ゴミ屋敷片付けコラム

不用品回収
2024.02.12

粗大ゴミや家電回収料金が自治体粗大ゴミより高額な理由

粗大ゴミや家電回収料金が自治体粗大ゴミより高額な理由
不用品回収業者や粗大ごみ回収業者がボッタクリだ高額請求だと言われることが多く、実際本当に超高額請求を平然と行う業者が多いのも事実なのですが、一般のユーザーさんたちは何を基準に高い安いを決めてるのかを考えてみたいと思います。Twitterを見てるとどうやら行政の粗大ごみ回収手数料を基準に考えてる人が意外に多いことに気付きます。

結論から言いますと行政の大型ゴミの回収と民間の不用品回収を料金だけで比較してはいけません、行政が行うゴミ回収はあくまでも住民サービスです、利益を出す必要がない事業ですからタダ同然でゴミ回収をします。そのあたりに大きな違いがあるということを充分認識いただければと思います。

なお民間の不用品回収業者やゴミ屋敷業者はそもそも違法という一般廃棄物収集許可についての見解は別記事がありますのでそちらをご覧ください。
 
民間の不用品回収
自治体回収の粗大ゴミ料金と民間回収料金を比べてはいけない
そもそもネット上などに出てくる不用品回収業者と行政の粗大ごみ回収の料金を比べてはいけません。同じごみを捨てるという行為でもまったく違う位置づけであることをご注意ください。

粗大ごみの自治体回収を始めゴミの日のゴミ回収も住民サービスの一環で、地域の住民が暮らしやくするための公共インフラですので無料もしくはほんのわずかのお金で実現できるものです。

一方民間の不用品回収業者は100%営利を目的とした事業者ですから、利益追求型サービスです。この部分が大きな違いなのですから本来比較する性質のものではありません。

SNS上ではたまに行政の粗大ゴミだと900円のタンスがネットの不用品回収業者だと5倍も10倍もかかったという話を耳にしますが、当たり前です。収益を上げる必要のない公共インフラと収益を追求しなければいけない企業との差ですから同列に扱うことはできませんし、一概にボッタクリとも言えないということはご理解ください。ただし本物のボッタクリ業者のほうが総数としては多いということも併せてお知らせしておきます。
 

行政回収の粗大ゴミ処分が安い理由

冒頭でも書きましたが行政のゴミ回収というのは住民サービスの一環ですから基本的には無料です、東京都内でも一部地域では専用ゴミ袋を購入しなければいけないので実質有料の地域もありますが、それでもわずかの金額でゴミを処理してくれます。粗大ゴミだけはわずかのお金をもらいますよという方法が採用されていますが、それでもかなり安いです。

住民サービスという事業ですから利益を上げる必要もありませんし、今月はタンスを100本回収しよう!というノルマもありません、400円の手数料がかかる布団を回収しその処分を外部委託し1,000円かかったとしても税金で支出するのです。

つまり一般の民間会社とは考え方も運営方法もまったく違うのですから、行政の粗大ゴミ回収は安くて当然なのです。私は普段よりお片付けに関する費用を提示する際には理由が必要と言っています、安いなら安い理由、高いなら高い理由が必要です、この記事は粗大ごみ回収に関する行政との料金の違いやまごのてを含め民間企業はどうやって料金設定をしているのかをお伝えします。

粗大ごみ行政回収料金VSまごのてでの回収料金

では実際にまごのてで粗大ゴミを回収した実例を元に行政の粗大ゴミ回収料金とどの程度差があるのかを解説いたします。税金で賄われる事業と一般企業の収益構造に関するご説明もいたしますが、やはり巷の不用品回収はボッタクリだ高額だと判断する人も中にはいることを承知の上でお知らせします。下記の写真の不用品を回収した例で進めていきます。

東京都調布市の団地(エレベーターなし4階)
回収品目:冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、電子ピアノ、布団1組、ベッド、その他細かな物数点。
回収料金:75,000円(税別)
粗大ゴミや家電回収料金が自治体粗大ゴミより高額な理由

民間の不用品回収料金は行政回収の5倍!

