特殊清掃コラム

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2025.09.17

孤独死後の後始末費用相場は100万円!内訳と支払方法

特殊清掃と遺品整理の相場は100万円
この記事は孤独死の特殊清掃や遺品整理はいったいいくらかかるのかご不安なお客様に向けた内容となっています。

まず大前提として孤独死があった場合の処理にかかる金額はおよそ100万円と覚えておいてください。※この100万円という金額は特殊清掃費と遺品整理費のみであって葬儀費用等は含まれていません。

100万円の根拠は賃貸住宅の契約時に借主側で入る賠償保険の補償額を根拠としていますのでケースごとの差はあるとしても100万円程度かかるということは覚えておいていい数字ですので、特に物件オーナーや不動産会社担当者はしっかり覚えておきましょう。

なお本記事は巷で見かける特殊清掃費用を抑える方法ではありませんし、安く抑えるための業者選びの方法でもありません。冒頭で申し上げておきますがまともな特殊清掃業者を使ってなおかつ費用を抑えるもしくは安く使う方法は存在しませんのでご注意ください。

孤独死の特殊清掃費用の決まり方と処理の流れ

特殊清掃と家財撤去ご依頼の実際の費用

東京都中野区で起きたマンションの孤独死と特殊清掃と家財撤去費は合計で家財撤去でおよそ20万円特殊清掃で38万円という内容でした。家財の量は少な目だったため20万円程度で済んでますがもしゴミ屋敷状態だったり家財が多い場合はもっと高額になります。

特殊清掃はご遺体痕洗浄と室内すべてのハエ跡や除菌洗浄をし完全に消臭しました。この後に床面の大工工事と床板新調、壁クロス貼替などの原状回復工事に入りリフォーム費用は約40万円弱でしたのでリフォームまで含めて100万円と比較的安価に収まった事例でした。

孤独死の特殊清掃費を支払うべき人
 
地域 東京都中野区
建物タイプ マンション2F 1DK
状況 死後1ヵ月程度、臭いレベル高め、ハエ大量
作業内容 特殊清掃、家財撤去、原状回復リフォーム
期間 完全消臭までにおよそ3週間
 
孤独死の特殊清掃
孤独死で約1か月後に発見
 
東京の特殊清掃業者まごのて
完全な消臭ができる特殊清掃業者
 
特殊清掃費用相場
特殊清掃費で38万円
 
孤独死の特殊清掃と遺品整理の費用相場

孤独死が起きた時の後始末費用(賃貸住宅の場合)

では具体例を交えながら特殊清掃やご遺品整理の費用についてもう少し深堀して進めていきます。まずは賃貸住宅の例でみていきたいと思います。賃貸住宅の場合は不動産管理会社が間に入ったり物件オーナーの意向があったりと若干進め方が煩雑になったり費用負担でトラブルが起きたりしやすいという特徴があります。

賃貸住宅で孤独死が起きた場合に発生する費用は概ね次の4つあると覚えておいてください。

1.特殊清掃(完全消臭)
2.ご遺品整理(家財撤去)
3.原状回復工事(リフォーム)
4.未払い家賃や経過賃料


1.の特殊清掃と2.のご遺品整理については事案ごと違いはありますが50万円ずつが相場であるとお伝えした通りですので3.のリフォームと4.の賃料の関係をお伝えしていきます。

特殊清掃やご遺品整理費用リアルな支払金額
 
孤独死の後始末費用

原状回復工事(リフォーム)の責任の範囲

部屋を引渡す際には原状回復義務というものがあり、これは孤独死が起きたから特別というものではなく普通に引越して退去する際も同じ考え方で、賃貸住宅に住んでる人全員に等しく課せられる義務です。

現在の原状回復の考え方はまず大前提として入居当時の状態に戻しなさい、です。ただし経年劣化や通常損耗分を加味するというルールがあります。すなわち壁紙や畳や床材は新品に戻す必要はなく経年変化、つまり住んでた期間なりの汚れや劣化はそのままでいいという意味です。

