEYAGOより)確かに犯罪発生件数が少ない=治安が良いという図式はわかりますが、治安が良いことと住みやすさは別のことと考えます。

例えば東京都内でも環境は良いけど近所関係が微妙だったり、変なローカルルールが存在してる地域もありますし、繁華街や歓楽街の近くでもその雰囲気が好きだという人には良い環境と言えます。

要するに自身の肌感覚に合う町かどうかが重要だと思います。私自身はかつて大阪市内、大阪河内地区、奈良県天理市、富山市、滋賀県八日市市に住んでいたことがありますが、天理は宗教都市特有の空気感でしたし、富山は気さくなんだけどなんとなくよそ者を受け付けないオーラがありました。

土地柄や風習、町内ルールなどはあまり関係ないと軽視しがちな要素ですが、毎日住むところですからシビアに見極めていきましょう。

新居予定の建物の周辺と外側のチェック

次は住む地域が決まっていよいよ具体的なお部屋探しに入るのですが、どうしても内装や設備に目がいきがちですが、そちらのチェックはもう少し後です。もちろん気にいった間取りや内装そして家賃で絞りこんで決めるのですが、その部分だけではダメですという内容です。

賃貸住宅は当然借りて住む物ですから誰かの所有物であり、住む人以外つまり自分以外の誰かが管理しているところに住むのです。

つまり何か不具合があったり住むうえで不都合なことがあっても自分自身で対処することが難しいのです、簡単に言うと管理が悪いアパートやマンション、そして住人属性が悪い建物はいくら室内が気にいっても避けた方が無難です、という内容です。
 
アパートやマンションのチェックポイント
チェックポイント(1)ゴミ捨て場
ゴミ捨て場を見ると管理体制や住人属性がある程度見ることができます。ゴミの日でもないのにゴミが山積みだったり、分別が悪くて回収されていないゴミがある場合は住人属性があまり良くない可能性があります。

またゴミ捨て場そのものがなんとなく汚かったり悪臭を放ってるような場合は管理体制が悪いと判断できます。
  
共用部のチェック
チェックポイント(2)集合ポスト付近
次に見るポイントは集合ポストとその付近です。チラシがはみ出ているポストがあったりチラシが散乱してるようだと管理が不十分な住宅です。

管理が行き届いているアパートやマンションは空室のポストにはテープが貼ってありますし、チラシやDMを捨てるゴミ箱が設置してあったりするはずです。管理の悪い建物は何かトラブルが起きてもすぐ対応してくれないことが多いので避けるほうが無難です。

そしてもう一点宅配ボックスも注意深く観察しましょう。内覧時に使用中と空きボックスの比率を見てください、例えば8つBOXがあるうちのすべてが埋まってるとか空きが1つや2つと極端に少ない時は警戒してください。

その建物に住んでる人が物置代わりに使ってるケースがあるのです、特に大型ボックスに物を詰めて保管場所としてる例もありました。このような使用をしてる建物は住人属性が悪い可能性があるので注意です。※ただしお中元お歳暮時期など宅配が集中することもあるので一概にすべてのケースで当てはまらないこともあります。
  
賃貸住宅チェック
チェックポイント(3)廊下や階段その他共用部
次は廊下や階段などの共用部を見ましょう。根本的に汚いのは論外ですが植木や自転車が通路に置いてあったり、宅配ボックスと同じく階段下のスペースに私物が置いてあるような建物はNGです、住人属性がひじょうに悪いです。

住人属性も悪いが管理体制も悪いのが共用部に物がある建物の特徴です。先ほどから住人属性について書いてますが、これが悪いアパートやマンションは最悪です。同じ建物に住む人たちが悪いと毎日がストレスになってしまいますので必ずチェックするようにしましょう。

『建物管理』は誰がしてるのかを知っておく

先ほどから「管理体制」という言葉を多用していますので、少し補足説明をしておきます。

賃貸物件は大きくわけて2つの管理体制があり、以下のようなものです。

・建物管理会社へ委託
・大家さん自ら自主管理


よく間違うのが申し込みや契約をした不動産会社が建物を管理してると思ってる方が多いですが、基本的にはまったく別物とおもってください。細かく言うと賃貸物件の管理とは2つの意味があり「賃貸管理」「建物管理」に分かれます。

賃貸管理とは入居者募集をしたり入居後に入居者をフォローするものです、したがって部屋ごとに会社が違うことがあります。

建物管理とは建物すべての保守管理のことで、物件オーナーが委託し定期清掃をしてもらったり修繕や不具合に対応してもらうための会社です。建物管理会社が入ってる場合は物件の契約時に管理委託先は示されるので覚えておくと良いでしょう。

