特殊清掃コラム

遺品整理
2024.02.22

【遺品整理】ゴミ屋敷化した部屋の特殊清掃と家財整理

ゴミ屋敷のお片付けと遺品整理は本来同列に扱うことはできないのですが、実際にはゴミ屋敷状態の部屋の遺品整理をすることもありますし、ゴミ屋敷化した部屋で孤独死が起きることもあります。

他社のサイトを見てもゴミ屋敷、不用品回収、遺品整理と同じように書いてる業者もありますが、まごのてでは厳密に線引きをしていますが実例としてゴミ屋敷化した部屋の遺品整理についてフォーカスしたいと思います。
 
ゴミ屋敷化した家の遺品整理
ゴミ屋敷化した部屋の遺品整理は難しい
遺品整理とは故人の遺品を整理しながら目的を達することです。目的を達するとは賃貸の部屋だから返せるように空にするとか、心の中で区切りをつけるためなどです。

ゴミ屋敷化してる部屋の場合は遺品整理をやるより先にゴミの片付けからしなければいけません、ゴミを片付けて遺品を整理できる状態にすることから始めなければいけませんので通常の遺品整理よりひと手間かかるのです。

文字に書けば簡単に思うかもしれませんが、作業の重みがまったく違うためゴミと遺品の区別もつかないような者がやるものではありません。
 

ゴミ屋敷の中で亡くなってしまう事例多発

まごのてはどんな状態の部屋でも片付けて清掃するということを広くお知らせしていますので、自ずとゴミ屋敷状態の中での孤独死事案などを多数手がけています。特に2022年2023年は猛暑でこの記事を書いてる2023年9月でも未だ日中気温が30度を超える日が続いています。

このところゴミ屋敷(ゴミ部屋)で亡くなってしまった特殊清掃相談がひじょうに増えています。ゴミ屋敷の場合エアコンが効かない又は壊れてるのに修理に呼べないという事情があり、熱中症で亡くなってしまい発見が遅れるというものが増加しています。独居のお年寄りだけではなく40代や50代の人も亡くなっていますので注意が必要です。

ゴミ屋敷化した部屋での孤独死が急増した理由と対策方法
 
命の危険がある部屋
ゴミ屋敷は命の危険がある部屋
部屋そのものが危ない命の危険すらある部屋の代表格がゴミ屋敷ではないでしょうか。私たちが過去に経験したものではゴミの山から滑って落下し起き上がれず死亡、室内で躓き大けがをしたなど、ゴミ屋敷だったために亡くなったりケガをしたという事例は結構多いです。

エアコンを使わず熱中症死亡というニュースは真夏によく耳にしますし実際に多いですが、この場合は比較的対策がしやすいですが、ゴミ屋敷となれば普段の生活スタイルはもちろん季節関係なく対策すべきことです。

ゴミ屋敷での死亡例はその前段階で室内で事故が起きてることが多く、転倒や落下、頭上に物が落ちてくるなどですから日頃から室内の安全面の確保は注意しておきたいところです。
 

遺品整理をしたくてもできないレベルのゴミ屋敷

身内が亡くなり遺品整理をしようと家に入ったらゴミ屋敷状態で手を付けれないとご相談を受けることがよくあります。そんな場合はどのように進めるのが良いのか、片付け業者を呼ぶにしてもどんな業者を使えば良いのかをお伝えいたします。あくまでも身内でご遺品整理を行う場合と片付け業者に任せて遺品整理を行う場合といずれも実例から数例ご紹介いたします。

玄関から入ることができないレベルのゴミ部屋

事故で急に息子さんを亡くしたというご両親から相談があり、遺品整理と掃除をして部屋を返そうと不動産会社で鍵を借り玄関ドアを開けたらゴミ山で入ることができないというものでした。指定された世田谷区のマンションへ向かいドアを開けると確か1m強のゴミ山が鎮座していました。

ゴミ山に登りとりあえず部屋の様子を見てお伝えしますねと部屋へ進入していきました。普通のよくある造りの1Kマンションで単純なゴミ部屋でした、玄関から廊下はゴミが踏みしめられて固くなっていましたが室内の一部は床があるという単身のゴミマンションではよくある光景です。

