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看護師のゴミ屋敷は「負の更衣室」|放置と全捨ての振れ幅

病院では、患者さんの状態を見ながら優先順位を判断し、衛生や安全にも細かく気を配っている。それなのに、自宅へ帰ると、ゴミ袋一つをまとめることさえできない。
この落差に苦しみ、「看護師なのに情けない」と自分を責めている方がいます。
しかし、職場で判断できることと、自宅の生活を整えられることは同じではありません。職場には役割、締切、引継ぎがありますが、自宅の洗濯、ゴミ出し、郵便物の確認は、疲れていても自分で始めなければ進みません。
まごのてでは、役割から降りた自室が、判断を止めてもよい「負の更衣室」のようになっていると感じる現場があります。これは診断名ではなく、現場を理解するための一つの見方です。
この記事では、放置が続く仕組みだけでなく、突然「全部捨てたい」と思ったときに、職員証、資格証、薬、鍵、次の勤務に必要な物をどう守るかまで説明します。
- ・看護師だから片付けられないのではありません
- ・仕事には締切があるのに、自宅の家事には開始時刻がありません
- ・「負の更衣室」は、看護師という役割から降りたまま止まる場所です
- ・相談を止めているのは、ゴミより「看護師なのに」という思いです
- ・放置が続いた後に「全部捨てたい」と希望する方もいます
- ・全部捨てる前に、次の勤務と生活再開に必要な物を止めます
- ・部屋を空にすることより、次の勤務から帰れる状態を作ります
- ・退去・点検がある場合は、生活再開とは別のゴールになります
- ・実例|全捨て希望から、仕事と生活に必要な物だけを止めたケース
- ・片付け後は「二度と散らからない部屋」ではなく、判断を減らす部屋へ
- ・片付け業者だけで支えきれない状態もあります
- ・よくあるご質問(FAQ)
看護師だから片付けられないのではありません
日本看護協会や厚生労働省の資料では、夜勤や交代制勤務、強い緊張を伴う長時間労働が、看護職の健康や生活との両立へ負担を与え得ることが指摘されています。
しかし、それだけで「看護師だから部屋が汚くなる」と片付けることはできません。仕事が忙しくても部屋を保てる人がいる一方で、まごのてでは、看護師をはじめとする医療職の方から、ゴミ屋敷や汚部屋の相談を継続的に受けています。
※ご注意:看護師が他職種よりゴミ屋敷になりやすいことを示す公的統計は確認できません。この記事は、まごのてが実際の相談や片付け現場で見てきた傾向をもとにしています。

仕事には締切があるのに、自宅の家事には開始時刻がありません
「夜勤でゴミの日に出せないから」というのは、きっかけの一つに過ぎません。
夜勤明けに帰宅する。制服や衣類をとりあえず床へ置く。食事を済ませ、容器をまとめる前に眠る。次の勤務が来れば、昨日の容器や衣類を避けて新しい物を置く。
職場では、今すぐ対応すること、後でよいこと、他者へ引き継ぐことの優先順位が明確です。しかし、自宅の「この袋を今出すか」「洗濯を先にするか」「郵便物を開けるか」という小さな家事には、誰も締切を設定してくれません。今日行わなくても、次の勤務そのものは始まってしまいます。
仕事は時間になれば始まりますが、自宅の片付けは誰も開始時刻を決めてくれません。差し迫った仕事を優先するたび、自分の生活に関する判断だけが翌日へ送られていきます。
積み上がっているのはゴミではなく「未判断」
現場で見かけるのは、単純な可燃ゴミだけではありません。洗濯前か後か分からなくなった衣類、宅配便の箱、未開封の日用品、私物と仕事用品、重要な書類が混在しています。
まごのてが見てきた一部の現場では、積み上がっていたのは「捨てられない物」だけではありません。仕事を優先するたび、自宅で判断されないまま翌日へ送られた物も混在していました。

「負の更衣室」は、看護師という役割から降りたまま止まる場所です
「負の更衣室」は医学用語ではありません。
まごのてが看護師の方から受けた相談や現場の様子を整理するために使っている表現です。
職場で清潔、正確さ、責任を求められる時間から離れ、自宅では何も判断せず、誰の役にも立たなくてよい状態へ戻ろうとする。本人が積極的に部屋を荒らしているとは限らず、荒れた状態を望んでいるとも限りません。
帰宅後に、洗濯、ゴミ出し、郵便物の確認といった家事を始める余力が残っていないことがあります。その状態が続いた結果、室内が「役割を脱いだまま止まる場所」になることがあります。すべての看護師の方に当てはまるわけではありませんが、そのように読める現場があるのです。

