高圧洗浄コラム
トイレ汚水逆流の原因は尿石だった|排水管高圧洗浄で突き止めた実録事例

東京都北区のマンションにお住まいのお客様からSOSが入りました。
内容は「トイレが詰まって、別の場所から汚水があふれた」というものです。
現場で便器の中だけを見て「ラバーカップで抜けました」と帰ってしまう業者は多いですが、今回の症状はそんな単純なものではありません。一見すると直ったように見えても、根本原因を残したままでは必ず再発し、また同じ部屋が汚れることになります。
この現場、便器の中だけ見ていたら絶対に終わりません。
一度引いたから直った、では済まない配管の詰まり方でした。
どう読んで、どこから当てて、何が出たのかをそのまま書きます。
一時的に水が引いても、奥で詰まりが残っていることがあります。写真があれば状況確認します。
1. トイレで流したのに、浴室と洗濯パンが汚れた
現場は築浅マンションの2階。「トイレが詰まった」と聞いて駆けつけたのに、実際に汚水があふれていたのは便器のまわりではなく、洗濯パンと浴室でした。
しかも、トイレの水を流すと便器内の水位は一応引いていきます。こういう現場は厄介です。見た目はトイレトラブルでも、答えが便器の中にないことが確定するからです。
便器の水が引くなら、便器自体は詰まっていません。しかし、その水がどこかで合流して行き場を失い、家の中で一番低い場所である浴室や洗濯パンから押し戻されてきている。合流部か、その先の横引管で何かが起きている証拠です。
まずは応急処置として、あふれている上流側(キッチン・お風呂など)から高圧洗浄をかけ、一旦汚水の逆流は収まりました。しかし、「なんとなく直った」で終わらせると、数日後にまた同じ逆流が起きることになります。
2. 紙は来ないのに、水だけ来る。この時点で見えていたこと
原因を突き止めるため、トイレから縦管(建物のメイン排水管)までの経路を探ります。
試しにトイレから多めのトイレットペーパーを流し、下流にある縦管の点検口で待ち構えました。
水はチョロチョロと流れてきます。しかし、待てど暮らせどペーパーが流れてきません。
「水だけ通って、紙が通らない」。この時点で、配管のどこかが極端に狭くなっていることが読めます。完全に塞がってはいないが、紙が引っかかるレベルの強固な何かが途中にいる。
室内側の点検桝から高圧洗浄の洗管ホースを入れてみると、出口付近で「カチッ」と固いものに当たり、それ以上進まなくなりました。
ここで無理にホースを押し込めば、配管を突き破るリスクがあります。室内側からではなく、下流(出口側)から水圧で当てて押し出すしかないと判断しました。
3. 出口側から当てたら、配管の形をした尿石が出た
管の出口から逆噴射ノズルを入れ、高圧水を当てます。1分もしないうちに濁った水があふれ出し、その直後に配管を塞いでいた塊が押し出されました。
管の中から排出された半円状の尿石
出てきたのは、ただの汚れではありません。配管の形状そのままに半円状に固まった「尿石(にょうせき)」のプレートでした。
尿石は一日二日でできるものではありません。長い年月をかけて配管の中で鍾乳洞のように少しずつ育ち、じわじわと水の通り道を狭めていきます。
完全に塞がっていないから水は少し流れますが、この狭くなった部分にペーパーや汚物が引っかかり、ある日突然、今回のような完全な閉塞と逆流を引き起こします。
出てきた塊を取り除いた後も、特殊なスクリューノズルを使い、配管の内壁に残っている付着物も確実に削り落としていきます。ここまでやって初めて、再発の芽を摘むことができます。
4. 一度引いたから直った、で終わらせるとまた同じ部屋が汚れる
今回の現場で、最初に応急処置として上流から水を当てたとき、一旦あふれは収まりました。水が引いたのだから「これで直りました」と終わらせることもできました。
しかし、水が通ったことと、配管が直ったことは違います。
あの時点でペーパーが通らない違和感を見過ごし、配管の内側にこびりついた尿石という根本原因を残したままで帰っていれば、数週間か数ヶ月後には確実にまた同じ場所で逆流が起きます。
特殊清掃の現場でも同じですが、見えている表面だけを拭き上げても、配管の中に汚染や閉塞が残っていれば何も解決しません。だからこそ、完全に抜けるまで終われないのです。
5. 詰まりだけ取っても、床が汚れたままなら生活は戻らない
汚水が室内にあふれたとき、依頼者が陥りやすいトラップがあります。それは「とりあえず水道屋に詰まりを直してもらって、その後で清掃業者を呼ぼう」と分けて考えてしまうことです。
配管の詰まりが抜けても、床に染み込んだ汚水や悪臭がそのままでは、その部屋で生活することはできません。逆に、清掃だけを先にやってしまえば、配管が直っていないために再度逆流して清掃費用が無駄になります。
この手の逆流は、詰まりを抜くだけでも、床を拭くだけでも終わりません。配管の中で何が起きているかを見極めて取り除き、部屋の汚染をきれいに戻して、やっと生活が再開できます。
もし同じような逆流トラブルでお困りでしたら、まごのてにご相談ください。
この記事に関連するよくある質問
Q. トイレの水が引いたなら、もう詰まりは直ったと考えていいですか?
A. 危険です。ペーパーなどが一時的に抜けただけで、配管内の尿石などの根本的な閉塞原因が残っている可能性が高いです。そのまま放置すると、数日から数ヶ月以内にほぼ確実に再発します。
Q. 汚水があふれた部屋の清掃だけでも頼めますか?
A. 清掃だけを先に行うことはおすすめしません。配管の根本原因が直っていない場合、清掃後すぐにまた逆流して部屋が汚染されるリスクがあるためです。高圧洗浄による原因除去と、室内の清掃・消毒は一体で行うのが最も確実です。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
主に特殊清掃技術の開発や指導に注力しています。まごのては宅地建物取引業の免許を受けており私は専任の宅建士です、また賃管士資格を保有しており不動産取引関係には精通しています。
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
宅地建物取引業:東京都知事(1)109168
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