ゴミ屋敷片付けコラム

ゴミ屋敷とは
2025.04.22

神奈川県横浜市の『ゴミ屋敷条例』ゴミの排出支援とは

神奈川県横浜市の『ゴミ屋敷条例』ゴミの排出支援とは
神奈川県ではいわゆるゴミ屋敷条例が横浜市、横須賀市、鎌倉市で制定されており、その中に本人に寄り添った支援の中にゴミの排出支援という項目を見つけましたので、もしかしたらゴミ屋敷化した部屋の解消につながるのかどうかを調べてみました。

ゴミ屋敷条例とは今から10年前後前に全国的に取り入れる自治体が増え、先駆けとなったのは東京都足立区が最初でした。その後都内はもちろん全国に広がっていった条例です。東京都のゴミ屋敷条例について書いた記事では足立区のゴミ屋敷解消のための取り組みも紹介していますのでそちらも併せてお読みください。

ゴミ屋敷条例と呼ばれるものはゴミ屋敷を取り締まったり、ゴミ屋敷を積極的に解消させようとしたものではなく、いわゆる住環境対策の取り組みの中にゴミ屋敷や空き家問題があると考えた方がよくゴミ屋敷条例と呼ばれるからと言ってゴミ屋敷だけを対象にした条例ではないことを最初にご理解ください。

横浜市では「横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例(いわゆる「ごみ屋敷」対策条例)」となっており他の自治体と違ってゴミ屋敷を主とした対策がされているようです。
横浜市のゴミ屋敷問題神奈川のゴミ屋敷条例について

横須賀市、鎌倉市のゴミ屋敷条例

横須賀市や鎌倉市でも横浜市と同じような条例が制定されており、いずれもゴミ問題に焦点を当てています。鎌倉市は鎌倉市住居における物品等の堆積による不良な状態の解消及び発生防止のための支援及び措置に関する条例 、横須賀市は「横須賀市不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための条例」となっており呼び方が堆積物や不良なとなってるのはちょっと気がかりな部分ですがゴミ屋敷問題に真っ向から取り組む姿勢は窺えますので、東京都足立区のような実践的な取り組みがされていれば良いなと思います。

ではここでみなさん気になるのが、市の主導でいわゆるゴミ屋敷が綺麗になり、その費用負担までしてくれるものなのかについて考察をしていきます。

公費でゴミ屋敷が片付く条例ではないようだ

横浜市の条例の中にある排出支援について更に深く追求していくと、不良な生活環境の原因となっている堆積物のうち一般廃棄物の排出の支援(以下「排出の支援」という。)について必要な事項を定める。 という項目があり、その中のいわゆる条件は以下のようになっています。

(1) 堆積物の量が自ら排出できる限度を超えている (2) 家族等の身近な人の協力を得ることが困難である (3) 清掃業者等に排出を依頼できる能力に乏しい状態にある (4) その他の自ら排出することが困難な状態にある 。とあり、該当する方は申請をすると排出支援がされるとなってます。

そして費用についても記載があり、、排出の支援により排出された一般廃棄物の処理手数料を負担しなければならない。 とありますので無料ではないようです。一応手数料の減免をされる世帯も条件を満たせばあるようですが、基本的には無料支援ではないということになります。

ただ私たち部屋の片付け業者の視点から考えると、ゴミ屋敷を綺麗にするために片付ける、というより溜まったゴミを出す、だけのように見えますので、必要な物を取り分けたり探し物をしたり、更に床や水回りを綺麗にするといったとこまでは望めないと思います。

ゴミ屋敷条例支援の範囲

ゴミ屋敷片付け|ゴミ捨てとお片付けの大きな違い

東京都内で制定されているいわゆるゴミ屋敷条例と違ってゴミを溜めてしまってる住人に対してピンポイントで接している神奈川の条例は素晴らしい取り組みだと思うのですが、やはり気になるのはゴミを堆積物と呼んだり、不良な生活環境と呼んでるのは微妙な気はするものの他地域にはない取り組みは評価できます。

あくまでも片付けや清掃をする我々の視点になってしまうのですが、条例を作ってまで取り組むならもう少し対象者寄りの視点は持てないかと思うのです。ゴミ屋敷とひとくちに言っても様々な背景があり、ただ単にゴミ捨てが苦手でゴミが溜まってしまった場合は堆積物と呼んでも仕方ないですが、実は老いも若きもゴミ屋敷になるのは根深い問題を抱えてることが大半ですので「寄り添い」と言う限りはもう少し取り組み方法に配慮があってもいい気はします。

完全に無料の支援であればそこまで望むのは酷ですが、わずかながらも費用負担は住人側に求める性質のものならば心情的なものに配慮できれば完全無欠の条例ではと思うのです。この考え方は不用品回収業者にゴミ屋敷の片付けは出来ない、せいぜい粗大ゴミを回収するだけ、という考えと似てると思います。

