事故物件買取コラム
事故物件対策
2025.03.13
居住20年超!内装汚く設備もボロボロ。それでも退去費用請求

今回は賃貸住宅を退去する際に起こったトラブル事例から解説したいと思います。賃貸住宅退去時には法律的な視点で考えることと、もう一点大事なのは心情的なものはどうなのかという部分が絡みます。
この記事でピックアップするトラブルは次のようなものです。
地域は千葉県内の木造アパートで22年住んだ部屋です。退去時の部屋の状況はゴミ屋敷とまではいきませんが長く住んでるうちに本人も高齢化し日々の掃除が行き届いてなくそれなりに汚れは蓄積してる状態であったが用法違反や特別何か手を加えたり故意に破損させたことはありませんでした。
退去後に大家さんから申し渡された費用は約250万円と家賃換算で三年半分に匹敵するものでした。退去した方の連帯保証人になっていた娘さんから相談を受けたものですが、娘さんいわく汚れがきついので退去時にクリーニングを依頼するつもりでしたが、大家さんからどうせ交換するからそのままで良いと言われたので好意と受け止めそのままで出たそうです。
相談時に写真を見せてもらいましたが、確かにそのまま出てしまっては印象がかなり悪いと言わざるを得ず、とは言うもののそのままで良いと言われれば何もしないで退去してしまうのも無理はないというレベルです。部屋の全体像は下記の写真をご覧ください。

この記事でピックアップするトラブルは次のようなものです。
地域は千葉県内の木造アパートで22年住んだ部屋です。退去時の部屋の状況はゴミ屋敷とまではいきませんが長く住んでるうちに本人も高齢化し日々の掃除が行き届いてなくそれなりに汚れは蓄積してる状態であったが用法違反や特別何か手を加えたり故意に破損させたことはありませんでした。
退去後に大家さんから申し渡された費用は約250万円と家賃換算で三年半分に匹敵するものでした。退去した方の連帯保証人になっていた娘さんから相談を受けたものですが、娘さんいわく汚れがきついので退去時にクリーニングを依頼するつもりでしたが、大家さんからどうせ交換するからそのままで良いと言われたので好意と受け止めそのままで出たそうです。
相談時に写真を見せてもらいましたが、確かにそのまま出てしまっては印象がかなり悪いと言わざるを得ず、とは言うもののそのままで良いと言われれば何もしないで退去してしまうのも無理はないというレベルです。部屋の全体像は下記の写真をご覧ください。


大家さんの言い分は『原状回復義務(民法621条)』の歪曲
作業開始前に依頼者からヒアリングをし、大家さんからいったい何を求められているのかを明らかにしました。私たちの解釈では水回りや床が汚いのでそのままでは困る、ということだと思っていたのですが話を進めるうちに少しニュアンスが違うと感じました。
まず依頼者が大家さんから言われてる内容はまとめると以下のようなものでした。
・畳や壁紙も色が変わってるので変えてくれ
・洗面とトイレももう使えないから新品交換しろ
・キッチンも錆があるから使えないので交換しろ
・窓のサッシにも黒カビがあるから綺麗にしろ、綺麗にならないなら交換してくれ。
・玄関のドアや備え付けの下駄箱も汚い
つまり大家さんの主張は内装全て新品にしろ、それが原状回復だ!と言うことなのです。再度ここで原状回復とはについて軽く触れておきますが、大前提として賃貸物件を退去する際には原状回復義務というものがあり民法でも規定があるルールで、『義務』と冠があるように必ずやるべきことです。入居当時の状態に戻しなさいよ、ただし経年変化は考慮するというものです。
公式があるわけではないですが式で表すなら、入居時を100とした場合100に戻す努力はしなければいけないけど経年変化分が50あるなら100-50で50%戻せば良いという考え方です。この部屋の場合は22年住んでますので当然壁紙も畳も日焼けして色が変わってますし、水回りやCFの床も破損があったり古めかしさも感じます。
22年経過と言えば木造住宅の法定耐用年数に匹敵するもので、このアパート自体築年が35年超ですので、そもそも入居当時には設備関係はすでに13年が経過していたことになります。もしそれらすべてを新品にすれば一方的に大家さんの得で、賃借人側は一方的に損しかありません。ただ、今の汚れたままでは印象も良くないし原状回復義務を果たしてるとも言えないので最低限クリーニングをし、義務を果たした後大家さんと話し合いましょうということでハウスクリーニング作業に入ったのです。

