事故物件の告知義務|売買と賃貸で人の死をいつ伝える?

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事故物件買取コラム

不動産関連法律
2026.08.16

事故物件の告知義務|売買と賃貸で人の死をいつ伝える?

孤独死の告知はいつまで?

「孤独死があった部屋は、何年間告知すればいいですか?」

事故物件の相談では、この質問に「3年」とだけ答えてしまうと整理を誤ります。売買と賃貸では扱いが同じではなく、自然死かどうか、発見までの経過、特殊清掃等の有無、発生場所、買主・借主から質問されたかで確認すべきことが変わります。

先に結論|「3年だけ覚える」のは危険です

国土交通省ガイドラインの「概ね3年」は賃貸借取引の一部の事案に示された一般的な目安です。売買に同じ期間基準はありません。また、買主・借主から事案の有無を聞かれた場合などは、期間や死因にかかわらず、調査で判明した範囲を伝える必要があります。

この記事では、国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を基準に、居住用不動産で人の死があったとき、売主・貸主・管理会社・宅地建物取引業者が何を整理して取引へ進むかを説明します。

※本記事は一般的な整理です。個別の民事上の責任や告知義務の最終判断は、契約内容・事案の事情によって異なります。

国交省ガイドラインは「宅建業者の判断基準」です

国土交通省のガイドラインは、居住用不動産で過去に人の死があった場合に、宅地建物取引業者が宅地建物取引業法上どのように対応するかについて、裁判例や取引実務を踏まえて一般的な基準を整理したものです。

ガイドラインに沿えば、すべての民事上の責任まで自動的に決まるわけではありません。国土交通省も、実際の紛争では契約内容などに応じて個別に判断されるとしています。

まごのてが「この物件は告知不要です」と法的判断することはありません。 私たちが整理できるのは、いつ相談を受け、どこへどの作業を行い、特殊清掃等を実施したかという施工上の事実です。それを宅地建物取引業者や必要に応じて弁護士等へ渡し、取引上の判断材料にします。

国土交通省|「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」
本文と令和6年3月時点の最新版概要を確認できます。
孤独死があった部屋の告知義務とは

売買と賃貸を一枚で整理|原則と例外

実際の案件では、この表だけで結論を出さず、後述する例外まで確認してください。

事案 賃貸 売買
対象不動産での自然死・日常生活上の不慮の死
特殊清掃等なし
原則として告げなくてもよい 原則として告げなくてもよい
自然死等だが、特殊清掃等が行われた 原則、発覚から概ね3年が一つの目安。ただし例外あり 賃貸と同じ3年基準はない。個別に確認
自然死・日常生活上の不慮の死以外の死 原則、発生から概ね3年が一つの目安。ただし例外あり 賃貸と同じ3年基準はない。個別に確認
隣接住戸・日常使用しない共用部分での事案 原則として告げなくてもよい場合がある。社会的影響等が大きい場合は別 原則として告げなくてもよい場合がある。社会的影響等が大きい場合は別
買主・借主から事案の有無を質問された 経過期間・死因にかかわらず、判明した範囲を告げる 経過期間・死因にかかわらず、判明した範囲を告げる

自然死・日常生活上の不慮の死は、原則として告げなくてもよい

老衰や持病による病死などの自然死、階段からの転落、入浴中の溺水・転倒、食事中の誤嚥など日常生活の中で生じた不慮の死については、売買・賃貸とも、原則として告げなくてもよいとされています。

ただし、発見まで時間が経過し、室内に残った強いにおいや床・下地への影響などから、特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた場合は、買主・借主の判断へ影響する可能性があるとして、別の整理になります。

死因だけでなく、「発見後にどのような室内対応が必要になったか」まで分けて記録する。 ここが特殊清掃会社の施工記録と不動産取引がつながる部分です。

室内での自然死は告知不要

「概ね3年」は賃貸の一部事案の目安|起算点も同じではありません

国土交通省ガイドラインでは、賃貸借取引について、自然死等以外の死が発生した場合や、自然死等でも特殊清掃等が行われることとなった場合に「概ね3年」という一般的な目安を示しています。

前者は事案の発生から、後者は特殊清掃等が必要になった自然死等が発覚してから概ね3年が経過した後、特段の事情がなければ原則として告げなくてもよい、という整理です。

ただし、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は、この考え方から外れる場合があります。

「3年経ったから、以後は何を聞かれても答えなくてよい」という意味ではありません。 借主から事案の有無を直接聞かれた場合などは、別のルールを確認します。

孤独死の告知は何年続く? 再募集時の家賃設定を確認する 事故物件の家賃はいくら下げる?孤独死後の再募集で見る6項目 国交省ガイドラインの「概ね3年」は、家賃を3年間下げるルールではありません。通常賃料、告知、室内状態、競合、募集反応を分けて家賃を考えます。