写真の不用品をもし自治体で処分した場合ですが、東京都内でも地域により若干差があるとしてもおそらく15,000円程度です。冷蔵庫と洗濯機は行政の粗大ゴミに出せませんが、もしリサイクル家電を持ち込み処分ができるヤマダ電機なら1品当たり2,000円~3,000円程度で処分できると思います。

結論から言いますと行政の粗大ごみ回収を利用したり、自力でリサイクル家電を処分した場合に比べておよそ5倍の費用がかかってます。ではこの回収費用はボッタクリなのか?まごのてはこの不用品でどれだけの利益を出してるのか?次の章ではどこのゴミ屋敷業者も不用品回収業者も書かなかった、私たちのような業者の収益構造についてお伝えします。

一般の不用品回収業者の収益構造

この不用品処分にかかる直接原価を発表します。

・ごみ処分費:24,000円
・車両運行費:6,000円


この不用品をキチンと適正な処分をした場合には24,000円の費用がかかります、勘違いしてる人が多いのですが、私たち業者が回収したゴミや不用品は自治体運営のゴミ処分場を使うことができません、ですから民間の処分場を使うのですが、その処分費も自治体運営のゴミ処理場の料金に比べればかなり高額です。

そして車両費を6千円と計上していますが、計算式は以下の通りです。

・江戸川区~調布市往復75Km ガソリン代約2,000円 有料道路(ETC利用)3380円 コインパーキング700円(中型トラックで計算しており軽トラックなど車種により多少の振れ幅はあります)

この時点ですでに3万円の経費がかかっています、そして人件費をどう計上するかですが、この程度の少量の回収でも大型ゴミがあり団地の階段4階となれば2名体制の作業です。丸1日2名の作業費というわけではありませんが1日に計上する人件費の30%とした場合15,000円です。

つまり直接かかる経費としては約45,000円となり収受した75,000円に対して表面粗利率は40%の3万円です、この粗利率も業種や会社規模によって違ってきますが、令和4年度の中小企業実態基本調査によると生活関連サービス業・娯楽業で平均粗利36.9%、サービス業全般では45.5%ですから健全経営を維持するには妥当なラインで、けっして暴利というレベルではありません。ただ個人でやっていて自宅兼事務所で従業員もいないあまり経費がかからない運営体制の場合は粗利率が高くなる、もしくは低料金でのサービス提供が可能ということになるのですが、ゴミの処分費や運行費は同じです。

これを見てボッタクリだと思いますか?まず大前提としてまごのてを含めた民間の会社はすべて100%利益を出さなければいけない営利を目的とした会社です。冒頭にも書きましたが行政の粗大ゴミ処分は利益を出さなくていいのに対し私たちは利益を出さなければいけない存在です。

たったこの程度のゴミ回収で3万円も儲けてけしからん!という人も中にはいると思いますが、そのような人は世の中すべての商品やサービスを買ったりすることは不可能だと考えます。

ゴミ回収業者の存在そのものの違法性についての議論はこの記事では触れませんが、粗大ゴミの行政回収料金と比較して一般の不用品回収業者は高額、ボッタクリと結論付けるのはまったく論点違いと考えるのは行政のゴミ回収と立場が違うからです。Twitterなどで区の回収の3倍も5倍もお金がかかった!というものも多いのですが、その程度であれば妥当ではないかと感じます。

行政の不用品回収料金でも地域で差がある!

行政に粗大ごみの回収を依頼する方法は2種類あり、予約をして地域のゴミ処理センターに持ち込む場合と、同じく回収日時を予約してゴミ処理シールを貼って所定の場所に出して回収してもらう方法があり、この部分に関してはあまり地域による差はありません。

ですが回収料金は地域によってバラつきがあり全国一律ではないのです。一般ごみでも東京都はゴミ有料地域(専用ゴミ袋の購入)があるのですから粗大ごみ処分費用に地域差があってもおかしくありません。ではどの程度の差があるのか都道府県単位で見ていきましょう。ゴミ処理センターへの持ち込みではなく回収を依頼した場合と仮定しています。
粗大ゴミや家電回収料金が自治体粗大ゴミより高額な理由

粗大ごみ処分費用東京都の場合

東京都の粗大ごみ処分と言っても都がゴミの回収をしているのではなく行政区単位ですから東京であれば23区とその他市部に分かれます。すべてについて書くわけにはいきませんので主だったところをピックアップしていきます。比較しやすくするためにシングルベッド本体と、ベッドマット、布団1組を処分する場合で見てみます。
 
江戸川区 ベッド1,300円
ベッドマット1,200円
布団400円
府中市 ベッド2,000円
ベッドマット1,000円~2,000円(スプリングの有無)
布団500円
町田市 ベッド1200円
ベッドマット400円~800円(スプリングの有無)
布団3枚で400円
西多摩郡 記載なしのため不明
足立区 ベッド1,200円
ベッドマット1,200円
布団400円

