特殊清掃コラム
特殊清掃は何日かかる?一次処理・遺品整理・消臭の期間

特殊清掃は「何日で終わる」と一括りにすると、必要な予定を組みにくくなります。
孤独死後の特殊清掃では、最初から家財撤去や消臭へ進むのではなく、まず室内へ入って次の判断ができる状態を整える初期対応が必要になることがあります。影響を受けた物の処理、床表面など確認できる箇所の初期洗浄、害虫対応、空間の除菌・初期消臭などを行う工程です。
まごのてでは、この初期対応を「一次処理」と呼んでいます。「一次処理」は特殊清掃業界で広く共通化された一般名称ではなく、まごのてが現場運用上使っている呼称です。特殊清掃のすべてを終える工程という意味でもありません。詳しい考え方は一次処理の解説記事で確認できます。
以下では、この初期対応を「一次処理」と表記します。目安として、一次処理は警察等の確認と作業承諾が整い、当日の人員・車両を確保できれば最短即日に着手し数時間程度、ご遺品整理は物量と要不要選別の量により1~3日程度、においの原因確認・必要な処置・洗浄・消臭・経過確認を含む工程は着手からおおむね2週間です。
ただし、これは「軽度なら1日、重度なら2週間」という意味ではありません。どこまでを完了とするかで必要日数が変わります。この記事では、実際の作業報告書をもとに、各工程の時間と完了確認の考え方を整理します。
特殊清掃の日数は「工程」と「完了地点」で分ける
冒頭で説明した「一次処理」を含め、現在のまごのてで案内している一般的な目安を工程ごとに分けます。現場によって前後しますが、相談時のスケジュールを考える入口として使ってください。
| 工程 | 期間の目安 | この段階で目指す状態 |
|---|---|---|
| 初期対応(一次処理) | 最短即日着手・数時間程度 | 現在続いている影響を抑え、次の確認へ進める状態 |
| ご遺品整理・家財撤去 | 1~3日程度 | 残す物・探す物を確認しながら家財を整理し、床や壁際を確認できる状態 |
| 二次処理(消臭) | 着手からおおむね2週間 | においの原因となる箇所を確認・処置し、洗浄・消臭・経過確認まで行う |
| 原状回復 | 別工程 | 内装・設備を、居住・再募集・引渡しなど目的に合わせて復旧 |
まごのてでいう「一次処理」|最短即日に着手し、数時間で終えるケースがある
ここからは、冒頭で説明した初期対応を「一次処理」と表記します。一次処理は、特殊清掃のすべてを終える工程ではありません。室内の状態を確認しながら、現在続いているにおい・害虫・床まわりなどへの影響を抑え、次工程へ進める状態を作る初動です。
警察等の確認が終わり、作業権限が確認でき、当日の人員と車両が組める場合は、最短即日に着手し、数時間程度で一次処理を終えるケースがあります。ただし、建物条件や影響範囲によって時間は変わります。
- ・影響を受けた物の除去
- ・床表面など、直接確認できる箇所の初期洗浄
- ・害虫への対応
- ・空間の除菌・初期消臭
- ・次工程で確認すべき箇所の記録
一次処理を行っても、床下や壁内などに原因が残っていれば完全消臭は終わっていません。「入れる状態へ近づけること」と「においの原因を取り切ること」を分けて考えます。
一次処理の役割を詳しく確認する特殊清掃の一次処理と、その後の工程を見る >
ご遺品整理|目安は1~3日、物量より要不要選別で延びることがある
ご遺品整理は、単純に「部屋の量÷作業人数」で日数が決まる工程ではありません。家具や衣類が多くても、処分対象が明確なら進みやすい一方、重要書類や思い出の品を探しながら一つずつ確認する現場は時間がかかります。
そのため、まごのてでは1~3日程度を一つの目安としながら、物量と「判断の煩雑さ」を分けて確認します。
遺品整理の進め方を詳しく確認する 孤独死後の遺品整理|探す・残す・保留・処分の進め方 >消臭|着手からおおむね2週間を見る理由
消臭工程に時間がかかる理由は、機械を長時間動かすからだけではありません。表面から見える箇所を洗ったあと、床材や壁材の裏側、木部、設備まわりなど、においの原因が残っていないかを追います。
原因箇所の追跡 → 必要部分の開口・除去 → 洗浄・脱脂 → 防臭処理 → 室内全体の除菌洗浄 → 空間消臭 → 経過確認
千葉県内の一次処理報告では、初動後も床下方向への残留懸念があったため、後工程として家財撤去と、作業報告上「完全消臭」と呼ぶ工程を提案し、着手からおおむね2週間と説明しています。
つまり、2週間は「待つ期間」ではありません。原因を確認し、必要な処置を重ね、最後ににおいの戻りがないかを確認するまでを含む施工期間です。
においの原因と消臭工程を詳しく確認する 孤独死後の臭いは消える?原因確認から再確認まで >「軽度なら1日・重度なら2週間」だけでは足りない
特殊清掃の期間を「軽度・中度・重度」だけで決めると、依頼者が必要としている完了地点を見失いやすくなります。たとえば、同じ1Kでも「家族が一度入室できればよい」のか、「家財を全撤去したい」のか、「賃貸へ戻すためににおいまで確認したい」のかで、必要工程は別です。
「どれくらい汚れているか」だけでなく、「どこまで終われば次へ進めるか」を先に確認します。
たとえば、一次処理の当日に室内の状況を確認できるようになっても、完全消臭や原状回復まで終わったことにはなりません。反対に、退去・相続・売却の予定によっては、最初から全面リフォームまで決める必要もありません。
作業報告書で見る|約2週間かけるのは「戻り」まで確認するため