売買には、賃貸と同じ「概ね3年」の線引きがありません

事故物件の告知で誤解されやすいのが、賃貸の3年基準を売買にもそのまま当てはめることです。

売買取引については、自然死等で原則告げなくてもよい場合などを示していますが、賃貸借取引と同じ「概ね3年経過後は原則告げなくてもよい」という期間基準は置かれていません。

そのため売却時は、「何年前か」だけではなく、事案の内容、発生場所、特殊清掃等の有無、周知性、買主の判断への影響などを整理します。

売買物件の告知義務期間

共用部や隣室での死亡事案は「どこで起きたか」を分けます

日常的に使う共用部分

共用玄関、エレベーター、廊下、階段、専用使用するベランダなど、買主・借主が日常生活で通常使用する必要がある部分は、一定の場合、取引対象の住戸と同様に扱われます。

隣接住戸・日常使用しない共用部分

隣接住戸や、日常生活で通常使用しない集合住宅の共用部分で起きた事案については、原則として告げなくてもよいと整理される場合があります。ただし、事件性、周知性、社会的影響等が特に高い場合は別です。

隣室の孤独死で自室へにおい・害虫の影響が出た場合
告知とは別に、被害を受けた入居者が何を記録し、管理会社へ何を確認するかを整理しています。

買主・借主から聞かれたら、期間だけを理由に回答を避けません

買主・借主から人の死に関する事案の有無を問われた場合、経過期間や死因に関わらず、調査を通じて判明した点を告げる必要があると整理されています。

社会的影響の大きさから、買主・借主が把握しておくべき特段の事情があると認識した場合なども同様です。

分からないことを推測して埋める必要はありません。売主・貸主・管理業者への照会で不明だった事項は、「不明」と伝える整理です。

告知期間が過ぎても聞かれれば答える義務がある

告げるときは「必要な事実」を伝え、故人の私生活まで広げません

伝える事項 実務上の整理
発生時期 特殊清掃等が行われた場合は、発覚時期を整理
場所 対象住戸、日常使用する共用部などを事実ベースで整理
死因の区分 自然死・自死・他殺・事故死等。不明なら不明とする
特殊清掃等の有無 実施した場合は、その事実を伝える

一方、亡くなった方の氏名、年齢、住所、家族構成、具体的な死の態様や発見状況まで告げる必要はないとされています。

必要以上に詳しく語ることが「丁寧な告知」ではありません。取引判断に必要な事実と、ご本人・ご遺族のプライバシーを分けることが重要です。

宅建業者は、ネット検索や近隣聞き込みを際限なく行うわけではありません

ガイドラインでは、宅地建物取引業者が媒介する場合、売主・貸主に対して告知書・物件状況等報告書などへ過去の事案を記載するよう求めることが、通常の情報収集としての調査方法とされています。

人の死を疑わせる特段の事情がなければ、周辺住民へ聞き込みをしたり、インターネット上の情報を自発的に探し続けたりする義務までは、原則として認められていません。

ただし、通常の情報収集の中で事案を知った場合や、告知書に記載がなくても事案の存在を疑う事情がある場合は、確認が必要です。

また、契約成立後から引渡しまでに人の死の事実を知った場合についても、告知義務があるとした裁判例があることがガイドラインで紹介されています。

不動産会社の物件調査はどこまでやる?

特殊清掃会社の役割は「告知する・しない」を決めることではなく、事実を残すこと

孤独死後の現場では、不動産取引の担当者が施工状況をすべて直接確認するとは限りません。だからこそ、施工側の記録が後の情報整理に役立ちます。

・依頼を受けた時点で共有された発見時期

・作業を行った住戸・箇所

・室内へ入れる状態を整える初動対応を行った事実

・床・下地・水回り等で確認した施工範囲

・家財撤去、清掃、消臭等の実施内容

・作業前後写真、見積書、作業報告書

ここから「売買では告知が必要」「賃貸なら不要」と施工会社側で結論を付けず、宅地建物取引業者へ事実を渡します。

特殊清掃業者の役目は記録である 施工記録を査定へ引き継ぐ 事故物件の査定前に何を伝える?不動産会社へ渡す資料と施工記録 物件資料、人の死について把握している事実、発見後の施工記録を3束に分け、不明な点は不明のまま査定担当者へ渡す方法を整理しています。

