事故物件買取コラム
孤独死事故物件の再生実例|特殊清掃からリフォームまで一貫対応

※個人・物件が特定されないよう、地名・号室等を一部変更した再構成事例です。
孤独死が発生し、ダイニング全面に腐敗体液が広がった1Kマンション。床下まで浸透した汚染の除去に難航しながら、完全消臭が確認できた段階でリフォームに着手。部屋の仕様を大きく変え、家賃を下げずに再募集をかけました。
結果として、新規入居者が決まったのは、募集開始からわずか3週間後のことでした。
大家様・管理会社様にとって最も避けたい「臭い戻りトラブル」や「長期の空室リスク」を、まごのての特殊清掃~リフォームの一貫対応でどのように解決したのか、実際の「かかった費用の明細」もフルオープンにして工程ごとに記録します。
発見時の状況と初動対応(一次処理)
警察の対応が完了し、まごのてへご依頼いただいた時点での室内状況は以下の通りでした。
- ・ご遺体痕がダイニング部分のほぼ全面に広がっていた
- ・ユニットバス下およびトイレ下への体液の浸透が深刻だった
- ・腐敗体液による汚染が床材・下地にまで広範囲に及んでいた
- ・ハエの発生痕が壁紙・窓サッシ・建具に多数確認された
一次処理では、まず汚染範囲の特定・初期洗浄・害虫抑制・初期消臭を行い、室内を確認できる安全な状態を整えました。
一次処理の詳細な工程や、部屋に入れないときの初動については以下の記事をご覧ください。
孤独死の初動対応|警察が帰ったら最初にすること
📷 写真①:一次処理前の床面・汚染概況
二次処理が難航した理由(写真で解説)
一次処理および家財撤去が完了した後、完全消臭を目的とした「二次処理」に着手しました。しかしこの現場では、ご遺体痕の広がりが想定を超えており、完全消臭まで相当の時間を要しました。
⚠️ 手抜き業者が「臭い戻り」を起こす典型的なポイント
悪徳業者や技術のない業者は、この段階で「床下まで剥がして確認・洗浄する」という面倒な工程から逃げます。表面に消臭スプレーを撒き、臭いのもとを絶たないまま新しい床材でフタをして「作業完了」としてしまうため、数カ月後に地獄のような臭い戻りトラブルが発生するのです。
床下への腐敗脂の浸透
まごのてでは徹底的に原因を追います。床材を開口して内部を確認したところ、床下全面に腐敗脂が広がっていました。防湿シートにまで汚染が及んでいたため、シートを撤去したうえで洗浄液を流し、ゼオライトを散布する処置を行いました。
📷 写真②:床解体後・床下腐敗脂の広がり
📷 写真③:床下ゼオライト散布後
ユニットバス・トイレを保存しながらの開口作業
ユニットバスとトイレは最終的に入れ替えることになりましたが、作業当初は「保存できる可能性」を残しながら慎重に開口・洗浄を繰り返しました。すべて解体してしまえば清掃側としては楽ですが、オーナー様の費用負担を極力抑えるため、状態を確認しながら進めるのがまごのての方針です。
📷 写真④:ユニットバス下の開口・腐敗体液確認
📷 写真⑤:トイレ下の開口・内部洗浄
汚水桝からの排水管洗浄
トイレは尿石による排水管の詰まりが発生していたため、外部の汚水桝から高圧洗浄を行い詰まりを解消しました。その際、大量のウジ殻や尿石が確認されました。
📷 写真⑥:汚水桝からの排水管洗浄
壁紙下地・サッシ・建具の念入り洗浄
壁紙を剥がした後の下地ボード、窓サッシ、建具に付着したハエ跡や汚れをすべて除去し、除菌洗浄を実施しました。最終的にすべての洗浄工程が完了した後、除菌剤噴霧と高濃度オゾン燻蒸を行い、完全消臭を確認しました。



