事故物件買取コラム
隣室の孤独死で臭い・ハエ被害|管理会社へ伝えることと残す記録

隣の部屋や上の階で人が亡くなり、自分の部屋にまで強いにおいが入ってくる。窓際や換気口の近くでハエを見かける。管理会社へ連絡しても、「まだ発生源の部屋へ入れません」と言われ、その後の予定が分からない。
この状況で困るのは、においや害虫そのものだけではありません。いつ気づき、どこに影響があり、管理会社へ何を伝え、次に何が行われるのかが見えないことです。
入居者が発生源の部屋へ自分で入る必要はありません。まず自室と共用部で確認できる事実を残し、管理会社へ「発生源側の対応予定」と「自室への影響確認」を分けて確認します。
この記事では、隣室の孤独死によって自室へにおい・害虫の影響が出たとき、何を記録し、管理会社へ何を伝えるかに絞って整理します。
- ・隣室から影響が出たら、我慢して待つより「記録と確認」を先にします
- ・まだ孤独死と確認されていない段階では、自分で様子を見に行きません
- ・自室へ影響が出ているとき、最初に残す記録
- ・管理会社へは「発生源」と「自室」の2本立てで確認します
- ・連絡は「事実・確認したいこと・返答時期」で文章に残します
- ・発生源へすぐ入れない時期でも、管理会社に確認できることがあります
- ・実例:初動と一時避難を同時に進め、3週間後に帰宅したケース
- ・対応開始まで時間を要した相談では、隣室側まで確認範囲が広がった例があります
- ・家賃・ホテル代・退去費用は、記録をそろえて個別に協議します
- ・被害を受けた入居者から相談できることと、承諾が必要なこと
- ・隣室の孤独死によるにおい・害虫でよくある質問
- ・隣室・共用部への影響確認に対応する地域
隣室から影響が出たら、我慢して待つより「記録と確認」を先にします
強いにおいや害虫が出ていると、「管理会社が何とかしてくれるまで待つしかない」と考えてしまうことがあります。しかし、何も記録しないまま時間が経つと、後から被害の期間や程度を説明しにくくなります。
まず、次の順番で整理します。
- 1. 発生源の部屋へ自分で入らない
- 2. 自室と共用部で確認できる影響を記録する
- 3. 管理会社へ電話だけでなく文章でも連絡する
- 4. 発生源側の作業予定と、自室への影響確認を分けて聞く
- 5. 一時避難が必要なら、理由・期間・領収書を残す
「臭いを何とかしてほしい」だけで終わらせず、いつ・どこで・どの程度困っているかと、次に確認してほしいことを分けて伝えるのがポイントです。
まだ孤独死と確認されていない段階では、自分で様子を見に行きません
異臭がする、窓付近にハエが多い、何日も応答がないといった段階では、まだ何が起きているか確定していない場合があります。
この段階で隣室へ近づいたり、ドアや窓を開けたりせず、まず管理会社へ連絡します。安否確認が必要な状況では、警察等への連絡が必要になる場合もあります。
自室へ影響が出ているとき、最初に残す記録
記録の目的は、相手を責めることではありません。管理会社・大家・保険会社・専門家が、いつからどの程度の影響が出ていたのかを後から確認できるようにすることです。
| 残すもの | 具体的な内容 |
|---|---|
| 日時 | 異臭や害虫に気づいた日・時間、強くなった時期 |
| 場所 | 玄関、寝室の壁際、換気口、配管まわりなど |
| 写真・動画 | 自室内の害虫、侵入が疑われる場所、共用部の状態 |
| 連絡履歴 | 管理会社へ連絡した日時、担当者、回答内容、次回連絡予定 |
| 生活への影響 | 寝室を使えない、滞在が難しい、体調面で受診した等の事実 |
| 支出 | ホテル代、移動費、医療費等の領収書 |
共用部を撮影するときは、他の入居者の顔、氏名、郵便物、室内などが写り込まないよう配慮します。発生源の室内へ入って撮影する必要はありません。
管理会社へは「発生源」と「自室」の2本立てで確認します
管理会社へ「臭いがする」とだけ伝えると、被害の程度は伝わっても、何を回答してほしいのかが曖昧になることがあります。
- ・警察等の確認が終わり、入室・作業が可能な状態か
- ・専門業者の手配が済んでいるか
- ・作業できない場合、次の確認予定はいつか
- ・作業着手後、いつ状況説明を受けられるか
- ・自室・共用部への影響確認をいつ行うか
- ・換気口、配管、壁際など侵入経路の確認が必要か
- ・一時避難が必要な状態か
- ・次の連絡予定をいつにするか
連絡は「事実・確認したいこと・返答時期」で文章に残します
電話をした後、メール等でも同じ内容を残しておくと、対応経過を確認しやすくなります。法的な結論を先に押しつけるのではなく、確認できている事実と、回答してほしい内容を分けます。
お世話になっております。〇号室の[氏名]です。
〇月〇日頃から、隣室側の壁・換気口付近で強いにおいがあり、〇月〇日には自室内でハエを確認しました。現在は寝室を使いにくい状態です。
発生源室への作業着手の可否、専門業者の手配状況、自室への影響確認、今後の作業予定について、〇月〇日頃までにメール等でご回答をお願いします。
滞在が難しい状態が続く場合は、一時避難中の費用や賃料の扱いについても、事実関係を確認したうえで協議したいと考えています。
返答期限は、相手を追い込むためではなく、次の確認日を決めるために入れます。警察対応や権利関係の確認で作業日が決められない場合でも、「次にいつ状況確認するのか」は聞いておきます。