相談を止めているのは、ゴミより「看護師なのに」という思いです
医療や衛生に関わる仕事をしている人ほど、「自宅がこの状態だと知られたら、仕事上の自分まで否定されるのではないか」と感じる場合があります。
医療職なのに不衛生と思われる。職場での評価まで下がる気がする。知人や同僚へ知られたくない。業者にも軽蔑されると思う。相談しにくさの中心は、部屋を見られることだけではありません。職場で見せている自分と、自宅の状態との落差を他人に知られることです。
この羞恥心が、「少し散らかった段階で相談する」のをためらわせ、「自分で戻してから相談しようとする」ようになり、結局戻せずに「さらに見せられなくなる」という順番で相談を遅らせます。
しかし、業者へ伝えるために、先に部屋を整える必要はありません。
看護師であることや、荒れた理由を詳しく説明する必要はありません
「全部出したい」「職員証と薬だけ残したい」「退去日が近い」といった、作業に必要な情報から相談できます。
知らない業者を自宅へ入れる前にオンラインで相談する >放置が続いた後に「全部捨てたい」と希望する方もいます
現場では、物を一点ずつ残すか判断するより、「この部屋にある物は全部出してください」と希望される看護師の方もいます。
ただし、これは看護師全体に共通する特徴ではありません。長く判断を止めていた人が、片付け開始をきっかけに、判断回数を一気に減らそうとする場面として捉えます。一点ずつ必要・不要を判断する作業を再開するより、「すべて処分する」と決めた方が、その場では判断の負担を小さく感じられることがあります。
全捨ては、片付けへの強い意志である一方、必要物まで一緒に切り離してしまう危険もあります。まごのてでは、全捨ての希望を否定しませんが、その場で即廃棄を始めることはしません。全捨ての同意と、重要物の廃棄は分けて進めます。

全部捨てる前に、次の勤務と生活再開に必要な物を止めます
依頼者が「全部処分していい」と言っても、処分すると勤務や生活に支障が出やすい物は、先に「止める物」として決め、保留箱へ移します。
- 職員証
- 資格証・免許証
- 制服・仕事用衣類
- 仕事用の靴
- ロッカーや自宅の鍵
- 勤務表
- 仕事に必要な私物
- スマートフォンと充電器
- 身分証明書
- 健康保険関係
- 通帳・印鑑
- 契約書
- 処方薬
- 郵便物
- 退去・更新・税金等の通知
- 眼鏡・コンタクト用品
- 寝具
- 着替え
- 洗面用品
- タオル
- 洗濯に必要な物
- すぐ使う食器類
- ゴミ袋
- 翌日までに使う日用品
個人情報や勤務先資料に見える物、USBメモリ、情報端末などが見つかった場合は、通常のゴミとして処分せず、その物の処分判断を止めて本人へ確認します。搬出・処分が確定する前であれば、作業途中でも残す・処分する判断を変更できます。

部屋を空にすることより、次の勤務から帰れる状態を作ります
住み続ける場合、全捨てを希望どおり実行し、部屋が空になっても、翌日の制服がない、職員証がない、処方薬がない、となれば、生活再開の負担が増えます。
看護師の片付けで守るべきなのは、物の金額だけではありません。次の勤務へ行き、帰宅後に眠り、着替え、洗濯し、再び出勤できる生活の流れです。
優先する場所
- 玄関
- 寝床
- 浴室・洗面所
- トイレ
- 洗濯機周辺
- 制服や仕事用品の置き場所
- ゴミを一時的にまとめる場所
看護師の片付けで必要なのは、モデルルームのような空室ではありません。全部を収納し直す必要はなく、まずは「帰宅 → 着替え → 入浴 → 睡眠 → 洗濯 → 出勤」の流れが止まらない部屋を作ります。

退去・点検がある場合は、生活再開とは別のゴールになります
片付けの目的が「住み続ける」か「退去する」かで、ゴールは異なります。
寝床、水回り、洗濯、仕事用品の配置、ゴミ出しの流れの回復。
残す物と搬出物を分け、家財撤去、床・水回りの確認、鍵の返却、管理会社の点検、におい・害虫等の確認。
期限が迫っているからといって「急いでいるから全部捨てる」ではなく、期限内に止める物を先に決めることが重要です。

