特殊清掃コラム
【孤独死の特殊清掃】見積書合計額の比較しかせず起きた悲劇

特殊清掃業者選びではいろんな記事が出回っていますが、料金を安くするまたは適正かどうか判断するためにも相見積もりをしましょうというものが目立ちますが、まずこの認識が間違いでひじょうに危険な考え方です。特に特殊清掃では料金比べをするための相見積もりはまったく意味を成さないものであると思ってください。
ゴミ屋敷のお片付けや遺品整理に関しては様々なニーズがあり目指す完成形も違いますので複数業者を比べるのは意味があることかもしれませんが、特殊清掃だけは着地点が決まっていますのでその着地点を実現できる業者なのかどうかを見極めるほうが大事で正直料金なんて二の次三の次です。今回の記事はある個人のお客様とまごのて、そして他社Bとの間に起きたトラブル事例からお伝えしていきますので是非最後までお読みいただければと思います。
見積もりだけで判断する情弱

孤独死の特殊清掃の着地点はただ1点
特殊清掃の着地点はたったひとつしかないということをまず最初に認識しておいてください。孤独死があった部屋の特殊清掃の目指すところは汚れと臭いが無くなり部屋が部屋として機能する状態にすること。これが実現できるか否かしかないのです。
ところが昨今の特殊清掃業者はこの認識を持つ業者が極めて少ないという現実があり、臭いや汚れを消せない業者がひじょうに多く、できるのは家財を撤去するだけの業者ばかりです。特殊清掃と書いてるのだからどの業者もきちんと清掃や消臭ができると思ってるお客様はにわかに信じがたいと思うのですがこれが今の特殊清掃業界です。
料金比べなど二の次三の次という意味はまさしくこの部分で、消臭出来ない業者を価格競争の場に入れたところで何の意味もなさないのです。もし今まさに特殊清掃業者を探してるお客様はいくつかの業者に電話で良いので「どんな完成形になりますか」と聞いてみてください。上記のような答えが返ってこない業者のほうが多いことに驚くはずです。この記事はあるお客様がプロの特殊清掃業者であるまごのてと特殊清掃業者と謳ってはいるけどただの不用品回収業者を天秤にかけて目の前のお金に引き寄せられたために大きな損害を被ったという実話です。
特殊清掃の目的と原状回復に至るまでの正しい手順を下記ページでご紹介していますので今一度ご確認ください。
孤独死死後10日の部屋の家財撤去見積依頼
セオリー通り特殊清掃一次処理を提案したのですが、不動産屋からは臭い漏れの件は聞いていないし入室して何かを探す予定もないのでさっさとやってくださいということでしたので鍵がある不動産屋の場所を聞き鍵をもらって現地を見ることにしたのです。
1Kの部屋の家財は若干多めだけどゴミ屋敷というレベルでもない、ただ玄関の少し先の血液溜まりのような跡がありよく見るとトイレや浴室にも転々と血液痕がありました。ご遺体があったとされる居室ベッド上にはそれらしき跡がなく浮遊する臭いもほとんどありませんでしたが多量の血痕があったことから特殊清掃は必須と考え、家財撤去、血痕除去の特殊清掃や空間除菌、その他普通の退去時と同じような清掃も見積もりに加えて提示したのです。

まごのて39万円業者B28万円!価格差11万円の訳
そして約2週間が過ぎた頃に不動産会社から電話があり一方的に捲し立ててきたのです。話を聞くと物件は例の他社Bに依頼したとされる孤独死があったアパートで、遺族からすべて終わったので部屋を引渡されたが全然綺麗になっていないし血痕はそのままだしトイレもお風呂も汚いままではないかと言うことだったのです。どうやら不動産屋側では私たちが手掛けたと思っていたようで、経緯を話しこちらでは手掛けていないことをお伝えしたのです。
その後すぐ当時電話をもらった遺族より連絡があり、当初出した見積書のハウスクリーニングと血痕除去と空間除菌の部分だけをやってほしいと言ってきたのです。私たちも不動産屋に冤罪で怒られた手前はいそうですかという訳にもいかずどうしてこんなことになったのか説明を求めたのですが、ご遺族からの返答は概ね以下のようなものでした。
・料金差11万円に驚いてしまった。
・B社も特殊清掃業者だと書いてあったから当然血痕除去はされると思っていた。
・退去時のハウスクリーニングは不要と思っていた。
だいたいこのようなことを仰っており、お客様にしてみればまごのては必要のない作業までして高額請求をしようとした!ということになっていたのですが、終わってみれば物件引渡しができるレベルで仕上がっておらず引渡しを拒否されたということでした。特に特殊清掃ではないハウスクリーニングについては私たちとしては民法621条に基づく原状回復という観点でご提案し、その意味も文面に盛り込んでいたはずなのにネット上に転がってる情報を都合よく解釈してしまったということだと思います。
再提案としてこちらでリカバリーはしますが、前回の見積もりはあくまでも家財撤去と同時にやった場合であって単発なら約1.6倍程度増えることを説明するとともに他職が入ったことで状況が変わっていれば更に追加料金の可能性もあることを示してリカバリー作業に入ったのです。
まさに見積額の表面しか見ないために起こった悲劇ですが、一般のお客様が詳しいことまで分かるはずもなく致し方ない部分もありますが、あまりにも不用意すぎという印象はあります。そもそも家財撤去部分だけを見れば私たちのほうがわずかに安かったのですからお客様の落ち度と考えていい出来事でした。