そして最近多いのが大家さん自らの自主管理物件で、正直自主管理と言えば聞こえはいいですが、管理費をケチってるだけのことも多く野放し状態であることが多いので自主管理物件はあまりオススメしません。
 
大家さんが近くに住む物件は良い?
新居の物件探しの際にちょっと気にしてほしいのが大家さんとの距離感です。あまりオススメしないのが大家さんが同じ建物や同じ敷地に住んでる物件です、私たちまごのてではゴミ屋敷のお片付け依頼を多くやっていますが大家さんが近くに居る物件は何かと厄介です。

同じ建物や敷地に大家さんが居るととにかく「見ます」別に悪気はないのですがとにかく住人の一挙手一投足を見ます。その視線が気味悪いと退去を決める人がいるぐらい気になるものですから大家さんがすぐ近くに居る物件も避けたほうが良いでしょう。

気になる物件を案内してもらう時に不動産屋の担当者に大家さんはどこに住んでいますか?とストレートに聞いても構いません。ただ親元を離れて初めての一人暮らしの場合は大家さんが近くに居る物件は親には人気があるのは事実ですが、私が思うにはあまり近すぎず遠すぎずが良いのではないでしょうか。

実際遠すぎるのも考え物で物件が東京なのに大家さんは福岡なんてこともあります、あまり遠いと何かあった時の対応が遅れがちになってしまいます。いくら管理会社に委託していても最終判断は大家さんであることが多いからです。

孤独死や事件があった部屋|事故物件を見抜く方法

上記までが住環境や建物管理の観点から見た新居の選び方でしたが、ここから先は事故物件かどうかの見分け方についてお伝えします。

事故物件とは孤独死や自殺など人の死があった部屋という意味で使われる言葉で心理的瑕疵のある物件を指します。当然このような事故があった部屋は貸し出す際に「告知」」されますので、告知を見て借りる借りないの判断をすればいいのです。

ところが最近は死亡事故があったにもかかわらず告知をしなかったり、告知が必要とされる期間を過ぎてから募集開始をしたりと若干裏技的に事故物件を流通させてることもあるのです。

ここから先はそんな隠れ事故物件を見抜く方法をお知らせします。また気に入った物件があったら大島てるの事故物件情報サイトでも掲載がないか調べてみましょう、ただし必ずヒットするわけではありません。
 
ガスメータのタグ
ガスメーターのタグからわかる空室期間
公開しようか迷ったチェックポイントですが、物件探しには有益なチェック箇所ですので書いておきます。

マンションなら部屋の横、アパートなら階段下などにガスメーターがあります。そのガスメーターにタグが付いてますので、そのタグに書いてある閉栓日を見てください。(プロパンの場合は無いこともあるようです)その閉栓日からどれだけ経過しているかを確認しましょう。

もし3年を経過してるようだとちょっと疑ってかかりましょう。孤独死などの告知期間は3年程度とガイドラインでは示されてることから3年間は賃貸に出さずそのままにしておき、直前でリフォームをして新規募集をするということがあります。

もちろん特殊清掃がきちんとされ汚れや臭いが完全に消えているなら問題ないのですが、意外と適当な処理で誤魔化してることも多いので注意しましょう。立地もそう悪くなく空室だらけのアパートやマンションなら3年以上空室ということもありますが、空室が長いということは何らかの問題を抱えてることが多いのも事実です。

内装に違和感はないか?微かに臭いはないか?

次に室内のチェックですが、まず何より第一印象に違和感を感じないかどうかです。例えば床の一部だけ新調されていて色調など微妙に違ったり、壁紙も一部交換であったりキッチンや洗面は古いままなのに浴室だけ新品だったりと何だかアンバランスだなと感じたら注意しましょう。

次に臭いですが明らかに異臭があるまま貸し出すということは考えにくいのですが、ごくわずかでしかも何の臭いかわからないような臭いの場合はそのまま賃貸募集がされることもあります。

一応チェックしていきたい場所はクローゼットや押入内、キッチンの収納内などです、これらの場所は空気の流れがないためにおい溜まりができやすいのです。もしこれらの場所で嗅いだことのないような臭いを察知したら注意です。
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窓周りは念入りにチェックしよう!
普通は入居前のクリーニングをしているはずですので判断材料になるかどうか微妙なところですが、もし孤独死があった部屋であればハエやウジ虫が出ていた可能性が高いです。

