ゴミ屋敷片付けコラム

業者の選び方
2026.09.09

1K1万5千円のゴミ屋敷片付け|その価格は成立する?

1K1万5千円のゴミ屋敷片付けは可能?激安の裏側
価格ではなく、信用の話です

「1K 15,000円~」。通常のゴミ屋敷片付けとして、私たちはこの価格が成立するとは考えていません。

まごのてで1万5千円でできるとすれば、現地調査、ごく近所でゴミ袋を数袋回収する、小型家具を1~2点搬出する程度です。人を複数名動かし、分別し、搬出し、車両へ積み、家庭ごみを適正なルートへ渡し、必要に応じて清掃まで行う「1Kのゴミ屋敷片付け」を1万5千円で完了する仕事はありません。

だから、この記事で問うのは「どの工程が削られるか」ではありません。そもそも、その入口価格を通常のゴミ屋敷片付けの価格として受け取ってよいのかです。

広告は、その会社がお客様にする最初の説明です。最初の説明に現実性がないなら、私たちはその会社を自宅へ入れる候補にはしません。

この記事の結論
常識的に成立しない価格に、一縷の望みを託して問い合わせる必要はありません。 「もしかしたら15,000円でやってくれるかも」ではなく、15,000円で実際に完了した1Kの施工事例と、その条件を確認してください。

1K15,000円と書くなら、15,000円で終わった1Kを見せてください

「1K 15,000円~」という表示を見たら、最初に聞くことは一つです。

「15,000円で実際に完了した1Kのゴミ屋敷を見せてください」

物量、人数、作業時間、車両、処理量、仕分けの有無、清掃範囲、最終支払額まで分かれば、その15,000円が比較可能な価格なのか判断できます。

実際には、15,000円という表示について問い合わせると「基本料金です」「最低料金です」「作業費は別です」など、広告を見たときの受け取り方とは異なる説明になるケースがあります。すべての業者が同じとは言いません。しかし、通常のゴミ屋敷片付けの総額ではない数字を、あたかも1Kの片付け価格のように大きく見せる表示を、私たちは信用しません。

「基本料金です」は、利用者が知りたい答えではありません
知りたいのは「基本料金はいくらか」ではなく、「自分の部屋を必要な状態まで終わらせると最終的にいくらか」です。最低料金を広告するなら、最低料金で終わる具体的な条件まで同じ大きさで説明してほしい。私たちはそう考えています。
1K15,000円は「何の料金」なのかを確認する 表示価格・基本料金・作業料金・追加条件の読み方は、料金表示の記事で分けて整理しています。

1万5千円で何ができる?人を1人動かすだけでも原価は発生します

東京都の最低賃金は、2026年10月1日から時間額1,280円になりました(それまでは1,226円)。8時間働けば10,240円。最低賃金だけでも、1人あたり約1万円です。これは会社が実際に負担する総人件費ではありません。社会保険、移動時間、教育、管理、車両、燃料、資材などは別にかかります。

また、国土交通省が2026年3月から適用している公共工事設計労務単価は、全国全職種加重平均で1日25,834円、東京の普通作業員は1日27,000円です。これはゴミ屋敷片付け業者の人件費そのものではありませんが、人を現場へ動かす労務費が「数千円で済む時代ではない」ことを見る参考にはなります。国土交通省も、この単価には事業主負担の法定福利費や一般管理費などの諸経費が含まれていないと明記しています。

参考にする数字 2026年時点 この記事での意味
東京都最低賃金 1,280円/時
(2026年10月1日から)
1人を1日動かす賃金だけでも約1万円になる
公共工事設計労務単価 全国全職種加重平均 25,834円/日
東京・普通作業員 27,000円/日
現場労務の参考値。諸経費は別
2tトラックの運賃 関東の標準的な運賃
4時間 23,440円~8時間 39,060円
処分場まで運ぶだけでかかる。駐車場代・高速代は別
1K15,000円広告 1万5千円 人件費以外に車両・燃料・処理・資材まで必要な通常施工としては、当社では成立しない
「1万5千円で何ができる?」と常識的に考えてください

ゴミ屋敷片付けは、人だけが来る仕事ではありません。車両、燃料、袋や養生材、分別、積込、処理、事務、保険、安全管理が必要です。数字を見た瞬間に「なぜこの金額で成立するのか」を考えるだけで、避けられる業者選びがあります。

