特殊清掃コラム
法律関係
2026.04.29
孤独死後の原状回復費|相続放棄と連帯保証人の責任は別に確認する

ご家族が賃貸物件で亡くなられた後、原状回復費や家財撤去費の見積もりを見て、「相続放棄をすれば支払いから離れられるのでは」と考える方は少なくありません。
それ自体は自然なことです。
それ自体は自然なことです。
ただし、相続人としての立場と、賃貸契約の連帯保証人としての立場は別に考える必要があります。
相続放棄をしても、連帯保証人になっている場合は、保証契約上の責任が残る可能性があります。
相続放棄をしても、連帯保証人になっている場合は、保証契約上の責任が残る可能性があります。
この記事では、室内で亡くなられた後の原状回復費について、相続人・連帯保証人・管理会社・大家さんが何を確認すべきかを整理します。
相続放棄と連帯保証人の責任は、別に考える必要があります
相続放棄は、相続人としての立場から離れる手続きです。
一方で、連帯保証人は賃貸契約に基づく別の契約上の立場です。
そのため、相続放棄をしても、連帯保証人としての責任まで自動的になくなるとは限りません。
一方で、連帯保証人は賃貸契約に基づく別の契約上の立場です。
そのため、相続放棄をしても、連帯保証人としての責任まで自動的になくなるとは限りません。
民法第939条では「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人にならなかったものとみなす」とされています。
一方で保証人の責任は、賃貸契約や保証契約に基づくものです。そのため、相続放棄によって相続人としての立場を離れる場合でも、連帯保証人としての契約上の責任は別に確認する必要があります。
まずは契約書を確認し、誰が連帯保証人か、保証契約の内容はどうなっているかを整理することが重要です。
一方で保証人の責任は、賃貸契約や保証契約に基づくものです。そのため、相続放棄によって相続人としての立場を離れる場合でも、連帯保証人としての契約上の責任は別に確認する必要があります。
まずは契約書を確認し、誰が連帯保証人か、保証契約の内容はどうなっているかを整理することが重要です。
まず確認すべきは「誰が相続人か」よりも、契約書上の立場です
賃貸物件で亡くなられた場合の費用負担を考えるとき、最初に確認したいのは「相続人かどうか」だけではありません。
賃貸借契約書や更新書類の中で、自分が連帯保証人になっているかどうかを確認する必要があります。
賃貸借契約書や更新書類の中で、自分が連帯保証人になっているかどうかを確認する必要があります。
■ 契約書が手元に見当たらない場合
ご遺族から「親の契約書がどこにあるか分からない」というご相談をよくいただきます。分からないまま放置すると家賃が発生し続けるため、まずは管理会社へ連絡し、賃貸借契約書や更新書類のコピーの開示を求めてください。自分が連帯保証人になっているかどうかも、その書類で確認できます。
ご遺族から「親の契約書がどこにあるか分からない」というご相談をよくいただきます。分からないまま放置すると家賃が発生し続けるため、まずは管理会社へ連絡し、賃貸借契約書や更新書類のコピーの開示を求めてください。自分が連帯保証人になっているかどうかも、その書類で確認できます。
特に、更新時に連帯保証人として署名している場合や、極度額(保証する上限額)が記載された保証契約がある場合は、相続放棄とは別に責任が問題になる可能性があります。
2020年4月以降の契約や合意更新では、個人保証に極度額が設定されているかも確認したいポイントです。管理会社に、契約名義・連帯保証人・保証会社の有無・極度額の状況を確認してください。
2020年4月以降の契約や合意更新では、個人保証に極度額が設定されているかも確認したいポイントです。管理会社に、契約名義・連帯保証人・保証会社の有無・極度額の状況を確認してください。
原状回復費は、特殊清掃費・家財撤去費・工事費に分けて見ます
原状回復費といっても、すべてが同じ性質の費用ではありません。
特殊清掃費、家財撤去費、遺品整理費、原状回復工事費、明け渡しまでの家賃は、それぞれ確認する相手も、負担割合の考え方も異なります。
請求額の総額だけを見るのではなく、どの費用が何の作業に対するものかを分けて確認してください。
特殊清掃費、家財撤去費、遺品整理費、原状回復工事費、明け渡しまでの家賃は、それぞれ確認する相手も、負担割合の考え方も異なります。
請求額の総額だけを見るのではなく、どの費用が何の作業に対するものかを分けて確認してください。
例えば、まごのてが対応したある事例では、総額約150万円の費用が発生しました。その内訳は、特殊清掃(室内・消臭)が約31万円、家財撤去(2t車数台分)が約45万円、原状回復リフォーム(水回り設備交換、床・壁張替え)が約75万円といった内容でした。
このうち、リフォーム工事費については、住んでいた年数による経年劣化を考慮して負担割合が調整されるケースも多くあります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、契約終了に伴う原状回復義務や経年劣化の考え方が示されています。
このうち、リフォーム工事費については、住んでいた年数による経年劣化を考慮して負担割合が調整されるケースも多くあります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、契約終了に伴う原状回復義務や経年劣化の考え方が示されています。