📷 写真⑦~⑨:壁紙下地洗浄・除菌処理・オゾン燻蒸中
「臭いを取り切ってからリフォームを始める」という順番
二次処理(完全消臭)が完了して初めて、リフォーム着手の判断ができます。
臭気源が床材下・下地・配管まわりに残ったまま内装工事を行うと、工事後に臭いが戻ることがあります。新しいクロスや床材の下から再び臭いが発生し、せっかく費用をかけたリフォームが意味を失う事態になります。
まごのてでは、二次処理の完了確認(臭気測定や最終オゾン処理後の経過確認)を経てからリフォーム業者との打ち合わせを進めます。この順番を変えることはありません。
リフォームの方針決定|家賃を下げない部屋作りへ
二次処理完了後、まごのてはオーナー様・管理会社様と協議し、リフォームの方向性を決定しました。
「事故物件だから安くする」を選ばなかった理由
孤独死が発生した物件では、原状回復のみ行い家賃を下げて募集するという対応が一般的です。しかしこの物件では、以下の理由から「仕様を大幅に刷新し、相場同等以上の家賃で募集する」方針を選択しました。
- ・周辺の競合物件を調査した結果、設備水準を上げれば家賃を維持できる需要があると判断
- ・築古物件の弱点(古い設備・浴室・キッチン)をリフォームで一気に解消できるタイミングであった
- ・告知義務を適切に果たしたうえで、「設備が新しい」という正のイメージを前面に出す戦略が有効と判断
リフォーム完成写真
ダイニングキッチン(リフォーム後)


📷 写真A・B:新設システムキッチン・DK全景(リフォーム完成)
浴室(リフォーム後)

📷 写真C:新設ユニットバス(グレー系・シャワーバー付き)
トイレ(リフォーム後)

📷 写真D:新設ウォシュレット一体型トイレ
洋室(リフォーム後)


📷 写真E・F:ダークウォルナット床・白壁・全景
玄関・廊下(リフォーム後)

