特殊清掃コラム

孤独死の消臭
2026.08.09

特殊清掃でオゾンだけ依頼できる?洗浄前に機械だけ使わない理由

オゾンは消臭機ではない

「清掃は自分たちでやるので、オゾンだけかけてもらえませんか?」

特殊清掃の相談で、実際にこう聞かれることがあります。機械だけなら作業が早く、床や壁を触らずに済み、費用も抑えられそうに見えるからです。

ただ、まごのてでは、現場を確認しないまま「オゾンだけ」の作業を先に決めません。理由は、オゾンが弱いからではありません。床材、巾木、壁際、家財、下地などににおいの原因が残っていれば、まずその場所を確認する必要があるからです。

オゾンが効かないのではありません。オゾンが効く状態まで、現場を整えられていないのです。

この記事は、オゾン機の性能や濃度を詳しく比較する記事ではありません。「オゾンだけを依頼したい」と考えたとき、機械を入れる前に何を確認するのかに絞って説明します。

この記事で確認すること

・なぜ「オゾンだけ」の依頼をそのまま受けないのか

・清掃済みでも、オゾン前に確認する場所

・床材剥離・洗浄 → オゾン → 臭気確認という実際の順番

・業務用、高濃度、長時間より前に見ること

・他社施工後ににおいが戻った場合の分岐

「オゾンだけ」を先に決めない理由

オゾンは特殊清掃の消臭工程で使う技術の一つです。ただし、機械を置くことと、においの原因を取り除くことは同じではありません。

床材の下、畳下、巾木、壁際、木部、家財、下地などに原因が残っている場合、空間へオゾンを出す前に、その場所を確認し、必要な撤去・洗浄を行います。

「オゾンだけ」を決める前に見ること

・においの原因になっている場所を確認済みか

・においを出し続ける物を撤去済みか

・床材・巾木・壁際・下地を必要な範囲まで確認したか

・洗浄後に乾燥させているか

・その後に残る空間のにおいへオゾンを使う段階か

「清掃済みです」だけでは、オゾンの段階か判断できない

他社やご家族が先に清掃している場合でも、「清掃済み」という言葉だけでオゾン施工へ進むかは決められません。

確認すること なぜ確認するか
撤去した物 においを出し続ける家財・建材が残っていないかを見る
床・巾木・壁際 表面以外へ原因が入っていないかを見る
洗浄範囲 何を拭いたかではなく、原因箇所を処置したかを見る
乾燥状態 洗浄直後ではなく、乾燥後のにおいを確認する
現在のにおい 部屋全体か、床際・壁際など局所かを分ける

前工程が確認でき、原因箇所の処置が済んでいる場合は、その後の空間処理としてオゾンを検討することがあります。

実写で見る|オゾン前に床材を外して洗浄することがある

現行記事では、床材を外し、においの原因が残る可能性がある箇所を物理的に確認・洗浄している写真を掲載しています。

オゾン施工前に床材を外して洗浄している特殊清掃の作業
現行記事で使用している作業写真。オゾンを使う前に、床材や周辺を確認し、必要な撤去・洗浄を行います。

すべての現場で床を剥がすという意味ではありません。原因が表面で止まっているのか、床材の下や巾木側まで確認する必要があるのかを見て、作業範囲を決めます。

前工程が整ってから、オゾンを仕上げ工程として使う

撤去・洗浄・乾燥などの前工程を行った後、空間に残るにおいへの処理としてオゾンを組み込むことがあります。

特殊清掃の前工程後に密閉した室内で業務用オゾン機を使用している様子
現行記事で使用しているオゾン施工の写真。機械は前工程の代わりではなく、現場を整えた後の工程として使用します。

オゾンを扱う工程では、人や動物の退出、第三者の立入り管理、停止後の換気、再入室条件など、安全管理も必要です。オゾンは高濃度では健康への影響があるため、機械を置くだけの作業として扱いません。

外部資料|米国EPA Ozone Generators that are Sold as Air Cleaners オゾンは高濃度では健康への影響があり、室内での使用は安全管理と切り離して考えられません。

オゾンの後は「においがしない」で終わらず再確認する

オゾンを停止した直後の室内で、元のにおいが分かりにくくなっていることがあります。その状態だけで完了を決めません。

換気後、処置した場所、床際、壁際、収納などを再確認し、必要に応じて臭気測定も補助情報として使います。

オゾン施工後に臭気測定器を用いて状態を確認している様子
現行記事で使用している臭気確認の写真。機械を止めたことを完了にせず、換気後の状態を再確認します。

業務用・高濃度・長時間より先に、前工程を確認する

「業務用なら強いのか」「何時間回せばよいのか」「オゾン臭がすれば効いているのか」といった技術論は、このページの主役ではありません。

それらを比較する前に、このページではオゾンを使う前の現場が整っているかだけを確認します。

オゾン技術の総論 オゾン万能説は誤りです|特殊清掃の消臭は機械より汚染源の撤去・洗浄で決まる 業務用・高濃度・長時間、安全管理、オゾン臭、完了確認など、オゾン技術そのものはこちらで詳しく整理しています。