連帯保証人でも、請求額をそのまま受け入れる前に内訳を確認してください
連帯保証人として責任が残る可能性がある場合でも、請求された金額をそのまま無条件に受け入れる前に、内訳を確認してください。
どこまでが特殊清掃費で、どこからが家財撤去費なのか。
原状回復工事費には、通常損耗や経年劣化が考慮されているのか。
また、故人様や大家さんが加入している火災保険(孤独死特約など)が適用され、費用負担が軽減されるケースもあります。契約書に極度額の記載があるかも含め、保険適用の可能性も管理会社へ確認しておくことが重要です。
こうした点を分けて確認することで、感情的な対立ではなく、説明可能な話し合いに進めやすくなります。
また、特殊清掃や家財撤去についても、作業範囲を写真や報告書で確認できる状態にしておくことが大切です。
どこまでが特殊清掃費で、どこからが家財撤去費なのか。
原状回復工事費には、通常損耗や経年劣化が考慮されているのか。
また、故人様や大家さんが加入している火災保険(孤独死特約など)が適用され、費用負担が軽減されるケースもあります。契約書に極度額の記載があるかも含め、保険適用の可能性も管理会社へ確認しておくことが重要です。
こうした点を分けて確認することで、感情的な対立ではなく、説明可能な話し合いに進めやすくなります。
また、特殊清掃や家財撤去についても、作業範囲を写真や報告書で確認できる状態にしておくことが大切です。
家財や生活用品が多く残っている場合、室内への影響を確認します
室内で亡くなられたことによる直接的な影響と、長期間の生活用品の堆積による床・壁・水回りへの影響は分けて整理する必要があります。
家財や生活用品が大量に残っている状態では、室内の傷みが通常損耗の範囲内か、それとも長期間放置されたことによる影響かを確認しにくくなります。
特殊清掃や家財撤去を行った後でないと、床や壁の状態を確認しきれない場合があるため、作業前後の写真記録が重要になります。
室内への影響が大きい場合は、原状回復の負担範囲が広がる可能性があります。
家財や生活用品が大量に残っている状態では、室内の傷みが通常損耗の範囲内か、それとも長期間放置されたことによる影響かを確認しにくくなります。
特殊清掃や家財撤去を行った後でないと、床や壁の状態を確認しきれない場合があるため、作業前後の写真記録が重要になります。
室内への影響が大きい場合は、原状回復の負担範囲が広がる可能性があります。
事例:相続放棄と連帯保証人の立場を混同していたケース
この事例では、相続放棄を検討していたことと、連帯保証人として契約に関わっていたことが分けて整理されていなかったため、費用負担の確認に時間がかかりました。
東京都の物件で、ご親族が室内で亡くなられた事例です。見積もりを確認したご親族は、負担を避けたいと考え相続放棄を検討しました。
しかし、管理会社が契約書を確認すると、そのご親族が連帯保証人として署名していたことが判明しました。
相続人としての立場と、保証人としての立場が整理されていなかったため、結果として、原状回復費・特殊清掃費・家財撤去費の負担について、管理会社・大家さんとの間で改めて確認が必要になりました。
東京都の物件で、ご親族が室内で亡くなられた事例です。見積もりを確認したご親族は、負担を避けたいと考え相続放棄を検討しました。
しかし、管理会社が契約書を確認すると、そのご親族が連帯保証人として署名していたことが判明しました。
相続人としての立場と、保証人としての立場が整理されていなかったため、結果として、原状回復費・特殊清掃費・家財撤去費の負担について、管理会社・大家さんとの間で改めて確認が必要になりました。
相続放棄を考えている場合、家財処分の前に確認してください
相続放棄を検討している場合、家財処分・貴重品探索・支払いを進める前に専門家へ確認してください。
家財の中には財産や重要書類が含まれることがあるため、相続放棄を検討している段階で家財の処分を進めると、後で確認が必要になる場合があります。
もし管理会社から退去を急がれても、まずは「相続放棄を検討しているため、今はまだ家財に触れられない状態です」とお伝えいただくのが第一歩となります。
家財の中には財産や重要書類が含まれることがあるため、相続放棄を検討している段階で家財の処分を進めると、後で確認が必要になる場合があります。
もし管理会社から退去を急がれても、まずは「相続放棄を検討しているため、今はまだ家財に触れられない状態です」とお伝えいただくのが第一歩となります。
また、家賃や清掃費を誰が負担するかは、相続人・連帯保証人・相続放棄の有無によって変わることがあります。
相続放棄には期限があります。原則として、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
一部の業者から「早く片付けないと家賃がかさみますよ」と急かされても、ご自身の判断だけで処分を進めないようご注意ください。
まごのてでは法律判断そのものは行えませんが、室内の状態確認や写真記録、作業範囲の整理によって、管理会社や専門家へ相談しやすい材料を整えることはできます。
相続放棄には期限があります。原則として、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