まず依頼者が大家さんから言われてる内容はまとめると以下のようなものでした。
・畳や壁紙も色が変わってるので変えてくれ
・洗面とトイレももう使えないから新品交換しろ
・キッチンも錆があるから使えないので交換しろ
・窓のサッシにも黒カビがあるから綺麗にしろ、綺麗にならないなら交換してくれ。
・玄関のドアや備え付けの下駄箱も汚い
つまり大家さんの主張は内装全て新品にしろ、それが原状回復だ!と言うことなのです。再度ここで原状回復とはについて軽く触れておきますが、大前提として賃貸物件を退去する際には原状回復義務というものがあり民法でも規定があるルールで、『義務』と冠があるように必ずやるべきことです。入居当時の状態に戻しなさいよ、ただし経年変化は考慮するというものです。
公式があるわけではないですが式で表すなら、入居時を100とした場合100に戻す努力はしなければいけないけど経年変化分が50あるなら100-50で50%戻せば良いという考え方です。この部屋の場合は22年住んでますので当然壁紙も畳も日焼けして色が変わってますし、水回りやCFの床も破損があったり古めかしさも感じます。
22年経過と言えば木造住宅の法定耐用年数に匹敵するもので、このアパート自体築年が35年超ですので、そもそも入居当時には設備関係はすでに13年が経過していたことになります。もしそれらすべてを新品にすれば一方的に大家さんの得で、賃借人側は一方的に損しかありません。ただ、今の汚れたままでは印象も良くないし原状回復義務を果たしてるとも言えないので最低限クリーニングをし、義務を果たした後大家さんと話し合いましょうということでハウスクリーニング作業に入ったのです。

30年前の感覚を引きずっていた素人オーナー
ひと通りの作業が完了した時点で大家さんにも部屋を見て貰い、依頼者もここまで綺麗になるなんて!と驚いてる中で高齢の大家さんは口を開き「畳と壁紙はどうするんだ!」「台所にも細かな錆があるし床も汚いじゃないか」と依頼者に捲し立ててきたのです。おそらくこうなるだろうと思っていたのでこちらから話に割って入ることにしました。
激しいやり取りがあったのですが、大家さんの言い分は今までどの入居者が出ていくときには壁紙も畳も新品にしてもらってたし、原状回復とはそういうもんだ!と最近はとんと聞かない化石みたいな理論を振りかざしてきたのです。原状回復を歪曲した考えであることは明白でよく今までトラブルにならなかったものだと妙に感心しました。
私は幼稚園児でもわかるように難しい言葉を出来るだけ使わず、丁寧に丁寧に説明しましたが、大家さんの顔がだんだん赤くなり、頭から水蒸気が出るのではないかと思った瞬間「払うまで何度でも電話してやる!俺は今までずっとそうしてきたんだ」と一向に態度を変えないので、さらにこちらも畳みかけ「払う義務がないものを払えと言えば恐喝だ、事件にするか?」と迫りやっと落ち着いてくれたのです。
確かに大昔は退去者に多大な原状回復費を請求しやりたい放題が通った時代がありましたし、退去が発生するたびに部屋がグレードアップしていた大家さんも知ってますが、今は民法も整備されガイドラインでも明確化され、一般の人も正しい知識を持つようになってるのですから昔のようなことは一切できなくなりました。
とりあえずこの日以来大家さんから電話が来ることもなく、請求書らしきものが届くこともないみたいですので一件落着となりました。
激しいやり取りがあったのですが、大家さんの言い分は今までどの入居者が出ていくときには壁紙も畳も新品にしてもらってたし、原状回復とはそういうもんだ!と最近はとんと聞かない化石みたいな理論を振りかざしてきたのです。原状回復を歪曲した考えであることは明白でよく今までトラブルにならなかったものだと妙に感心しました。
私は幼稚園児でもわかるように難しい言葉を出来るだけ使わず、丁寧に丁寧に説明しましたが、大家さんの顔がだんだん赤くなり、頭から水蒸気が出るのではないかと思った瞬間「払うまで何度でも電話してやる!俺は今までずっとそうしてきたんだ」と一向に態度を変えないので、さらにこちらも畳みかけ「払う義務がないものを払えと言えば恐喝だ、事件にするか?」と迫りやっと落ち着いてくれたのです。
確かに大昔は退去者に多大な原状回復費を請求しやりたい放題が通った時代がありましたし、退去が発生するたびに部屋がグレードアップしていた大家さんも知ってますが、今は民法も整備されガイドラインでも明確化され、一般の人も正しい知識を持つようになってるのですから昔のようなことは一切できなくなりました。
とりあえずこの日以来大家さんから電話が来ることもなく、請求書らしきものが届くこともないみたいですので一件落着となりました。
自主管理大家さんの物件ではトラブルが起きやすい
過去にもゴミ屋敷関連でも孤独死の特殊清掃関連でも原状回復で揉めるのは断然自主管理大家さんが多いです。賃貸住宅の場合は賃貸管理や建物管理でいわゆる管理会社を入れるのが通常でだいたい家賃の5%程度を管理費として支払ってさまざまな管理を委託するのです。
今や家賃の5%と言えども利回りカツカツでやってると出すのが惜しいのか、自主管理の大家さんが増えています。自主管理ということは素人が管理しているのですから当然トラブルも起きやすくなり、今回でも管理会社が間に入っていれば起こらなかった事件だと思います。
入居中だとどうすることもできませんが、もし新居探しをしてる時に良い物件だと思ったら自主管理かどうかを調べるのはアリだと思います。建物管理契約をしてる場合は重要事項説明時にされますのでもし自主管理となってたら少し警戒が必要かもしれません。