スマホで室内の写真をご両親に見せ2通りの進め方をご提示しました、明らかなゴミだけある程度回収してとりあえず部屋に入れるようにし以降はご両親で遺品整理と清掃をする。もう一点は大半の作業を私たちに任せていただきゴミではない物を取り置き選別してもらう。

そう長い時間東京にはいることができないということで私たちに作業をお任せいただき後半はご両親も一緒に片付け作業をするという方法を取りました。写真や卒業アルバム、そして上京する時に持たせたお守りなどを見つけることができ、事故死という悲しい出来事ではあったけど乗り越えていけそうですという言葉が印象的でした。

玄関のゴミ
玄関から危険な状態のゴミ屋敷
玄関から山のゴミ屋敷
山登り状態で玄関から入る

「ある物」を探すためだけにお片付け依頼

実家を遺品整理しているがゴミ屋敷すぎてなかなか作業が進まなく、事情があって他の兄弟より先に見つけたい物があるので手伝ってほしいというご依頼でした。東京都内から車で1時間ほどの地方の一軒家でかなり大きく古い家で外観からも裕福そうな構えの家でした。両親が亡くなって数年が経つけどまだ遺産分割協議もしておらず兄弟でゆっくり遺品整理をしているということでした。

ご依頼の女性は兄弟の一番下の妹さんで兄たちにわからぬように「ある物」を確保したいということで、場所もだいたいわかってるけど目的のタンスにたどり着くまでの道を造りたいというものでした。ゴミ屋敷すぎると聞いていましたが私たちにすればゴミ屋敷というより少し荒れてガラクタが多い程度ですので作業的な困難はありません。

対象の部屋は10畳ほどの和室で元々お母さんが寝室として使っており、今は倉庫のような状態で物置と化し床面には新聞やダンボールが積みあがってるという状況、そして目的の物が入ってるであろう桐たんすは部屋の奥でした。ただ兄たちにこの部屋を物色したことを悟られたくないのでゴミは極力回収せず「ある物」を確保したら元通り適度に荒らしておいてほしいとなんとも変なご依頼でした。

女性の依頼通り道を造りタンスに辿り着いた女性はタンス内を探し「ある物」を見つけたました。その気になるある物とは、大昔に政治家たちが脱税やマネーロンダリングに利用した無記名債権でした。お母さんが生前に「何かの時にはこれを置いておくから」と言われたのを思い出し兄たちにわからないように持ち出したのでした。金額まではわかりませんが500万円券だとすれば10枚近くあったのではと思います。

遺品整理前のゴミ屋敷片付け
兄弟より先に見つけたかったある物
大金の隠し場所
大金が隠れていたゴミ屋敷

ゴミの中から大金が次々出る遺品整理現場

賃貸マンションに住む母が亡くなったので部屋の片付けと清掃をお願いしたいと連絡をいただきました。ただし相当なごみ屋敷なので自分たちは入ることができないということでした。急ぐというので現地見積りを省き作業日当日に確定料金を出し行うという方法にしたのです。マンション下で鍵を受け取り部屋を開けるとかなりゴミ質も悪くゴキブリが這いまわりコバエもブンブン飛んでるという有様でした。

マンション下で待つ娘さんに片付け費用と部屋の状況を伝え探し物はあるかと聞きますと「全部捨てて!」「貴重品なんてあるわけないから」とかなり不機嫌な様子、どうやらお母さんとは疎遠でこのマンションを借りた約15年前に連帯保証人になってたから仕方なく後始末をしているという感じで、終わったら電話くださいとその場を去ったのです。

作業開始からすぐにあっちこっちからお金が出てきます、コンビニ袋の中から数千円と小銭、台所の天袋に封筒に入った数万円など、大きなお金ではないけど至るところから出てきます。経験則では小さなお金が出る部屋はやがて大きなお金を発見することが多いので慎重に作業を進めました。床面のゴミが無くなる頃に出てきたお金はザっと目視で30万円ぐらいでした。

ゴキブリの糞だらけの押入れを片付けてるときにそれは出ました。非常持ち出し袋が不自然に重く、水でも入ってるのかと中を開けると帯封の1万円札の束が3つと封筒に入った数十万円、そして圧巻は両サイドのポケットからゴールドのインゴットが500g2本!これだけの金品が出たら私たちだけで進めるわけにもいかず娘さんに電話をしすぐに部屋へ来てほしいと伝えたのです。