特にハエは性質上外に出ようとしますので窓周りに死骸があったり、ウジの抜け殻があったりなんとなく変な汚れが点在していることがあるのです。

窓を何度か開け閉めするとレール内やサッシの内側で死んでたハエが出ることがあります、わずか1分足らずでチェックできますのでやってみましょう。

もし該当するようなことがあればその部屋はいくら気に入ったとしてもやめておきましょう。ただし何度も言っていますがキチンと告知された上で判断するのであれば何も問題ありません。

とにかく嫌なのは事実を隠蔽されていたり、適当な処理をして不完全なまま貸し出されていることです。

隠れ事故物件はかなり出回っています

これは特殊清掃会社である私たちだからこそ知り得ることですが、隠れ事故物件はかなりあると推定できます。その理由は主に2点です。

1.物件オーナーが特殊清掃などの処理をしないと判断した
2.特殊清掃はしたけど不備があるままリフォームまで進んでしまった。


どちらも問題であることは違いありませんが、問題の性質がまったく違います。詳しくは特殊清掃のページに記載がありますのでここでは簡単にご説明します。
 
特殊清掃をしない大家さん
特殊清掃を省く選択をする大家さん
孤独死などが起きたら特殊清掃をし除菌や消臭をするというのが昨今の一般的な考え方です。たとえ死後日数が少なくとも部屋の汚れが限定的だとしても行ったほうがいいと言うのが不動産業界でも定着しつつあります。

ところがそのわずかの出費をケチって特殊清掃などしなくても良いと考える大家さんがいるのです。特に冬場に多いのですが、体感的に臭いを感じないしまあいいか!と特殊清掃をすっ飛ばしてリフォームや一般清掃で次に貸し出されるというものです。

何もなければ良いのですが、もしご遺体から出た体液が少しでも流れて汚れていたらやがて臭い発生源となるのは間違いありません。この手の大家さんは不動産業者やリフォーム業者が進言したとしてもまずやりませんし、認識が低いですから当然告知もしません。

下記リンクは特殊清掃や孤独死にまつわる大家さん界隈の間違った認識を記事にしたものです、是非参考にしてみてください。
 
 
特殊性業界の闇
臭いが取れない特殊清掃業者
もうひとつのケースはセオリー通り特殊清掃を入れたにも関わらず臭いや汚れが取れていないというものです。これは特殊清掃業界の闇と言うか恥と考えられる現象です、特殊清掃業界は現在新規参入が相次ぎ、技術の無い業者が大多数を占めるようになってしまいました。

その結果特殊清掃と言えない低品質な作業が横行し、リフォーム前に不備が発覚するならまだマシで、下手するとリフォームまで済み新入居者が決まってから発覚することもあるのです。実際上記の物件チェックで違和感を感じ入居直前で特殊清掃の不備が発覚した例も体験しています。

これについては大家さんには何の不手際もありません、ただもし告知しないで募集したとしたら大事になってしまいます、実際に私たちが体験したものでは入居初日に異臭を感じて連絡したら、4年前に孤独死があったけど特殊清掃はきちんとしたというものがありました。

確かに4年経過ですから告知義務違反ではありませんが、特殊清掃が不備のまま新規募集をしたのはやはり入居者にとっては嫌なことだと思います。

特殊清掃業者の不備についての記事もありますので是非下記リンクからお読みください。
 

ステキな新居を探し当てて快適ライフを過ごしましょう

コロナ渦以降リモート内覧が主流になったせいか入居してから「こんなはずではなかった」という相談が増えています。事故物件まではいかないですが多いのは『におい』の問題です。

タバコやペット関係が最も多く契約前なら手の打ちようもありますが、契約して入居してからでは手遅れです、しかも入居後に申し出たとしても絶対に対応してくれません。その他にも主要幹線道路や鉄道がそばを通っており、騒音で悩んで結局すぐに退去する羽目になったことや、真逆の生活スタイルの住人ばかりで夜や早朝に生活音がするなどの憂き目にあった方もいます。

もしこのようなことがあったら新生活の出鼻をくじかれひじょうに不快な思いと憂鬱な気持ちを抱えたままで過ごさなければならず気持ちよいものではありません。

この記事のチェックを実践するだけでかなり不良物件に出会う確率が少なくなりますのでどうか実践してみてください。そしてあなたの新居ライフが希望に満ちた楽しいものになることを願っています。

 
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

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