特殊清掃コラム

実例紹介
2024.11.25

【ご遺体に寄り添う犬猫】孤独死現場で起きてる悲しい現実

この記事は私たちが孤独死の特殊清掃現場で遭遇することがある現場に残された犬猫などのペットにまつわるエピソードです。

孤独死現場でペットの亡骸に遭遇することが多く、特に犬や猫の亡骸は非常に心を痛めるものがあります。ペットは主人が突然亡くなった後も、食事や水をもらえず、最終的に餓死することが多いです。孤独死が起きた部屋でペットの形跡がある場合は全体の約60%とされ、その中には小鳥やウサギ、ハムスターなども含まれます。また、ペットが生きている場合、警察はそのペットを保護することはありませんのでご遺体発見後の処理が遅れると結果的に亡くなってしまうこともあります。

大変痛ましいお話にはなりますが現実的に起こっており、また今後も起こる可能性があることですので特殊清掃現場のリアルとしてお伝えいたします。
 
孤独死現場で遭遇する犬猫たち
現実的に起きてる孤独死現場の悲しい現実
孤独死現場では数々のドラマがあるのですが時には胸をえぐるような悲しい現実に直面することがあります、それはペット(犬猫)の亡骸に遭遇してしまうことです。

主人が突然亡くなり撫でてもくれない、顔を舐めても反応しない、ご飯も水もくれない、そしてとうとう犬たちも餓死に至るのですがその数日の期間どんな気持ちで過ごしたのか、それを思うと胸が締め付けられるような切なく苦しい感情にとらわれしばし仕事であることを忘れてしまいます。

ゴミ屋敷のお片付け現場でもペットの亡骸に遭遇することは多いのですが、そちらはどちらかと言えば虐待に近く100%人間のエゴと無責任から起きていますが、孤独死の現場は誰の責任でもなくもちろん犬や猫にも責任はありません。孤独死自体を防止することはできませんが早期に発見できるシステム作りが急務と提唱する理由はこの残されたペットを救出する目的でもあることはご理解いただきたいところです。
 

孤独死の特殊清掃でペットの絡む事案は60%

孤独死が起きた部屋でペットがいた形跡がある部屋は全体の6割に上ります、ペットと聞くとどうしても犬や猫と思い浮かべますが、小鳥やウサギやハムスターなどもありますし。金魚や亀など水槽で飼われてるペットもいます。

継続的にお世話をしないと生きていけないペット達ですから私たちが特殊清掃に入る頃には息絶えており。過去に生きていたのは亀やヘビなどの爬虫類と本編でも書いてますが小型犬と猫2頭だけでした。法的に警察が生きているペットを保護したり亡骸を連れていってくれることはありませんので、おのずと特殊清掃作業そのもののレベルは上がってしまいます。
 
犬猫が亡くなっていた特殊清掃現場
特殊清掃の難易度は2倍以上になります
かつて孤独死の特殊清掃現場で大型犬の亡骸に遭遇したことがあります。大型犬ですから当然死後の体液流出も人間と同じく起こりますので亡くなった方から出た体液と犬の分と合わせた量が流れ出ることになり簡単に言えばご遺体が2体ある時と同じ状況になります。

また飼い主が亡くなってからワンちゃんが亡くなるまでにはタイムラグもありますのでその数日間はお世話をされていませんので糞尿があちこちにあったり、またはご遺体の一部を食べたりして荒らすこともあり通常よりもひどくなってることも多いのです。

そうなると当然特殊清掃内容も違えば期間も料金も大きく変わってくることになり、何よりも難易度は相当高くなり、普通の特殊清掃ですらまともにできない業者が多い中ペットが絡むような特殊清掃現場できちんと完全消臭ができる業者は極めて少ないと思いますので業者選びでは細心の注意を払いましょう。
 

大型犬から子猫まで特殊清掃現場の動物たち

孤独死の現場では様々な動物の亡骸に出会うのですが、やはり犬や猫の亡骸を見るのはつらいです、しかもご遺体痕のそばで亡くなってるのが大半で、ご主人が亡くなってから数日どのように過ごしたのか想像がつくだけに悲しいものがあります。そんな孤独死現場の犬猫に関するエピソードをお伝えいたします。
 
孤独死現場に取り残された犬
孤独死死後2週間の現場で発見した長毛犬
千葉県のマンションで中年男性が孤独死があり発見までに2週間を要しさらに遺族が遠方だったためこちらへの依頼もそれから10日を過ぎるという状態でよく近隣クレームがなかったものだという現場でした。室内に入ってみると異臭濃度はかなり高いのと異臭レベルが少し違うものを感じたため遺体痕周りをくまなくチェックしました。

