ゴミ屋敷片付けコラム

ゴミ屋敷|法律関連
2026.08.30

ゴミ屋敷の補助金はある?自治体支援と自費の見分け方

ゴミ屋敷の補助金はある?

「ゴミ屋敷の片付けに補助金はないのか」「役所へ相談すれば費用を出してもらえるのか」。片付け費用を調べると、この疑問に行き着く方は少なくありません。

結論からいうと、ゴミ屋敷の片付け費用を全国共通で一律に支給する補助金があるわけではありません。一方で、自治体によってはごみ屋敷対策として直接支援を行ったり、空き家の家財整理に補助金を設けたりしています。

大切なのは、「補助金」という一語で探し続けるのではなく、何を対象に、誰が実施し、誰に費用が支払われ、いつ申請する制度なのかを分けて確認することです。この記事では、2026年8月30日時点で確認できる公的資料をもとに、自治体支援と自費片付けの境界を整理します。

結論|「補助金があるか」より、制度の種類を先に分けます

ネット上では、自治体の直接支援、空き家対策の補助金、福祉相談、貸付制度などが、まとめて「ゴミ屋敷の補助金」と紹介されることがあります。しかし、制度の目的もお金の流れも同じではありません。

見つかった制度・支援 主な目的 お金・作業の流れ 先に確認すること
ごみ屋敷対策の直接支援 不良な生活環境の解消、再発防止 自治体が片付け・排出支援等を直接行う場合がある 対象状態、本人同意、経済状況、審査等
空き家の家財整理補助 空き家の利活用・早期解消 対象者へ補助金を交付する制度がある 空き家要件、所有者要件、補助対象費用、申請時期
福祉制度への接続 生活困窮、高齢、介護等の生活課題への支援 相談・情報提供・既存制度の案内等 片付け代の支給制度かどうかを分ける
民間の自費片付け 期限・生活再開・退去等に必要な作業を実施 依頼者が契約した作業範囲を負担 物量、残す物、搬出、清掃、期限

同じ自治体でも、制度の対象者と民間作業の利用者は一致しません。まず制度の種類を分けると、「役所に相談したのに片付けてもらえなかった」「補助金だと思ったら現金給付ではなかった」という認識違いを減らせます。

全国を見ると「支援」の中身は自治体ごとに違います

環境省が公表している「ごみ屋敷」対策の取組事例では、ごみ屋敷事案への対応を目的とした条例等を「制定済み」と回答した90市区町村のうち、行政機関による措置として「支援」を規定していると回答したのは25市区町村です。

しかも、その25市区町村の支援内容は一つではありません。廃棄物の収集・運搬・処分の支援、経済的な支援、生活保護や介護保険の案内、地域住民による片付け支援、清掃用品等の支給など、自治体ごとに異なる例が示されています。

全国の自治体対応を確認する環境省|「ごみ屋敷」対策に関する取組事例条例等の制定状況と、自治体が規定する「支援」の具体例を確認できます。
自治体の制度資料を並べて対象条件を確認する様子
自治体の制度資料では、「補助金」「支援」「排出支援」「家財整理補助」など名称が異なります。制度名だけで判断せず、対象者・実施主体・費用負担・申請時期まで確認します。

「支援がある自治体=片付け代を現金でもらえる自治体」ではありません。ここが補助金検索で最初に分けたい点です。

足立区の例|上限100万円は現金給付ではなく「区が直接行う支援」

足立区は、「足立区生活環境の保全に関する条例」に基づくごみ屋敷対策で支援制度を設けています。公式案内では、一定の条件を満たす場合に、費用100万円を上限として区が直接片付け等を行う「支援」があると説明されています。

足立区で支援を検討する3つの条件
1. 所有者等が改善に同意している
2. 改善のための費用負担が困難である
3. 生活環境保全審議会が支援を必要と認める

令和8年3月末時点の資料では、直接支援の限度は1世帯につき1回、1種目50万円、合計100万円です。支援種目には、雑草の除去、樹木の剪定・伐採・処分、廃棄物の処分等が示されています。