📷 写真G:新設シューズボックス・明るい廊下
新規募集から3週間で入居が決まった理由
リフォーム竣工後、新規募集を開始してから3週間で新入居者が決定しました。
設備水準が周辺競合物件を上回っていたことが最大の要因です。告知義務を果たしたうえで「新築同様の設備」として打ち出す戦略が機能し、内見した入居候補者は事故の経緯を承知したうえで申し込みました。家賃は募集前よりわずかに上昇した状態での決定でした。
💡 まごのての一貫対応による「空室期間の最小化」
この事例がわずか4ヶ月で再募集まで至った背景には、清掃とリフォームを自社で連続して行えたことが大きく寄与しています。複数の業者を跨ぐと発生しがちな「待ち時間」や「引き継ぎロス」がなく、オーナー様にとって最大の損失である「空室期間」を最小限に抑えることができました。
事故物件だからといって、必ずしも家賃を下げる必要はありません。物件の立地・需要・競合環境を正しく見れば、設備刷新によって家賃を維持・向上させながら早期に客付けできる可能性があります。
【実録】特殊清掃・リフォームにかかった実際の費用明細をフル公開
「特殊清掃や事故物件リフォームはいくらかかるのか?」というオーナー様・管理会社様からのご質問は非常に多くあります。そこで本事例では、実際に発行した請求書の明細を、個人情報等を伏せたうえで公開します。
総額だけを見ると、清掃・家財撤去・リフォームを合わせて約402万円という大きな金額に見えます。ただし、この金額をそのまま「オーナー様の損失」と見るのは少し違います。
本件では、特殊清掃や家財撤去に関する費用は、借家人賠償保険によりまかなうことができました。一方で、約300万円近くかかったリフォーム費用の大部分は、単なる修繕ではなく、ユニットバス・キッチン・トイレ・給排水設備・内装など、今後も長く使う設備の入れ替えです。
仮に、今回入れ替えた設備を20年使えると考えた場合、リフォーム後に月1万円高い賃料で貸せれば、20年間で240万円の賃料増になります。つまり、事故物件対応後のリフォーム費用は、単なる一時損失ではなく、賃料・空室期間・再募集力まで含めて見る必要があります。
総額は約402万円と大きな出費に見えますが、注目していただきたいのはその「内訳の細かさ」と「保険の活用」です。これだけ徹底した作業を行うからこそ臭い戻りを防ぐことができ、結果的に相場以上の家賃ですぐに入居者が決まる「資産価値を上げるための投資」となるのです。
【明細1】清掃・消臭・家財撤去の費用(一次・二次処理)
| 品番・品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 特殊清掃一次処理(入室環境を整える処理) | 1式 | 150,000 | 150,000 |
| 家財撤去処分費 ※一般 | 800 Kg | 160 | 128,000 |
| 家財撤去処分費 ※リサイクル家電 | 3台 | 7,000 | 21,000 |
| 家財撤去処分費 ※エアコン | 1 set | 16,000 | 16,000 |
| 作業費・トラック経費 | 1式 | 120,000 | 120,000 |
| 特殊清掃二次処理 ※提案書記載事項(ヤニ取り含む) | 1式 | 380,000 | 380,000 |
| 汚染建築廃材処理費 ※内装解体費含む | 1式 | 130,000 | 130,000 |
| 特殊清掃現場管理費諸経費 | 1式 | 30,000 | 30,000 |
| 小計 | 975,000 | ||
| ▲入金分(保険適用等) | -259,000 | ||
| 消費税(10%) | 97,500 | ||
| ご請求合計 | 813,500円 | ||
※上記のうち259,000円は家主費用特約などの保険でカバーされたため、オーナー様の実際の持ち出し負担は大幅に軽減されています。
【明細2】リフォーム工事の費用(設備一新)
| 品番・品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| (居室大工工事) 床上げ5cm | 1式 | 70,000 | 70,000 |
| (居室内装工事) クロス新規貼り | 130 m | 1,500 | 195,000 |
| (居室内装工事) フロアタイル貼り | 13平米 | 5,800 | 75,400 |
| (居室補修および交換) ガラス交換 | 1式 | 80,000 | 80,000 |
| (居室内装工事) 巾木 ※全体 | 1式 | 26,000 | 26,000 |
| (大工工事DK側)キッチン、トイレ内ボード補修 | 1式 | 36,000 | 36,000 |
| (大工工事DK側) 床下地、根太補強 | 1式 | 25,000 | 25,000 |
| (居室補修および交換) 網戸貼り替え | 2枚 | 5,000 | 10,000 |
| (居室補修および交換) シーリングライト取付器具 | 2個 | 2,000 | 4,000 |
| (居室補修および交換) エアコン新規取付 | 1式 | 95,000 | 95,000 |
| (居室廃棄処分)畳 | 6枚 | 6,000 | 36,000 |
| (DK側補修および交換) ユニットバスドア枠回り下地補修 | 1式 | 25,000 | 25,000 |
| (内装工事DK側) トイレ棚 | 1式 | 12,500 | 12,500 |
| (DK側補修および交換) トイレドア | 1式 | 75,000 | 75,000 |
| (居室補修および交換) 襖扉新規 | 2枚 | 25,000 | 50,000 |
| (内装工事DK側)玄関土間CF | 1式 | 13,000 | 13,000 |
| (内装工事DK側) トイレCF | 1式 | 15,000 | 15,000 |
| (居室補修および交換) コンセントスイッチ交換 | 11個 | 1,250 | 13,750 |
| (DK側補修および交換) トイレ枠回り補修 | 1式 | 32,000 | 32,000 |