一部の業者から「早く片付けないと家賃がかさみますよ」と急かされても、ご自身の判断だけで処分を進めないようご注意ください。
まごのてでは法律判断そのものは行えませんが、室内の状態確認や写真記録、作業範囲の整理によって、管理会社や専門家へ相談しやすい材料を整えることはできます。
管理会社・大家さん・連帯保証人で確認すること
それぞれの立場で確認すべきこと、記録しておきたい内容を整理しました。
家財撤去後に床や水回りの状態を確認した事例。原状回復費を整理するには、特殊清掃費・家財撤去費・工事費を分けて確認することが大切です。
作業範囲を写真で記録した例。連帯保証人として請求内容を確認する場合も、どの作業にいくらかかっているかを説明できる資料が重要になります。
相続放棄と連帯保証人の責任で判断に迷っている方へ
このような状況での原状回復費は、相続放棄だけで判断できるものではありません。
相続人としての立場と、連帯保証人としての立場は別に確認する必要があります。
まごのてでは、特殊清掃費・家財撤去費・原状回復工事費を分けて整理し、作業前後の写真や報告内容を残します。これにより、管理会社・大家さん・専門家へ相談しやすい材料を整えることができます。
「契約書が手元になく、連帯保証人かどうか分からない」「相続放棄を考えているが、連帯保証人になっているかもしれない」「原状回復費の見積もりが妥当か分からない」「特殊清掃費と家財撤去費が一式になっていて内訳が見えない」「管理会社から早く対応するよう言われている」という段階でもご相談ください。対応手順などをお伝えいたします。
相続人としての立場と、連帯保証人としての立場は別に確認する必要があります。
まごのてでは、特殊清掃費・家財撤去費・原状回復工事費を分けて整理し、作業前後の写真や報告内容を残します。これにより、管理会社・大家さん・専門家へ相談しやすい材料を整えることができます。
「契約書が手元になく、連帯保証人かどうか分からない」「相続放棄を考えているが、連帯保証人になっているかもしれない」「原状回復費の見積もりが妥当か分からない」「特殊清掃費と家財撤去費が一式になっていて内訳が見えない」「管理会社から早く対応するよう言われている」という段階でもご相談ください。対応手順などをお伝えいたします。
ご相談時に伝えていただきたい情報:
・物件所在地
・契約者名義
・連帯保証人になっている可能性があるか
・相続放棄を検討しているか
・管理会社・大家さんからの連絡内容
・契約書・更新書類・保証契約書の有無
・極度額の記載があるか
・家財の量
・室内について聞いている状況
・見積書や請求書の有無
・明け渡し希望時期
対応エリア内(東京・神奈川・千葉・埼玉など)では、状態に応じて最短即日相談・現地確認が可能な場合があります。
賃貸物件での対応と連帯保証人に関するFAQ
Q. 相続放棄をすれば、原状回復費を払わなくてよいですか?
A. 相続人としての責任は、相続放棄によって引き継がない扱いになります。ただし、賃貸契約の連帯保証人になっている場合は、相続放棄とは別に保証契約上の責任が残る可能性があります。契約書や保証契約を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士へ相談してください。
Q. 連帯保証人は原状回復費を全額払う必要がありますか?
A. 必ず全額とは限りません。契約内容、極度額、原状回復の範囲、通常損耗や経年劣化、特殊清掃費・家財撤去費の内訳、さらには火災保険などの適用有無によって確認が必要です。請求総額だけで判断せず、費用項目を分けて確認してください。
Q. 原状回復費と特殊清掃費は同じですか?
A. 同じではありません。特殊清掃費は、室内に残った跡や臭いの原因への対応です。原状回復工事費は、床・壁・設備などを復旧するための工事費です。見積書では、特殊清掃費・家財撤去費・原状回復工事費が分かれているかを確認してください。
Q. 家財が多く残っている場合、連帯保証人の負担は増えますか?
A. 家財撤去費や室内への影響が大きい場合、負担範囲が広がる可能性があります。ただし、何が特殊清掃費で、何が家財撤去費で、何が原状回復工事費なのかを分け、経年劣化なども考慮して確認することが大切です。
Q. 相続放棄を検討している場合、部屋を片付けてもよいですか?
A. 相続放棄を検討している場合は、家財処分や貴重品の扱いを進める前に専門家へ確認してください。連帯保証人になっている場合は、相続放棄とは別に対応が必要になることもあります。
Q. まごのては法律判断もしてくれますか?
A. まごのては法律判断そのものを行う立場ではありません。ただし、特殊清掃・家財撤去・写真記録・作業報告・見積内訳の整理により、管理会社や専門家へ相談しやすい材料を整えることはできます。
記事執筆:
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
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産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
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ゴミ屋敷の状態がどれだけひどくても、お断りした現場は15年間一度もありません。恥ずかしがらず、現状をそのままお話しください。










