ゴミ屋敷片付けコラム

業者の選び方
2024.03.24

有名配信者が廃棄した『コレコレくん人形』が転売!何が起きたのか

有名配信者が廃棄した『コレコレくん人形』が転売!何が起きたのか
ツイキャスの有名配信者であるコレコレさんが自分のキャラクター人形であるコレコレ君が廃棄したはずなのにあろうことかリサイクルショップで売られ、全然無関係のグループのマスコットキャラクターとしてイベントに出ていたという件でプチ炎上しています。

コレコレさんは廃棄業者に委託して処分したのであって誰かに売った覚えはないと言っており、現在廃棄委託業者に対してどんな経緯で流出したのかを検証しているようです。

この事件は一般のお客様周辺でも起こり得ることで、私がいつも言っている得体の知れない業者を使うと思いがけないことが起こりますよ、ということに繋がるものです。この事件がどうして起きたのか、そしてどんな対策をすれば防止できるのかを日々ゴミを扱う者の視点から注意喚起も含めてお伝えいたします。
 
コレコレ人形を転売した犯人
廃棄物を流出させたのは片付け業者!?
コレコレ人形という等身大の着ぐるみはコレコレさんが所属するライバーという会社が他の廃棄物と一緒に廃棄業者(産廃業者)に回収依頼をしたそうです、その会社は埼玉県の山本建設という会社。産廃の運搬をしているのかそれとも処理業までやってるのかは不明、同一名の会社が複数あることから特定はできませんでした。

問題はここから先です、山本建設は他の廃棄物もあるため積みきれないと判断したのか応援の回収要請を他社に依頼したようで、その回収を担当したのがライフスイッチという会社のようです。

ライフスイッチはくらしのマーケットに加盟してる業者で主に一般顧客相手に不用品回収やゴミ屋敷の片付けをするという業者のようで、山本建設側はライフスイッチの車両に載ったコレコレ人形が正規の処理場で下されず転売されたという流れになっているようです。なお今現在くらしのマーケット内のライフスイッチのページにはアクセスできません。
 

廃棄物処理に関しての問題点が大きく2つ

配信でも言っていたのですが、廃棄物マニフェストが発行されていないという指摘があったのですが廃棄物マニフェストには内容物の詳細まで記されません、廃棄物の中にコレコレ君があったとしても特定はできませんのでマニフェスト発行は重要ですけどこの件ではあまり意味がありません。

私が問題だと感じるのは2点です。まず山本建設はライバー(排出者)から廃棄物の収集運搬を委託されています、産業廃棄物の収集運搬業は決まりごとがかなりたくさんあります、配信で山本建設は応援車両をライフスイッチなる業者に委託したとなってますが、これがそもそもの間違いなのです。

産業廃棄物の収集運搬は二次委託できません、ライフスイッチがコレコレ人形を運ぶにはライフスイッチもライバー(排出者)と契約を交わしていないといけないのです。
 
廃棄物マニフェスト
ライフスイッチに廃棄物運搬の許可はある?
もう一点もそもそも論なんですが、このライフスイッチなる業者は産業廃棄物の収集運搬の許可があるのか、という問題です。配信でも上記写真の名刺のような物が写っていましたがここには許可番号と書いてあり数字の「13-00-220351」と書かれています。許可番号としか書いていませんので産廃かどうかは不明ですが、まごのての許可番号も13-00で始まりますので産廃許可と思います。業者検索で番号を調べるとライフスイッチという事業者名ではヒットしませんが島田道成という個人名ではヒットし同じ飯能市ですから一応産廃収集許可はあると推定できます。

ところが配信で山本建設側の担当者は過去数回お付き合いはあるけど良く知らないと言ってます、良く知らない業者に再委託をしたというのがもう一点の問題点だと思うのです。配信でも取り上げられたマニフェストもですが、禁止されている二次委託とよく知らない相手に業務委託をしてることが一番いけない行為だと感じます。

ゴミ屋敷片付け業者で安心安全なまごのて

廃棄物処理に関する契約関係を簡単に説明します

配信の中でマニフェストの件と絡んで産廃所に関する契約のお話があったので簡単にご説明します。配信内では「本職」と呼ばれる人が出てきて説明していましたが一般の人には分かりにくいのでここで簡単にご説明します。

まず産業廃棄物処理には三者間での契約が基本です。

1.排出者(この場合はライバー)と廃棄物運搬業者
2.排出者と廃棄物処理業者


このように排出者、運搬業者、処理業者の三者間契約を行います。しかし単発契約の場合はそこまでやってる手間もかけていられないので運搬業者が処理場と契約していて排出者と処理場間の契約は慣例的に省略してることが多いのです。