東京の場合は23区ではほぼ同じ料金ですが、市部では若干の変化がありました。府中市と町田市しか記載していませんが清瀬市は一般ごみは専用ゴミ袋でしかも袋の料金も比較的高いので、粗大ごみもさぞかし高いと思ったのですがシングルベッド800円ベッドマット200円と23区に比べてかなり安いのです。このように地域によって粗大ごみの処分費用は大きな差ではありませんが違いがあるというのは覚えておきましょう。

同じ大都市圏の大阪の粗大ごみ料金を参考に書いておきますが、大阪市の場合布団は200円、ベッド本体1,000円、マットレスは記載がありませんでしたが千円程度と推定します、東京よりほんの少し安い印象です。

粗大ごみの回収処分費用埼玉県の場合

同じく埼玉県も見ていきますが、こちらも主だった一部地域と回収品目は自転車と整理タンス1本ということにします。

川口市:わかりやすい記載なし。
鶴ヶ島市:基本料金500円、自転車は600円でタンスは1300円だと思います、鶴ヶ島市も詳細な品目別料金表はなく基本料の500円と大きさで決まり、さらに一人で持てるか持てないかの判断基準が設けられています。上記のタンスも一人で運べるなら300円です。
所沢市:品目ごとの料金表はありませんでしたが自転車は1,000円、タンスも1,000円だと思います、鶴ヶ島市と同様大きさで決まっています(一辺が90cm以下か以上か)ちなみに東京都で書いたスプリング入りベッドマットは2,000円です。
和光市:品目別料金表は見つかりませんでしたが自転車1,000円タンス1,000円と思います。

埼玉県は品目ごとの料金表がなく、大きさで決まってるようです。アバウトですが地域によって大きな差があるようには見えませんでした。

粗大ごみの回収処分費用千葉県の場合

千葉県の一部地域の粗大ごみ回収料金を見てみます、カラーボックスを3個と掃除機1台捨てたい場合で見てみましょう。

千葉市:カラーボックス390円×3 掃除機390円
松戸市:カラーボックス1,000円 掃除機1,000円、松戸市は個別の料金設定がなくホームページには赤字で「粗大ごみ1点につき1,000円」と書いてますのでオール千円かもしれません。
浦安市:カラーボックス520円、掃除機520円
南房総市:詳細な記載がありませんが1点当たり576円プラス重量のようです、10Kgごと52円と書いてますのでカラーボックスは628円と考えます。
成田市:詳細な料金表はありませんが、1世帯につき1回に3点までで、料金は無料です。と書いてるので無料なのかもしれません。

たったこれだけですが千葉県の粗大ごみ回収料金は大きくバラつきがあります。太っ腹の成田市、松戸はかなり高いイメージです、粗大ごみ回収料金も市町村の税収と大きく関係しているのかもしれません。

各地の僻地の粗大ごみ回収料金

粗大ごみ回収料金が税収と関係あるかもと書きましたが、では僻地に行くほど高くなってしまうのかという問題を少しだけ検証してみます。選んだ地域は財政破綻した北海道夕張市、日本一ガソリン価格が高い長崎県五島市、車のナンバーは品川だけど島しょ部の東京都八丈町で見てみます。

夕張市:カラーボックス200円、布団200円(2枚)自転車600円
五島市:カラーボックス300円、自転車300円、布団300円、300円と600円設定しかなく、判断基準は一人で運べるかどうかのようです。
八丈町:品目ごとの料金表はありませんが、1回の回収で1,000円と別途処分費がかかるようです。

意外にも夕張市も五島市も安いです、八丈島は若干高いイメージです。財政破綻してる夕張だと布団の処理料金は東京都内の半分は少し驚きでした。

テレビや冷蔵庫のリサイクル家電回収処分費

2001年から施行された「家電リサイクル法」とは特定の家電はリサイクルを義務付けるもので、具体的にはテレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコンの4種類が対象となっています。これらの品目は以前は行政の粗大ごみ回収が可能でしたが現在は全国どこの自治体も回収処分を行っていません。これらの家電を買い替える時に小売店に引き取ってもらって処分をする方法が多いと思います、処分費はメーカー単位で決まっていて1,500円~4,000円程度かかるようです。まごのての場合はゴミ屋敷や部屋の片付けと同時にリサイクル家電を処分する場合は一律6,000円/1品としています。※大型冷蔵庫やエアコンの取外しがある場合は別計算。