足立区の制度を確認する足立区|ごみ屋敷対策事業直接支援の条件、協力団体への謝礼金、解決事例などを確認できます。足立区の制度を詳しく読む足立区のゴミ屋敷片付け|上限100万円の「支援」と自費作業の分け方100万円の支援と現金給付の違い、支援条件、自費作業との境界を詳しく整理しています。

したがって、「足立区なら片付け見積もり100万円まで後から補助される」と考えて業者へ発注するのは危険です。区が判断する支援の対象と、個人が民間業者へ依頼する自費作業は別に確認します。

横浜市の例|本人の同意と状態確認を前提に「ごみの排出支援」

横浜市も、いわゆる「ごみ屋敷」対策条例に基づき支援を行っています。横浜市の公式案内では、近隣の生活環境が損なわれ、本人・親族のみではごみの撤去が困難な場合、本人の同意の上で市がごみの排出支援を行うとしています。

横浜市の排出支援で読み落としたくない点
・条例で定める不良な生活環境に該当するか確認される
・本人や親族だけで撤去できるかが確認される
・市が排出支援する場合も本人の同意が前提
・一般的な引越しや遺品整理の一時多量ごみとは別に案内されている
横浜市の制度を確認する横浜市|不良な生活環境の解消・発生防止ごみの排出支援、調査、指導・勧告・命令等の位置づけを確認できます。

横浜市の制度も、「申請すれば室内片付け費が振り込まれる」という補助金ではありません。自治体が状態を確認し、支援の必要性と方法を判断する仕組みとして読みます。

条例があっても補助とは限りません|郡山市は室内堆積物を対象外

自治体に「ごみ屋敷条例」があることと、片付け費用の補助制度があることも同じではありません。郡山市の公式案内では、ごみ屋敷条例の対象を居住・使用する建物の敷地とし、建物内のごみ等の堆積物は対象外としています。

また、指導等でも改善されず行政代執行に至った場合、その費用は本人へ請求すると説明しています。つまり、「条例があるから行政が無料で片付けてくれる」とは読めません。

条例の対象範囲を確認する郡山市|ごみ屋敷対策の条例条例が対象とする場所、行政代執行、費用負担を確認できます。

自分の自治体を調べるときは、条例の有無ではなく、その条例に「支援」が規定されているか、室内が対象か、費用負担はどうなるかまで確認してください。

空き家なら別の補助制度が見つかることがあります|東京都の例

「ゴミ屋敷 補助金」で検索すると、空き家の残置物や家財整理に対する補助制度が見つかることがあります。これは、ごみ屋敷対策条例による支援とは別の制度です。

東京都の「空き家家財整理・解体促進事業」では、東京都空き家ワンストップ相談窓口に相談し、都内の空き家の家財整理を実施する空き家所有者を対象に、家財整理費用の2分の1・上限5万円を補助すると案内しています。

空き家の室内に家財が残っている状態
居住者がいるゴミ屋敷と、空き家に残った家財の整理は、使える制度が同じとは限りません。空き家向け制度は、対象物件・所有者・利用目的・申請時期を確認してから利用します。
空き家向け補助制度を確認する東京都住宅政策本部|空き家家財整理・解体促進事業対象者、補助対象となる家財整理、補助率・上限額を確認できます。

この制度があるからといって、現在人が住んでいるゴミ屋敷の片付け費用に使えるとは限りません。物件が制度上の「空き家」に該当するかを先に確認します。

役所へ聞くときは「補助金ありますか?」だけで終わらせない

自治体の担当窓口へ「ゴミ屋敷の補助金はありますか」とだけ聞くと、制度名が違うため「ありません」と案内される可能性があります。ごみ屋敷対策では、「支援」「排出支援」「不良な生活環境」「空き家家財整理」など別の名称が使われるからです。

