事故物件買取コラム

事故物件対策
2025.03.01

【孤独死の特殊清掃】腐敗体液は溶けて流れる!その意味とは

【孤独死の特殊清掃】腐敗体液は溶けて流れる!その意味とは
孤独死が起きた部屋の状態を知っている、またはイメージが沸くという人はほとんどいないと思います。知らないが故に特殊清掃の重要性を軽視し特殊清掃そのものを省いたりまったく手順違いのことをしてる例が目立ちます。

孤独死が起きた部屋を原状回復する上で特殊清掃は重要な過程ですし、部屋が部屋としての役目を取り戻すために必要とわかっているけど手順違いが起きるのは何故かと突き詰めると孤独死が起きた当初の部屋の状況を知らないが故のことと考えました。

手順違いとはどんなことを指すのか冒頭ではっきりと示しておきます。特に不動産業者がやりがちな間違いとして家財の撤去を一番にやってしまうことで、次が一般のご遺族や物件オーナーさんがやりがちな何の処理もしないまま多数の人を入室させてしまう(見積もりなど)ことです。

どちらも人の動きを作ってしまうことが問題で、習慣的にやってしまってると思いますが孤独死が起きた部屋ではNG行為です。どうして家財撤去を先にやったり見積もり等の名目で入室することがダメなのかを解説します。

孤独死が発覚した直後の室内

人は亡くなれば液体となり溶けて流れる
人体の7割は水分で出来ていると聞いたことがあると思います。血液や脂などですが単純に単純に60Kgの体重の人であれば40Kg分が水分となり家で通常使う掃除用バケツで8~10杯分の水分です。

人の体は死亡した瞬間から細胞の活動を停止し腐敗が始まります、腐敗するということは体内の水分が出てくるのです。魚や肉を常温で放置しておくとドリップと呼ばれる液体が出てくるのと同じイメージです。

バケツ10杯の水を部屋に撒いたらどうなるでしょうか?6畳~8畳程度の部屋なら一面水浸しになるでしょうし、一部は階下に漏れるかも知れません、部屋ではなくもっと狭い廊下や玄関だったらどうでしょう?壁まで染みるかもしれません。

水なら透明ですし臭いもありませんが、人体から出た体液だとどうでしょうか?当然色もありますし油分も混じってますし臭いもあります。その液体が部屋一面に広がりその液体目指してウジ虫が何百何千と蠢いているのです。その状況の中で何かをしようという気になりますか?そんな状況になってると知っていたら先にやるべきことは家財撤去や複数の見積もりではないと理解できるのではないでしょうか。下の写真三枚は孤独死発覚直後の部屋の様子です。すべてがこのような例ではありませんがイメージはつかめると思いますので参考にしてください。

孤独死発覚直後
孤独死発覚後の室内の様子
 
腐敗体液が広がる室内
行く手を阻む腐敗体液
 
大量のウジ虫がいる室内
大量のウジが湧き臭いがひどい室内
 

孤独死現場に入り果敢に作業をした結果

昨今賃貸住宅の契約においては家賃保証会社を付けることが通例となっています。家賃保証会社とは賃料の不払いがあったときに大家さんに代わりに支払ってくれたり、夜逃げや死亡事故があった際に残置物を撤去したりします。

だいたいが家賃保証と家財撤去がセットになっており、保証会社側の考え方としては室内に家財がある間は家賃を保証するとなってますから死亡事故があればいち早く家財撤去に取りかかります。実行するのは家賃保証会社のスタッフがやるわけでなく下請けで抱えてる残置撤去業者がやることになるのです。

保証会社の抱えてる業者は死亡事故があり部屋一面に腐敗体液が広がっていようが、糞尿が室内にあろうがお構いなしに家財をどんどん搬出します。遺品整理のように何らかの感情を持つわけでもなく、写真があろうが貴重品があろうがお構いなしにパワーゲームのごとく家財を回収していくのです。

その結果どうなるでしょうか?バケツ10杯分の体液を土足で踏みつけ、汚れた足のまま室内だけでなく廊下を歩きエレベーターに乗りエントランスを通るのです。室内には汚れがさらに広がり、共用廊下やエレベーターにも汚れを付着させ拡散させるのです。当初の状況を知っていれば先に家財撤去をすることがどれだけ愚行かが良く理解できるのではないでしょうか。