| (内装工事DK側) CF貼り | 12平米 | 4,300 | 51,600 |
| (解体工事) ユニットバス | 1式 | 55,000 | 55,000 |
| (内装工事DK側) 玄関扉室内枠塗装 | 1式 | 60,000 | 60,000 |
| (DK側補修および交換) 洗濯水栓新設 | 1式 | 22,000 | 22,000 |
| (DK側補修および交換) 玄関ドアクローザー交換 | 1式 | 28,000 | 28,000 |
| (DK側補修および交換) 玄関先収納BOX | 1式 | 48,000 | 48,000 |
| 建築廃材処理費 | 1式 | 90,000 | 90,000 |
| (設備) ユニットバス TOTO WS1116 | 1式 | 360,000 | 360,000 |
| (設備) ユニットバス組立設置費用 | 1式 | 98,000 | 98,000 |
| (設備)キッチン ワンド w1500 | 1式 | 200,000 | 200,000 |
| (設備)キッチンパネル | 1枚 | 13,000 | 13,000 |
| (設備) キッチン鏡 | 1式 | 30,000 | 30,000 |
| (設備) キッチン設置 | 1式 | 80,000 | 80,000 |
| (設備) トイレ TOTO手洗いあり | 1式 | 85,000 | 85,000 |
| (設備) ペーパーホルダー | 1式 | 5,000 | 5,000 |
| (設備) トイレ設置費 | 1式 | 25,000 | 25,000 |
| (その他設備) 煙探知機、熱探知機 | 2個 | 4,100 | 8,200 |
| (その他設備) テレビドアホン | 1台 | 28,000 | 28,000 |
| (給排水関係)給湯給水排水切り回し接続 | 1式 | 216,000 | 216,000 |
| (ガス配管関係) 配管部材、ガス切り回し接続 | 1式 | 99,800 | 99,800 |
| 管理費・諸経費 | 1式 | 180,000 | 180,000 |
| ※工事中に発見した不具合(トイレ換気扇) | 1式 | 10,000 | 10,000 |
| 小計 | 2,681,250 | ||
| 消費税(10%) | 268,125 | ||
| ご請求合計 | 2,949,375円 | ||
※上記により、清掃・家財撤去(保険適用前)+ リフォーム工事 の総額費用は 約402万円(税込) となりました。
保険でまかなえる費用と、投資として見るべき費用を分けて考える
事故物件対応では、総額だけを見ると大きな負担に見えます。ただし、すべてを同じ性質の費用として見るのではなく、保険でまかなえる可能性がある費用と、今後の賃貸経営に残る設備投資を分けて考えることが大切です。
| 費用の種類 | 本件での見方 | オーナー様が確認したいこと |
|---|---|---|
| 特殊清掃・家財撤去 | 本件では借家人賠償保険でまかなうことができた費用 | 入居者の保険内容、借家人賠償責任の範囲、事故発生後の保険会社への連絡方法 |
| リフォーム工事 | ユニットバス・キッチン・トイレ・給排水設備・内装など、今後も使う設備への投資 | どこまでを原状回復とし、どこからを賃料改善・再募集力向上のための設備更新と見るか |
| 再募集後の賃料 | 設備を入れ替えることで、事故前より高い賃料を設定できる可能性がある | 周辺相場、設備グレード、事故告知後の募集条件、空室期間の見込み |
※保険適用の可否や範囲は、契約内容・事故状況・保険会社の判断により異なります。本件は、特殊清掃や家財撤去の費用を借家人賠償保険でまかなうことができた事例として整理しています。
特殊清掃からまごのてを選ぶメリット
① 消臭完了の判断からリフォーム着手まで一貫対応(責任の明確化)
特殊清掃業者とリフォーム業者が別々だと、「消臭が本当に完了しているか」の判断が曖昧になり、万が一工事後に臭いが戻った際に「リフォーム業者の施工不良だ」「いや清掃業者の消臭が甘かったんだ」と、責任のなすりつけ合いが発生しがちです。まごのては自社で消臭完了の確実な確認を行った上でリフォームに着手し、全責任を負うため、そのような最悪のケースを未然に防ぎます。
② 不動産視点でのリフォーム提案
まごのて代表の佐々木久史は宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格を保有しています。清掃・消臭の技術的判断と、「どんな部屋にすれば客付けできるか」という不動産側の判断を同時に行えることが、他の業者との大きな違いです。
③ 地域・ターゲットを見たリフォーム仕様の提案(費用対効果の追求)
「事故物件だから安くする」という判断は必ずしも正解ではありません。立地・競合・需要を調査したうえで「設備を刷新して家賃を下げない(結果的に投資を回収する)」提案ができるのは、不動産と清掃の両方を知るまごのてならではの強みです。
④ 窓口を一本化することで無駄な時間・費用を省く
この事例では、管理会社はまごのてへの一本の連絡だけで、特殊清掃・消臭確認・リフォーム提案・竣工立会まで進めることができました。別業者へのアポイント、現場説明の繰り返し、進捗確認の電話は必要ありませんでした。
よくある質問(費用・保険・分離発注について)
事故物件の対策・買取のご相談
特殊清掃の初動から、リフォーム、再募集、あるいは売却(物件買取)まで、一貫したサポートをご希望のオーナー様・管理会社様はご相談ください。
電話受付:6:30~21:00(不定休)/ LINEは24時間受付
東京都全域・千葉県・埼玉県・神奈川県
※茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の一部も対応可能
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。












