ゴミ屋敷片付けコラム
- TOP
- ゴミ屋敷片付け
- ゴミ屋敷片付けコラム
- 猫の多頭飼育崩壊によるゴミ屋敷片付けの実録|ノミ・死骸・臭いとの72時間
猫の多頭飼育崩壊によるゴミ屋敷片付けの実録|ノミ・死骸・臭いとの72時間

ドアを開けた瞬間、足元に黒い点が広がっていきました。
最初は砂のように見えました。
しかし、それは砂ではなく、大量のノミでした。
その場で分かったのは、この現場は「ゴミを出せば終わる現場」ではないということでした。
足元のノミは、作業員の服や靴に付きます。車両に乗れば、人間が「運び屋」となり、事務所やご近所へ被害を拡大させる可能性があります。猫が出入りしていれば、薬剤を使っても発生源が残ります。ゴミの奥に死骸があれば、臭いの原因も残ります。
猫の多頭飼育崩壊が起きた現場を、単なるゴミ屋敷として見ると判断を誤ります。問題は、ゴミの量だけではありません。猫がどこから出入りしていたのか、ノミの宿主が残っていないか、糞尿臭が床や壁に回っていないか、亡骸の扱いをどうするか、近隣へ影響が出ていないかを分けて見る必要があります。
この現場で問われたのは、どれだけ早くゴミを出せるかではありません。どのリスクを先に止めなければ、片付けに入れないのかという判断でした。
今回紹介するのは、東京都葛飾区で対応した猫の多頭飼育崩壊によるゴミ屋敷片付けの実録です。室内には大量のゴミ、猫の糞尿による臭い、複数の猫の死骸、そして大量のノミが発生していました。
この記事では、まごのてがこの現場で何を確認し、どの順番で作業を進め、どのように費用が決まったのかを、実録ルポとして整理します。
玄関を開けた瞬間、普通の片付けではないと分かった
依頼は区役所からの紹介で、「家族の安否確認につなげるために室内を確認したい」というものでした。対象となるのは葛飾区にある一軒家です。
現地調査に向かうと、そこは通常の片付けでは対応できない過酷な現場でした。室内には約3,500kg(2tトラック3台分)のゴミが積み上がり、野良猫が自由に出入りしている形跡がありました。
そして何より深刻だったのは、大量のノミと、猫の糞尿臭、さらに死骸由来の臭いが混ざり合っている状態だったことです。他社が現場を見て対応を辞退したのも無理はありません。そのままでは足を踏み入れることすら困難でした。
この現場で問題だったのは、単なるゴミの量だけではありません。まごのてが最初に整理したのは、次のような作業条件でした。

ゴミを運ぶ前に、ノミを外へ出さない段取りが必要だった
この現場では、いきなりゴミを袋に詰めて搬出することは不可能です。ノミが大量発生している状態で作業員を入れれば、作業員自身が「運び屋」となり、ご近所やトラック、事務所にまでノミを拡大させる可能性がありました。
通常のゴミ屋敷であれば、袋詰めと搬出の速さが重要になる場面があります。しかし、猫の多頭飼育崩壊が起きた現場では、早く運び出すことがかえって被害を広げることがあります。
ノミが残ったまま搬出すれば、作業員の衣服、靴、車両に付着し、別の場所へ持ち帰る可能性があります。猫がまだ出入りしていれば、薬剤処理をしても発生源が残ります。だからこそ、この現場では「すぐ運ぶ」よりも、「外へ出さない段取り」が先でした。
作業範囲を確認しない業者であれば、ノミや臭いの拡散リスクを分けず、ゴミの搬出だけを先に進めてしまうことがあります。しかし、近隣トラブルや損害賠償を防ぐためにも、まず最初に行うべきは「片付け」ではなく「片付けられる状態を作ること」でした。