入室してはイケナイ!孤独死発覚後

残置物撤去後に居住者から大クレーム
東京都品川区のマンション管理会社から特殊清掃の依頼がありました。話を聞いてみると家財はすでに保証会社が撤去して空室状態だがその直後あたりからマンション住人からにおいがひどいとクレームが起こってるということでした。

当初は対象の部屋から臭い漏れを起こしてるのか窓を閉め忘れたり換気扇が付いたままなのかと思いましたが、現地を見て一目瞭然でした。まず対象の部屋に辿り着くまでの経路ですでに臭いがあり、よく見ると外廊下や階段のいたるところに脂染み汚れがあり、対象の部屋の玄関ドア前には細かなゴミが散乱している有様でした。

すぐに特殊清掃に着手していったのですが、室内より先に共用部からやる羽目になり室内もあちこち汚れが付着し床も脂が広がり最悪な状況になっていました。このように先に知識がない者が入室すると特殊清掃の難易度が上がるばかりでなく本来もっとも大事にしなければいけない居住者にも大きなストレスを与えてしまうことになるのです。

そもそも残置撤去業者にしても他の見積もり名目で入室する業者も果敢に入室する神経がわかりませんし、入らせようとする側のモラルも疑わずにはいられません。手順違いのことをしてしまって汚れが拡散した事例写真を三枚添付しておきますので参考にしてください。この現状を見てもまだ先に残置撤去をしますか?

踏み荒らされて汚れた室内
残置撤去業者が踏み荒らした玄関
 
廊下を汚す残置撤去業者
拡散されたご遺体痕の汚れ
 
共用階段を汚す残置撤去業者
階段や廊下を汚す残置撤去業者
 

孤独死発覚!最初にやるべきことはたった1つ

管理または所有する賃貸住宅で孤独死が起きた、身内が孤独死状態で発見された。それぞれの立場でその知らせを受けた時にやるべきことはたった1つのことです。冒頭で申し上げた通り孤独死が起き発見まで日数が経過してしまった部屋はとても入室できませんし、普通のまともな神経であれば入室しません。

では何をしてから入室するかをお伝えします。

・初期の清掃と消臭をして入室環境を整える。

たったこの1点だけです、この初期の清掃と消臭をまごのてでは特殊清掃一次処理と呼んでおり、2018年頃から導入した人気があるサービスです。他の特殊清掃業者ではあまり見かけない内容の作業ですから馴染みが薄いかもしれませんが何社かは推奨し実施しています。孤独死の報を受けたらまずはこの初期の清掃と消臭を依頼して入室環境を整えてから次の工程に移りましょう。特殊清掃一次処理の詳しい説明は下の写真バナーをクリックしてください。
 
特殊清掃一次処理の詳細説明


物件オーナーにとってメリットが大きい特殊清掃一次処理
特殊清掃一次処理にかかる費用は死後日数や季節によって若干変動しますが7万円~15万円で平均値は10万円で、所要時間は4~6時間です。まごのての場合は東京近辺であれば最短その日に実施いたします。

特殊清掃一次処理で入室環境が整った後に残置撤去やリフォーム等の見積もりのために入室したりご遺族が遺品整理に入りましょう。たった1点これだけをやれば何をしても汚れが広がることはありませんし近隣に迷惑をかけることはありません。

特殊清掃一次処理のメリットは入室環境が整うだけではなく、原状回復までの期間が短くなりますし、トータルの費用も安くなります。先ほどのように汚れを拡散させると特殊清掃の
期間が延びますし本来やらなくても良いことをしなければいけないので費用も上がります。たった10万円と1日を使うだけで大きなメリットを享受できるのですから孤独死が発覚したら特殊清掃一次処理を依頼する、一択ではないでしょうか?
 

まだある特殊清掃一次処理のメリットと目的

実は特殊清掃一次処理にはまだ他のメリットがあります。見た目のインパクトを払しょくすること、室内や外に漏れてる臭いを低減させること以外にも除菌という目に見えないけど重要な要素もあるのです。

ご存じのように菌は目に見えませんが孤独死のあった部屋は当然菌やウイルスが飛散しています、目に見えないから軽視するのか菌の存在をしらないからなのか薄っぺらいマスク一枚で手袋もせず入室してる人がいますが信じられない無謀な行為なのです。