発生源へすぐ入れない時期でも、管理会社に確認できることがあります
警察による現場確認中など、発生源の部屋へすぐ入れないことはあります。ただ、その間も、管理会社側で専門業者への相談、共用部・隣室の状況把握、被害住民への説明準備を進められる場合があります。
入室可能になった後は、家財整理や原状回復を先に進めるのではなく、におい・害虫・室外への影響を抑えて次の確認へ進める状態を整える初動が必要になることがあります。
実例:初動と一時避難を同時に進め、3週間後に帰宅したケース
まごのてが対応した事例では、住民から異臭の連絡を受け、警察の現場確認が終わった後、大家が発生源側の初動対応と隣室住民の一時避難を同日中に決めました。
発生源側の対応を進めながら、隣室側へにおいが入っている状況も確認し、住民は一時的に別の場所へ避難しました。その後、発生源の処置とにおいの確認を行い、3週間後に帰宅しています。
このケースでは、宿泊費の領収書をもとに大家側と協議し、ホテル代は大家側の負担となりました。ただし、これは個別の一事例です。保険の利用可否や費用負担は契約・被害状況によって変わります。
この事例から読み取れるのは、「ホテル代は大家が払う」という一般ルールではありません。発生源側の対応と被害住民の生活確保を並行して進め、支出と対応履歴を残していたことが、後の協議材料になったという点です。
対応開始まで時間を要した相談では、隣室側まで確認範囲が広がった例があります
一方、まごのてへ寄せられた複数の相談・施工事例には、発生源側の対応開始まで日数を要し、隣室や共用部までにおい・害虫の確認が必要になったケースがあります。
ここは一つの物件の時系列ではありません。複数の相談に共通して見られた経過を整理したものです。
| 確認項目 | 早期対応した実例 | 対応まで時間を要した相談で見られたこと |
|---|---|---|
| 発生源側の手配 | 警察確認後、同日中に手配 | 作業開始まで日数を要した相談あり |
| 隣室住民 | 一時避難後に帰宅 | 一時避難や退去に至った相談あり |
| 害虫 | 早い段階で状況確認 | 壁内・換気経路等から隣室へ入った例あり |
| におい | 発生源中心に確認 | 隣室・共用部まで確認が必要になった例あり |
| 必要作業 | 発生源側中心 | 隣室側の清掃・修繕が必要になった例あり |
「何日遅れると必ず広がる」と日数だけで決めることはできません。室温、発見までの時間、建物構造、換気・配管経路、発生源側の状態などで変わります。だからこそ、日数の目安より、現在どこまで影響が出ているかを確認します。
家賃・ホテル代・退去費用は、記録をそろえて個別に協議します
民法606条は、賃貸人が賃貸物の使用・収益に必要な修繕を行う義務を定めています。また611条では、賃借人の責任ではない事由で賃借物の一部が使用・収益できなくなった場合の賃料減額について規定しています。
ただし、隣室からのにおい・害虫によって自室のどの範囲がどの程度使用できなかったのか、どの期間が対象になるのかは、個別事情によります。ホテル代、引越し費用、慰謝料なども自動的に支払われるものではありません。
まずは、使用できなかった場所・期間、管理会社との連絡履歴、一時避難の理由、実際に支出した領収書等をそろえて協議します。法的な請求判断が必要な場合は、弁護士等へ確認してください。
被害を受けた入居者から相談できることと、承諾が必要なこと
まごのては、家賃減額や損害賠償額を決めたり、入居者の代理で管理会社と交渉したりすることはできません。
一方で、自室へ出ているにおい・害虫の状況、侵入が疑われる場所、管理会社へ伝えるべき技術的な確認事項などは整理できます。
| 被害を受けた入居者から相談できること | 管理会社・所有者等の承諾が必要なこと |
|---|---|
| ・自室に出ているにおい・害虫の状況整理 ・侵入が疑われる箇所の確認 ・管理会社へ伝える技術的事項 ・自室側で必要な調査・清掃の整理 |
・発生源室への入室 ・発生源室での初動対応 ・発生源から隣室へ至る経路の現地調査 ・共用部を使用する施工 |
隣室の孤独死によるにおい・害虫でよくある質問
隣室・共用部への影響確認に対応する地域
東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、孤独死後のにおい・害虫、共用部や隣室への影響確認についてご相談を受けています。
茨城県・栃木県・群馬県・山梨県は、物件所在地、建物条件、被害状況、作業権限、訪問日程を確認したうえで対応可否をご案内します。
集合住宅では、自室だけでなく、共用廊下、換気・配管経路、管理会社が把握している発生源側の状況を合わせて整理します。
隣室や上階からにおい・害虫の影響が出ていても、被害を受けた入居者が発生源の部屋へ入る必要はありません。
自室で確認できる状態、管理会社から聞いている内容、連絡した日時など、分かる範囲から、次に確認したい技術的事項を整理します。
発生源室への入室・作業には、管理会社・所有者・ご遺族など権限を持つ方の承諾が必要です。法律相談や代理交渉は行っていません。
受付時間 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容を確認後、順次ご案内します
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。