賃金(27,000円)+2tトラック4時間(23,440円)=処分費の前で50,440円

15,000円では、事業として成り立ちません。つまり、はじめからその金額で終わらせるつもりがない、ということです。

参考:東京労働局|東京都最低賃金

参考:国土交通省|令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価/国土交通省告示「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃」(関東)

作業員が作業前準備をしている写真

最初に重くなるのは「探す・残す・保留する」の時間

現場で最も時間を使う工程の一つが、残す物・処分する物・保留する物を分ける作業です。

通帳、印鑑、契約書、薬、鍵、写真、仕事の資料などは、ゴミ袋の外側を見ただけでは判断できません。依頼者が「これは残したい」と迷えば、スタッフは手を止めて確認します。

安値モデルから見ると、確認の時間はコストになる

仮に作業時間を極端に短くすることだけを目標にすれば、袋を開ける、依頼者へ確認する、保留箱を作るといった工程は効率を下げます。だから料金を比較するときは、「仕分け込み」という言葉だけではなく、残す物を誰がどう確認するのかまで聞く必要があります。

ゴミ屋敷片付けの仕分け工程に関する現場写真
現行記事で仕分け・探索工程の説明に使用している現場写真です。写真だけで実際に探索を省いた現場だとは判断せず、ここでは「確認に時間がかかる工程」を説明する資料として配置します。
聞くことは一つです
「残す物・探す物・判断できない物は、作業中にどう扱いますか?」。この質問への答えが具体的なら、料金表には出ない仕分け工程が見えてきます。

次に見えなくなるのは、玄関から車両までの工程

部屋の中だけを見れば、スタッフが物を持ってトラックへ運べば終わるように見えます。しかし集合住宅では、玄関から車両までの距離、エレベーター、階段、廊下、壁、床、管理会社との取り決めなどが作業条件になります。

急いで搬出件数を増やすモデルでは、養生資材を準備する時間、共用部を汚さないように運ぶ時間、車両までの往復時間はすべてコストです。

ゴミ屋敷片付けの搬出工程に関する現場写真
現行記事で搬出時の保護・養生工程を説明するために使われている写真です。料金比較では、室内作業だけでなく玄関から車両までの工程も確認します。
見えにくい工程 実際に必要になること 先に確認すること
室内の仕分け 残す物・処分する物・保留品の確認 「仕分け込み」の中身
共用部 養生、汚れや液だれへの配慮、管理会社条件 養生の有無と範囲
搬出 階段・EV・長い横持ち・駐車位置 追加条件になる場所
車両 積載量、往復、人員 車両費・追加便の条件

ゴミを出した時点を完了にすると、清掃は外へ出せます

もう一つ大きいのが、ゴミを出した後です。契約が撤去までなら、床や水回りに汚れが残っていても、契約上はそこで終了することがあります。

これは撤去だけの契約が悪いという意味ではありません。問題は、依頼者が「片付けを頼んだのだから、部屋として使える状態まで含まれる」と思っているのに、業者側は「ゴミを外へ出すところまで」と考えている場合です。

ゴミ撤去後に床の状態を確認する現場写真
ゴミを運び出した後に床の状態が見えるようになった場面。撤去後に何を確認し、どこまで清掃する契約なのかは、料金と別に確認したいポイントです。
安値で最も見落としやすいのは「完了の定義」
撤去完了なのか、簡易清掃までなのか、水回りまでなのか。価格を比べる前に「作業が終わったとき、部屋はどの状態になっていますか」と聞くと、サービスの違いが見えます。
ゴミ撤去後の床・水回り・においはどこまで確認する? 撤去後の清掃範囲は別記事で詳しく整理しています。
業者を自宅へ入れる前に、作業範囲と追加条件を整理する

写真・間取り・期限など、分かる範囲の情報から「何をするか」「何をしないか」を先に確認できます。

受付時間 6:30~21:00|休業日あり|LINEは内容確認後に順次ご案内します

削った工程は消えず、作業後に依頼者へ戻ってきます

安値のために工程を外したとしても、必要だった作業そのものが消えるわけではありません。作業後に依頼者側へ戻ってきます。

前で削った工程 後で依頼者に戻りやすい負担
探す・残す確認を短縮 必要な物を残せたか自分で確認する負担が残る
共用部配慮を契約外にする 管理会社や近隣への確認が依頼者側に残る
撤去だけで終了 床・水回り・においの清掃を別に手配する
追加条件を後で説明 現場で金額を見て判断することになり、比較する時間が減る