つまり特殊清掃一次処理はご遺族や関係者だけでなく私たちのような業者や今後作業を進める清掃員を守ることにもなるのです。

孤独死が起きた部屋には菌が浮遊

故人への敬意を表す特殊清掃一次処理
そして最後にもう一点あります、故人への敬意とご供養です。私たちの考え方のひとつにご遺体痕は故人そのものというものがあります。例えば寝てる人を踏んだり跨いだりすることは絶対にありませんが、ご遺体痕なら平気で踏みつけるのです

ご遺体痕があるままで残置撤去をしたり縁もゆかりもない業者がドカドカ入ってくるのはいわば寝てる人の頭を踏みつけにするのと同じことなのです。以前まだ特殊清掃業務を始めて間もない頃に特殊清掃とご遺品整理見積もりに伺った際にご依頼者である故人の娘さんが泣きながら「今すぐなんとかなりませんか?いつまでも父を放置してる気分です」と言ったのです。

このご依頼者はマンションの管理人に業者に頼むなら何社か呼んで比べたほうが良いよと言われその通りにしたのですが、入れ替わり立ち代わり見知らぬ人が部屋に入っていく様子を見てなんだか聖域が汚されてるような感覚に陥ったということでした。

この出来事がきっかけとなって今の特殊清掃一次処理が生まれたのです。入室環境を整えるという目的の元行っていますが実は極めて倫理的な要素から生まれたサービスなのです。

特殊清掃一次処理は故人への敬意

特殊清掃一次処理の具体的事例と費用

特殊清掃一次処理とはどんな作業をどんな状態で完了するのかを具体例を用いながらお伝えします。また特殊清掃一次処理後はどんな流れで原状回復を目指すのかは別記事がありますので参照してみてください。【孤独死の原状回復レポ】東京都葛飾区での孤独死事例
 
地域と状況 千葉県浦安市 孤独死死後20日
かかった費用 13万円
一次処理後の作業 家財撤去(保証会社)特殊清掃二次処理、リフォーム
ご依頼者 物件オーナー(不動産業者経由)

浦安市死後20日孤独死
 
ご遺体痕洗浄中
 
入室環境を整える特殊清掃
 
 
地域と状況 東京都品川区 自殺死後10日
かかった費用 7万円
一次処理後の作業 ご遺品整理、特殊清掃二次処理、リフォームと破損箇所補修
ご依頼者 ご遺族(ネット検索)

自殺の特殊清掃
 
初期の消臭除菌作業
 
孤独死のあった部屋でやること
 
地域と状況 東京都調布市 浴室で孤独死死後14日
かかった費用 11万円
一次処理後の作業 残置撤去(保証会社)特殊清掃二次処理
ご依頼者 リフォーム業者

お風呂で孤独死
 
お風呂孤独死死後2週間
 
お風呂で孤独死清掃の後
 

事故物件にしたくないならまごのての特殊清掃

孤独死が起きたら事故物件となってしまいアパートやマンションの価値が下がるとお悩みのオーナーさんも多いと思いますが大丈夫です!まごのてにお任せいただければ物件の価値が下がらないように再生いたします。

まごのては特殊清掃で必要なあらゆる機材を保有し、常に技術の研鑽をしていますので他社では真似のできない特殊清掃やその先の原状回復ができるのです。ネットで死後の清掃をするという業者はたくさんあるように見えますが、本当に信頼出来て技術レベルの高い業者はそう多くなく、大半が不用品回収業者程度の知識しか持ち合わせていません。

この記事のようにどうして手順通り原状回復を進めないといけないのか理由付きで説明してる業者がありましたか?理由付きで示せるということは現場経験が豊富だからできることで、あらゆる事例を知ってるが故に示せることなのです。

まごのては物件オーナーや管理者やご遺族の心情を最も理解している特殊清掃業者です。心情を理解しているから技術も上がり的確な判断ができると思っています。孤独死が起きてお困りのお客様はどうぞお気軽にまごのてに相談してみてください。

まごのてが事故物件にしないよう再生します

特殊清掃のご相談やご依頼はLINEが便利です

孤独死が起きた際にはまごのてにご相談いただき特殊清掃一次処理をしましょうと提言しましたが深夜や早朝など電話対応時間外の場合は24時間受付可能な公式LINEをご利用ください。とりあえずわかる範囲の状況を書いておいていただければ6:30以降すぐにご連絡いたします。

実際の作業も東京近辺であれば最短その日に行うこともできますのでお気軽にご相談ください。
 
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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