特殊清掃コラム

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2026.08.09

孤独死の部屋は全解体が必要?スケルトン化してもにおいが残る理由と原状回復の考え方

孤独死の特殊清掃見積400万円超!

孤独死後の部屋について、「内装を全部外してスケルトンにしないと、においは残る」と説明されることがあります。

ただ、解体はそれ自体が消臭ではありません。床材や壁材の裏側を確認し、においの原因へ届くために必要な工程の一つです。反対に、内装をすべて外しても、コンクリート面、床と壁の取り合い、配管まわり、サッシなどに確認が必要な箇所が残れば、スケルトン状態でもにおいを感じることがあります。

現行記事では、ワンルームの孤独死現場で約600万円の全解体・再施工案を受けた大家さんから相談を受け、まごのてが現場を確認した結果、特殊清掃は70万円弱、その後の原状回復まで含めても140万円未満で進めた実例を紹介しています。

この実例で見るべきなのは「安くできた」という金額差ではありません。どこまで壊すかを先に決めず、確認した範囲と物件の次の使い方から必要な工事を分けたことです。

このページで確認すること
全解体と消臭が同じではない理由
600万円案と140万円未満の実例で何を比較すべきか
スケルトン化した後も確認が必要な場所
全解体が必要になる場合と部分解体で進める場合
清掃後の原状回復・再募集・売却を別に設計する理由

結論|全解体は消臭そのものではない

全解体は、壁・床・天井・建具などを撤去する工事です。必要な場所へ届くためには解体が必要なことがありますが、部材を外しただけで残った躯体や設備が洗浄されたことにはなりません。

工程 目的
解体 床材・壁材などを外し、確認や処置が必要な場所へ届く
特殊清掃 においの原因を確認し、必要な撤去・洗浄・乾燥・消臭を行う
原状回復 確認後に、次の用途へ必要な床・壁・設備などを戻す

見るべきなのは、どれだけ壊したかではなく、壊した後にどこを確認し、何を処置したかです。

前工程の確認 孤独死のにおいはリフォームで消える?特殊清掃から原状回復へ引き継ぐ確認事項 特殊清掃側で確認した内容を、リフォーム・原状回復へどう引き継ぐかを整理しています。

実例|約600万円の全解体案を、確認項目から分け直した

現行記事で紹介しているのは、ワンルームの孤独死現場です。別会社から、内装をすべて撤去してスケルトン状態にし、室内を一から作り直す約600万円の提案を受けていました。

まごのてでは、最初から全解体を前提にせず、床材の下、巾木、壁際、コンクリート面、サッシ、隣接部など、どこに確認が必要かを見ました。

その結果、部屋全体ではなく必要範囲の床材撤去、下地の洗浄、壁際・巾木まわりの処置、乾燥、必要な防臭処理などで進め、特殊清掃は70万円弱。その後の原状回復まで含めても140万円未満でした。

※これは現行記事で公開している一実例です。すべての現場が同じ工事内容・金額になるという意味ではありません。

必要範囲の特殊清掃と原状回復を行った後の室内
現行記事の実例写真。部屋全体をスケルトン化するのではなく、確認結果に合わせて必要な範囲を施工し、その後の原状回復へ進めています。

600万円と140万円未満を「価格差」だけで比べない

この実例を「高い業者と安い業者の比較」にしてしまうと、重要な点が抜けます。

約600万円の案では、全解体、廃材処分、スケルトンからの再施工まで含む大きな工事が前提でした。一方、まごのて側では、確認した範囲に合わせて特殊清掃・部分解体・原状回復を分けました。

金額差の前に、何を壊すのか、なぜ壊すのか、壊した後に何をするのか、どこまで戻すのかを比較する必要があります。

見積書の確認 特殊清掃の高額見積もり|一式・全解体・追加費用を契約前に分けて確認 高額・一式・全解体の見積もりを、契約条件と作業範囲に分けて確認する記事です。

スケルトンにしても、残った躯体に確認箇所は残る

内装を外した後も、コンクリート床、床と壁の取り合い、配管貫通部、サッシ、設備まわりなどは残ります。

そのため、スケルトン状態になったことを「確認終了」とせず、残った面や隙間ににおいの原因がないかを見ます。

他社でスケルトン状態まで解体した後にコンクリート面と立ち上がり部分を確認した現場
現行記事の実例写真。他社で内装をスケルトン状態まで解体した後も、コンクリート面と床・壁の取り合い部分に確認が必要な箇所が残っていた現場です。

部分解体は「工事を減らす」のではなく、確認しながら範囲を決める

部分解体は、費用を下げるために単純に工事量を減らす方法ではありません。

表面材を確認し、必要な場所を開口・撤去し、下地を見て、さらに範囲を広げる必要があるかを判断します。残す建材との境界が説明できるところまで確認してから、洗浄・乾燥などへ進みます。

床の状態を確認しながら必要な範囲だけ床材を撤去している現場
現行記事の作業写真。最初に「全面か部分か」を決めるのではなく、床の状態を確認しながら必要な撤去範囲を決めています。

全解体が必要になる場合もある

この記事は「全解体は不要」と決めつけるものではありません。建物構造や影響範囲によっては、大規模な解体が必要になることがあります。

大きな解体を検討する条件
複数箇所の床・下地・構造材まで広く確認が必要な場合
木部や構造材まで広範囲に影響している場合
コンクリートの亀裂・貫通部など深い箇所まで確認が必要な場合
建材の劣化や傷みが大きい場合
原状回復上、部分補修では施工品質を保ちにくい場合

