特殊清掃コラム
孤独死現場に犬や猫が残されている場合|清掃前の安全確認・保護・搬送

孤独死の連絡を受けたあと、警察や管理会社から「室内に犬や猫が残されている可能性がある」と伝えられることがあります。その場合、最初に進めるのは清掃ではありません。警察の手続きと入室許可、犬や猫の状態、逃走や咬傷の危険、安全な保護先や搬送方法を順に確認します。
生きている場合と亡くなっている場合では、必要な連絡先と判断が異なります。また、ご家族が遠方にいる、すぐには引き取れない、ペット不可の住まいで暮らしているなど、その場で結論を出せない事情もあります。この記事では、犬や猫を家財のように扱わず、清掃前に安全確認と関係者の調整を行う順序を、実際の現場記録を交えて整理します。
個人や物件、関係者が特定されない範囲で施工条件を整理しています。犬や猫の行動や死亡原因を推測せず、現場で確認できた事実と作業判断だけを掲載します。
- ・結論|犬や猫の安全確認が終わるまで、清掃を先へ進めません
- ・最初に確認するのは、入室許可・鍵・犬や猫の情報です
- ・生きている場合|無理に触れず、安全な保護と搬送を決めます
- ・亡くなっている場合|安置・搬送・見送り方を確認します
- ・実例|飼い主の近くで2頭の小型犬が見つかった現場
- ・ご家族が引き取れない場合も、その場で結論を迫りません
- ・警察・管理会社・動物病院・保護先・葬儀社の役割を分けます
- ・遠方・立ち会いなしでも、報告と承認方法を先に決めます
- ・犬や猫の対応を終えてから、室内の特殊清掃へ進みます
- ・相談時に、現在分かっていることだけお伝えください
- ・対応地域|東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城を中心に確認します
- ・孤独死現場に残された犬や猫に関するFAQ
- ・まとめ|清掃前に、犬や猫の安全とその後の方針を整えます
結論|犬や猫の安全確認が終わるまで、清掃を先へ進めません
犬や猫が室内にいる可能性がある現場では、清掃会社がドアを開けて家財搬出を始める前に、警察の手続き、入室許可、鍵、動物の状態、保護や搬送の方法を確認します。犬や猫が生きていれば安全な移動を優先し、亡くなっていればご家族の希望を確認して安置や搬送を整えます。
「犬や猫が見つかった」ことと、「安全な行き先や見送り方が決まった」ことは同じではありません。まごのてが整理する基本順序は次のとおりです。
最初に確認するのは、入室許可・鍵・犬や猫の情報です
犬や猫がいると聞いても、ご家族や管理会社がすぐ室内へ入れるとは限りません。警察による確認中、鍵の所在が不明、室内の安全が確認できていないなど、入室前に整理すべき条件があります。
| 確認項目 | 確認する理由 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 警察対応と入室許可 | 室内へ入れる段階かを確認するため | 警察・ご遺族・管理会社 |
| 鍵の所在と受け渡し | 無断入室や鍵管理の混乱を防ぐため | 管理会社・大家・ご遺族 |
| 犬や猫の種類・頭数 | 必要な保護方法と搬送器具を考えるため | ご遺族・近隣・管理会社 |
| 鳴き声や生存情報 | 緊急性と連絡先を整理するため | 警察・近隣・管理会社 |
| 通院先・持病・投薬 | 保護後の健康確認へつなぐため | ご遺族・動物病院 |
| 引き取りや一時預かりの候補 | 室外へ出した後の行き先を決めるため | ご遺族・関係者・預かり先 |
| 作業時の逃走防止条件 | 共用部や屋外へ逃げる事故を防ぐため | 管理会社・保護担当者・清掃会社 |
生きている場合|無理に触れず、安全な保護と搬送を決めます
飼い主が戻らない室内で過ごした犬や猫は、脱水や空腹の可能性だけでなく、強い恐怖や警戒を抱えている場合があります。見知らぬ人が近づくと、部屋の奥へ隠れる、逃げる、噛む、引っかくなどの行動につながることがあります。
「かわいそうだから」と一般の方が急に抱き上げたり、玄関を開けたまま追いかけたりせず、動物の扱いに慣れた人や動物病院などへ相談しながら、安全な方法を組みます。
生存が確認できた後に決めること
亡くなっている場合|安置・搬送・見送り方を確認します
発見時に犬や猫が亡くなっている場合も、清掃会社の判断だけで室外へ運び出すことはしません。警察対応と入室条件を確認し、ご家族または判断できる関係者へ状況を伝え、安置、搬送、火葬、返骨などの希望を確認します。
ペット葬儀社の受け入れ状況や現場条件によって、対応できる方法や日程は変わります。選択肢と費用を確認し、同意を得てから進めます。
実例|飼い主の近くで2頭の小型犬が見つかった現場
千葉県内の現場では、ご本人が発見された布団の近くで、2頭の小型犬が亡くなっていました。室内には開封されたドッグフードが残されていました。
現場で確認できたのは、発見時に2頭がご本人の近くにいたことと、室内にドッグフードがあったことです。なぜその場所にいたのか、何日間どのように過ごしていたのか、死亡に至った理由は断定できません。
この現場では、すぐに家財搬出や清掃へ進むのではなく、まず2頭の安置と見送りについてご家族へ確認し、搬送の段取りを整えました。犬や猫の対応が終わった後に、室内の確認と特殊清掃へ進みました。