神奈川県のゴミ屋敷条例はある有名ゴミ屋敷が発端

どうして神奈川のゴミ屋敷条例が他の地域のゴミ屋敷条例と違ってゴミ屋敷にだけスポットを当ててるのかという問題です。これは横須賀市にあった有名なゴミ屋敷がテレビで放送されたことがきっかけとなりました。

連日テレビで放送され、確か行政代執行までいってしまったゴミ屋敷で執行の様子も放送されていたと記憶します。その報道により議会が動き専門チームが集められ「支援」に重きを置いた条例制定に至ったのです。

条例制定の委員には私もご一緒したことがある、関東学院大学の出石稔教授や懇意にさせていただいてる東邦大学教授の岸恵美子先生も主要メンバーであったことから支援色の濃い条例になったようです。とはいうもののなんでもかんでも支援というわけでもなく他地域のゴミ屋敷条例と同じく周辺環境の保全という意味合いもあるため、流れ的には1.ゴミ屋敷の認知→2.勧告(本当は多段階になってます)→3.行政代執行という一連のものは東京と同じです。
 
東京都のゴミ屋敷条例はどんなものか解説

マンションなどの集合住宅隠れゴミ屋敷は支援対象?

マンションやアパートに住む部屋がゴミ屋敷状態になってる場合でも神奈川の条例ならゴミ出し支援を受けれるのかどうかを探ってみたいと思います。まず支援を受けるための条件として再掲するとこのようなものです。(1) 堆積物の量が自ら排出できる限度を超えている (2) 家族等の身近な人の協力を得ることが困難である (3) 清掃業者等に排出を依頼できる能力に乏しい状態にある (4) その他の自ら排出することが困難な状態にある

ひとつずつ紐解いてみますが、まずゴミの量が自力ではどうしようもないレベルとあるので集合住宅の一室では難しそうに感じます、例えば玄関からすべての部屋が天井までゴミがあるなら別でしょうが、室内に数十センチある程度ではどうかと思います。2.の協力者の有無は人によりますし、ゴミを溜めこんでしまうということは一人暮らしか老夫婦という家族構成だと思いますので誰かに助けを求めるのは困難で、よく見かけるお金がない人がゴミ屋敷を片付けるには友人知人を頼ってみよう、ぐらい実効性がないと思います。。3.業者依頼できる能力に欠ける、という表現は解釈が難しく、資力が乏しくとは書いていませんのでどんな状態を指すかは不明ですがお金がないことをオブラートに包んで能力に欠けると表現してます。自ら排出が困難というのも1.と重なっています。

こう見ると条件的には厳しく見えなくもないですが、どうやらこの条例が対象としているゴミ屋敷は庭や公道にまではみ出したり積みあがったゴミ屋敷が対象になっていると考えられ、アパートなどの集合住宅はあまり意識してないようにも見えます。ただ横浜市の担当職員とあるシンポジウムでご一緒した際には集合住宅が対象外とは言ってなかったので自らSOSを出せば何らかの対応はしてくれるのかもしれません。

ゴミ屋敷住人への適切な対応は支援なのか指導なのか

今回の記事は神奈川県でのゴミ屋敷問題に対する取組をご紹介しました。東京をはじめ他の自治体で制定されている条例と違う点はやはり『ゴミ出し支援』を前面に打出してることだと思います。多くのゴミ屋敷条例を施行している自治体は支援体制を取るというより実質排除の方針と考えられるので神奈川は一風変わってる対策方法だと思います。

ゴミ屋敷条例のあり方は施行前の段階で福祉的に考えるのか、環境整備側から考えるのか、主導権もどの部署が持つのかで大きく変わると考えられ、神奈川に関しては福祉寄りの視点でゴミ屋敷条例が作られたのだと思います。

ここから先は私見が入るのですが、横浜をはじめとしたゴミ屋敷条例は支援が前面に出た条例であることはお伝えしてる通りなのですが『支援』ですからある一定の条件で申請し認められればゴミ出しの支援をしますよというものですが、条例の冒頭にはこうも示されています。「基本的にいわゆる「ごみ屋敷」状態を解消する責任は、物をためこんだ本人にあります」このように大前提としてゴミを出すのはあくまでも本人の責任であると明言していますので支援一辺倒ではなく指導も必要ではないかと思うのです。

ゴミ問題だけではなく支援ばかりが前面に出ると本来自身で努力しなければいけないことに対し依存度が増し、本来のあるべき姿にすることが困難になりやがて支援してもらうことが当たり前、という思考になることはけっして良くないと思います。最近私たちのような民間企業にも一般顧客から『支援』しろ、と半ば高圧的に迫ってくる人が少なからずおり、安易な支援は人を壊す可能性を孕んでることは注意すべきだと思います。

ゴミ屋敷問題は支援?指導?

