特殊清掃コラム

作業の進め方
2026.05.09

孤独死の連絡を受けたら最初にすること|24時間以内の確認と一次処理

孤独死が発生した当日やること

警察や管理会社から突然連絡が入り、「部屋で亡くなっていたようです」と聞かされた。

あるいは、隣室からの強い臭いやハエに気づき、ただごとではないと感じている。

その場では、何を確認すればよいのか、部屋に入ってよいのか、窓を開けた方がよいのかも分からなくなります。

ただ、孤独死が疑われる場面では、最初に大切なのは片付けることではありません。
触らない、換気しない、無理に室内へ入らない。

まずは警察や管理会社と確認し、入室できる状態になってから、臭い・汚染・害虫を広げないための初動を整理することが重要です。

この記事では、孤独死を発見した直後、または連絡を受けた直後の24時間で、何を先に行い、何を避けるべきかを整理します。

「孤独死かも」と感じたとき、室内に入らず確認できることがあります

「隣の部屋から異臭がする」「窓に大量のハエがいる」といった異変に気づいた場合、直接ドアを開けたり、室内を覗き込んだりしないでください。

室内に入らなくても、共用部から確認できる以下の異変は、管理会社や警察へ状況を伝えるための重要な判断材料になります。

  • 強い異臭が共用部まで漏れ出ている
  • ドアの隙間や窓の周囲にハエなどの害虫が飛んでいる、または大量に止まっている
  • 郵便受けに手紙やチラシが長期間滞留している
  • 訪問や電話への応答が全くない
  • 電気のメーターが止まっている、夜になっても明かりがつかないなど、生活の気配がない
連絡を迷ってしまった事例

東京都内のアパートに住むAさんは、隣室から漂う異臭に気づいていました。

ただ、「ゴミを溜めているだけかもしれない」「自分が連絡して大ごとになったら迷惑かもしれない」と考え、数日間、管理会社への連絡をためらっていました。

その後、廊下や窓まわりにハエが目立つようになり、共用部にも臭いが出始めたため、管理会社へ連絡。確認の結果、室内で亡くなっていたことが分かりました。

このような場面では、住民が室内を確認する必要はありません。異臭、ハエ、郵便物の滞留、応答がない状態など、共用部から分かる異変を管理会社や警察へ伝えることが初動になります。

管理会社へ状況を伝えるために、共用部で確認できる異変を記録する例

共用部の廊下の様子

※廊下、玄関まわり、郵便受け、窓の外側など、共用部から確認できる異臭・害虫・郵便物の滞留は、管理会社や警察へ状況を伝える材料になります。
ただし、室内を覗き込んだり、ドアを開けたり、現場写真を撮るために入室したりする必要はありません。

孤独死を発見・疑った直後は、警察と管理会社へ連絡する

もし間違いだったら迷惑かもしれない、と悩む必要はありません。異変に気づいた場合は、速やかに専門機関へ連絡してください。
状況に応じて、誰に何を伝えるべきかを整理しました。

状況
先に連絡する相手
伝える内容
室内で倒れている可能性がある
110番
応答がない、異臭がある、安否確認が必要
隣室から異臭・ハエが出ている
管理会社・大家
(必要に応じて警察)
いつから、どこで、どの程度の異変か
警察に相談すべきか迷う
#9110
事件・事故か分からないが異変がある
  • 「#9110」は、犯罪や事故に当たるか分からない相談を警察につなぐ番号です。緊急性があり今すぐ警察官に来てほしい場合は「110番」を利用してください。

最初の24時間は、片付けではなく「触らず、広げず、確認する」時間

パニックになっていると、つい「早く綺麗にしなければ」と焦ってしまいがちです。しかし、孤独死の現場において、最初の24時間は片付けを行う時間ではありません。

まずは、以下の情報を整理し、専門業者へ相談する準備を進める時間と考えてください。

この段階で確認・整理したいこと
  • 入室可否(警察の確認が終わっているか)
  • 鍵の所在
  • 管理会社の連絡先
  • 臭い・害虫の状況(共用部から分かる範囲で)
  • 共用部や近隣への影響が出ているか

