特殊清掃コラム

実例紹介
2024.02.07

孤独死の特殊清掃見積400万円超!ぼったくり?それとも妥当?

孤独死の特殊清掃見積400万円超!

物件を保有してるオーナーさんにとっては孤独死をはじめ人の死にまつわる事態はできれば避けたいと願っています、ですが起こるときは起きますし今や避けて通れる問題ではなくなりました。

2023年仕事始めからまだ間がない時期に東京都内で賃貸マンションを所有するオーナーが孤独死の特殊清掃についての相談で来社されました。2022年9月に発生した居住者の孤独死が発覚し年が明けたタイミングでやっと特殊清掃の見積が出たのでその妥当性について伺いたいというもでした。

孤独死発生後すぐに家賃保証会社が残置物を撤去し、その後すぐに不動産会社が特殊清掃会社を手配するという流れになっていたが3ヵ月たってやっと見積内容が出ました、薄っぺらい紙に書かれた金額はおよそ400万円で施工内容は内装解体と内装新規とだけ書かれており、特殊清掃関連の作業提案書等はありませんでした、オーナーは不動産会社より口頭で「臭いがひどいので普通の特殊清掃では無理なので内装をすべて壊し内装全てを新調する」と言われたそうです。

本当に内装をすべて作り変える必要があるものなのか、臭いのレベルがそんなに強いのか確認すべくその足で現地に向かったのでした。
 

孤独死の特殊清掃400万円
400万円→100万円強で特殊清掃とリフォームが可能
この部屋の結末ですが、当初完全な原状回復をするには400万円の費用がかかると言われていたのですが、私たちが調査した結果すぐにでも貸し出しができる状態までやったとしても100万円強で充分足りることが判明しました。

そもそも当初の他業者の見解は特殊清掃をしても臭いが取れないレベルの異臭濃度なので内装を全解体し再度内装を新調するというものだったはずです。

確かに臭いのレベルはけっして低くなく、かなり高いと言っても良いものですが、特殊清掃で消せないというものではなく、私たちからしてみればこの程度のレベルのにおいを消せないと判断すること自体間違ってると言わざるを得ませんでした。

特殊清掃業者と掲げる限り消臭は第一の目的ですし、何も着手しないうちから『このにおいは消えない』と何をもって断定したのか理解不能です。この程度の知識と技術しか持ち合わせていない自称特殊清掃業者は今すぐにでも特殊清掃業界から消えるべき存在であると思っています。
 

ご遺族が受けた高額請求!特殊清掃費用200万円は妥当?

もう一軒不動産会社から特殊清掃費用200万円と提示されたご遺族のお話です。

東京都内で一人暮らしの身内に孤独死が起こり発見は死後20日程度、亡くなってた場所は布団の上で臭いはそれなりにあるというものでしたが、現場には一度だけ足を運んだがあとの処理はすべて不動産会社に任せたというご遺族からの相談でした。

不動産会社側で特殊清掃業者が手配され、作業も完了し請求書が届いたのですが、そこに記載されていた金額がおよそ200万円というものでした、それなりの金額は覚悟していたがあまりの高額にびっくりしてまごのてに相談したという経緯です。

私たちに何らかの業務が任せられるというものではなかったのですが、興味もあり少しお話を聞いてみたところ明細に記載されてる内容を読み上げてもらいなんとなく全容が掴めました、明細といっても3項目しかないらしく「残置物撤去」「消臭消毒」「原状回復費」だけのようで、総額のうち70%が原状回復費に充てれていたそうです。

それぞれ金額を当てはめますと、家財撤去費45万円、消臭消毒20万円、原状回復費140万円で合計205万円というものでした。

元の家財の量がわからないのですが2LDKであれば概ね妥当な金額です、消臭消毒というのがいわゆる特殊清掃の部分だとすると若干安いイメージですが、原状回復費をリフォームと考えると高いというか本来ご遺族が負担すべきものではない部分も含まれていると感じましたが、細かい明細もなかったので言及は避けました。

孤独死のあった部屋の原状回復費用はご遺族の負担分は家財撤去と特殊清掃費、そして特殊清掃のために解体した部分を元に戻すまでというのが基本的な部分ですのでこの請求は一部余分なものが入ってるのかもという印象でしたが、事前に見積書や口頭で金額的な部分が伝えられていないのはおかしいと言わざるを得ないものでした。