民間の不用品回収業者を利用するメリット

行政の粗大ごみ回収は私たちのような民間回収業者と比べれば格段に安いです。ただし行政回収の料金の5倍~時には10倍かかることがあったとしても住民サービス事業と営利企業が行う商行為とはまったく性質が違いますので一概にボッタクリとは言えない面があります(本物のボッタクリ行為が多いから見分けはつきません)では、行政回収より何倍も高いお金を出して不用品を回収してもらうメリットとは何かを考えてみたいと思います。
粗大ゴミや家電回収料金が自治体粗大ゴミより高額な理由

搬出や梱包をやらなくても回収が可能

行政に粗大ごみ処分を依頼する場合は処理場持ち込みでも回収でも、基本的には自分で家から運び出さなければいけません、二段ベッドも自分で解体して指定場所に出す必要があります。冒頭に出した事例の団地の階段4階を運び出すことができますか?高齢女性がルールに従って解体したり梱包したりできますか?民間の不用品回収業者ならそれら面倒な作業も必要ないし運び出しもやってくれるのですからお客様は何もしなくていいのはメリットと言えるでしょう。

粗大ごみ回収の時間的制約を受けなくていい

行政の粗大ごみ回収で一番面倒なことは予約が必要だったり、回収日時が決められたりする時間的制約を受けることではないでしょうか?行政の粗大ごみセンターへの持ち込みですら東京都内だと2週間先まで予約が取れないこともあるそうです、回収の場合でも予約した当日しか外に出してはいけませんのでけっこう時間的制約があります。

不用品回収業者であれば、どんなに急いでいても対応してくれますし、回収時間も融通が利くことが多いです。引越などで思いがけずゴミが増えてしまった時に2週間先まで待てますか?不用品回収業者なら今すぐの対応も可能なのは大きなメリットと言えるでしょう。

お掃除など付帯作業も一括して対応できます

これは不用品回収業者というよりまごのての場合です。この記事は不用品回収のことを書き、不用品回収業者を利用するメリットを書いていますが、まごのての場合は基本的に単純な不用品回収は積極的には行っていません。ゴミ屋敷清掃に付帯していたり過去にお片付けでご利用いただいたお客様を中心に行っています。

ただ不用品回収プラスハウスクリーニングなどまごのて本来の清掃業務が付帯する場合は積極的に行っています。まごのての場合考え方としてはハウスクリーニングのついでに不用品やゴミを回収するというもので、主たる作業内容はお掃除であるとの方針に基づいています。

利用するお客様にとってはハウスクリーニングやその他の関連することも同時進行でできるのであれば一石二鳥どころか三鳥も四鳥もメリットがあると思います。

粗大ごみ回収もゴミ屋敷片付けもコンプラ遵守のまごのて

まごのては不用品回収でもゴミ屋敷の片付け掃除もコンプライアンス遵守で安心です。不用品回収業務の収益構造についてもお示ししましたが、世の中には3万円近く原価がかかる作業に対して業界最安値を掲げ1万円前後で不用品回収をやると書いてる業者もあります。

ですがよく考えれば絶対におかしなことで利益がでないようなことは誰もするはずがないのです。ということは本当にその記載してる料金でやれると言うならば不正つまり犯罪行為をしなければ成り立つはずもなく、犯罪行為を行っていますと宣言してるとも取れるのです。犯罪行為だろうが違法だろうが安ければ構わないというお客様は止めはしませんが正直オススメはできません。

確実にゴミ屋敷をキレイにしたいならまごのて一択!

私たち株式会社まごのてはゴミ屋敷で悩む人が抱えている心の重荷を下ろすお手伝いをするのが仕事です。
ゴミ屋敷を片付けたり、汚部屋を掃除しますという業者は掃いて捨てるほどありますが、まごのてほど的確にゴミ屋敷で暮らす人のことを理解する業者はありません。

当然片付け清掃技術が高いのは当たり前で、どこよりも安心できる業務体制を整えている数少ないゴミ屋敷片付け業者です。私たちが相見積に対して否定的な理由は簡単です、まごのてと比べるに値しない低レベルの片付け掃除業者が多いのですから当然と言えば当然ですね。完全にゴミ屋敷を片付けたいと願うならまごのてにお気軽にご相談ください。

ゴミ屋敷片付けるならまごのてでしょ
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

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