実例|全捨て希望から、仕事と生活に必要な物だけを止めたケース
まごのてにご相談いただいた、住み続けたいと希望される一人暮らしの看護師の方(20代・ワンルーム)のケースです。ご本人から、当時は夜勤が続き、帰宅後に家事へ手を付けにくい状態だったと伺いました。室内に衣類やゴミが積み上がってしまい、「部屋にある物を全部出してほしい」とご依頼がありました。
ご本人は「全部捨ててリセットしたい」と仰っていましたが、スタッフはそのまま全廃棄はせず、まず職員証、仕事用の靴、処方薬、数日分の着替えを「止める物」として分け、保留箱へ移しました。作業中、埋もれていた資格証も見つかったため、それらも保護しました。
搬出後、水回りを利用できるよう清掃し、保留箱に残した生活用品を戻しました。この事例で重要だったのは、処分量の多さではありません。依頼者の「一度すべて終わらせたい」という希望を尊重しながら、翌日の勤務と生活に必要な物だけは、廃棄の流れから外したことです。
※写真は本文で紹介した看護師の方の案件ではなく、別の単身住居における片付け前後の作業例です。室内を空にすることだけでなく、キッチンと通路を使える状態へ戻す作業を示しています。
片付け後は「二度と散らからない部屋」ではなく、判断を減らす部屋へ
片付け後に必要なのは、毎日きれいに保つ強い意志ではありません。疲れて帰宅しても、考えずに置ける場所を少数だけ決めておくことです。
- 仕事用品を置く場所を一つにする
- 未洗濯と洗濯済みを分ける箱を置く
- 宅配箱を開ける場所を決める
- ゴミ袋をまとめる場所を一つにする
- 郵便物は「確認前」の箱へ入れる
- 判断できない物は保留箱へ
- 床に仮置きする代わりのカゴを置く

片付け業者だけで支えきれない状態もあります
自分の食事、衛生、睡眠、住環境が長く後回しになっている場合、セルフネグレクトという視点から支援が検討されることもあります。ただし、片付いていない部屋だけで、片付け業者が本人の心身の状態を診断することはできません。
まごのては片付けと清掃を行う会社であり、心身の状態を診断したり、治療したりすることはできません。次のような場合は、片付けだけで解決しようとせず、適切な支援へつなぐことも必要です。
- 食事や睡眠が長く取れていない
- 出勤や日常生活を続けることが難しい
- 心身の不調が強い
- 自分を傷つけたい気持ちがある
- 片付けの判断自体ができない
今すぐ自分を傷つけるおそれがあるなど、差し迫った危険がある場合は、片付けの相談よりも先に、医療機関や緊急の相談先へ連絡してください。勤務先の産業保健・相談窓口、医療機関、働く人向けの公的相談窓口、家族等の支援も利用してください。
よくあるご質問(FAQ)
判断を減らし、仕事と生活に必要な物を守ります
まごのてでは、部屋の状態から心身の状態を診断することはありません。
住み続ける場合は、寝床、水回り、洗濯、仕事用品の置き場所を優先します。退去する場合は、残す物を止めたうえで、期限から家財搬出と清掃を逆算します。
「全部捨てたい」と思っている場合も、職員証、資格証、薬、鍵、身分証、次の勤務に必要な物を先に分けます。
写真がなくても相談できます。勤務先や本名を細かく伝える前に、間取り、期限、残す物からお話しください。
■ 対応地域と作業への影響について
- まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、看護師・医療職を含む単身世帯のゴミ屋敷・汚部屋片付け、家財整理、水回り清掃、退去前の相談を受けています。
- 江戸川区、葛飾区、江東区、墨田区、市川市、浦安市、船橋市、松戸市など、拠点周辺では、退去日や点検日が近い場合も、予約状況と作業範囲を確認して日程を検討します。
- 茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の一部地域も、物量、期限、建物条件により対応できる場合があります。
- 対応可否は職業や勤務形態ではなく、物件所在地、搬出導線、階段・エレベーター、駐車位置、期限、必要な作業範囲から判断します。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
ゴミ屋敷の状態がどれだけひどくても、お断りした現場は15年間一度もありません。恥ずかしがらず、現状をそのままお話しください。