現場写真や残された物から行動や原因を推測するのではなく、確認できた事実と、ご家族が決める必要がある事項を分けることが重要です。
ご家族が引き取れない場合も、その場で結論を迫りません
ご家族が犬や猫を引き取れないことがあります。遠方に住んでいる、現在の住まいがペット不可、家族にアレルギーがある、すでに別の動物を飼っている、高齢の動物の介護が難しいなど、事情はさまざまです。
引き取れないことを、愛情がない、薄情だと決めつけるべきではありません。まず、誰が今後の方針を判断できるのかを確認し、動物病院、一時的な預かり先、ご家族や関係者などへ相談できる範囲を整理します。受け入れ先が必ず見つかると約束することはできません。
警察・管理会社・動物病院・保護先・葬儀社の役割を分けます
犬や猫が残されている現場は、特殊清掃会社だけで完結しません。それぞれの関係者が決められること、確認することを分け、連絡窓口を一本化します。
| 関係者 | 主な役割 | 清掃側が確認すること |
|---|---|---|
| 警察 | ご本人の確認、現場手続き、入室制限の管理 | 入室できる段階か、動物について共有された情報 |
| 管理会社・大家 | 鍵、建物管理、共用部、近隣、作業条件 | 鍵の受け渡し、逃走防止、搬出経路、作業時間 |
| ご遺族・関係者 | 引き取り、預かり、見送り方などの意思決定 | 誰が判断し、承認できるか |
| 動物病院 | 生存している動物の健康状態の確認・治療 | 搬送先と受け入れ可否 |
| 保護先・預かり先 | 一時的な居場所や今後の相談 | 受け入れ条件と期間 |
| ペット葬儀社 | 安置、搬送、火葬、供養、返骨 | 受け入れ方法、日程、費用、返骨の希望 |
| 特殊清掃会社 | 入室条件の確認、現場確認、各関係先との調整、清掃 | 犬や猫の対応が終わった後の作業範囲 |
遠方・立ち会いなしでも、報告と承認方法を先に決めます
ご家族が遠方にいて現場へ来られない場合は、鍵の受け渡し、誰が承認するか、犬や猫の状態をどの方法で伝えるか、保護・搬送・見送りの選択肢をどう確認するかを先に決めます。
ご遺族が希望しない刺激の強い写真を一方的に送ることはせず、どこまでの報告が必要かを確認します。
立ち会いなしで行う遺品整理の鍵・報告・完了確認を見る
犬や猫の対応を終えてから、室内の特殊清掃へ進みます
生きている犬や猫の安全な移動、または亡くなった犬や猫の安置・搬送が終わってから、室内の確認と特殊清掃へ進みます。清掃工程では、人の発見場所への対応と、犬や猫の生活場所、排泄場所、ケージ、床や巾木などを分けて確認します。
犬や猫がいたことだけを理由に、床や壁を一律に全面撤去するものではありません。見える跡、材質、広がり、残す物、生活再開や原状回復の目的を確認し、必要な範囲を判断します。
相談時に、現在分かっていることだけお伝えください
ご相談のために、ご家族が無理に室内へ入り、犬や猫の写真を撮り直す必要はありません。警察、管理会社、近隣から聞いている範囲だけで、最初の確認事項を整理できます。
| 共有してほしい情報 | 確認する理由 |
|---|---|
| 警察対応と入室許可 | 室内を確認できる段階かを見るため |
| 鍵を持っている人 | 入室と鍵管理の方法を決めるため |
| 犬や猫の種類・頭数 | 必要な保護方法を考えるため |
| 鳴き声や目撃情報 | 生存情報と緊急性を整理するため |
| 通院先・持病・投薬 | 保護後の健康確認へつなぐため |
| ご家族が引き取れるか | 一時的な行き先を検討するため |
| 亡くなっていた場合の希望 | 安置・搬送・火葬・返骨の選択肢を整理するため |
| 管理会社の作業条件 | 共用部での逃走防止や搬出条件を確認するため |
対応地域|東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城を中心に確認します
東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・茨城県
条件により一部対応
群馬県・栃木県・山梨県
一部対応地域は、犬や猫の状態、連携先、現場までの距離、鍵、入室条件、搬送方法、施工予定を確認したうえで、対応可否をご案内します。
孤独死現場に残された犬や猫に関するFAQ
まとめ|清掃前に、犬や猫の安全とその後の方針を整えます
孤独死現場に犬や猫が残されている可能性がある場合は、部屋を空にすることや清掃を急ぐことより先に、警察対応、入室許可、鍵、生存状況、逃走や咬傷の危険、保護先や搬送方法を確認します。
生きている場合は、安全な保護と健康確認、その後の居場所を整理します。亡くなっている場合は、ご家族の希望に沿って安置・搬送・見送り方を決めます。ご家族がすぐ判断できない場合も、関係先の役割と連絡窓口を分け、決められることから進めます。
犬や猫を残したまま清掃だけを進めず、一つの命として必要な確認と対応を終えてから、室内の特殊清掃へ進むことが重要です。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。










