特殊清掃コラム
ご遺族が部屋に入る前に|孤独死現場で必要な初期対応

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ご遺族が来る前に、管理会社がまごのてへ相談した現場
「すぐ片付けたい」を止めたのは、ご遺族を守るためでした
孤独死が発覚すると、遺族はすぐに「片付けなければ」と動こうとします。それは自然な反応です。しかし死後数日以上が経過した現場には、目に見えない危険と、ご遺族の方が経験するには過酷すぎる状況が広がっています。
ご遺族が心の準備がないまま入室することで起きること
・においと過酷な環境に直接さらされ、心身への影響が大きい
・素足や靴底に汚染物が付着し、廊下・共用部・ご自宅へ持ち帰る
・ウジやハエが部屋の外へ逃げ出すきっかけになる
・ご遺体痕を踏む、または触れることで影響が広がる
・目にした光景が記憶として残り、長期間にわたり精神的な負担になる
孤独死後の部屋では、そのまま入室するにはご遺族の心身への負担が大きい場合があります。
そのため、まずにおい・害虫・床まわりへの影響を落ち着かせ、ご遺族や管理会社が室内確認へ進みやすい環境を整える「初期対応」が必要になります。
まごのてでは、この初期対応を「特殊清掃一次処理」と呼んでいます。
この処置が完了して初めて、ご遺族が室内確認へ進むことができるのです。
室内確認の前に、まず入れる環境を整える必要がありました
部屋には生前からの生活用品や紙類が大量に積まれており、ご遺体痕は居室の中央部、布団から少し離れた場所にありました。


居室の初期対応前の状態。生活用品が床に広がり、布団周辺に遺体痕がありました。
今回の現場で特記すべき点が二つありました。一つは、CFシートの下への体液の流れ込みが懸念される状態だったこと。もう一つは、警察が現場を調査した際にご遺体痕を踏んで室内に跡が広がっていたことです。
警察の対応は感謝すべきものですが、足跡が広がった箇所は追跡して洗浄する必要があります。
におい測定器で、入室前に整えるべき状態を確認しました
まごのてでは、OMX-ADM(携帯型臭気測定器)を使用して作業前後のにおいを数値で記録しています。感覚ではなく数値で把握することで、室内の状態と作業の効果を確認できます。
屋外(基準値)= 0
室内(空間)= 110
発生源直近 = 282
この数値が意味すること
屋外の値が0のとき、室内の空気は110~300の範囲で推移していました。発生源の場所では最高392を計測しています。
この数値は「人間が不快と感じるにおいの強さ」を示す指標です。日常生活で経験できる数値ではありません。
ご遺族がこの空間にそのまま入れば、心身への影響は避けられません。
害虫対応で大切なのは、今いる数より「これから広げない段取り」です
発見までに日数が経過したお部屋では、害虫への対応も初期段階で考える必要があります。
ただし、大切なのは「何匹いたか」だけではありません。
初期対応で確認するのは、害虫が発生しやすい物が残っているか、室外や共用部へ出る可能性があるか、そして家財撤去や二次処理の段階で再確認すべき場所があるかです。
今回の現場でも、まずにおいの元になり得る寝具や周辺物を減らし、床まわりを確認しながら、害虫が室外へ広がりにくい状態を整えました。
初期対応後に一時的に出てくる可能性がある場合は、その見立ても管理会社へ共有します。
「その場で見えるものを減らして終わり」ではなく、次の工程でどこを再確認すべきかまで整理することが、特殊清掃の初期対応では重要です。


害虫対応では、見えているものを減らすだけでなく、初期対応後にどこを再確認すべきかまで整理します。
初期対応では、原因になり得る物を減らし、共用部へ広げにくくします
初期対応(一次処理)では以下の順序で進めました。


影響のある有機物の除去(左)と床面の洗浄(右)。繰り返し薬剤を使用しながら進めます。


壁際の隙間(左)と玄関タイル(右)も洗浄範囲に含まれます。細部まで確認が必要です。
ご遺族が室内確認へ進める状態に整え、次工程を提案しました
初期対応の完了後、ご遺体痕があった箇所は除菌剤と消臭剤を噴霧したうえで養生シートで覆いました。室内への入室環境が整い、ご遺族が確認のために入れる状態になっています。


左:汚染箇所を養生シートで覆い、消臭剤を空間に噴霧した状態。右:玄関の初期対応完了後。
初期対応の目的は、ここで全てを終わらせることではありません。
ご遺族や管理会社の担当者様が室内確認へ進める状態を整えたうえで、次に何を行うべきかを整理することです。
まごのてでは、初期対応後に現場の状態を確認し、必要に応じて次工程をご提案します。
たとえば、家財撤去、貴重品や書類の確認、床材や下地への影響確認、追加消臭、原状回復前の確認などです。
ご遺族が室内を確認したうえで、残す物、探す物、処分する物、管理会社と確認すべきことを分けながら、次の作業範囲を決めていきます。
初期対応後に提案する次工程
- ご遺族が室内確認へ進むための立ち入り範囲の整理
- 貴重品、書類、写真、通帳など探す物の確認
- 家財撤去・遺品整理の範囲確認
- 床材や下地への影響確認
- 追加消臭・二次処理の必要性確認
- 原状回復工事へ進む前に確認すべき箇所の整理
- 管理会社・大家・ご遺族への作業報告と次工程の提案
初期対応は、次工程を判断するための入口です
初期対応は、部屋全体の片付けや原状回復までを終える作業ではありません。
室内確認へ進みやすい環境を整えたうえで、家財撤去、追加消臭、床材や下地の確認、原状回復前の確認など、次に必要な工程を整理するための初動対応です。
今回も、初期対応で入室環境を整えたあと、管理会社の担当者様とご遺族が次に確認すべきことを整理し、家財撤去や追加対応の判断へ進める状態にしました。
まごのてのXを見ていたことが、最初の判断につながりました
今回、ご遺族が室内へ入る前に初期対応へ進めたのは、管理会社の担当者様がまごのての公式Xを日頃から見ていたことが大きな理由でした。
孤独死が発覚したとき、ご遺族が「早く片付けたい」と考えるのは自然なことです。
一方で、発見まで日数が経過している場合、そのまま入室することで、ご遺族の心身への負担や、共用部への影響が大きくなることがあります。
その場でご遺族を止める判断は、簡単ではありません。
だからこそ、管理会社や大家さん、賃貸オーナーの方には、孤独死が発覚した直後に何を優先すべきかを、事前に知っておいてほしいのです。
まごのてでは、特殊清掃の現場で実際に起きていることや、初期対応で何を整えるべきかを、公式Xやコラムでも発信しています。
もし同じような状況が起きたときは、ご遺族を急がせる前に、まず室内へ入れる状態かどうかを一緒に整理してください。
株式会社まごのてでは、以下のエリアを中心に出張対応しております。緊急の初期対応(一次処理)もご相談ください。
- 東京都: 東京23区全域、八王子市、町田市、府中市、調布市など多摩地域
- 千葉県: 千葉市、船橋市、市川市、松戸市、柏市、浦安市など
- 埼玉県: さいたま市、川口市、川越市、越谷市、草加市など
- 茨城県: 水戸市、つくば市、土浦市、取手市など
※上記以外の近郊エリアについても、状況により対応可能な場合がございます。まずは一度ご相談ください。
ご遺族の方・管理会社の方・大家さん、どなたからでもご相談できます。現場写真がなくても、エリアと状況を伝えていただければ、まず何をすべきかをご説明します。
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。