1時間ほどで娘さんは到着しこれだけの物が出ましたと金品を渡し、ここから先は一緒に整理していきませんかと提案したのです。ときおり走るゴキブリに驚きながらもタンスの中などを一緒にチェックしてる時に小さな日記のようなノートを発見し娘さんに渡しました。手に取りパラパラとページをめくり流し読みをしていましたが、あるページで手が止まりやがてその場に泣き崩れてしまったのです。

そして「お母さんごめんなさい」と何度も繰り返していました。私たちには何が書いてあったのかは知る由もありませんが、娘さんの長年の氷を一瞬で溶かす何かがあったのでしょう。遺品整理の醍醐味はこのようなシーンにあるのです。ご遺族と故人の架け橋になる、これがまごのての遺品整理です。

孤独死が起きた部屋の特殊清掃と遺品整理

室内で死亡しご遺体発見まで相当日数が経過してしまった場合には特殊清掃という工程が必要で、まごのてでは全業務の3割ほどがこの孤独死があった部屋を清掃したり消臭する特殊清掃です。その中には当然ゴミ屋敷化した部屋であることもあるわけで、ゴミ屋敷というだけで特殊清掃の難易度は一気にあがってしまいます。そんなゴミ屋敷での特殊清掃と遺品整理についてお知らせしていきます。
 

ゴミへ山をかき分けご遺体痕を特定した孤独死部屋

東京都墨田区のアパートで住人の孤独死が起きたので特殊清掃をしてほしいと不動産会社の依頼を受け現地に向かいました。古い住宅街のアパートですでに外まで腐乱臭が漏れ出ています、開錠し中に入ると完全なゴミ部屋です!目視でご遺体痕を見つけることができません。

特殊清掃はまずご遺体痕回りを清掃することが必要ですので、その場所を特定する必要があるのですが、この部屋の場合はペットボトルなどのコンビニごみに阻まれて特定できません、おそらく警察がご遺体搬出後にゴミ山が崩れご遺体痕を隠してしまったのでしょう。

不動産会社のよれば居室の真ん中付近ということでしたので部屋の中央からゴミを掘り進めますが、ご遺体痕がある形跡はありません。この作業はかなり慎重に行わないと下手をすれば腐敗体液もモロに浴びることになってしまいます。

部屋の中央から部屋の奥へ進める者と廊下側へ進む者とに分かれてひたすらゴミをかき分けていきます、廊下側に進んでいた特殊清掃作業者が「ここです!」と指さす場所を見ると頭皮と髪の毛がへばりついたペットボトルの山がありました。

ゴミ部屋での孤独死はゴミを伝って腐敗体液が広範囲に流れますので、慎重に遺体痕を検索し露出させていかなければいけません。ご遺体痕を特定せずゴミだけ取っていくような作業をすると不用意に汚れを拡散させてしまうことになり後の遺体痕洗浄や消臭作業に大きく影響してしまいます。まごのては特殊清掃もゴミ屋敷の片付けも経験が豊富ですのでたとえゴミ部屋での孤独死だとしても的確な判断ができるのです。

残置物撤去業者が飛んで逃げた孤独死ゴミ屋敷

昨今は賃貸住宅で死亡事故が発生した場合は家賃保証会社の手ですぐに家財撤去が行われます。本来であれば先に特殊清掃をすべきですがとにかくすぐに残置物撤去業者が入室します。保証会社手配の家財回収業者はお片付けや清掃をするというよりゴミ回収屋ですので作業はひじょうに荒いです。

東京都内のアパートの残置物を回収に行ったという業者から相談の電話がありました。どうやら孤独死が起きた部屋ということは知らされてなく、ただのゴミ屋敷と聞いていたそうです。作業を行おうと玄関から一歩踏み込んだところ玄関に溜まっていた腐敗体液に足を突っ込み滑って転んでしまったということでした。

孤独死があった事実を告げられていなかったことも問題ですが、入室前に異変を察知できなかったことも問題で、玄関に腐敗体液だまりがあるようなレベルだと素人でも判断がつくはずなのですが急いでいたのか経験不足なのかはわかりませんが腐敗体液まみれになるという憂き目にあったようでした。