このように特殊清掃費や原状回復についての相談などをセカンドオピニオンのように利用される人もいますので、特殊清掃費のことなど安心してご相談ください。(ただしセカンドオピニオンの場合は相談内容によっては相談料や文書作成料を申受けます)
 

特殊清掃は解体することではない
特殊清掃の意味を理解していない特殊清掃業者
不動産会社から400万円の特殊清掃見積もりを出されたオーナーさんとご遺族が200万円の請求を受けた不動産会社はおそらく同一ではありません。ただもしかしたら扱った特殊清掃業者は同じかもしれません。

特殊清掃というより内装を解体して再度新たに組み上げるということを主としている特殊清掃会社は存在していて、ある特殊清掃会社に3日だけ体験入社した者の話によればとにかく床は汚れていない部分もバリバリ剥がし、壁は壁紙はもちろん下地ボードまで取り去り部屋を丸裸にして粉のような薬品を水で溶き蓄圧式の農業スプレーでその溶液を噴霧するだけだったそうです。

当然内装解体するエリアが大きければ大きいほど新たな内装を組み立てる費用は増大します、確かに表面だけ拭いて完了とする業者に比べれば幾分かマシのような気もしますが実は本質はあまり変わりありません。

そもそも内装を全解体したとしても7~8割方の臭いは取れるかもしれませんが詰めの20%をしていなければ消臭が不完全なままです。内装を全部取り去れば臭いは消えると考えてる思考がすでに特殊清掃業者と名乗る資格がないのです。

特殊清掃の過程で内装の一部を解体することは当然あります、ご遺体痕汚れを特定するためや汚れがひどいため洗浄より取り去ったほうが無難と判断した時だけであって依頼主にできるだけ負担にならないように最小限で収めるようにしなければいけないのです。
 

特殊清掃現場に於ける内装解体の必要性

特殊清掃作業の過程で発生する内装の解体の必要性と妥当性についてご説明します。

上記で特殊清掃では内装の一部解体が必要であれば行うと書きましたがどの程度でどんな範囲で解体が行われるのかをお伝えします。

まず床です、ご遺体は床面に敷いた布団や廊下で亡くなってたことが多いため孤独死の現場では床はほぼなんらかのダメージを受けています、ベッド上で亡くなっていた場合でも長期間発見されなかった時はベッドマットを突き抜けて床が汚れています。

床面も表面だけで体液が止まってるということは少なく、80%以上の確率で床下へ流れ出ていますのでどこまで流れたのか確認のため剥がしていくことになります。

次によく聞く壁紙剥がしですが、こちらもご遺体が壁面に接していて腐敗体液を吸い上げていたり、ハエ跡が大量に付着していたり、そもそも古いため交換時という場合は剥がします。よく特殊清掃業者のサイトでは臭いを含んでるから壁紙を剥がすと書いてる業者がありますが、最近の壁紙は紙というよりビニールクロスですから臭いを含むということはありません。

ただ気分的な問題もあるためクロスは剥がしてほしいと注文を出されるオーナーさんは多いです。その他エアコンやシーリングは状況によりけりで残す残さないの判断はします。

まごのての場合は出来るだけ解体や撤去は最小限で留まるようにしています、これはやはりオーナーさんやご遺族の負担を出来るだけ軽減する目的に他ならず、そもそも特殊清掃業者なのですから内装解体が主となってはいけないと思うからです。
 
内装解体と消臭
内装を解体しても臭いは消えません!
消臭のために内装をバリバリ破壊する自称特殊清掃業者にとっては衝撃的な事実をお伝えしましょう。内装を全解体しても完全消臭はできません!写真は東京都内で他社が内装を全部壊してスケルトン状態でしばらく放置していた部屋です。

マンションのオーナーがたまには窓を開けて換気をしようと1年半ぶりぐらいに部屋に入ると床面にはハエの死骸が無数に転がり、なんとも言えない臭いが充満しており、驚いて私たちに相談があったものです。

部屋を拝見すると臭いが残る原因はすぐに判明しました、まずコンクリートの床面にご遺体痕らしき汚れ残り、窓はハエ跡残りなど本当に内装解体しただけで建具やその他残る部分は一切手付かずでした。