大事なのは、「全解体か部分解体か」を先に選ぶことではなく、その根拠となる確認結果があるかです。

全解体の見積書では「解体後に何をするか」を確認する

全解体の提案を受けたときは、総額だけでなく、解体後の工程まで分けて確認します。

確認すること 見る理由
どの建材を外すか 解体範囲の根拠を確認するため
部分解体では難しい理由 全面工事が必要な物理的理由を確認するため
躯体・下地の処置 解体後に残る面をどう確認・洗浄するかを見るため
乾燥後の再確認 次工程へ渡せる状態かを判断するため
解体費と復旧費 壊す費用と戻す費用を分けるため

「全部壊す」という説明より、「壊した後にどこを確認し、どう次工程へ渡すのか」が重要です。

解体範囲を広げると、復旧範囲も広がる

全解体は、解体人件費や廃材処分だけで終わりません。床・壁・天井を大きく外せば、その後に下地を作り直し、内装を戻す範囲も広がります。

そのため、特殊清掃費と原状回復費を一つの金額で見るのではなく、「確認のために必要な解体」と「次の用途のために戻す工事」を分けます。

原状回復を分けて確認 孤独死の原状回復はどこまで?特殊清掃とリフォーム費用を分けて確認 特殊清掃・家財撤去・原状回復・通常のリフォームを分けて考える記事です。

清掃後の出口が決まる前に、戻しすぎない

特殊清掃と必要な解体が終わった後、その部屋をどこまで原状回復するかは、次にどう使うかと関係します。

賃貸へ戻すのか、売却するのか、現状有姿で相談するのか、建物自体の解体を検討するのか。出口によって、必要な内装復旧の範囲は変わります。

だからこそ、特殊清掃後に「元通りにするところまで全部やる」と先に決めず、現場記録を残したうえで次の判断へ渡します。

特殊清掃後の出口判断 特殊清掃後の物件はどうする?原状回復・再募集・売却を決める前の確認事項 残す・貸す・売る・買取相談へ進む前に、現場側で整理したい情報をまとめています。 再募集・売却・買取まで検討する場合は事故物件の相談ページへ

対応地域|建物構造と解体範囲を確認して案内します

まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・茨城県を通常対応地域としています。群馬県・栃木県・山梨県の一部地域は、建物構造、必要な確認範囲、作業日数などを確認して対応可否をご案内します。

全解体の見積もりを受けている場合は、見積書の内容、建物が木造かRC造か、すでに特殊清掃や解体が始まっているかなど、分かる範囲をお知らせください。

FAQ|全解体・スケルトン化・原状回復

Q. 孤独死があった部屋は、全解体が必要ですか?

A. 一概には言えません。床・下地・壁際・躯体など、影響がある範囲を確認してから解体範囲を決めます。広い範囲へ影響が及んでいる場合は大規模な解体が必要になることもありますが、最初から全解体を前提にする必要はありません。

Q. スケルトンにすれば、においはなくなりますか?

A. 内装材を外すことと、においの原因を処置することは別です。残ったコンクリート面、床と壁の取り合い、配管まわり、サッシ、設備裏などに確認が必要な箇所が残れば、スケルトン状態でもにおいを感じることがあります。

Q. 部分解体は、費用を抑えるために工事を減らす方法ですか?

A. そうではありません。必要な場所へ届くために、確認しながら解体範囲を決める方法です。影響がある範囲を残して工事量だけ減らせば、再確認が必要になるため、残す建材との境界まで確認します。

Q. 全解体の見積もりを受けたら、何を確認すればよいですか?

A. どの建材に確認が必要なのか、部分解体では対応できない理由、解体後に躯体や下地へ何をするのか、乾燥後の確認方法、解体費と復旧費が分かれているかを確認します。総額だけでなく、解体後の工程まで見ます。

Q. 600万円の提案と140万円未満の実例は、すべての現場で同じようになりますか?

A. なりません。これは現行記事で紹介している一つの実例です。建物構造、影響範囲、家財量、必要な解体、原状回復範囲によって金額は変わります。この事例で見るべきなのは金額差そのものではなく、工事範囲を確認してから決めたことです。

Q. 現場写真がなくても相談できますか?

A. はい。ご遺族が写真撮影のために無理に室内へ入る必要はありません。全解体の見積書、建物の種類、特殊清掃の実施有無、管理会社からの説明、分かる範囲の状況から相談できます。

まとめ|解体量ではなく、確認範囲と次の用途から決める

全解体も部分解体も、それ自体が目的ではありません。

においの原因へ届くために必要な範囲を確認し、解体後の躯体・下地まで見て、次工程へ渡せる状態を作る。その後、賃貸・売却・保有などの出口に合わせて原状回復範囲を決めます。

600万円か140万円未満かではなく、「なぜその工事が必要なのかを説明できるか」。これがこの実例から伝えたい判断軸です。

全解体・スケルトン化の見積もりを受けた方へ

工事を始める前であれば、見積書に書かれた解体範囲、確認済みの箇所、解体後の処置、原状回復範囲を分けて整理できます。ご遺族が無理に室内へ入る必要はありません。現場写真がなくても、見積書や分かる範囲の情報から相談できます。

※正式な現地見積もりは有料です。現地確認が必要な場合は、料金と確認内容を訪問前にご案内します。

記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。

日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。

東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 創業15年・施工不能ゼロ 学術登壇実績あり
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孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。


事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。