獣医師に確認しながら、72時間かけて作業できる状態を作った
この現場で難しかったのは、ノミを「薬剤で一度たたけば終わり」と考えられない点でした。
ノミには宿主が必要です。猫が出入りし続けていれば、薬剤を使っても発生源が残ります。逆に、薬剤を強く使いすぎれば、作業員や周辺環境への影響も考えなければなりません。
そのため、まごのてでは獣医師に相談し、猫の出入りを止めること、目視できる死骸を確認すること、薬剤処理を段階的に行うこと、防護服で作業できる状態かを見極めることを分けて進めました。
獣医師に確認した理由は、薬剤の選び方だけではありません。猫が出入りしている限り、ノミの発生源は室内のゴミだけでは判断できません。生きている猫、亡くなっていた猫、糞尿、寝床になっていた場所を分けて見なければ、作業後に同じ問題が戻る可能性があります。動物が関係する現場では、片付け業者だけの感覚で進めない判断も必要になります。
ここで大切なのは、ノミをその場で「全滅させる」と言い切ることではありません。作業員が入り、ご近所や車両へ持ち帰らず、ゴミ撤去へ進める状態を作ることです。

35℃の室内で、防護服を着て3.5トンを運び出した
作業が開始されたのは、外気温が35℃に達する猛暑日でした。
防護服を着ると、体の熱が逃げにくくなります。視界も狭くなり、動きも遅くなります。その状態で、足元にゴミが積もった室内を歩き、重量物を運び出す。通常のゴミ屋敷片付けとは、体への負担がまったく違います。
この現場で大切だったのは、作業員に無理をさせることではありません。防護服を着た状態では、通常よりも動きが遅くなり、体温も下がりにくくなります。だからこそ、人数を入れ、時間を区切り、搬出導線を短くし、交代しながら進める必要がありました。
費用に人件費がかかるのは、人数を増やして早く終わらせるためだけではありません。現場を止めず、作業員と近隣への影響を抑えながら進めるためです。
こうした現場管理をしなければ、作業員の体調に影響が出る可能性も、ノミを外へ広げてしまう可能性もありました。だからこそ、プロのスタッフと時間(=適正な費用)が必要になるのです。
また、作業を進める中で、ゴミの奥から新たに子猫の死骸が発見されました。見つかった死骸は丁寧に回収し、提携するペット葬儀社へ引き渡す手配を行いました。
防護服での作業は、現場の環境に合わせて必要な対応です。ノミが大量発生している現場では、作業員や車両へ持ち帰らないための段取りが欠かせません。
猫の多頭飼育崩壊が起きた現場の片付け費用が高くなる理由
猫の多頭飼育崩壊が起きた現場の片付け費用が高くなる理由を、「部屋が汚いから」と考えると本質を見誤ります。費用が上がるのは、工程が一つでは済まないからです。
ゴミを運ぶ工程、ノミを抑える工程、猫の亡骸を確認し引き渡す工程、糞尿が混じった物を扱う工程、作業員を交代させる工程、片付け後に残る臭いを確認する工程。これらが重なるため、通常のゴミ屋敷片付けとは費用構造が変わります。
一見高く見えるかもしれませんが、事前のノミ対策、防護服や専用薬剤の費用、危険手当、猫糞処理、猫の埋葬費、そして過酷な環境下でのローテーションを維持するためのスタッフ人数やトラック台数が、作業員、車両、近隣への影響を抑えながら、片付けと後工程へ進めるために必要な費用でした。
※犬猫の多頭飼育崩壊や糞尿が絡むゴミ屋敷では、通常の片付けとは費用構造が変わります。ペット系ゴミ屋敷の費用や業者選びについては、犬猫が暮らすゴミ屋敷の現実と清掃費用も参考にしてください。
ゴミ屋敷片付け全般の料金の考え方は、ゴミ屋敷片付けの料金ページでも確認できます。ただし、猫の多頭飼育崩壊が起きた現場では、通常の物量だけでなく、ノミ対策、糞尿、死骸対応、消臭の有無によって費用構造が変わります。
この費用を、単なる片付け代として見ると高く感じるかもしれません。しかし、この現場では、ゴミ撤去、ノミ対策、猫の亡骸の引き渡し、糞尿が混じった物の処理、作業員のローテーション、片付け後の消臭確認が別々に必要でした。