自治体へ確認する6項目
1. 居住中のごみ屋敷を対象にした条例・要綱・支援はあるか
2. 空き家の家財整理を対象にした補助制度はあるか
3. 支援は現金給付か、自治体による直接実施か
4. 対象になる生活環境・所得・本人同意等の条件は何か
5. 契約や作業開始の前に申請・相談が必要か
6. 分別・搬出・処分・清掃のうち、どこまでが対象費用か
行政相談と民間作業を分けるゴミ屋敷は役所で片付く?行政の支援と民間業者の作業範囲役所・地域包括支援センター等への相談と、民間業者が実際に行う分別・搬出・清掃の役割を整理しています。

制度名が分からなくても、「ごみ屋敷状態で、費用負担が難しい。直接支援や排出支援、空き家家財整理の制度があるか」と状況と制度種別を分けて聞くと確認しやすくなります。

制度を使いたいなら、民間業者との契約前に申請時期を確認します

補助制度や支援制度には、事前相談・事前申請を前提とするものがあります。先に民間業者へ正式発注し、作業が終わった後に領収書を持って役所へ行けば必ず対象になる、とは考えない方が安全です。

契約前に確認する項目 なぜ必要か
申請・相談のタイミング 着手前の申請が条件なら、作業後では対象外になる可能性がある
申請できる人 本人、所有者、相続人など制度ごとに異なる
対象物件 居住中、空き家、敷地、屋内など対象範囲が異なる
対象となる費用 処分費、家財整理費、運搬費、清掃費など全項目が対象とは限らない
業者の条件 指定業者、許可業者、見積書の取得等が求められる場合がある
支払い方法 本人への補助、自治体の直接実施、業者への支払いなど仕組みが異なる

制度を利用したいことを民間業者にも先に伝え、自治体への確認が終わるまで契約範囲を確定しないという進め方もできます。

制度対象外でも「家全部を一度に自費」で考える必要はありません

自治体へ確認した結果、制度の対象外だったとしても、その時点で「家全部を一度に自費で空にする」しかないわけではありません。片付けの目的によって必要な範囲を切り分けられます。

自費作業は目的から範囲を決めます
・住み続ける → 玄関、寝床、トイレ、水回りなど生活動線を優先
・退去する → 退去日から逆算し、残置物撤去と清掃範囲を確定
・点検を受ける → 点検箇所までの動線と設備周辺を先に確保
・売却する → 家財撤去後に残す設備・清掃・補修の範囲を分ける
ゴミ屋敷の室内で必要な生活動線だけを先に確保した状態
制度の対象外でも、家全体を一度に片付けるとは限りません。退去・生活再開・点検・売却など目的を先に決め、必要な部屋・動線・水回りに範囲を絞って見積もります。
自費作業の費用と範囲を確認する部屋の片付け・ゴミ屋敷片付け|サービス・料金間取りだけで決めず、物量・残す物・搬出条件・清掃範囲で料金を確認できます。

支援制度の対象条件と、実際に必要な作業範囲は別の話です。制度が使えないことを理由に、不要な範囲まで一括契約する必要はありません。

退去日・点検日が近いなら、制度確認と期限対応を並行します

補助や支援の確認に時間が必要な一方で、賃貸の退去日、消防設備点検、排水管清掃、管理会社の確認日などは動かせないことがあります。制度の返答を待つ間に期限を過ぎると、別の問題が発生します。

そのため、期限がある場合は「制度で対応できる範囲」と「期限までに自費でも必要な範囲」を並行して確認します。制度が使えるか未確定の段階で、全作業を先に契約するという意味ではありません。

期限が決まっているとき退去日・点検日が近いゴミ屋敷片付け|期限から逆算する相談手順期限までに必要な作業と、後日に回せる作業を分ける考え方を整理しています。

自治体へは「いつまでに判断が出るか」、片付け業者へは「期限までに最低限どこまで戻す必要があるか」をそれぞれ確認すると、制度待ちと現場対応を混同しにくくなります。

対応地域|自治体制度を確認したうえで、自費部分の作業範囲を分けます

まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、ゴミ屋敷片付けのご相談を受けています。自治体の支援制度を利用したい場合は、制度の対象可否をまごのてが決めるのではなく、自治体へ確認する項目と、自費で必要になる作業範囲を分けて整理します。

