特殊清掃コラム

遺品整理
2026.01.18

大田区の孤独死|相続放棄後の管理責任と改正民法

大田区の孤独死特殊清掃

「蒲田のアパートで疎遠だった父が孤独死したと警察から連絡が来た」
「借金があるようなので関わりたくない。相続放棄したい」

大田区は単身世帯や高齢者が多く、こうした相談が後を絶ちません。
しかし、「相続放棄すれば全てチャラになる」というのは過去の話、あるいは誤解を含んでいます。

2023年4月に施行された改正民法第940条により、放棄後の「管理責任(保存義務)」のルールが大きく変わりました。
本記事では、大田区での実例を交え、相続放棄を考えている遺族が知っておくべき「法的責任の境界線」を解説します。

1. 「相続放棄すれば終わり」ではない? 改正民法940条の衝撃

これまでは「相続放棄をしても、次の管理者が決まるまでは管理を続けなければならない」という曖昧なルールが存在し、空き家問題の温床となっていました。
しかし、今回の改正で条件が明確化されました。

 ポイントは「現に占有している」かどうか

改正民法 第940条第1項(要約)

相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を「現に占有しているとき」は、次の管理者に引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

つまり、「放棄した時点で、その家を実質的に支配(占有)していたかどうか」が分かれ道となります。

  • ✅ 責任を負わない可能性が高いケース 遠方に住んでいて、実家の鍵も持っておらず、普段出入りもしていなかった場合。
    →「現に占有していない」ため、放棄すれば管理義務からも解放される公算が高い。
  • ⚠️ 責任が残るケース 同居していた、あるいは鍵を持っていて頻繁に出入りしていた場合。
    →「現に占有している」とみなされ、放棄後も管理責任(保存義務)が継続する。

2. 保存義務から完全に解放されるための「相続財産清算人」

もしあなたが「現に占有」しており、保存義務が残ってしまった場合、あるいは次の相続人が全員放棄して誰もいなくなってしまった場合、どうすればその責任から解放されるのでしょうか。

その唯一の出口が「相続財産清算人(旧:相続財産管理人)」の選任です。

 家庭裁判所への申立てと「予納金」の壁

相続財産清算人は、家庭裁判所に申し立てて選任してもらいます。清算人が選ばれ、物件を引き渡せば、あなたの保存義務は消滅します。
しかし、これには大きな金銭的ハードルがあります。

  • 💰 予納金(数十万円~100万円程度)
  • 故人に十分な遺産(現預金)があればそこから支払われますが、遺産がない場合(孤独死現場の多くはこれに該当します)、申立人である遺族が自腹で数十万円~100万円近い予納金を裁判所に納めなければなりません。

「放棄したのに、なぜ100万円も払わなければならないのか」
これが日本の法律の厳しい現実です。だからこそ、「自分が占有者にあたるかどうか」の判断と、放棄前の行動(うかつに手を出さないこと)が極めて重要になるのです。

相続財産清算人(旧:相続財産管理人)」

【実録】大田区蒲田・疎遠な父の孤独死と「占有」の判定

実際にまごのてが大田区でご相談を受けた、相続放棄絡みの特殊清掃事例をご紹介します。
「部屋の片付け」と「相続放棄」をどう両立させたかの実例です。

📝 現場状況データ

場所 大田区蒲田(築古アパート)
依頼者 長男(15年以上疎遠・鍵なし)
希望 相続放棄したいが、大家から苦情が来ている
難易度 ★法的判断が必要

▼ 実際の施工前後の様子(イメージ)

特殊清掃前の現場 【Before】残置物が残った室内
特殊清掃後の現場 【After】汚染物除去・消臭完了

 まごのての法的アドバイスと施工

ご依頼者様は「部屋の荷物を全部捨てて、大家さんに返したい」と仰っていましたが、それをすると「財産の処分」=「単純承認」となり、借金まで相続することになります。
まごのては提携司法書士と協議し、以下のプランを実行しました。