部屋の中のゴミも家財もその業者が回収するというので玄関前のご遺体痕の清掃だけをすることになったのですが、確かに遺体痕そのものは見極めが難しいと思いますが、臭いとウジ虫やハエの量で判断できそうなものですが、ゴミ屋敷であるという概念がその判断を鈍らせたのでしょう。まごのてで後の作業がスムーズに出来るよう初期の消臭と清掃を行いゴミ回収業者にバトンタッチしたのです。

ゴミ屋敷で孤独死!それでもご遺族が遺品整理をしたい

ゴミ屋敷状態の部屋で孤独死があった場合、大半のご遺族はゴミ撤去と遺品整理まで私たちにお任せという選択をしますが、できれば入室して身内で遺品整理をしたいと希望される場合もあります。まごのてではゴミ屋敷状態だとしてもご遺族が遺品整理をできる環境を作り出すことが可能です。

ゴミ屋敷での孤独死は複数のお片付け清掃の要素があります。

1.特殊清掃
2.ゴミ撤去
3.遺品整理


まごのてでは基本的に孤独死であっても遺品整理はご遺族で行ったほうが良いと考えていますので、まず初期の清掃と消臭をして入室環境を整えることを推奨しています。この作業は特殊清掃一次処理と呼んでおり、孤独死が起きた部屋を一時的な清掃を行いストレスなく入室できるようにするというものです。

ゴミ屋敷の場合は特殊清掃一次処理に更に入室しやすいようにゴミを撤去します。ゴミ屋敷の状態にもよりますが最低限床面のゴミや食品ゴミや冷蔵庫内の物を回収します、トイレなども汚れていれば気持ちよく使えるようにクリーニングし遺品整理の環境を整えるのです。

ゴミ屋敷状態の中での孤独死と聞けば、ご遺族は入ることすらできないと考える必要はなく、まごのてはご遺族の心情を理解できる特殊清掃業者ですので一見不可能と思えることでも可能になるのです。どんな状況の部屋でも遺品整理ができるようにしますのでお気軽にご相談ください。

まごのての特殊清掃一次処理のご案内

ゴミ屋敷での遺品整理もまごのてにお任せ!

ゴミ屋敷状態の部屋での遺品整理や特殊清掃はまごのてが一番得意とする内容です。ゴミ屋敷のお片付け事業から出発したまごのてだからこそ出来るノウハウがたくさんあるからです。

冒頭でゴミ屋敷、費用品回収、遺品整理はそれぞれ分けて考えなければいけないとお伝えしましたが、それぞれの作業を極めてるからこそ複合した場合でも確実な対応ができるのです。

おそらく遺品整理もやりますと書いてる不用品回収業者はゴミ屋敷状態の部屋を目の前にしたらすべてがゴミにしか見えないはずで、遺品を整理するなど端から考えていない業者が手掛けたらどうなるかは火を見るより明らかです。

まごのてはどんな状況の部屋でも本来の目的が確実に達成できる数少ない業者ですので安心してお問合せください。

遺品整理業者の選び方や費用についてのご案内
 
安心安全な遺品整理
安心安全な遺品整理業者であるために
まごのてはどの業者よりも安心安全であるということに15年間ずっとこだわり続けてきました。私たち部屋のお片付けや清掃業者は誰に咎められることなく他人の家に自由に出入りができ、作業上必要であれば引き出しの中を開けることも出来るのです。

ましてやゴミ屋敷や孤独死があった部屋の場合にはご遺族すら立ち入るのが躊躇われるのです、そのようなシーンで得体の知れない良く実態のわからない者を入れることができますか?

キレイなだけのホームページで嘘八百の実績や文言を並べ、よく見たら住所も書いてない書いてあっても社屋もないような遺品整理業者で安心できますか?私ならたとえ相場の半額料金だとしてもイヤです。

まごのてはその安心安全の部分をひたすら追求し今の体制が出来上がりました、その結果どこよりも安心できる業者と各方面からお墨付きを得ています。

安心できる遺品整理業者を探してる、ゴミ屋敷状態の部屋だけど遺品整理をしたい、孤独死が起きた部屋だけど家族で遺品整理をしたいというお客様は安心してお気軽にご相談ください。
 
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

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孤独死が起きてお困りの方は私にお気軽にご相談ください。