売却・再募集前に、5項目を同じ資料で確認します

確認項目 確認する資料・相手
1.取引は売買か賃貸か 媒介契約、募集方針、所有者・管理会社
2.いつ・どこで何があったか 売主・貸主、管理記録、告知書等
3.特殊清掃等が行われたか 施工会社の見積書・作業報告書・写真
4.共用部・隣接住戸への関係 管理会社・管理組合等が把握する範囲
5.相手方から質問されているか 内見・商談・申込時の質問記録

告知義務と、原状回復費・残置物・契約違反は別の問いです

事故物件の施工記録・原状回復前確認に対応する地域

株式会社まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、孤独死等があった物件について、室内の初動対応、家財整理、原状回復前の施工確認、作業報告書の整理をご相談いただけます。

東京都は23区・多摩地域、千葉県は千葉市・市川市・浦安市・船橋市・松戸市・柏市など、神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市など、埼玉県はさいたま市・川口市・戸田市・草加市・越谷市・八潮市などを中心に確認しています。

茨城県・栃木県・群馬県・山梨県は、所在地、建物条件、作業内容、管理会社との調整状況、日程などを確認したうえで対応可否をご案内します。

告知義務の最終判断や契約書作成の代理は行いません。施工上確認できた事実を整理し、宅地建物取引業者・管理会社・必要に応じて弁護士等へ渡せる資料を整えます。

事故物件の告知義務でよくある質問

賃貸なら、孤独死から3年経てば告知しなくてよいですか?
一律にそうとは言えません。国土交通省ガイドラインの「概ね3年」は、賃貸借取引で、自然死・日常生活上の不慮の死以外の死があった場合や、自然死等でも特殊清掃等が行われることとなった場合について示された一般的な目安です。事件性、周知性、社会的影響が特に高い事案は例外となり得ます。また、借主から事案の有無を質問された場合などは、期間や死因にかかわらず、調査で判明した範囲を告げる必要があります。
売買にも「3年」という告知期間がありますか?
国土交通省ガイドラインは、売買取引について賃貸借取引と同じ「概ね3年」の基準を設けていません。売買では、自然死等で原則告げなくてもよい場合を除き、買主の判断に重要な影響を及ぼすかを個別に整理します。具体的な案件は、宅地建物取引業者や必要に応じて弁護士等へ確認してください。
自然死なら、売買でも賃貸でも告知しなくてよいですか?
老衰や持病による病死などの自然死、日常生活上の不慮の死は、売買・賃貸とも原則として告げなくてもよいと整理されています。ただし、発見まで時間が経過し、特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた場合は別の扱いになります。また、買主・借主から質問された場合や、特段の事情がある場合も個別に確認が必要です。
特殊清掃会社の作業報告書で、告知義務の有無を判断できますか?
作業報告書は告知義務そのものを判断する書類ではありません。発見時期として共有された情報、作業場所、特殊清掃等を行った事実、施工範囲などを整理する資料にはなります。告知の要否は、取引形態、事案の内容、経過期間、周知性などを踏まえ、宅地建物取引業者や必要に応じて弁護士等が確認します。
買主や借主から「この部屋で人が亡くなったことがありますか」と聞かれたらどうしますか?
国土交通省ガイドラインでは、買主・借主から事案の有無について問われた場合は、経過期間や死因にかかわらず、調査を通じて判明した点を告げる必要があると整理されています。不明な事項は推測せず、不明である旨を伝えます。
告知判断の前に、現場で何をしたかを整理しておきたい方へ

孤独死等があった物件を売却・再募集するときは、死因や経過年数だけでなく、発見後にどの範囲へどの作業を行ったかも整理しておくと、不動産会社へ事実を伝えやすくなります。

まごのてでは法的な告知義務の判定や代理交渉は行いません。施工範囲、作業前後写真、見積書、作業報告書など、現場で確認できる情報を整理します。

ご遺族が無理に室内へ入る必要はありません。写真がなくても、発見時期、物件所在地、管理会社から聞いている内容など、分かる範囲から相談できます。

受付時間 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容を確認後、順次ご案内します

記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。

日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。

東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 創業15年・施工不能ゼロ 学術登壇実績あり
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孤独死・自殺・事故物件の特殊清掃について、現場の状況をそのままお話しください。対応可能かどうか、費用の目安も含めてご案内します。


事故物件の処分・リフォーム・再生について、宅建士として適正な選択肢をご提案します。売る・直す・貸すどの方向でも構いません、まずご相談ください。