  • ✔ 「保存行為」に留める
    家財道具(遺産)の処分は一切行わず、腐敗したご遺体周辺の汚染物除去と、オゾン消臭のみを実施。「建物の価値を保存するための緊急措置」として処理しました。
  • ✔ 「非占有」の証明
    ご依頼者様は鍵を持っておらず、警察立ち会いのもと入室しました。これにより「現に占有していない」状態であることを明確にし、大家様にも事情を説明しました。

結果、ご依頼者様は無事に相続放棄が受理され、高額な残置物撤去費用や未払い家賃の支払い義務を回避できました。
特殊清掃だけを行う業者では、このような法的な交通整理はできません。

「相続放棄」前提の特殊清掃、
失敗したくないなら

📞大田区特殊清掃のご相談はまごのて

電話受付:6:30~21:00(不定休)

【失敗談】良かれと思って「片付け」たら相続放棄不可に…

特殊清掃や遺品整理を急ぐあまり、取り返しのつかないミスをしてしまう遺族が後を絶ちません。
大田区で実際にあった「相続放棄に失敗した事例」をご紹介します。

ケース:大田区大森・借金のある父の部屋

<ご遺族の行動>

「大家さんに迷惑を掛けてはいけない」と、自分たちで部屋に入り、ゴミを処分。
その際、部屋から出てきた高級腕時計をリサイクルショップで換金し、清掃費用の一部に充てた。

<その後の結末>

  • 後日、債権者(借金の貸主)から「遺産を処分した=単純承認した」と指摘される。
  • 家庭裁判所に相続放棄を申し立てるも、「遺産の処分行為あり」として却下される可能性が浮上。
  • 結果として、数百万円の借金を背負うリスクに晒されてしまった。

 自己判断での「片付け」は危険

「ゴミだと思って捨てたものが、法律上は資産だった」ということはよくあります。
相続放棄を検討している場合は、部屋にあるものには一切手を付けず、まずは専門業者や司法書士に相談してください。

ゴミだと思って捨てたものが、法律上は資産だった

3. 放棄する前にやってはいけない「単純承認」の罠

特殊清掃を急ぐあまり、遺族がやってしまいがちなミスをまとめました。
これらを行うと、意思に関わらず「相続することを認めた(単純承認)」とみなされます。

🚫 絶対にやってはいけないNG行動

  • 故人の預貯金を引き出して、特殊清掃費用や家賃を支払う
    (遺産の処分行為にあたります)
  • 高価な遺品(貴金属、車、骨董品など)を持ち帰る、売却する
  • 形見分けとして、経済的価値のある家財を持ち出す
  • 部屋の家財道具をすべて撤去・処分してしまう

⭕ 認められる可能性が高い行為(例外)

  • ご自身の財産(ポケットマネー)から費用を支払う
  • 葬儀費用を常識の範囲内で故人の財産から支払う
  • 建物の腐敗を防ぐための最低限の「保存行為」(特殊清掃一次処理など)

※個別の事情により判断が分かれるため、必ず専門家に相談してください。

4.「相続放棄」と「特殊清掃」はセットで考えるべきです

2023年の民法改正により、遠方に住む相続人が孤独死物件の管理責任を負わされるリスクは減りました。

しかし、初動を間違えて「単純承認」とみなされたり、「占有者」と判断されたりすれば、その責任は逃れられません。

大田区の現場を熟知する株式会社まごのては、単なる清掃業者ではなく、司法書士や弁護士と連携し、お客様を法的リスクから守るための「現場対応」を提供します。
「関わりたくない」からこそ、プロに任せて最短ルートで解決しましょう。

まずはここから

孤独死発覚後、まずは「特殊清掃一次処理」を

「単純承認」のリスクを避けつつ、建物の腐敗を止めるための「保存行為」として、一次処理(汚染物撤去・消臭)のみをご依頼いただくことが可能です。

 

大田区で「安易な業者選び」は命取りです

中途半端な清掃で臭いを残せば、損害賠償請求の火種はずっと燻り続けます。
「一度で完全に解決し、後腐れなく終わらせる」ことこそが、結果として最も安上がりな解決策です。

大田区特殊清掃のご相談はまごのて

電話受付:6:30~21:00(不定休)

記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。 

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
1011701018023  インボイス適格事業者登録番号: T1011701018023

宅地建物取引業:東京都知事(1)109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)

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