発見直後に避けたい行動|換気・水洗い・家財整理を急がない

現場を少しでも良くしようという責任感から、ご遺族や大家さんが自ら行動を起こされることがあります。しかし、以下の行動は状況を複雑にし、後の作業や確認を難しくしてしまうため、まずは避けてください。

1. 窓を開けて換気しない

臭いが強いと、つい外へ逃がしたくなる心理は当然のものです。しかし、窓を開けると臭気がマンションの共用部や隣接する住宅へ広がる可能性があります。結果的に、近隣対応や費用負担の確認が必要になることがあるため、まずは現場を動かさず、専門業者と相談してください。

2. 水をまいたり、市販薬剤で清掃しない

床についた汚れを水で流そうとすると、汚染が床材の隙間から畳下、巾木、床下へと深く広がってしまう可能性があります。また、市販の消臭剤を大量にまくと、本来の臭気と混ざり合い、プロが臭気源の確認をするのが難しくなることがあります。血液・体液等を扱う場面では、手袋やマスク等の防護なしでの入室は感染や汚染拡大のリスクがあるため避けてください。

3. 家財整理を始めない

「とりあえず捨てよう」と急ぐ必要はありません。相続放棄を検討されている場合や、保険会社・管理会社との確認が絡む場合があるためです。臭いや汚染を抑えるための初動対応と、家財を仕分ける遺品整理は分けて考えるのが安全です。

4. 室内写真を撮るために入らない

業者へ状況を伝えようとして、ご遺族や近隣の方が室内へ入って写真を撮ろうとする必要はありません。孤独死が疑われる現場では、入室そのものが負担になりますし、臭い・汚染・害虫を広げてしまうこともあります。
伝えるべき情報は、発見日、警察確認の有無、物件の場所、外まで臭いが出ているか、共用部に害虫が出ているかなど、分かる範囲で十分です。

まごのてが行う特殊清掃一次処理とは|初期の清掃と消臭で入室環境を整える作業

まごのてでは、警察の確認後、専門スタッフが防護のうえで初期の清掃と消臭を行い、ご遺族・管理会社・大家さんが次の判断をしやすい入室環境を整える作業を 「特殊清掃一次処理」 と呼んでいます。
これは、遺品をすべて仕分ける作業や、床・壁を復旧する原状回復工事とは別の工程です。
まず臭い、汚染、害虫の広がりを抑え、部屋の状況を確認できる状態に近づけるための初動作業です。

工程
特殊清掃一次処理で行うこと
後日整理すること
初期清掃
汚染が強い箇所や物の確認・除去
家財全体の仕分け
初期消臭
臭気源を確認し、臭いを抑える作業
床材・壁材・設備まで含めた復旧
害虫対応
発生を抑える初動対応
侵入経路や残留状況の確認
入室環境
ご遺族・管理会社が次の判断をしやすい状態へ整える
遺品整理、原状回復、保険・相続関係の整理
入室環境を整える特殊清掃一次処理

業者へ相談する前に整理しておく情報

特殊清掃一次処理を相談するときも、室内に入って細かく確認する必要はありません。まずは、分かる範囲の情報から初動の優先順位を整理します。

お電話の前に、以下の項目で分かるところを確認してみてください。

  • 物件の所在地、市区町村
  • 戸建て、アパート、マンションの別(階数、エレベーターの有無)
  • 発見日、警察確認の有無(入室許可が出ているか)
  • 鍵を誰が持っているか
  • 管理会社・大家との連絡状況
  • 臭いが外へ出ているか、ハエ・ウジなどの発生があるか
  • 近隣から連絡や苦情が来ているか
  • 相続放棄を検討しているか
  • 保険会社・保証会社への連絡予定があるか

