事故物件買取コラム
千葉県の孤独死物件再生実例|約402万円・4カ月・募集3週間

孤独死があった賃貸物件を、もう一度貸せる状態へ戻すために、どこまで費用と時間をかけるべきか。
今回紹介するのは、千葉県内の築古1Kで実際に行った再生事例です。室内を確認できる状態に整える初動対応から家財撤去、床下・水回りの確認、原状回復リフォームまで約4カ月。確認できる費用は合計約402万円で、竣工後に募集を始めてから3週間で入居申込に至りました。
最初から全面リフォームを決めず、確認できる状態をつくる → 家財を出す → 隠れていた箇所を見る → 再確認する → その結果からリフォーム範囲を決めるという順番で進めたことです。
以下は、個人・物件が特定されないよう地名や日付等を一部整理したうえで、実際の作業記録・請求明細・募集結果をもとにまとめています。
まず結果|約4カ月・約402万円・募集開始から3週間
この物件では、着手時点で約402万円の工事を決めていたわけではありません。初動対応と家財撤去で見える範囲を増やし、床下や設備下の状態を確認した結果、必要な処置と設備更新の範囲が広がりました。
| 項目 | 本事例の記録 |
|---|---|
| 物件 | 千葉県内・築古1K |
| 状況 | 孤独死・発見まで一定期間経過 |
| 工程 | 初動対応 → 家財撤去 → 追加確認・処置 → 原状回復リフォーム → 再募集 |
| 着手から竣工 | 約4カ月 |
| 特殊清掃・家財撤去等 | 税込 約107万円 |
| 保険等による補填 | 259,000円 |
| リフォーム工事 | 税込 約295万円 |
| 確認できる合計費用 | 税込 約402万円(保険等による補填前) |
| 募集開始から申込 | 3週間 |
この数字は「事故物件再生の相場」ではありません。あくまで、この1Kで確認された影響範囲、既存設備の状態、選択した更新内容、募集条件を含む一事例の記録です。
最初にしたのはリフォームではなく、室内を確認できる状態づくりでした
警察の確認が終わった後、室内には床面や壁際への影響、害虫の発生跡、外気と比べて高い臭気測定値が確認されていました。
そこで最初に、におい・害虫・影響が残った箇所へ初期対応を行い、次の判断のために室内を確認できる状態へ近づけました。まごのてでは、この初動対応を「一次処理」と呼んでいます。
この段階では、ユニットバスやトイレを交換する、床を全面的に作り直す、といったリフォーム範囲は確定していません。
家財撤去後に見えたものが、次の工事範囲を変えました
家財を撤去すると、家具や設備に隠れていた床・壁際・水回りの下部を確認できるようになります。この物件でも、一次処理時点では見えていなかった範囲が次々に確認されました。
床材を開口すると、表面からは分からなかった影響が床下まで広がっていました。そこで床下側まで確認・処置する必要があると判断しました。
一次処理の時点では既存設備を残す可能性もありました。しかし設備下を開口して確認した結果、下部にも対応が必要と分かり、設備を外して確認する工程へ進みました。
キッチン下では排水経路の詰まりも確認され、室内側だけでは作業しにくかったため、外部の汚水桝側から排水管洗浄を行いました。
家財や壁紙を外した後に、壁下地、窓まわり、建具なども確認しました。新しい内装で覆う前に、後から再確認が必要になりそうな箇所を先に整理しています。
ここでのポイントは、「どんな特殊清掃技術を使ったか」より、現場を開いて確認するたびに、残せるもの・外すもの・次に調べる場所を更新したことです。これが最終的なリフォーム範囲につながりました。
設備を残す案から、全面更新へ判断が変わった理由
最初から「事故物件だから全部新品にする」と決めたわけではありません。
ユニットバスやトイレについては、設備下の確認が必要になったことに加え、既存設備そのものも築年数に応じて老朽化していました。そこで、今回の対応で必要になった撤去と、今後の賃貸運用のための設備更新を分けて検討しました。
孤独死後の影響に対応するための復旧と、築古物件を今後も貸すための投資は同じ費用ではありません。 この2つを分けて考えた結果、キッチン、ユニットバス、トイレ、床、壁、玄関まわりまで更新する方針になりました。
約4カ月の工程|作業ではなく「次に何を判断できたか」で見る
4カ月という期間は、単に工事が長引いたという意味ではありません。各段階で確認できたことをもとに、次工程を決めています。
| 時期 | 工程 | その時点で決めたこと |
|---|---|---|
| 1週目 | 初動対応 | 室内を確認できる状態へ近づけ、床下・水回り等の確認候補を整理 |
| 1~2週目 | 家財撤去 | 家具の下に隠れていた床・壁を確認。保険等の手続きも進行 |
| 3~4週目 | 追加確認・処置 | 床下・設備下・排水・壁際など、必要な作業範囲を確定 |
| 5週目 | 再確認・リフォーム計画 | においの状態を再確認し、設備を残すか更新するかを決定 |
| 2カ月目~ | リフォーム | 床下地、内装、水回り、設備を施工 |
| 約4カ月目 | 竣工 | 募集準備へ移行 |
| 竣工後 | 再募集 | 告知内容・募集条件を整理して公開 |
| 募集開始から3週間 | 申込 | 新しい入居者が決定 |
約402万円を「孤独死後の対応」と「今後の賃貸投資」に分けて見る
約402万円という総額だけを見ると、「孤独死物件を再生するには400万円かかる」と受け取りやすくなります。しかし、本件の約295万円のリフォーム費には、老朽化した水回りや設備を今後の賃貸運用のために更新した費用も含まれています。