オーナーによればこの部屋を手掛けたのは特殊清掃業者で内装解体の業者ではありません、特殊清掃業者が手掛けたのにこの有様で、しかも肝心の臭いが取れていないのですから本来必要のない解体をしたということになります。

最近増えてる技術の無い特殊清掃業者は清掃業者と名乗るのはやめてほしいと思わずにはいられない現場でした。
 

孤独死の原状回復トラブル回避のために

賃貸物件運営をする中で孤独死などのトラブルはつきものですし今やレアケースではありません、ですからもし所有物件で孤独死などが起こった時にどうするかという対策は立てておく必要があります、今回のように管理会社に丸投げで任してしまうと大きな出費を強いられたり行わなくても良い工事をしてしまったりし、何のために賃貸経営をしているのかわからなくなってしまいます。

管理会社(特に賃貸管理)とのお付き合いは大事です、自分で行うことが難しいことを代行してくれる強い味方ではありますが孤独死などの特殊事案に対して、長けてるかどうかは別物で経験上それほど処理能力に優れてるという方に出会ったためしはありません。

孤独死や自殺など人の死にまつわる特殊清掃は賃貸運営の中でも特殊中の特殊です、ですからイザ起きた場合の基本的な考え方や処理の進め方はある程度知っておいたほうがいいでしょう。

そして必ず実行していただきたいのは保険です、このような時のために対応する保険に必ず入っておきましょう、それも借家人側の保険ではなく物件オーナーが掛けている火災保険の特約で付加するのが一番良いのではないでしょうか?入っていた場合と入っていなかった場合では天と地ほどの違いが出てしまいます、昨年手掛けた特殊清掃事案ではオーナーさんの資金が続かずリフォームまでは手が回らず未だに貸せない状況が続いています。

そのような憂き目に遭わないためにも日ごろの情報収集は大切だと思います。まごのては宅建業者でもあり代表者の佐々木久史は宅建士であり賃管士でもありますので特殊清掃や消臭以外の物件運営に関わることもお気軽にご相談ください。

臭いを『見える化』し作業をご提案

『部屋のにおい』というものは目に見せませんし色が付いてるものでもありませんので、『におい』の感じ方は人によって様々です。実際に孤独死の腐乱臭でもまったくにおいを感じないと100人中99人が言ったとしても1人は感じることもあります、特に孤独死の第一発見者になったような人はいつまで経ってもどんな状況でもにおいを感じることがあります。

ですから初期の消臭でも完全消臭でも臭いを言語化もしくは見える化した上でお伝えしなければいけません、この内装を全解体と言われたマンションでも、もしかしたら本当に原状回復を任された特殊清掃業者の担当者が普通の特殊清掃では太刀打ちできないと感じたのかもしれませんし、逆にまごのての認識が甘かった可能性も捨てきれません。ですが現実的に消臭作業は成功しました。

詳細なにおいの成分分析をしたわけではありませんが、においレベルを数値化し、簡易ではあるけどにおいの主成分を分析し、このにおい成分でこの数値だから必ず消すことができますとご提案するほうが納得ができると思うのです、においと言うものは見えないだけに受ける側からすれば「騙されてるかもしれない」と感じるかもしれません、ですからまごのてでは臭いを見える化し言語化するということを心がけています。

孤独死の消臭技術が高いまごのての特殊清掃

まごのての特殊清掃は完全消臭を第一目的としています。そもそも特殊清掃の目的を理解していない業者が多すぎます、特殊清掃とは部屋が部屋として機能するようにすること!これに尽きます。

部屋が部屋として機能するとは孤独死などがあったけれども、汚れや臭いがすっかりなくなること。

これが理解できず、またそのための技術も持ち合わせていなくてどうして特殊清掃業者と名乗れるのでしょうか?まったくもって理解に苦しみます。

まごのてはずっと汚れを取る、臭いを取る、ということを研究し続けてきました。その結果導き出した答えは『ご遺体由来の臭いは必ず取れる』です。今までにも難攻不落に思えるような臭いに遭遇したこともありますが、時間はかかっても必ず消臭してきた実績があります。

無意味な解体でオーナーさんやご遺族をこれ以上悲しませたくない、この思いで今後もさらに消臭技術を上げていくことをお約束いたします。

孤独死などが起きてしまったら慌てずまごのてにご相談ください、東京近辺であれば最短当日に初期の消臭と清掃が可能です。
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

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