『支援しろ』と迫る自称ゴミ屋敷住人の支援者

かなり以前のことですが一本の問合せ電話がありました。話を聞くと本人ではなくある方を支援している者だということでした。どうやらその対象者宅がゴミ屋敷状態になっているので片付けてほしいというもので、当時はまだ現地見積もりを積極的にしていた時期でしたので早速お伺いすることになったのです。

場所は東京都内のごく普通の1Kアパートで、ゴミ屋敷の状況も極端にゴミが多いわけではないがまあまあそれなりの状況でした、ひと通り拝見し見積書を提示した時にその自称支援者が豹変したのです。「お金がない人からそんな金額取るのか!」「私は無報酬で困ってる人を支援してるんだからあんたらも協力しろ」という支離滅裂な要求だったのです。

もちろんこんな要求を受けるわけもなく、当然物別れになったのですが、その自称支援者いわくあなたたちはテレビにもよく出てるし有名なんだからさぞかし儲けてるはずだ、この程度のゴミ屋敷をボランティアで片付けたとて屋台骨は揺らがないでしょとまた勝手な言い分を並べていました。稀にこの人のように私は無償で困ってる人を助けてる、すごいでしょというスタンスの人がいますが、この手の人物は必ず関係のない他人や会社に対しても同じことをすべきと強いる傾向にある気がします。

また本人が私は弱者なんだから支援されるべき、というスタンスで来る場合もあり、つい最近も体が不自由で働けなく生活保護で暮らしていて部屋がゴミ屋敷になった、お金はないけどなんとか片付けてほしいという人がおり、一蹴したら「見捨てるのか!」と暴言を吐く始末でした。

レアケースかもしれまんせんが時に支援は諸刃の剣で支援する側、される側双方に違う意識を芽生えさせる可能性があるのだと感じています。現在この神奈川のゴミ出し支援がどの程度機能してるのかわかりませんが、相手によってはある程度指導という方向性も加えなければいけない気はします。

安易な支援は人を壊す

神奈川県のゴミ屋敷片付けもまごのてへどうぞ

株式会社まごのては東京都江戸川区に本拠地があるゴミ屋敷の片付けや特殊清掃を主とした清掃会社で業歴は15年に及びます。数あるゴミ屋敷片付け業者とは一線を画す独自の運営方針は他社が真似することができないお客様にも働くスタッフ双方に良いものとなっています。初めてのお客様も女性にも安心な運営方針

私たちまごのてのゴミ屋敷片付け方針はいたってシンプルなもので、確実に部屋を綺麗にする。たった一点だけに注力し技術を上げてきたゴミ屋敷業者です。昨今はゴミ屋敷を片付けますという業者が大増殖していますが、意外にもこの当たり前でシンプルな部屋を綺麗にするということを理解していない業者が多すぎます。

ゴミは無くなったけど床は汚いまま、下手するとゴミを残すゴミ屋敷業者まである始末で、その程度の認識では到底ゴミ屋敷片付け業者と名乗れないはずなのに年間実績数千件と嘘をつき集客しお客様を困らせています。

もし神奈川県横浜市、川崎市周辺でゴミ屋敷や汚部屋でお悩みのお客様は迷わずまごのてにご相談ください。確実に部屋を綺麗にし汚部屋脱出を望んでるお客様は東京近辺数あるゴミ屋敷片付け業者の中でもまごのてを選ぶのが最短最速だと思いますのでお気軽にご相談ください。

お片付け相談やご依頼は公式LINEのチャットで完結します。部屋の写真を数枚お撮りいただき貼り付けるだけでどんな作業をし、料金がいくらなのかが判明し早ければ次の日でもお片付けが実施できるスピード感はまごのてならではです。公式LINEは下記リンクからすぐにご利用可能です。

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神奈川県のゴミ屋敷片付けは県内全域で対応可能です

まごのてのゴミ屋敷片付けは神奈川県全域で対応いたします。川崎市や横浜市はもちろん過去には周辺地域である藤沢市、茅ケ崎市、逗子市、小田原市、湯河原町など若干遠方でもお片付け対応可能ですのでご相談ください。

まごのてでご依頼の多い地域は実は東京都内に次いで川崎市と横浜市で週に6~8件はご依頼のある地域です。また川崎や横浜であれば最短当日のお片付けも可能で引越シーズンなどは期限が迫っていて大至急で片付けなければいけないというご依頼もたまわりますのでお気軽にご相談ください。

下記画像リンクに大急ぎのお片付け依頼実例を載せておきますので参考にしてください。

東京のお急ぎゴミ屋敷片付け実例と料金
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

ゴミ屋敷のことはなんでも私に聞いてください、各自治体のゴミ屋敷条例制定の際の意見交換参加実績、在宅医学会や高齢者虐待防止学会での登壇実績もあり真の専門家として高い評価を得ています。


セルフネグレクトとゴミ屋敷の関係を研究している東邦大学保健衛生学教授である岸恵美子先生とは情報交換を盛んに行いゴミ屋敷の現実的な問題を私から提供し岸教授が学術的に分析し世に提供しその論文等には佐々木久史の名前が付されるものも多い。

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