東京都
23区・多摩地域。区市町村のごみ屋敷支援と、東京都の空き家向け制度を混同せず確認します。
千葉県
市川・浦安・船橋・松戸・千葉市ほか。自治体独自制度の有無と申請時期を個別に確認します。
神奈川県
横浜・川崎・相模原ほか。横浜市の排出支援など、自治体ごとの対象条件を確認します。
埼玉県
川口・草加・八潮・三郷・さいたま市ほか。制度の有無だけでなく、室内が対象かも確認します。

制度利用を前提にする場合は、自治体への確認前に作業を開始してよいかも含めてご相談ください。

よくある質問

ゴミ屋敷の補助金・自治体支援について、よくある質問をまとめます。

Q1. ゴミ屋敷の片付けに全国共通で使える補助金はありますか?
A. 全国共通で、ゴミ屋敷の片付け費用を一律に支給する制度があるわけではありません。自治体によって、ごみ屋敷対策の直接支援、空き家の家財整理補助、福祉制度への接続など内容が異なります。自治体名と制度名を確認してください。
Q2. 足立区では100万円の補助金を受け取れますか?
A. 足立区の制度は、条件を満たした場合に区が直接片付け等を行う支援で、申請者へ現金100万円を一律に渡す制度ではありません。所有者等の同意、費用負担が困難であること、審議会が必要と認めることなどの条件があります。
Q3. 横浜市ではゴミ屋敷の片付けを行政に頼めますか?
A. 横浜市は、近隣の生活環境が損なわれ、本人や親族だけでは撤去が困難な場合などに、本人の同意の上でごみの排出支援を行う仕組みを設けています。一般的な引越しや退去の片付けを無条件で市が負担する制度ではありません。
Q4. 東京都の空き家家財整理補助は、住んでいるゴミ屋敷にも使えますか?
A. 東京都の空き家家財整理・解体促進事業は、東京都空き家ワンストップ相談窓口に相談した都内空き家の所有者が対象です。居住中のゴミ屋敷へそのまま適用できる制度ではないため、物件が制度上の空き家に該当するかを確認してください。
Q5. 補助や支援を使いたい場合、業者へ先に依頼しても大丈夫ですか?
A. 制度によって申請時期や事前相談、対象となる費用が異なります。契約や作業開始後では対象にならない可能性もあるため、業者へ正式発注する前に自治体へ申請時期と対象費用を確認するのが安全です。
Q6. 制度の対象外だった場合は、家全体を自費で片付けるしかありませんか?
A. 必ずしも家全体を一度に片付ける必要はありません。退去、点検、生活再開、売却など目的を決め、必要な部屋・動線・水回りなどに範囲を絞って見積もる方法があります。制度対象外と作業範囲は別に考えてください。

制度は改定・終了することがあります。実際に利用する時点で、自治体の公式ページまたは担当窓口へ最新条件を確認してください。

「役所の支援を使えるか知りたいが、どこまで業者へ頼めばよいか分からない」「制度の回答を待っているが、退去日が近い」という段階でもご相談いただけます。

まごのてでは、自治体制度の対象可否を代わりに決定するのではなく、自治体へ確認すべき項目と、現場で必要な分別・搬出・清掃・期限対応を分けて整理します。

制度確認中でも、必要な作業範囲を整理できます

自治体名、居住中か空き家か、退去・点検などの期限、現在分かっている制度名があればお知らせください。制度の対象外となる部分も含め、見積もり範囲を分けてご案内します。

電話受付 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容を確認後、順次ご案内します

記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。

日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。

東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 創業15年・施工不能ゼロ 学術登壇実績あり
  • instagram
  • youtube

ゴミ屋敷の状態がどれだけひどくても、お断りした現場は15年間一度もありません。恥ずかしがらず、現状をそのままお話しください。