39万円で済むはずが55万円もの出費となった理由
普通は動線となる部分にご遺体痕汚れや血痕があれば通路確保のために清掃し養生するなどの処置をするのが特殊清掃業者ですが、何もせずそのまま踏みつけて家財を搬出したことによって汚れを拡散させてしまったのです。ここまで汚れが拡散すると割増料金が必要となり、お金を少しでも節約したかったご遺族には大変心苦しかったのですが更に5万円を追加でいただかなければいけなくなり、最初からまごのてにご依頼いただいていれば39万円で済んだものが55万円になってしまい、更に引渡しが遅れたために経過賃料まで発生すると言う最悪の事態となってしまったようで、まさに安物買いの銭失いを体現した形となってしまった例でした。

作業範囲と作業内容そして完成形の確認は必須
合計額だけ見ればまごのて39万円B社28万円と10万円以上の開きがあるのですから、作業内容や仕上がりが同一であれば安い方が良いに決まってますが、今回の事例で言えば作業内容はまったく違いますし目指してる完成形もぜんぜん違うのですからいわばトヨタのアルファードと石丸サイクルの自転車を比べたようなもので、乗り物しか共通項が無いレベルだったのです。
冒頭で申し上げた通り特殊清掃と掲げていても、いわゆる本来の特殊清掃などできず家財撤去しかできないような自称特殊清掃業者がわんさかいますので作業の範囲や完成形を確認するのは今や必須ですので、今まさに特殊清掃業者を探してるお客様はお気を付けください。下記画像リンクには見積書以外の書類も本来は出されるべきで、提出される書類関係から特殊清掃業者の技量を推し量ることができますという内容ですので是非併せてお読みください。
東京で孤独死清掃なら本物の特殊清掃業者まごのて
失敗しても騙されたとしても笑って済ませられることなら良いのですが、特殊清掃に関しては失敗が許されず時には他人の財産を大きく毀損してしまうことにもなりかねません。昨今の特殊清掃業者の出来の悪さはSNS上でも話題に出ており、汚れが取れない臭いが取れないお金だけは一人前といったことが横行しており注意喚起がなされていますが、孤独死そのものがレアケースのため一般ユーザーはあまり何も考えずに派手なパフォーマンスの自称特殊清掃業者を選んでしまってる例が後を絶ちません。
確かに特殊清掃業者の良し悪しなど一般の方が知る由もなく、身内で孤独死があった、賃借人が孤独死した!と半ばパニックになってる中で冷静な判断は出来ないと思いますが、やはり慎重な行動をしないと一方的に騙されてしまう羽目になりますので慌てる場面ではありますが落ち着いて行動することが大事だと思います。
大変僭越な言い方となりますが東京近辺できちんとした特殊清掃ができる業者は実はそう多くなく、まごのてを含め数社しかありませんのでホームページの会社概要やSNSチェック等をしっかり行い確かな業者を選ぶようにしましょう。特にSNSチェックは大事で技術情報や現場レポートが書かれているか、宣伝だけで埋めていないかなど意外と見えてくることがありますので大いに活用しましょう。下記画像リンクにはある孤独死現場の原状回復までのレポートを掲載していますので今一度どのように進めれば良いのかご確認ください。
孤独死の清掃や消臭なら実績豊富なまごのて
迷うからネットで情報を調べてあれこれ試すのだと思うのですが、その場面でも惑わされすぎて一番肝心な部屋の完成形が視野に入っておらず、また特殊清掃業者と言うだけで技量などはどこも違わないだろうと思ってしまうのが失敗の元となりますので、料金も大事な要素ではありますが何を置いても特殊清掃業者の技量や考え方を入念に調べるのが良いでしょう。
特殊清掃業者のホームページだけでは正しい情報が見えないことがありますのでSNSを併用すると精度は高まります。ホームページ内の記事に実際の現場写真がなく文章もAIもしくは素人のライターが書いたような文章を載せてる業者は熱量が低い業者ですので関わらないほうが無難です。
もしお客様が東京近辺で今まさに特殊清掃業者を探しているというのであれば、絶対的に間違いが起こらない私たちまごのてへお任せいただければと思います。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。
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孤独死が起きてお困りの方は私にお気軽にご相談ください。