猫の多頭飼育崩壊が起きた現場で見積もりを比べるときは、総額より工程を見る
猫の多頭飼育崩壊に伴う片付けの見積もりで大切なのは、総額の安さだけを見ることではありません。何が片付け費用で、何が害虫対策で、何が供養や引き渡しで、何が消臭・ハウスクリーニングなのかを分けて見ることです。
この現場で重要なのは、片付け費用と消臭・ハウスクリーニング費用を分けて提示した点です。これは費用を増やすためではありません。ゴミを撤去する作業と、建材側に残った臭いへ対応する作業は、そもそも別工程だからです。
見積もり比較で失敗しやすいのは、この二つを一つの金額として見てしまうことです。安く見える見積もりでも、片付けだけで臭いへの対応が含まれていなければ、後から別費用が必要になることがあります。
- ・ゴミ撤去
- ・ノミ対策
- ・猫の亡骸の扱い
- ・糞尿が混じった物の処理
- ・消臭・ハウスクリーニング
- ・原状回復への接続
- ・近隣影響
- ・作業員・車両への持ち帰り防止
猫の多頭飼育崩壊が起きた現場では、臭いは空気中だけに残るわけではありません。
尿は床材の継ぎ目から入り、壁際や建具、巾木、下地に回ることがあります。ゴミを撤去しても、臭いの原因が建材側に残っていれば、室内に戻るたびに臭いを感じます。
猫の多頭飼育崩壊が起きた現場では、片付け後に消臭・ハウスクリーニングまで必要になることがあります。今回の現場で別途発生した消臭作業については、猫部屋の消臭作業と実例料金もあわせて確認してください。

他社に断られる現場で、まごのてが見ること
他社が断った現場でも、条件を分けて整理すれば、対応の道が見えることがあります。しかし、「誰もやらないなら、まごのてがやる」というのは、無理な現場へ勢いで入るという意味ではありません。
まごのてが見ているのは、現場のひどさそのものではありません。現場を構成している問題を分けられるかどうかです。
ノミの問題、猫の出入り、亡骸の扱い、臭いの残り方、近隣への影響、作業員の体調管理、片付け後の出口。この分解ができれば、難しい現場でも順番を作ることができます。逆に、分解できないまま勢いで入れば、作業員にも近隣にも依頼者にも負担が残ります。

猫の多頭飼育崩壊が起きた部屋について、相談時に伝えるとよい情報
ゴミ屋敷の相談では、写真があると状況を把握しやすいのは事実です。しかし、猫の多頭飼育崩壊やノミが疑われる現場では、写真を撮るために無理に室内へ入らない方がよい場合があります。
衣服や靴にノミが付着すれば、自宅や車に持ち帰る可能性があります。臭いが強い現場では、短時間の入室でも体調に影響が出ることがあります。このような現場では、写真よりも、猫の出入り、臭い、ノミ、管理会社や行政からの連絡内容を電話で伝える方が無理なく段取りを組みやすくなります。
ご相談いただく際は、以下の情報を分かる範囲でお伝えいただくと、その後の段取りが整理しやすくなります。恥ずかしがる必要はありません。私たちは現場対応の立場として、状況を責めるのではなく、何を先に確認すべきかを整理します。
- ・物件の市区町村・町名
- ・戸建てか、集合住宅か
- ・猫がまだいるか、出入りしているか
- ・ノミや害虫の有無
- ・臭いが近隣へ出ているか
- ・死骸がある可能性
- ・ゴミの量
- ・水道・電気が使えるか
- ・管理会社・行政・近隣から連絡があるか
- ・消臭・ハウスクリーニングまで必要か
- ・写真があるか(※ノミ・臭い・死骸がある場合は、無理に室内へ入らず電話で状況を伝えてください)
写真が撮れる場合は状況把握に役立ちますが、ノミや臭いが強い現場では無理に入室する必要はありません。写真で分かる範囲から相談する流れについては、まごのてのオンライン見積もりの考え方も参考にしてください。