つまり安いか高いかは、請求書の総額だけでは測れません。その金額で誰がどこまでやり、作業後に何が残るのかまで見て、初めて比較できます。

公的機関も「広告と実際の請求・サービスのズレ」を注意しています

この論点は、単なる業界批判ではありません。公的機関も、広告表示と実際の料金・サービス内容のズレについて注意喚起しています。

消費者庁が公表した注意喚起
消費者庁は2022年、不用品・粗大ごみ回収サービスで「定額パック」「追加費用なし」等の表示を見た消費者が、サイトに表示されていなかった処分費用等を請求された相談が多数寄せられていたとして、特定事業者の虚偽・誇大な広告・表示について注意喚起しました。これはゴミ屋敷片付け業者全体が同じだという意味ではありません。

消費者庁の注意喚起を確認する
国民生活センターの相談事例
国民生活センターも、安価な定額パックの広告を見て依頼した後、作業終了時に高額な料金を請求された事例などを公表しています。広告の価格だけではなく、作業内容・追加料金・キャンセル料を事前に確認するよう案内しています。

国民生活センターの注意喚起を確認する

まごのてがここから読み取るのは、「安い会社は全部避ける」ということではありません。広告で受け取る印象と、契約後の作業範囲・総額を一致させられる会社かを見る必要がある、ということです。

15,000円に期待する前に、この6つを確認してください

価格を見た後、問い合わせる前に次の項目だけ確認してください。

・その金額で室内へ入って仕分けするのか
・残す物・探す物・判断できない物をどう扱うのか
・玄関から車両までの搬出・養生は含まれるのか
・処分費・車両費・人員費はどこまで含まれるのか
・作業後の床・水回りの清掃は含まれるのか
・写真確認後・現地確認後・作業開始後に金額が変わる条件は何か
「一式」より、「する・しない」を聞く
見積書に細かい専門用語が並んでいても、依頼者が知りたいのは実際の作業です。「これはしますか」「これはしませんか」を一つずつ確認すると、同じ1Kでもサービス内容の差が見えます。
知らない業者を自宅へ入れる前に、まずオンラインで整理する 写真とヒアリングで作業範囲・概算・追加条件を先に整理する考え方はこちらです。

入口で信用できない会社を、自宅へ入れる必要はありません

ゴミ屋敷片付けは、通販で商品を買うのとは違います。業者が玄関を越え、生活空間の奥まで入ります。通帳、印鑑、薬、契約書、衣類、写真、パソコン、仕事の資料など、家族以外には見せていない物がある空間です。

嘘や誇張を疑う入口なら、接触しない。入室させない。

これは「高い会社を選べ」という話ではありません。最初の広告説明を信用できない会社へ、自宅の中だけは誠実に作業してくれるかもしれない、と期待する必要がないという話です。

私たちは、通常のゴミ屋敷片付けとして成立しない価格を、あたかも依頼可能な総額のように受け取らせる表示を信用しません。特定の会社について「必ず虚偽だ」と断定するためではありません。利用者側が、現実性のない数字に一縷の望みを託して連絡する必要はないと伝えるためです。

「もしかしたら本当に15,000円かも」と思わない
その期待があるから問い合わせ、現地訪問、見積もり、契約へ進みます。常識的な原価を考えて成立しないなら、そこで候補から外して構いません。業者選びは、疑わしい会社を最後まで検証する試験ではありません。
広告は、その会社がお客様にする最初の説明です
最初の説明で現実性のある価格条件を示せるか。問い合わせ前に、最低価格で終わる条件を説明しているか。これだけでも、自宅へ入れる会社をかなり絞れます。
ゴミ屋敷片付け業者は、完成形を決めてから選ぶ 会社名や価格を見る前に、作業後にどんな状態にしたいかを決める考え方はこちらです。

結論|「1K15,000円」に例外を期待しない。常識的に判断すればよい

人を動かし、車を出し、分別し、搬出し、適正な処理ルートへ渡し、必要なら清掃する。それがゴミ屋敷片付けです。

本当に1万5千円で1Kのゴミ屋敷を完了できるなら、15,000円で終わった施工事例を、物量・人数・時間・車両・作業範囲・最終支払額付きで見せれば済みます。

その根拠が見えないなら、「もしかしたら自分だけは15,000円で済むかもしれない」と期待する必要はありません。

入口の説明を信用できない会社には、接触しない。自宅へ入れない。 これは高い業者を勧めるためではなく、常識的な業者選びをするための最低限の線引きです。

対応地域と、見積もり前に伝えてほしい建物条件

まごのてでは、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に、ゴミ屋敷片付けの相談を受けています。茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の一部地域は、条件を確認したうえで対応可否をご案内します。