| 費用区分 | 本事例の金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 特殊清掃・家財撤去等 | 税込 約107万円 | 初動対応、家財撤去、追加確認・処置、現場管理等 |
| 保険等による補填 | 259,000円 | 上記費用の一部。本事例固有の結果で、他案件への適用を示すものではありません。 |
| リフォーム工事 | 税込 約295万円 | 内装、床下地、水回り、設備、配管、解体、管理費等 |
| 合計 | 税込 約402万円 | 保険等の補填を差し引く前に確認できる総額 |
実際の請求明細を見る
| 特殊清掃・家財撤去等(税抜) | 金額 |
|---|---|
| 室内を確認できる状態に整える初動対応 | 150,000円 |
| 家財撤去処分費・作業費・トラック経費等 | 285,000円 |
| 追加の確認・処置(消臭・必要な解体等を含む) | 510,000円 |
| 現場管理費・諸経費 | 30,000円 |
| 小計 | 975,000円 |
| リフォーム工事(税抜) | 金額 |
| 内装工事(クロス・床・下地補強・建具等) | 733,150円 |
| 水回り設備(システムキッチン・ユニットバス等) | 816,000円 |
| 設備工事(トイレ・照明・インターホン等) | 256,200円 |
| 給排水・ガス配管切り回し接続 | 315,800円 |
| 解体・廃材処理 | 145,000円 |
| 管理費・諸経費等 | 415,100円 |
| 小計 | 2,681,250円 |
この金額を「事故物件再生の料金表」として使うことはできません。影響範囲、家財量、既存設備、建物構造、リフォーム内容で必要費用は変わります。保険等の補填も契約内容や審査によって異なります。
募集開始から3週間で決まったことを、成功法則にしない
リフォーム竣工後、告知事項と募集条件を整理して募集を開始し、この事例では3週間で入居申込に至りました。
ただし、「これだけ工事すれば3週間で決まる」という話ではありません。立地、間取り、賃料、設備、募集時期、競合物件、告知内容など複数の条件が関係します。
この実例から読み取れるのは、事故履歴そのものだけを見て再募集を諦める必要はない一方、入居後に困る原因や、説明できない施工範囲を残したまま募集へ進まないということです。
この実例から一般化できること、できないこと
| 他の物件でも判断軸にできること | この事例だけでは一般化できないこと |
|---|---|
| リフォーム前に床下・設備下など必要な範囲を確認する | すべての物件で約402万円かかるわけではない |
| 初動、家財撤去、確認、原状回復を一括で決めず段階ごとに判断する | すべての物件が約4カ月必要なわけではない |
| 孤独死後の復旧費と、今後の賃貸運用のための設備更新を分ける | 募集開始から3週間で決まる保証はない |
| 作業前後の写真・費用・判断経緯を残す | 保険等が259,000円補填されるとは限らない |
| 再募集へ進む前に、入居後に問題になりそうな箇所を確認する | 全設備更新が他の事故物件でも有利とは限らない |
孤独死物件の再生・再募集前確認に対応する地域
東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、孤独死後の室内確認、家財整理、原状回復前の確認、再募集へ進むための現場整理についてご相談を受けています。
東京都は23区・多摩地域、千葉県は千葉市・市川市・浦安市・船橋市・松戸市・柏市など、神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市など、埼玉県はさいたま市・川口市・戸田市・草加市・越谷市・八潮市などを中心に確認しています。
茨城県・栃木県・群馬県・山梨県は、所在地、建物条件、現地確認の必要性、作業内容、日程などを確認したうえで対応可否をご案内します。
今回のような集合住宅では、室内の状態だけでなく、管理会社との調整、設備下・排水経路の確認、工事期間、再募集予定まで合わせて整理します。
千葉県の孤独死物件再生実例でよくある質問
孤独死があった賃貸物件でも、最初から全面リフォームを決める必要はありません。まず現在の室内状態を確認し、残せる設備、確認が必要な箇所、今後の賃貸運用のために更新する範囲を分けます。
ご遺族やオーナー様が無理に室内へ入り、現場写真を撮る必要はありません。物件所在地、間取り、発見後の状況、管理会社から聞いている内容など、分かる範囲から相談できます。
受付時間 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容を確認後、順次ご案内します
株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。
日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。
東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。
東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ
株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。
事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。