実際の作業報告書には、期間を考えるうえで参考になる記録があります。2025年の「家財撤去と完全消臭」の現場では、報告書上の作業期間は6月26日~7月14日。家財撤去、床面の原因箇所追跡、洗浄、防臭処理、室内全体の除菌洗浄、消臭を進めています。
- ・表面だけでなく床下方向へ原因を追っている
- ・付着が強い部分は脱脂を繰り返し、防臭処理を行っている
- ・窓、建具、エアコン内部、水回りまで確認している
- ・期間中に薬剤噴霧とオゾン燻蒸を重ねている
- ・最終的に汚れとにおいがないことを確認して完了している
また別の作業報告では、6月1日時点で目標数値まで下がっていたものの、その場で完了とはせず、6月5日に再計測して異状がないことを確認して完了としています。
「その日に臭わない」ことと、「施工後に戻りがないことを確認する」ことは同じではありません。この確認期間も、完全消臭の日数に含まれます。
予定から逆算する|「いつまでに何をしたいか」で工程を決める
相談時は、まず「いつまでに何をしたいか」を教えてください。工程名ではなく、予定から逆算した方が日程を組みやすくなります。
| 目的 | まず優先する工程 | 次に見ること |
|---|---|---|
| 室内へ入って確認したい | 初期対応(一次処理) | 家財・重要品・床や壁の状態 |
| 遺品を整理したい | 一次処理 → 遺品整理 | 残す物・探す物・搬出条件 |
| においまで確認したい | 一次処理 → 家財撤去 → 消臭 | 床下・壁内・設備まわり・経過確認 |
| 再募集・売却・引渡しまで進みたい | 特殊清掃工程を確定 | 原状回復を別工程として設計 |
作業日数が延びやすい7つの条件
同じ間取りでも、次の条件が重なると標準的な目安より日数が延びることがあります。
- ・床下や壁内まで確認が必要
- ・害虫の発生が多く、室内全体の確認範囲が広い
- ・家財が多く、要不要選別や探索に時間がかかる
- ・集合住宅でEV・共用部・作業時間などの制限がある
- ・臭気源が複数あり、機器・ダクト・建具等まで確認する
- ・施工後の経過確認に時間を置く必要がある
- ・原状回復の工事範囲を特殊清掃後に決める必要がある
何日かかるか知りたいとき、相談時に伝える6項目
「何日かかるか」を早く整理するには、きれいな説明文を作る必要はありません。電話やLINEでは、分かる範囲で次の内容を伝えてください。
いつ頃発見されたか、警察の確認が終わっているか
市区町村、間取り、階数、EVの有無
居室・浴室・トイレなど、分かる範囲で
残す物、探す物、処分判断の窓口
退去、引渡し、再募集、売却などの期限
におい、害虫、共用部への影響など
ご遺族が写真を撮るために無理に室内へ入る必要はありません。現場写真がなくても、管理会社や警察から聞いている情報だけで相談を始められます。
対応エリア|工程と期限を確認して日程を組みます
まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、孤独死後の特殊清掃・ご遺品整理・消臭の相談を受けています。日数の相談では、地域名だけでなく、作業開始までの移動、人員、車両、建物ルールも一緒に確認します。
集合住宅では共用部養生、EV、管理窓口、作業可能時間を確認します。急ぎの一次処理は、承諾と人員・車両が整うかを先に見ます。
戸建て・集合住宅とも搬出距離と車両位置を確認します。家財量が多い場合は遺品整理の日数も合わせて見ます。
坂道、階段、道路幅、横持ちなど室内から車両までの条件が搬出時間へ影響するため、家財撤去の工程と分けて確認します。
団地・集合住宅では階段、EV、共用部、作業時間を確認します。戸建ては敷地内外の搬出動線も日程判断に含めます。
茨城県・栃木県・群馬県・山梨県は、一部地域について、現場状況、緊急性、作業内容、移動時間を確認したうえで対応可否をご案内します。
よくある質問
A. 当日の人員・車両、警察等の確認、作業承諾、建物条件が整えば、最短即日に着手し数時間程度で終えるケースがあります。ただし一次処理は完全消臭や原状回復まで終える工程ではありません。
A. まごのてでは、においの原因確認、必要な撤去・洗浄、防臭処理、室内全体の確認、消臭、時間を置いた再確認まで含め、着手からおおむね2週間を一つの目安としています。単に消臭機器を2週間動かすという意味ではなく、影響範囲や確認結果によって前後します。
A. 工程として組み合わせることはできますが、一次処理前に家財を先に動かすとは限りません。先に現場の影響を抑え、残す物・探す物・処分判断を確認してから進めます。
A. 状況確認が必要です。一次処理、家財撤去、完全消臭、原状回復のどこまで必要かを分け、退去日までに必要な状態を先に決めます。原状回復が必要な場合は施工範囲と工期を別に確認します。
A. できます。発見時期、間取り、発見場所、警察等の確認状況、家財量、今後の期限など、分かる範囲から整理します。写真を撮るために無理に入室する必要はありません。
「いつまでに、どこまで必要か」を先にお知らせください
最初の初期対応(一次処理)だけ急ぎたい、遺品整理まで進めたい、消臭と経過確認まで必要、退去・再募集の期限がある。必要な終点が分かれば、現場条件と合わせて日程を整理します。ご遺族が無理に室内へ入る必要はありません。
電話受付 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容を確認後、順次ご案内します
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。










