事故物件買取コラム
無断転貸先で孤独死|契約者と居住者が違うときの確認順

賃貸マンションで孤独死が発生し、警察や管理会社が確認したところ、亡くなった方が賃貸借契約の名義人ではなかった。契約者の親族や知人が、貸主へ届け出ないまま継続して住んでいたことが後から分かるケースがあります。
この場面では、特殊清掃や家財撤去を進めるだけでは整理できません。契約者は誰か、実際に住んでいたのは誰か、貸主はその居住を知っていたか・承諾していたかを先に確認する必要があります。
一方で、「契約者と居住者が違う=すぐ契約解除」「無断転貸=発生した費用をすべて請求できる」と短絡するのも避けたいところです。契約上の問題と、孤独死後の現場対応・原状回復・保険確認は、別々に整理します。
この記事では、契約者と実際の居住者が違う部屋で孤独死が起きたとき、貸主・管理会社が最初に確認する順番に絞って説明します。
- ・最初に確認するのは「契約者・居住者・貸主承諾」の3つです
- ・民法612条は貸主の承諾のない譲渡・転貸を制限しています
- ・「泊まりに来ていただけ」か「継続して住んでいた」かは生活実態で確認します
- ・孤独死が起きた後は、「契約の問題」と「現場対応」を分けて進めます
- ・実際の相談をもとに再構成した事例|契約者の親族が継続居住していたケース
- ・保険は「無断転貸だから使えない」と決めず、契約内容を照合します
- ・特殊清掃費・家財撤去費・原状回復費は、一式にせず分けます
- ・貸主・管理会社が最初にそろえたい資料
- ・まごのてが整理するのは、法的結論ではなく現場の事実です
- ・契約者と居住者が異なる孤独死案件の現場確認に対応する地域
- ・無断転貸先で孤独死が起きた場合のよくある質問
最初に確認するのは「契約者・居住者・貸主承諾」の3つです
清掃費や原状回復費の話へ入る前に、まず次の3点を同じ資料で確認します。
| 確認項目 | 見る資料 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 契約者 | 賃貸借契約書、入居申込書 | 誰が借主として契約しているか |
| 実際の居住者 | 警察・管理会社の確認記録、室内の生活実態、届出書類 | 誰が継続的に生活していたか |
| 貸主の承諾・届出 | 同居人届、承諾書、メール、管理記録 | 第三者居住を貸主・管理会社が把握し、承諾していたか |
「親族だから問題ない」「名義人と違う人がいたから無断転貸」と先に結論を置かず、契約と生活実態を先にそろえます。
民法612条は貸主の承諾のない譲渡・転貸を制限しています
民法612条は、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに賃借権を譲渡したり、賃借物を転貸したりすることを制限しています。また、同条2項には、違反して第三者に使用・収益させた場合の契約解除に関する規定があります。
国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」も、貸主の書面による承諾なく賃借権を譲渡・転貸しないというモデル条項を置いています。ただし、この標準契約書は法令で使用が義務付けられたものではありません。
したがって、実際の案件では民法の条文だけでなく、使用している賃貸借契約書、同居人に関する条項、貸主・管理会社が把握していた事情を確認します。
「泊まりに来ていただけ」か「継続して住んでいた」かは生活実態で確認します
第三者が部屋にいたという事実だけでは、一時的な宿泊なのか、継続的な居住なのかは分かりません。死亡後に契約者から「たまたま泊まっていた」と説明があっても、客観的な資料と合わせて確認します。
| 確認資料 | 何を見るか |
|---|---|
| 衣類・寝具・日用品 | 継続的に生活していた状況があるか |
| 冷蔵庫・食品・生活用品 | 日常生活の痕跡がどの程度あるか |
| 郵便物・宅配物 | 宛名や受取状況から居住実態を確認できるか |
| 鍵の保有状況 | 契約者以外が常時出入りできる状態だったか |
| 管理人・近隣の認識 | 誰が日常的に居住していると認識されていたか |
| 管理会社への届出 | 同居人追加や名義変更等の手続きがされていたか |
ここで集める資料は、契約解除を決めるための「証拠集め」だけが目的ではありません。保険会社、管理会社、弁護士等が同じ事実関係を見られる状態にするためのものです。
孤独死が起きた後は、「契約の問題」と「現場対応」を分けて進めます
契約者と実際の居住者が違うことが分かっても、共用部へのにおい・害虫など、現場で続いている影響を放置する理由にはなりません。
警察等の確認が終わり、権限を持つ方から入室・作業の承諾が取れたら、まず室内のにおい・害虫・床まわりなどへの影響を抑え、次の確認へ進める状態を整えます。
一方、契約解除、損害賠償、違約金、原状回復費の最終的な負担、保険適用については、契約書・約款・個別事情を別に確認します。
実際の相談をもとに再構成した事例|契約者の親族が継続居住していたケース