たとえ孤独死が起き相当部屋を汚したりしていたとしても特殊清掃でしっかり汚れを落とし完璧に臭いを消せばその義務は果たしたと言えます。ただし特殊清掃の過程では壁紙を剥がしたり石膏ボードを取り去ったり床板の一部を解体したりすることがありますのでその部分は補修しなければいけないというのがルールです。

とは言うものの古い建材を洗って再利用することはできませんので自ずと新品にならざるを得ないというのが現実的なところです。ただし100%ご遺族負担になるのかと言えばそうでもなく新調された内装は次の入居者が賃料として払い償却されるという性質ですからご遺族と大家さんが話し合って按分するという方法で行います。

なおこの原状回復費の部分は今回題材にしている費用100万円の中には含まないのでご注意ください。したがって厳密には特殊清掃費と遺品整理費のMAX料金+リフォーム費用となります。

孤独死が起きた部屋のリフォーム費用は誰が支払う?
 
孤独死部屋のリフォームは誰が支払う?

トラブルが起きやすい原状回復費と経過賃料

特殊清掃後のリフォームではしばしば大家さんとの間で費用負担についてトラブルが起きます。大家さんはすべての内装を新調し費用は全額遺族や連帯保証人が支払うべきだ!という考えが根底にあるため起こる問題です。

令和6年に起きた東京都江戸川区での孤独死現場の特殊清掃から原状回復までをかかった費用を順を追ってまとめたものを表にしました。
 
1.特殊清掃 特殊清掃一次処理11万円 特殊清掃(完全消臭)35万円
2.家財撤去 31万円
3.原状回復工事 クロス貼替え93,000円 床フロアタイル張替え144,000円
未払家賃と経過賃料 14万円
敷金精算 -7万円

特殊清掃費と家財撤去費用についてはご遺族負担で異論なく進んでいったのですが、原状回復費について大家さんから全額ご遺族に求めるという申し立てがされました。確かに特殊清掃時にクロスも剥がし床板も一部切り取ってますし一見大家さんの言い分が正しいように見えましたが入居から16年経過してることから壁紙も床材も償却済であったため費用を按分したいと交渉したのです。

その結果クロスに関しては100%大家さん持ち、床材については賃借人(ご遺族)40%負担のおよそ6万円で決着しました。未払いの家賃や経過賃料についてご遺族側は不服そうでしたが物件の引渡しが完了するまでは家賃は発生します。よく死亡した時点で家賃は支払わなくて良いと考える方が多いようですが物件の引渡しまでが賃料の発生期間であることは覚えておきましょう。

この孤独死事案では最後に敷金充当がありましたのでご遺族のトータル負担分は90万円(税別)となりましたので概ね相場通りの決着となりました。※写真下部に関連する記事のリンクを貼っておきますのでどうぞ参考にしてください。

孤独死の特殊清掃業者ならまごのて
特殊清掃費用の決まり方解説
 
完全消臭ができるまごのて
特殊清掃費用は誰が払う?
 
原状回復リフォームの費用負担
孤独死で損害賠償請求
 

賃貸住宅の退去費用(特殊清掃費)が用意できない時

特殊清掃とその他費用で100万円前後かかるということはお分かりいただけたと思いますが、ではこの100万円という高額な費用が用意できない場合はどうすればいいかについて考えてみたいと思います。

100万円は大金ですし。孤独死などは事前に準備できる性質ではありませんのでお金がないということは充分考えられます。だけど放置しておくわけにもいかないのでやはりなんとかしなければいけない。

手元のお金が無い場合に後始末の費用はどうすればいいかを考えていきたいと思います。また特殊清掃から原状回復までの流れの中でどのタイミングで支払うのかもお伝えいたします。

