ゴミ屋敷片付けコラム

業者の選び方
2024.03.13

家事代行ベアーズの盗難事件について思うこと

家事代行ベアーズの盗難事件について思うこと
現在X(Twitter)でプチバズしている盗難事件を受けて思うことを書いてみます。投稿者の男性は定期的に家事代行のベアーズに掃除などを頼んでおり、今回の事件は海外に行ってる間にベアーズが作業をし、その際にお気に入りの200万円相当のデニムが無くなっていることに気付いたというのもです。

盗難の可能性もあるということで約1ヶ月ベアーズとやり取りをしていたが、盗んだ証拠もないのだから警察にでも言えという結果になったということです。

本当にベアーズのスタッフが悪意を持って盗ったのか、投稿者の勘違いなのかはわかりませんが、昨今軽はずみにSNSへ投稿し勘違いでしたということもなさそうですし、何らかの「事故」があったのは疑いようがない状況ではあります。

もしもベアーズのスタッフが盗ったということであれば、ベアーズだけではなく真っ当に事業を行ってる訪問系ビジネス業界全般に対するイメージダウンになってしまいます。過去に神田うの宅に出入りしていたベビーシッターがアクセサリーの盗難事件を起こしていた例もありますし、私たちにしても他人ごとではないと思います。

今回のベアーズの事件を受け、私の考えや思うことを書いてみたいと思います。
 
家事代行ベアーズ盗難事件
故意か過失かの立証は難しい
今回のベアーズが絡んだとされる盗難事件ですが、警察に被害届を出したとしてもおそらく真相は究明されないと思います。この事件の場合3つの可能性を考えることができます。

1.作業者が故意に盗った。
2.投稿者の勘違い(過失)
3.作業者が誤って廃棄した(過失)


警察が介入できるとしたら(1)の盗難事件が明らかになった時のみで、もし(3)の過失であれば警察はどうすることもできずベアーズと投稿者との補償問題ということになります。現実問題として部屋の片付け業では誤って捨ててしまうということがないわけではありませんが、果たして家事代行レベルの作業で引出しの中やタンスの中まで開けるのかという疑問は残ります。
 

家事代行業者とゴミ屋敷片付け業者の作業範囲

家事代行業者とゴミ屋敷片付けや遺品整理業者の作業の範囲とそれぞれの特色をお伝えします。そもそも家事代行業者は依頼者の家の中から廃棄物と言えども何かを持ち出すことはあるのか、という点です。

ベアーズに限らず家事代行を利用したことがありませんので実態は不明ですが、家事代行とは簡単な掃除をしたり料理を作ったり、ゴミがあったとしても生活ごみをまとめるかゴミ捨て場に出しに行く程度だと思うのです。

お手伝いの延長でしょうから、たとえば服が山になり服塚になっていたとしても、そこから一部分を捨てたりすることはないはずで、洗濯して畳むあたりが作業の範囲ではないかと考えます。

冒頭で作業者が誤って廃棄した可能性と書きましたが、このような家事代行としての作業範囲であれば誤廃棄は起こりようがありませんし、投稿者は海外旅行中であったことを考えると要不要選別をして不要な物を廃棄するとういうことも出来ないので、そもそも家から物が出ることはないのです。

一方私たちのようなゴミ屋敷の片付けや遺品整理の場合だと家から物が出るというのが家事代行との大きな違いではないかと思うのです。お客様と一緒に要不要選別したり、もしくはお客様から捨て指示がされた物はどんどん室内から運び出されます。

つまり私たちのような業態であれば誤廃棄はあり得るということです、実際過去には私たちも誤廃棄をし問題となったことがあり、そのたびに対策をしてきたということはあります。

誤って捨ててしまうことは実際にあります

私たちが日々扱うゴミ屋敷のお片付けでも誤って捨ててしまうという事故は起きてしまうことがあります。高価な物やお金や貴金属類ということはありませんが、その人にとって大事な物を間違って捨ててしまったことは正直言ってゼロではありません

まごのてではたとえゴミ屋敷だとしても救出したい物や取り置きたい物は必ずあるという意識で作業を進めます。お客様が全部捨てて構わないと言ってもこれはと思うものがあれば必ず確保してお渡しします。