他社でオゾン施工後ににおいが戻った場合は、追加オゾンから始めない

すでに他社でオゾン施工を行い、数日後・数週間後ににおいが戻った場合は、「もっと長く」「もっと強く」と追加施工を決める前に、前回の工程を確認します。

見積書、作業報告、施工写真、撤去範囲、床材・巾木・下地の確認状況を見て、何が未確認だったのかを整理します。

他社施工後・再施工 特殊清掃の消臭やり直し|オゾンだけを強調する業者に注意 他社施工後のにおい戻り、オゾン一式の見積書、再施工の順番はこちらの記事へ分けています。

「高性能オゾン」を強調する業者は、機械より作業範囲を見る

「最新機種」「高性能」「長時間稼働」といった説明を受けたとき、その業者の施工品質まで含めて判断したい場合は、オゾン単体ではなく、見積書・作業範囲・記録・再対応条件を確認します。

業者選び・やり直し実例 特殊清掃でにおいが取れない|やり直し相談約20%から見る業者選び 他社施工後のやり直し実例から、施工範囲・作業記録・再対応条件を見る記事です。

「オゾンだけ」を相談するとき、分かる範囲で伝えてほしいこと

・どんなにおいが気になっているか

・孤独死後、ペット臭、生活臭など、分かっている原因

・すでに撤去した家財・建材

・床材、巾木、壁際、下地を確認済みか

・洗浄・乾燥をどこまで行ったか

・前業者の見積書・作業報告があるか

・退去、引渡し、リフォームなど次の予定

現場写真がなくても相談できます。ご遺族が写真撮影のために無理に室内へ入る必要はありません。

対応地域|機械を運ぶ前に、現場条件を確認する

まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に特殊清掃・消臭の相談を受けています。茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の一部地域は、作業内容や現場条件を確認して対応可否をご案内します。

オゾンだけの相談でも、所在地より先に、においの原因、前工程、建物種別、退去・引渡し・原状回復の予定を確認します。

FAQ|「オゾンだけ」依頼と特殊清掃

Q. 特殊清掃で、オゾンだけを依頼できますか?

A. 現場の状態を確認せず、機械だけを先に使う依頼は基本的に切り分けて考えます。床材、巾木、壁際、家財、下地などににおいの原因が残っていないか、前にどこまで撤去・洗浄・乾燥しているかを確認し、オゾンを使う段階に進んでいるかを判断します。

Q. すでに清掃済みなら、オゾンだけでもよいですか?

A. 清掃済みという言葉だけでは判断できません。何を撤去し、どこを洗浄し、床材・巾木・下地をどこまで確認したか、乾燥後にどこでにおいを感じるかを見ます。前工程が確認できれば、その後の空間処理としてオゾンを検討する場合があります。

Q. 業務用の高性能オゾン機なら、洗浄を省けますか?

A. 機械性能と、原因箇所の撤去・洗浄が必要かどうかは別です。建材や家財ににおいの原因が残っている場合、機械を強くしたり長く稼働させたりすることが、物理的な撤去・洗浄の代わりになるわけではありません。

Q. オゾンを使ったのに、においが戻るのはなぜですか?

A. 前工程で確認していない床材の下、巾木、壁際、木部、下地、家財などに原因が残っていることがあります。追加でオゾンを使う前に、前回どこまで確認・撤去・洗浄したかを整理します。

Q. オゾン施工中に室内へ入れますか?

A. 高濃度のオゾンを扱う工程では、人や動物がいる状態での運転を前提にしません。立入り管理、停止後の換気、再入室条件など、安全管理を施工業者が説明できることが重要です。

Q. 現場写真がなくても相談できますか?

A. はい。ご遺族や関係者が写真撮影のために無理に室内へ入る必要はありません。においの種類、前回の清掃内容、床や壁をどこまで確認したか、見積書・作業報告の有無など、分かる範囲から整理できます。

まとめ|オゾンを使うかより、使う段階まで進んでいるかを見る

「オゾンだけかけてほしい」という相談に対して、まごのてが先に確認するのは機種や稼働時間ではありません。

においの原因が残っていないか、必要な撤去・洗浄が終わっているか、乾燥後にどこでにおいを感じるか。その状態を整理してから、オゾンを使う工程かどうかを考えます。

オゾンだけを断っているのではありません。オゾンを使う前に、オゾンを使う段階まで現場が進んでいるかを確認しています。

「オゾンだけでよいのか」で迷っている方へ

すでに清掃済みなのか、床や巾木をどこまで確認したのか、オゾンを追加する段階なのか。分かる範囲から現在地を整理します。現場写真がなくても相談できます。

※正式な現地見積もりは有料です。高濃度オゾンを扱う工程では、安全管理・換気・再入室条件を施工側で確認します。

記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。

日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。

東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 創業15年・施工不能ゼロ 学術登壇実績あり
  • instagram
  • youtube

孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。


事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。