ご遺体痕は布団の上に残留し汚れの範囲は大きいものでした、そして掛布団とその横に毛布に見える物体を認めましたが毛布ではないのは明らかで歯と頭部の骨らしきものが見えました。それは紛れもなく犬でさらによく見ると2頭の犬が重なるような状態でご遺体痕に寄り添っていたのです。

これまでにも犬の亡骸を認めたことはいくつかあり孤独死した主人から餌をもらえずそのまま餓死、そしてどのワンちゃんも遺体痕のそばで亡くなってました、動かなくなったご主人の顔を舐め続け、毎晩一緒に寝ていた時と同じようにくっついていたのでしょう。

どうして警察はわんちゃんの亡骸をそのままにするのかですが、原則的に警察はご遺体以外の引取りは行わないからです、生きてる場合は保護することもあるそうですが犬猫が死んでる場合はそのままです(法律上動物はモノ扱い)ペットに対する取扱い方法はなんとか変わって欲しいと願いますが、実際は難しいことですので見つけた私たちが手厚く葬ってあげることが誠意だと感じています。
 

死後1年の特殊清掃現場で発見した小型犬

東京都内のマンションでの特殊清掃作業で死後1年という長期間で発見された現場でした。
事前に犬の亡骸があることは聞いていたのでまずその犬を探しました、ご遺体痕はリビングの座椅子を中心に残留しテーブルにも人型を形成していたということは、故人は座椅子に座りテーブルに突っ伏したまま亡くなったと推定できました、そして目的の子は座椅子の真横に認めることができました。

作業を進める中で気づいたのですが、封が開いた餌の袋がこの小型犬でも届きそうな場所にあったのです、犬は本能的にお腹が空けば餌を求めて探すはずです、そして食べれるものと判断すれば必ず食べるはずです。
ですが絶対に届くはずの場所にある普段食べてる大好きなカリカリがそのままだったのです、更によく見るとテーブルの上にはおやつまでありました。

これはあくまでも仮説ですが、この子はご主人からの合図がないと食べ物を口にしないように躾けられてる子だったのではないか?お座りをしご主人からの「どうぞ」がないと食べない子だったのかもしれません。

ご主人の死後しばらくはその「どうぞ」が聞きたくて冷たくなっていくご主人の傍らにいたと思うと涙が止まらない現場でした。
 
生き延びた猫
特殊清掃中に飛び出してきた猫
次は亡くなっていた例ではなく奇跡的に生きていたものです。
都内のマンションでの孤独死現場でのこと、特殊清掃一次処理でご遺体痕周りを清掃しているときに別の場所で物音がしました、と同時に視界の端を横切る何かが見え作業員をおののかせたのです。

それは猫でどうやら他の部屋に隠れていたようです、警察も発見することなく部屋に居てたということはご遺体が出される時もどこかでジッと見ていたのでしょうか?
とにかくこの子を捕獲しなければと作業中の部屋のドアを全部閉め、確保すべくチュールで呼んでみたりいろいろな策を試しても警戒心が強いのかまったく捕まりませんでした。

仕方ないので作業を続行し現場となった部屋へのルートはすべて遮断し、水とカリカリを大量に入れて退出しご遺族に引き取ってもうらうようにお願いしました。特殊清掃現場で生きていた猫は過去にもう一件あり、その子は無事確保し動物病院経由で里親を見つけるまでお世話したことがありました。

その他に亀やアロワナなどの魚類は生きてることが多いですし、鳥類は籠の中で亡骸となってしまってることがほとんどでした、ただでさえ辛い特殊清掃現場ですがペットの亡骸があると数倍辛いものとなりますが、これも付き物と考え鼓舞しています。

ご主人のご遺体を食べて生き延びたトイプードル!?

横浜市のマンション孤独死現場ではトイプードルが生きていたということを聞きました、私たちが特殊清掃に入った時はすでにワンちゃんはいなかったのですが、特殊清掃をご依頼のご遺族からは奇跡的に犬が生きていたということを聞かされました。それはそれで嬉しいことですが、特殊清掃を進める中でひとつの懸念が生まれたのです。

まずこの孤独死現場は死後二週間とすごく長期をいうものでもないが子犬にとっては十分長い期間です、問題は何を食べて生きていたかということです、本来は考えることすらタブーな領域ですが特殊清掃を行う者としては懸念しておかなければいけないことです、可能性として高いのはご遺体を食べたのではないかというものです、犬や猫ではありませんがかつてネズミがご遺体を食い荒らし、肉片を巣に持って帰っていたという現場がありました。