東京都内の賃貸マンションで、契約者本人ではなく、その親族が継続的に居住していた部屋で孤独死が発生した相談がありました。個人が特定されないよう、一部の条件を再構成しています。
相談当初は、孤独死後の室内対応と家財撤去の話として始まりました。しかし、警察対応と管理会社の確認を進める中で、亡くなった方が賃貸借契約上の契約者ではなく、貸主へ同居人として届け出られていないことが分かりました。
そこで、現場対応と契約確認を分けました。室内では、におい・害虫・床や壁際への影響、家財量、必要な作業範囲を記録。一方、管理会社側では、賃貸借契約者、実際の居住者、貸主承諾、保険契約、原状回復費の確認を進めました。
このケースから分かるのは、「親族なら問題ない」でも「第三者なら直ちに解除」でもありません。誰が契約し、誰が実際に住み、貸主がその状態をどう認識していたかを、現場対応と同時に早い段階で整理する必要があるということです。
保険は「無断転貸だから使えない」と決めず、契約内容を照合します
孤独死に関係する保険には、家主側の保険、借主側の借家人賠償責任特約など、契約によって異なる補償があります。
契約者と実際の居住者が違う場合は、少なくとも次を確認します。
・保険契約者・被保険者
・死亡した居住者が補償対象に含まれるか
・同居人・居住者変更の届出
・約款上の免責事項・通知義務
・特殊清掃・家財整理・原状回復のどの費用が補償対象か
保険の適用可否は、保険会社・商品・契約時の届出内容によって異なります。事故物件対応会社だけで「出る・出ない」を決めず、保険証券・約款と事実関係をそろえて保険会社へ確認します。
特殊清掃費・家財撤去費・原状回復費は、一式にせず分けます
無断転貸が問題になっている案件でも、発生した費用をまとめて「契約違反による損害」と扱うのではなく、何のための費用かを分けて確認します。
| 費目 | 確認する資料 | 確認すること |
|---|---|---|
| 孤独死後の初動・清掃 | 作業報告、作業前後写真、見積書 | どの範囲へ何の作業を行ったか |
| 家財撤去 | 家財量、搬出記録、保留品記録 | 誰の家財か、処分権限を確認したか |
| 原状回復 | 工事見積、撤去範囲、経過年数 | 孤独死後の影響と通常損耗・経年変化を分けたか |
| 募集停止中の賃料等 | 募集履歴、工期、賃料設定、契約資料 | 実際に発生した損害と因果関係を確認できるか |
貸主・管理会社が最初にそろえたい資料
弁護士や保険会社へ相談する場合も、最初から法的な結論を作る必要はありません。次の資料をそろえると、事実関係を共有しやすくなります。
・賃貸借契約書・入居申込書
・同居人届・名義変更・承諾に関する記録
・警察・管理会社が確認した居住状況
・保険証券・約款・事故受付番号
・特殊清掃・家財撤去・原状回復の見積書
・施工会社が残した作業前後写真・報告書
・貸主・管理会社と契約者の連絡履歴
相続放棄を検討している方が関係する場合や、家財の処分権限が明確でない場合は、家財撤去を先に決めず、必要に応じて弁護士等へ確認します。
まごのてが整理するのは、法的結論ではなく現場の事実です
株式会社まごのてでは、契約解除の可否、損害賠償額、保険金支払いの可否を決めたり、貸主・管理会社の代理で法的交渉を行ったりすることはできません。
一方、孤独死後の室内対応、家財量、床・壁際・下地への影響、実施した作業範囲、特殊清掃・家財撤去・原状回復の見積項目など、現場で確認できる事実を記録し、管理会社・保険会社・弁護士等が確認しやすい資料へ整理することはできます。
契約者と居住者が違う案件ほど、法的な問題と現場対応を一つに混ぜないことが重要です。
契約者と居住者が異なる孤独死案件の現場確認に対応する地域
東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、契約者と実際の居住者が異なる孤独死案件について、室内の初動対応、家財状況、作業範囲の記録、原状回復前の確認をご相談いただけます。
東京都は23区・多摩地域、千葉県は千葉市・市川市・浦安市・船橋市・松戸市・柏市など、神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市など、埼玉県はさいたま市・川口市・戸田市・草加市・越谷市・八潮市などを中心に確認しています。
茨城県・栃木県・群馬県・山梨県は、所在地、建物条件、入室権限、管理会社との調整状況、日程などを確認したうえで対応可否をご案内します。
無断転貸先で孤独死が起きた場合のよくある質問
孤独死後の室内対応を進めながら、契約者・実際の居住者・貸主承諾・保険・家財・原状回復の確認項目を分けて整理できます。
まごのてが行うのは、現場の状態と作業範囲の確認・記録です。契約解除や損害賠償などの法的判断・代理交渉は、必要に応じて弁護士等へ確認してください。
受付時間 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容を確認後、順次ご案内します
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。