過失で捨ててしまう例で多いのは作業者間の連携ミスであることが多く、室内の作業者が不用意にダンボールに取り置き、外の搬出作業者に伝えられていなかったため持ち出されたというものや、伝達ミスといったヒューマンエラーに起因するものが多くを占め、事故が起こるたびに対策をしてきました。
 
清掃作業の記録と伝達
記録の徹底と口頭で伝達
片付け作業が終わりその日や次の日にお客様から〇〇がないとか、どこにありますか?というお問合せが稀にありますが、そのほとんどは見つかります。それは記録を取ってるということと、その場でお客様判断で捨て指示が入ったり、取り置きや探し物指示が出た際は必ず声に出して展開しているからです。

捨てる際もすべてではありませんが特徴的な物を出すときは「△△出すよー」とか逆に探し物が発見できた時は「▲▲発見!ここに置くよー」とお客様も作業者も声に出し確認しあうようにしているため後になっても発見しやすくなったのです。

写真で記録と声出し確認が一番効果的で、付随してシールなどで表示をする対策をして以降過失による誤廃棄は格段に無くなりました。それでも人間がやることですからミスは起こり完全ではありませんが、ゼロにする努力はずっとしなければいけない分野です。
 

家に安心して入れても大丈夫な業者ですか?

家事代行ベアーズはこの分野ではひじょうに大手ですし、認知度も信頼性も高く安心できる会社だと思います。ただこれはどんな会社でも言えることですが、結局は人の資質の問題になってくるのだと思います。

会社が大きくいくら認知度が高いとしてもスタッフに対して教育や管理体制が行き届いていなければ何らかの不具合は起きるでしょうし。家事代行という性質上実際の作業スタッフはパートやアルバイト中心にならざるを得ないでしょうから採用時の基準や調査もそこまで深くやらないのではと思います。

この事件の終着点は今時点でははっきりしませんが、ベアーズは警察に被害届を出せとしてるので社内的な調査を打ち切ったのか、それとも何らかの和解案が出るのかは今のところ不明ですが、会社規模から考えてもこのままフェードアウトすることはないと考えます。

このような不祥事や事件があるたびに思うのですが、日本の社会は基本的に性善説で成り立っています。つまり世の中には悪い人はいない、人の見ていないところで悪事を働く奴はいないという考えです。正直今はそんなことはけっしてなく人を見たら泥棒と思えが当たり前になりつつあるのです。

訪問販売系の者を家に入れる際はその担当者のことすべてがわからなくとも、せめて会社のことぐらいは知っておきましょう。絶対に得体の知れない実態もよくわからない業者と接触するのはやめましょうというのはこのためです。

まごのてはこの実態がわかること、ということを一番重要視して様々な営業施策を行ってきました。それはあらゆるコラムで書いてるように私たちは人の家に誰に咎められることなく上がれる立場だからです。事業実態としての社屋、お客様に安心してもらえるよう清掃スタッフは正規雇用者を前面に出してアピールするのはお客様に安心を得てもらうための必須施策なのです。
 
片付け業者選びは最低限実態がわかる業者を選ぶ
ゴミ屋敷だとしても極めてプライベートな場所
ゴミ屋敷や汚部屋だとしてもそこは人が現実的に暮らしてる部屋です。人の暮らしがあるということは室内には様々な物があります。高価な物や貴重品という意味ではなくその人にとって大事な物や必要な物がある場所です。

物や形だけではなくその人が生活してる痕跡がある場所です、その極めて私的な場所に得体のしれない業者を安心して入れることができますか?清掃業としての社屋もなく、アパートの一室やバーチャルオフィスで住所だけ書いてあり実は携帯1本でやってるような業者を本当に安心してお片付けや清掃を任せることができますか?

今回の家事代行のベアーズの事件を見て、業態は違えど同じくお客様宅が職場になる業種の者として、絶対的な安心な体制づくりということの必要性と重要性をさらに深めなければいけないと感じましたし、利用するお客様ももっと注意深く行動してもらいたいと思いました。