もしワンちゃんがご遺体を食べていたり、ご遺体を踏んだりしていたら汚れが拡散している可能性を考えなければいけません、特殊清掃は与えられる情報がひじょうに断片的なものですので、あらゆる可能性を考えて作業計画を立てなければいけないのです。幸いにして子犬による汚れの拡散は限定的でしたが、今でもどうやって生き延びたかは謎のままです。
 
孤独死現場で生き延びる犬猫
過酷な状況下で生き延びる犬猫たち
餌もなく水もない中でも生き延びるペットたちがわずかながらでもいることは事実で、これは人間も同じくどんな過酷な状況や環境であっても生きる執念が生死を分けるといっても過言ではないと思います。

いくら亡くなってるとは言え飼い主の体を食べる選択をするという時点ですでに野生の本能が剥き出しになっていると考えられ、とにかく生き延びる!という思いだけだと感じるのです。

私たちが出会った多分ご主人の亡骸を食べてたと思われるのは1件だけですが、ネット上を徘徊してみると意外と多くの事例があることがわかります。いずれにしても生きようとする執念のなせる業と結論付けることができる出来事でした。
 

高齢化とペット飼育の問題

このように孤独死現場でペットの遺体と出くわすことは多く、その背景には高齢化とペット飼育の関係もシビアに考えなければいけないのではないでしょうか。

多く手掛ける案件でゴミ屋敷片付けの場合でも、高齢者宅の60%程度でなんらかのペットを飼っています、特に犬猫の場合は散歩やトイレの世話など手間がかかるものですが、やはり管理は充分とは言えずペット飼育が原因で部屋が荒れてることも多いのが現状です。

ペット飼育の効能は確かにありますが、十分な世話をできないのであれば飼うべきではないと考えます。
事実、多頭飼いが崩壊し片付け最中に犬猫の白骨遺体と出くわすことも近年急激に増えてきました、やはり命を扱うのですから自分の生活スタイルや今後10年~15年は変わらず世話ができるのか、を慎重に検討すべきです。
 
ペットの見守りカメラ
ペットの見守り対策をしておく
保護犬猫活動を行ってる団体では高齢飼い主のためにペットの見守りサービスを行ってるところがあるそうです、遠隔監視できるカメラで飼い主さんが何か異変があった時のために定期的に監視をしてくれるサービスらしいのですが、同時に飼い主の動きも見られてしまう懸念があるため普及はしていないようですが、ペット見守りサービスに入っておくことで飼い主さんの異変にも気付いてもらえるメリットもあり一考の余地はあるのではと思います。

Amazonや楽天では家屋内にWi-Fi環境さえあれば気軽に設置でき外からアクセスできるカメラが数千円で売られていますので導入するためのハードルは高くありません。もし可能であれば一緒に住んでいない身内の誰かもアクセスできるようにしておけばペットのみならず飼い主に異変があった際でも対応できる体制を整えておくのも良いかもしれません。

早い段階でペット対策をしておきましょう

孤独死現場で出くわすペット達ばかりでなく、まごのてではゴミ屋敷の清掃現場でも劣悪な環境で暮らす犬猫と出会います。中には充分なお世話ができないばかりに繁殖してしまい飼ってる本人ですら何頭いるのかわからないということもあります。

もちろん飼主も最初はキチンと世話をしていたでしょうし、愛情を持って接していたのだと思いますが、自身の体の衰えや認知機能の低下からペットの世話にまで気が回らなくなってしまったのかもしれませんが、だからと言って許されることではありません。

犬猫は与えられた環境でしか生きていけないということを認識しているのであれば、もっと早い段階でSOSを出すとか里親へ出すことを検討したほうがいいと考えます。
 
 

東京近辺で確実な作業を行う特殊清掃業者

もし現場で犬猫のご遺体があった場合でもきちんとご供養させていただきます(提携ペット葬儀会社:株式会社サンセルモ)またもし生きていた場合は保護し診察の上里親探し等を行います(提携先:西葛西ペットクリニック)いずれも引受け先がない場合に限り、また費用は別途いただきます。

このような場合でも提携先が確保されており、すぐにしかるべき手段でことを運べるのは経験値の豊富さゆえです。もし東京近辺で特殊清掃業者をお探しのお客様は迷わず実績豊富なまごのてへご相談ください。

孤独死の特殊清掃はまごのてにお任せください

孤独死などが起きどうしていいかわからない時はひとまず落ち着いてまごのてにご相談ください。経験の少ない一般の人があれこれ考え模索しても何ら進展しません、急病人が出た時にためらわず119番に電話する感覚で構いません。

現況を知りうる範囲でお伝えください、その上で今何をすべきか、今後はどう進めるべきかを順を追って的確にお知らせいたします。まごのては東京近辺では間違いなく問題解決が素早く特殊清掃業者です。

孤独死が起きたら・・・完全消臭のまごのて
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

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