今や家賃の5%と言えども利回りカツカツでやってると出すのが惜しいのか、自主管理の大家さんが増えています。自主管理ということは素人が管理しているのですから当然トラブルも起きやすくなり、今回でも管理会社が間に入っていれば起こらなかった事件だと思います。
入居中だとどうすることもできませんが、もし新居探しをしてる時に良い物件だと思ったら自主管理かどうかを調べるのはアリだと思います。建物管理契約をしてる場合は重要事項説明時にされますのでもし自主管理となってたら少し警戒が必要かもしれません。

賃貸住宅退去時にトラブルをないようにする方法
どんなに万全の態勢で挑んでも退去トラブルが起きる時は起きます。今回の場合は大家さん側が原状回復義務を歪曲して考えていて、なおかつ古い習慣で押し通そうとしたことが発端でしたが、賃借人側の法的解釈を歪曲していてトラブルが起きることもあります。
一番多いのは同じく原状回復義務の中の経年劣化の部分で、通常の生活をしていてついた汚れや傷は経年劣化とする、という解釈があります。その部分を歪曲してトイレもお風呂も部屋も普通に使っているときに出来た汚れなのだから清掃して出る必要はない、といったいどう考えたらそんな理論になるのかわからないことを言う人もいます。
昨今はSNSの普及でみんなが様々な知識を得ることができるようになったのは良いことですが、中にはもっともらしい嘘も多く出回っていますので情報分析能力は上げる必要はあります。
賃貸住宅を退去する際にトラブルを起こさないように対策するのは別段難しく考える必要はなく、法的にどうのと言う前に常識的にどうなのかを考えるのが一番シンプルでわかりやすいと思うのです。今回22年も住んだ賃借人が退去したのに内装を全部新調することを求めるのが常識的なのか、掃除しないでそのまま退去することが果たして常識的なのかを考えると明瞭で、お互いに感謝の気持ちがあれば起きない問題だと私は思います。
一番多いのは同じく原状回復義務の中の経年劣化の部分で、通常の生活をしていてついた汚れや傷は経年劣化とする、という解釈があります。その部分を歪曲してトイレもお風呂も部屋も普通に使っているときに出来た汚れなのだから清掃して出る必要はない、といったいどう考えたらそんな理論になるのかわからないことを言う人もいます。
昨今はSNSの普及でみんなが様々な知識を得ることができるようになったのは良いことですが、中にはもっともらしい嘘も多く出回っていますので情報分析能力は上げる必要はあります。
賃貸住宅を退去する際にトラブルを起こさないように対策するのは別段難しく考える必要はなく、法的にどうのと言う前に常識的にどうなのかを考えるのが一番シンプルでわかりやすいと思うのです。今回22年も住んだ賃借人が退去したのに内装を全部新調することを求めるのが常識的なのか、掃除しないでそのまま退去することが果たして常識的なのかを考えると明瞭で、お互いに感謝の気持ちがあれば起きない問題だと私は思います。
どんなに汚れて荒れた部屋でも綺麗にするまごのて
株式会社まごのてはゴミ屋敷のお片付けや孤独死の特殊清掃を専門とした清掃会社です。そしてこの手の部屋はやはりトラブルを誘発しやすく、上手く立ち回らないと借主、貸主双方どちらも大きなダメージを受けることになってしまいます。
まごのては清掃技術が高いだけではなく、退去や原状回復にまつわるトラブル解決のためのアドバイスも積極的に行っています。代表者の佐々木久史は不動産関係の有資格者で宅建士、賃管士、行政書士ですし、会社としても不動産取引業の免許を保有していますので安心して相談することができます。
ゴミ屋敷になってしまってどうしよう!賃借人がゴミを溜めてるようだ、どちらの立場でもフレキシブルに対応しますのでお気軽にお問い合わせください。


まごのては清掃技術が高いだけではなく、退去や原状回復にまつわるトラブル解決のためのアドバイスも積極的に行っています。代表者の佐々木久史は不動産関係の有資格者で宅建士、賃管士、行政書士ですし、会社としても不動産取引業の免許を保有していますので安心して相談することができます。
ゴミ屋敷になってしまってどうしよう!賃借人がゴミを溜めてるようだ、どちらの立場でもフレキシブルに対応しますのでお気軽にお問い合わせください。


記事執筆:
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
孤独死が起きてお困りの方は私にお気軽にご相談ください。