また配信の中で山本建設は「自社ゴミとして処理してる」と言ってます、これについて説明します。山本建設は名前の通りゴミ屋というより建設業だと思います、工事の途上で出た廃棄物を自ら処理を常態的に行ってると考えます。もちろんそれ自体は違法ではありませんので、全体的な流れを見ると工事に入ってる事務所で作業をしてる際に「残置物も一緒に処理してほしい」という流れがあったと考えるのが自然です。

厳密なことを言えば残置物処理分に関しては別の契約をするべきですが商習慣上起こることですので適正に処理されていたならなんら問題はないことでした。※山本建設の許認可関係は建設業だけで産廃収集許可はないという情報もありすので廃棄物回収については工事の過程で出た自社ゴミとして扱ってる可能性が高いですがちょっと無理筋な気もします。

ゴミ屋敷片付けや不用品回収でもよく話題に上がる一般廃棄物収集運搬の許可についての議論とよく似ており、清掃やお片付けの過程で出たゴミを自ら処理しているにすぎないという考え方です。

山本建設がマニフェストを出さないこともあると言ってたのは、本来処理場と排出者で契約があれば処理場から排出者に向けて発行されますが、契約もない中で行われていれば出ないという理屈も頷けるのです。

コレコレさんも「そんな程度の業者!?」と不信感

この際マニフェストも発行していない、禁止されてる二次委託の行為そのものは置いておくとして、配信で山本建設側から説明を受けたコレコレさんのリアクションが面白かったのでご紹介します。

山本建設が二次委託したのはライフスイッチであるとわかると、ライフスイッチは何者だと当然なりその追求をしていくのです、上記で書いたように山本建設側は実はよく知らないと回答してるとコレコレさんは「どうやら個人営業の不用品回収業者みたいですね」「自宅で小さくやってるただ車持ってるだけの素人ですね」というようなことを言ってました。
 
ライフスイッチというゴミ回収屋。埼玉の飯能市
そもそも応援車両が必要だったのか?
これはあくまでも業者目線の考察ですので100%正しいとは限らないかもしれません。配信で山本建設は積みきれないのでライフスイッチを呼んだと言っており、廃棄物の処理費用は約20万円だったとも話していました。20万円分の廃棄物となるとそこそこの量があるので確かに小さな車だと応援車両が必要かもしれません。

しかし山本建設はライバーの事務所に日々出向いて別の工事をしていたのですから全体量も事前に把握してるでしょうし、もっと言えばその日1回で処理する物を運ぶ必要はなかったのではと思うのです。応援に呼んだとされるライフスイッチのトラックはライバー事務所でコレコレ君人形を積んだ後で数件自社の不用品回収に回ったと言ってるぐらいですから量的にはたいして積んでなかったのではと考えられます。ライフスイッチがどんな車両を持ってるかわかりませんがクラマに掲載されてる料金設定から考えても軽トラでしょうからライバーで積んだとされる量はほんの僅かで、もっと言えばコレコレ君人形を積むためだけに来たとの疑念も生まれます。

おそらく山本建設側はコレコレ君人形を始めとした他の換金できそうなものをあらかじめ目星を付けていてその運搬のためにライフスイッチを呼んだと考えるのが一番スッキリする考え方です。

得体の知れない片付け業者がやりそうなこと

コレコレさんは配信者としては有名な方ですが、当然ゴミのことや産廃業者のことを知ってるわけではありませんが、一連の説明を受けて上記のようにそんな得体のしれない業者をよく応援で呼べるなと言っていました。

私がいつもことあるごとに書いている、得体の知れない片付け業者や不用品回収業者を安心して家に入れることができますか?に通じる部分です。実際に放送内でも「自宅でやられてるかたですか?(事業を)そのレベルですか」「車持ってるだけの素人じゃん」と発言を見てもわかるようにやはり得体の知れない不審な業者であると感じ取ってることがわかります。

くらしのマーケット加盟業者すべてがこのライフスイッチのようなことをしてるとは言いませんが、実際クラマのライフスイッチのページは今時点見れません。このように都合が悪いことが起きれば逃亡し、ほとぼりが冷めた頃にまた屋号を変えて同じようなことをする。

別の記事でゴミ屋敷片付けや不用品回収を極限まで安くやりたいならクラマ加盟業者と書いてるものがありますが、あくまでも自己責任で作業質は求めないこと、としている理由がおわかりいただけると思います。
有名配信者が廃棄した『コレコレくん人形』が転売!何が起きたのか

廃棄物を転売することについての賛否

お客様宅から回収した不用品を転売してお金にするということを少し考えてみます。今回の事件に出てくる山本建設もリサイクルショップが併設されてることからもわかるように、廃棄物や不用品の中には再生できる物も含まれていることがあります。