特殊清掃から原状回復までの支払タイミング

一連の流れの中で何をいつ支払うのかをお伝えします。特殊清掃から原状回復完了までは大きく4回の支払があると思ってください。

1. 特殊清掃一次処理時(8万円~15万円)
2.ご遺品整理完了時(数万円~50万円前後)
3.特殊清掃二次処理完了時(15万円~40万円前後)
4.リフォーム等原状回復完了時(5万円~30万円前後)

まごのての場合ですと(1)特殊清掃一次処理時にいったんお支払いただき、その後すべての工程が発注されればすべての完了時のお支払か、(3)の特殊清掃二次処理完了時にいったんご精算いただくことが多いです。

現実的にはあり得ませんが、もし各工程ごと違う業者に発注すればそれぞれの完了時に支払いが発生します。また支払のタイミングは原則的に完了時に現金で清算し、既存取引がある法人以外は末締め翌末払いのような決済方法ではありません。

したがって(2)~(4)でおよそ一か月かかるとすれば少なくとも一か月以内に支払資金を調達しておく必要があるということです。

特殊清掃費の100万円が払えない時

特殊清掃費100万円の手元資金がなく払えない時

特殊清掃費をはじめ孤独死の後始末費用がどうしても払えないという場合は少なくないと思います。そんな時はどう動けばいいのかをお伝えします。

1.相続財産があれば仮払い
故人にいくらかの財産がある場合は遺産分割協議前であっても葬儀費用など目の前ですぐに必要な資金を口座から引き出すことができる制度がありますのでもし財産がある場合は銀行に相談してみましょう。

2.借家人賠償保険の加入の有無を確認
特殊清掃費などが補償される保険に加入していなかったかを確認してみましょう。かつて遺品整理時に保険証券が見つかり保険に加入していたということもありました。

3.特殊清掃業者にローン制度があるか確認
まごのての場合だと全額は難しいですが半分程度の残金であれば分割払いが可能ですが、審査があることと残金に対しての手数料が発生するデメリットはあります。

4.遺品や家を売却して資金調達する
もしご遺品の中に確実にお金になるものがあれば売却して資金を得る方法がありますが、相続人が多い場合は全員の同意が必要などの制約はあります。同じく家やマンションが自己所有の場合は売却する方法もありますが遺産分割協議後に相続登記が完了してからとなりますので時間がかかるという難点はあります。

いずれも故人の資産や財産があれば比較的資金調達はしやすいのですが、まったくお金が無い場合は相続放棄もしくは(3)の特殊清掃業者のローン制度に頼るのが現実的かもしれません。

【資金ゼロ可】家やマンションを売って特殊清掃費に充当

上記で故人が残したマンションや家を売却する方法ですが、本来であれば相続登記が完了してからでないと売り出すことができませんが、まごのての不動産買取システムであれば相続登記前でも買取が可能で、しかも特殊清掃や遺品整理を行わず現状のまま買取が可能です。

ただし確実に売却するという意思表示が相続人全員から書面をいただくことと、概ね一か月以内に遺産分割協議が終わることや残債や抵当権設定がないことが条件となりますので相続人が多数いる場合や複雑な権利関係が絡んでる場合は難しい可能性がありますが手持ち資金ゼロで孤独死の後始末ができる唯一の方法だと思います。

孤独死が起きた家をそのまま買取ります!

孤独死が起きたら東京近辺では機動力が高いまごのて

株式会社まごのては孤独死の特殊清掃やゴミ屋敷のお片付けを主に行う清掃会社で、業歴は15年を超えるプロ中のプロ業者です。

特殊清掃は今まで数々のあらゆるケースを経験しており、抜群の機動力で完璧に部屋を再生させてきた実績豊富な特殊清掃業者ですので安心してご相談ください。

特殊清掃やご遺品整理の対応エリアは東京都内はもちろん、近隣の神奈川、千葉、埼玉、茨城や山梨や栃木、群馬の一部地域でも対応しており、特殊清掃一次処理は最短即日にお伺いできる体制を整えていますので孤独死が起きお困りのお客様はお気軽にご相談ください。

 
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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