対応地域|東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城を中心に、多頭飼育崩壊が起きた現場の片付け相談に対応しています
まごのてでは、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城を中心に、猫や犬の多頭飼育崩壊が起きた現場、ペット系ゴミ屋敷、ノミ・害虫が発生した片付け現場、片付け後のハウスクリーニング・消臭まで相談できます。栃木・群馬・山梨については一部対応地域となりますが、物件所在地、作業内容、日程によって相談可能な場合があります。
東京都内では、葛飾区、江戸川区、江東区、墨田区、足立区など東京23区東部を中心に、戸建て・アパート・マンションで猫の出入り、糞尿臭、近隣からの臭い連絡が絡む相談があります。千葉では、浦安市、市川市、船橋市、松戸市など東京東部から距離が近い地域で、猫屋敷・ペット系ゴミ屋敷の片付けと消臭をまとめて相談されるケースがあります。
神奈川・埼玉では、賃貸住宅や戸建てで、退去日、管理会社対応、臭いの確認、消臭範囲を分けて整理する相談があります。茨城では、広い戸建てや家財量の多い現場で、片付け、害虫対策、消臭を段階的に進める必要が出ることがあります。
栃木・群馬・山梨は一部対応地域となるため、所在地、建物タイプ、猫の状況、臭い、害虫の有無を確認したうえで、対応可否や進め方を整理します。
退去日が迫っているなど、お急ぎの場合は、状況により最短即日相談・現地確認が可能な場合があります。
緊急の片付けや清掃について相談したい方は、こちらの記事もご確認ください。
ゴミ屋敷を今日中に片付けたい!即日対応可能な業者の選び方

この現場から分かること
この現場から分かるのは、猫の多頭飼育崩壊が起きた現場の片付けは、ゴミ量だけで判断できないということです。
ノミがいるなら、作業員と車両への持ち帰りを防ぐ必要があります。猫が出入りしているなら、侵入経路を確認する必要があります。死骸があるなら、扱い方と引き渡し先を決める必要があります。臭いが建材に残るなら、片付け後の消臭まで考える必要があります。
つまり、必要なのは「早く運び出す力」だけではありません。現場を読み、リスクを分け、段取りを組み、最後に何が残るかまで説明する力です。
猫の多頭飼育崩壊や、ノミ・猫糞尿臭・死骸が絡むゴミ屋敷は、通常のゴミ回収だけでは対応できない場合があります。
無理に室内へ入る必要はありません。ノミや臭いが強い場合、衣服や車に付着して持ち帰ることもあるため、まずは分かる範囲でご相談ください。
物件の市区町村、建物タイプ、猫がまだ出入りしているか、臭いが近隣へ出ているか、管理会社や行政からの連絡内容、ゴミの量、消臭まで必要かなどをお伝えいただくと、進め方を整理しやすくなります。
写真があると状況は分かりやすいですが、ノミや臭いが強い場合は無理に撮りに行かなくて大丈夫です。
まごのてでは、ゴミ撤去だけでなく、必要に応じてノミ対策、猫の死骸対応、片付け後のハウスクリーニング・消臭まで相談できます。
電話受付:6:30~21:00(不定休)
東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城を中心に対応しています。栃木・群馬・山梨は一部対応地域となりますが、所在地や作業内容によって相談可能な場合があります。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
ゴミ屋敷の状態がどれだけひどくても、お断りした現場は15年間一度もありません。恥ずかしがらず、現状をそのままお話しください。