対応可否は地域名だけでなく、建物の階数、エレベーター、駐車位置、玄関から車両までの搬出導線、管理会社との確認事項、退去日・点検日などでも変わります。料金を比較するときも、この条件を先に伝えると作業範囲を揃えやすくなります。

よくある質問

Q.1K15,000円と書いている業者は避けた方がよいですか?
まごのてでは、通常の1Kゴミ屋敷片付けを1万5千円で完了できる仕事はありません。少量回収や小型家具の搬出など限定作業なら1万5千円前後になる可能性はありますが、それを「1Kのゴミ屋敷片付け」の入口価格として見るなら、15,000円で実際に完了した条件と施工事例を確認してください。確認できない場合は、当社なら候補から外します。
Q.「15,000円は基本料金です」と言われました。問題ですか?
基本料金という料金体系自体を問題にしているわけではありません。問題は、広告を見た利用者が「1Kの片付けが15,000円程度」と受け取りやすいのに、実際には作業費・処理費・車両費などが別で総額が大きく異なる場合です。問い合わせ前に、最低価格で終わる具体的条件が明示されているかを確認してください。
Q.15,000円で実際にできるのはどの程度ですか?
まごのての料金感では、現地調査、ごく近距離でゴミ袋を数袋回収する、小型家具を1~2点搬出する程度です。通常のゴミ屋敷片付けとして人員・車両・分別・搬出・処理まで行う価格ではありません。
Q.広告より高い金額を現地で提示されたらどうすればよいですか?
作業を始める前に、金額が変わった理由、追加された作業、キャンセル条件を確認してください。納得できなければその場で契約する必要はありません。広告等の表示額と実際の請求額が大きく異なる場合など、必要に応じて消費生活センター等へ相談してください。
Q.結局、安い業者を探すときに何を見ればよいですか?
最低価格ではなく、その価格で実際に完了した施工事例、作業範囲、人数、時間、車両、処理量、最終支払額を見てください。同じ仕事を本当に安くできる会社なら有力な候補です。最低価格だけが安く、総額条件が見えない会社は比較対象から外して構いません。

入口価格ではなく、現実的な総額条件を整理したい方へ

「15,000円~」ではなく、あなたの部屋の条件から総額を考えたい方へ

写真・間取り・物量・期限・残す物・階段やエレベーター・駐車位置など、分かる範囲をお伝えください。入口価格ではなく、実際に必要な作業と完成状態から条件を整理します。

受付時間 6:30~21:00|休業日あり
LINEは内容を確認後、順次ご案内します。
記事執筆:

株式会社まごのて 代表取締役
佐々木久史

主に特殊清掃技術の開発や現場指導に注力しています。
孤独死・自殺・ゴミ屋敷・事故物件など、他社が断るような現場でも創業以来施工不能となった現場は一つもありません。

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格((東京)第277343号)を保有しており、清掃・消臭の技術判断と「どう再生すれば資産価値を回復できるか」の不動産判断を同時に行える点が他の特殊清掃業者との最大の違いです。

日本在宅医学会・高齢者虐待防止学会での登壇実績、各行政区のゴミ屋敷条例意見交換会への出席など学術・行政の両面から現場の専門家としての地位を確立しています。

東邦大学保健衛生学部・岸恵美子教授(セルフネグレクト・ ゴミ屋敷研究の第一人者)と、現場データの共同研究を継続。 複数の学術論文に共同執筆者として名前が掲載されており、 現場実務者として学術分野での評価も確立しています。

東洋経済:ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生
理念と経営:逆境の時ほど爪を研げ

株式会社まごのて
東京都江戸川区北葛西3-5-6
インボイス適格事業者登録番号:T1011701018023
宅地建物取引業:東京都知事(1) 109168
産業廃棄物収集運搬業:01300191644(株式会社MG)
宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 創業15年・施工不能ゼロ 学術登壇実績あり
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ゴミ屋敷の状態がどれだけひどくても、お断りした現場は15年間一度もありません。恥ずかしがらず、現状をそのままお話しください。