見積もりで確認すべき項目|特殊清掃一次処理・遺品整理・原状回復を分けて見る

業者へ相談する際は、金額だけで判断せず、その金額に含まれる作業範囲を確認することが大切です。

全撤去やリフォームまで一度に契約する前に、まず初動の「特殊清掃一次処理」として何を行うのかを分けて説明できる業者かを見てください。

確認項目
見るべきポイント
特殊清掃一次処理だけ依頼できるか
遺品整理や原状回復工事とセットになっていないか
初期清掃・初期消臭の範囲
汚染物撤去、害虫対応、消臭のどこまで含むか
追加費用
床下、畳下、長期経過、害虫大量発生などの条件
作業記録
管理会社への説明に使える資料が残るか
共用部対応
廊下、エレベーター、搬出経路への配慮があるか
後工程
特殊清掃一次処理、遺品整理、原状回復と分けて説明されるか

立場別に、最初の24時間でやることは変わる

同じ現場であっても、遺族・大家・近隣住民など、お立場によって初動で確認すべきことや注意点は異なります。

立場
最初にすること
注意点
ご遺族
警察確認、管理会社との連絡、鍵の所在確認
室内に無理に入らず、相続や家財処分は急がない
大家・管理会社
警察確認、近隣対応、特殊清掃一次処理の手配検討
入居者・近隣への説明履歴を残す
隣室・近隣住民
異臭・害虫・応答なしを管理会社へ連絡
室内確認を自分で行わない
連帯保証人
管理会社・親族・専門家との連絡整理
支払い・処分の判断を急がない

まごのてに相談する場合|分かる範囲の情報で大丈夫です

警察確認後の初動を、分かる範囲の情報から整理できます

室内に無理に入ったり、現場写真を撮ったりする必要はありません。発見日、警察確認の有無、物件の場所、臭い・害虫の状況など、分かる範囲の情報からご相談ください。

03-4405-5420

受付時間:6:30~21:00(不定休)

東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に対応しています。東京23区東部や千葉県隣接地域などでは、状況により最短即日相談・現地確認を調整しやすい場合があります。

よくある質問(FAQ)

Q. 孤独死かもしれないと思ったら、ドアを開けて確認してもいいですか?
A.

自分でドアを開けて確認する必要はありません。応答がない、強い異臭がある、ハエが大量に出ているなどの異変がある場合は、管理会社・大家・警察へ連絡してください。緊急性が高い場合は110番、判断に迷う相談は#9110も選択肢になります。

Q. 臭いが強いので、窓を開けて換気してもいいですか?
A.

まずは窓を開けず、現場を動かさないことを優先してください。臭いを外へ逃がそうとすると、共用部や近隣へ広がり、後の対応が難しくなることがあります。警察確認後、専門業者と相談して初動を整理する方が安全です。

Q. 家族なので、部屋の写真を撮って業者に送った方がいいですか?
A.

無理に室内へ入って写真を撮る必要はありません。発見日、物件の場所、警察確認の有無、外まで臭いが出ているか、害虫が見えるかなど、分かる範囲の情報だけでも相談できます。共用部からの異変(臭い、ハエなど)は管理会社への連絡に役立ちますが、室内に入っての撮影は避けてください。

Q. 警察の確認が終わる前に清掃業者へ連絡してもいいですか?
A.

相談自体は可能です。ただし、実際の入室や作業は警察の確認後になることが一般的です。電話では、入室許可の状況、臭い・害虫の有無、建物条件などを伝え、警察確認後にどのような初動が必要かを整理しましょう。

Q. 一次処理と遺品整理は同じですか?
A.

同じではありません。まごのてでは、初期の清掃と消臭を行い、次の判断をしやすい入室環境を整える作業を「特殊清掃一次処理」と呼んでいます。遺品整理は、その後に家財を仕分け・確認・搬出する別の工程です。

Q. 業者を選ぶときは、何を確認すればいいですか?
A.

金額だけでなく、特殊清掃一次処理だけ依頼できるか、遺品整理や原状回復までセットになっていないかを確認してください。また、初期清掃・初期消臭の範囲、追加費用の条件、作業記録の有無などを事前に分けて説明できる業者かを見ることが大切です。

記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。

日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。

東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 創業15年・施工不能ゼロ 学術登壇実績あり
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孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。


事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。