実際問題使えるのにもったいないと思うのもが廃棄品として出されることは良くあります、そのあたりに目端の利く業者であれば再生し転売したとしても不思議ではありませんし、違法行為でもないのでやれば良いと思います。

ただしまごのてでは一切そのような転売であるとか、廃棄物を換金することはなく、現場で積載したトラックは一直線でゴミ処理場に運ばれゴミとして処分します。どうして転売したり再生しないのかを今からお伝えします。
 
泥棒の目線を持って片付け作業はできない
転売することを考えるとお片付けの目線が変わる
もし転売や再生して売却ということを念頭に置いてしまうと作業時に間違いなく「視点」が変わってしまいます、どんな視点になるかと言いますと荒い表現をしますと泥棒乞食の視点になるのです。

想像してみてください、ゴミ屋敷の片付けでも遺品整理でもいいのですが、依頼した業者の作業員が何かを物色しながら作業していたらどんな気持ちになりますか?触らなくて良いと言ってる引出しを開けたり対象じゃない部屋に出入りしていたらどうでしょうか。絶対に気分が良いはずがありません、確かに捨てると言ったとしてもあからさまにやられると嫌な思いをすることは間違いありません。

そのような視点を持って片付け作業をしまうと本来のお片付けではなくなりますし、困ってるお客様に対して真摯に向き合えなくなることは間違いありません。そのような観点から私たちまごのてはお客様が不要と判断したものは躊躇いなく廃棄に回しているのです。

ただし買取ができそうな物があれば処分費を下げますね、というやり方でお客様のニーズがその部分にあればそのようなやり方でも良いと思いますが、お片付けや清掃業者の領域ではないと私は思っています。
 

ゴミから個人情報を絶対に流出させない!

家から出るゴミは個人情報満載です、住所名前が書いてあるDMだけではなくちょっとした紙切れなどからも個人が特定できそうな物が意外と混じっています。大量のゴミが室内にあるゴミ屋敷の場合それらの物を探しながら仕分けしながら作業ができますか?絶対に無理です、やろうと思えばできるでしょうが時間も費用も通常時の何倍もかかります。

それならゴミから個人情報が漏れないような運営方法にしようとなったのが今のまごのての施策のひとつです。まごのてではゴミから個人情報を流出させない方法として以下のことを実践しています。

1.落下事故を起こさないためにアルミの箱型トラックを使用
2.現場を出たら処分場へ直行し、再展開や再仕分けをしない


この施策前は実は平ボディトラックを使用してる時期もありました、理由は車両価格が安いこと、車両価格が安いということはお片付け料金に反映させることができるからです。

再展開再仕分けをしないと言うのも当然のことで、ワンクッション置くことで流出リスクが高まるので一切やりません。私たちは常にお客様目線で日々の作業をし全体としてもこのような施策をしているので、今回のコレコレ君人形の流出は正直考えられません。

 
ゴミを積んだら処分場に直行
ある企業の顧客リストが工事現場から発見
今から20年近く前に大手運送会社の担当者から聞いたお話です。その運送会社は倉庫保管の委託もされており、ある大企業(金融)の顧客リストも預かっていたそうで、保管期限が来たものから随時溶解処理に回していたそうです。

ところが何故かダンボール一個分の名簿が工事現場の土中から発見されたのです。これも今回のコレコレ人形と同じで倉庫から溶解処理工場への輸送を下請け運送会社へ委託したところあろうことか不法投棄をし何年か経って発覚したというものです。

元の名簿の持ち主である大企業と大手運送会社の間で補償問題になったそうですが多額の解決金を支払うことで世間に知れ渡ることなく隠密裏に解決したそうですが、ゴミの扱いは慎重にしなければいけない典型例だと感じます。
 

回収したゴミは責任を持って処分いたします

まごのてはお客様宅から出たゴミや不用品を責任を持って処分いたします。ゴミの再展開をしたり転売などもってのほか、他社は平気で金目の物を抜き取り換金したりしてるようですが、まごのては上記の理由と乞食や土老棒ではないという矜持から一切行いません。

私たちは目先のお金を追って作業質が下がるようなことはいたしません、もちろん個人がわかるようなゴミを流出させる危険がある行為すらいたしませんので安心してご相談ください。

ゴミ屋敷のお片付けや遺品整理業者をお探しのお客様で、安さを求めるのではなく安心安全を第一に求めるお客様が選ぶ片付け業者は東京近辺ではまごのてだけと言っても過言ではありません。
 
ゴミ屋敷片付け相談ダイヤル
 
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

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