特殊清掃コラム
孤独死後の費用は誰が払う?相続放棄・連帯保証人・大家の確認順序

「相続放棄をするので、部屋のことはもう関係ありません」――実際に、そう話されたご遺族がいました。
ところが大家さんは困ります。室内には家財が残り、特殊清掃も必要です。においや建物への影響を放置するわけにもいきません。
そこで賃貸借契約書を確認すると、そのご遺族自身が連帯保証人として署名していました。
ここで重要なのは、相続人としての立場と、連帯保証人として自分で結んだ契約上の立場は別だということです。
まず確認するのは、誰が、どの立場で、何の費用について話をしているのかです。
実例|「相続放棄するので部屋はそのまま」――契約書を見たらご遺族自身が連帯保証人だった
この記事を書こうと思ったきっかけになったのが、実際にまごのてが関わった孤独死後の賃貸物件です。
ご遺族からは、「相続放棄をするので、部屋のことはそのままにします」という趣旨の話がありました。
一方の大家さんは困っていました。室内はそのままで、家財も残っています。特殊清掃やその後の明け渡しを進めようにも、ご遺族側は「相続放棄するから関係ない」という認識です。
まず、賃貸借契約書を確認することでした。
そのため、「故人の部屋には手を付けない」という考えになっていました。
家財が残り、特殊清掃や明け渡しの話も前へ進めにくい状態でした。
「相続するかどうか」だけで話を終わらせず、故人の賃貸契約と保証関係を確認しました。
相続人として故人の権利義務を引き継ぐ話とは別に、自分自身で締結した保証契約がありました。
逆に、連帯保証人だったからといって、特殊清掃・家財撤去・原状回復・家賃などを全部ひとまとめにして請求してよいという意味でもありません。
※この実例から分かるのは「相続放棄しても必ず保証責任が残る」ということではありません。相続人としての立場と、自分で締結した保証契約上の立場は分けて確認する必要がある、という点です。個別の法的判断は契約内容等により異なります。
結論|孤独死後の費用は「誰が全部払うか」ではなく、立場と費目を分ける
この実例のように、同じ人が「ご遺族」「相続人候補」「連帯保証人」という複数の立場を持っていることがあります。だから、故人との関係だけを見て費用負担を決めることはできません。
また、部屋に関係する支出であっても、特殊清掃、家財撤去、原状回復、未払い家賃、空室損失、保険対応は同じ根拠で処理されるものではありません。
立場 → 費目 → 契約上の根拠 → 必要性 → 金額 → 記録、の順で確認します。
相続放棄を考えている人|家財を全部処分する前に確認する
相続放棄を考えている場合、通帳、印鑑、契約書、貴重品、家財などを自己判断で処分・売却する前に、弁護士や相続手続を扱う司法書士等へ確認する必要があります。
一方で、強いにおい、虫、ご遺体痕などの影響があり、そのままでは室内確認が難しい場合は、先に初期対応が必要になることがあります。まごのてでは、この初期対応を「一次処理」と呼んでいます。
連帯保証人|「相続放棄したから関係ない」とは限らない
連帯保証人の責任は、相続人として故人の義務を引き継ぐこととは別に、自分自身が締結した保証契約から生じます。
したがって、管理会社へ最初に確認したいのは、「私は相続人として請求を受けていますか。それとも連帯保証人としてですか」という点です。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 賃貸借契約書 | 保証人欄、契約日、更新状況 |
| 保証契約 | 保証範囲、極度額、保証会社の有無 |
| 請求書 | 家賃、特殊清掃、家財撤去、原状回復などが分かれているか |
| 施工資料 | 施工前写真、対象範囲、数量、作業報告 |
連帯保証人であることと、請求書の全項目・全額を確認せず受け入れることは別です。
大家・管理会社|「誰に請求するか」より先に現場を残す
大家・管理会社側も、最初から請求先だけを考えると後で説明が難しくなります。
まず必要なのは、どこに影響があったのか、何を行う必要があったのか、何を撤去・復旧したのかを記録することです。
請求書を見る順番|「孤独死費用一式」にしない
| 費目 | 主な内容 | 確認するもの |
|---|---|---|
| 特殊清掃費 | ご遺体痕、におい、虫、床・下地等への影響への対応 | 施工範囲、写真、工程、報告書 |
| 家財撤去費 | 家財の仕分け・搬出・処分 | 処分権限、相続方針、数量 |
| 原状回復費 | 床・壁・設備などの復旧 | 通常損耗・経年変化との区分、施工理由 |
| 家賃 | 契約終了・明け渡しまでの賃料 | 解約日、明け渡し日、鍵返却日 |
| 損害賠償 | 空室損失等として主張されるもの | 因果関係、募集状況、契約・裁判例 |
| 保険 | 借家人賠償、家主側保険等 | 保険証券、事故報告、施工資料 |
関連する論点は、それぞれ別の記事で確認する
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孤独死後の費用負担に関するFAQ
孤独死後は、相続・保証・家財・特殊清掃・原状回復が同時に動きます。何を急ぎ、何を止め、何を専門家へ確認するかを整理したうえで、必要な作業範囲をご案内します。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。










